Step1
1 波の干渉
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「波の干渉条件」です。波の基本的な性質である「重ね合わせの原理」と、それがどのように干渉現象(強め合い・弱め合い)につながるかを理解することが目的です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 重ね合わせの原理: 2つの波が重なるとき、合成波の変位はそれぞれの波の変位の和になること。
- 干渉: 波が重なり合って、場所によって強め合ったり弱め合ったりする現象。
- 経路差: 2つの波源から観測点までの距離の差。これが波の干渉条件を決定します。
- 同位相と逆位相: 波源の振動のタイミングが揃っているか(同位相)、逆になっているか(逆位相)で条件式が変わります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、波の干渉という現象の定義を確認し、用語を答えます。
- 次に、2つの波源からの距離の差(経路差)が、波の山と山(または山と谷)の重なりにどう関係するかを数式で整理します。
- 最後に、問題文の指定にある「半波長の何倍か」という表現に合わせて条件式を変形し、空欄を埋めます。
思考の道筋とポイント
波の干渉は、2つの波が重なったときに、お互いの変位を足し合わせることで起こります。
- 用語の確認: 複数の波が重なり合って強弱が生じる現象そのものの名前を思い出します。
- 強め合いの条件: 「山と山」、あるいは「谷と谷」が出会う条件です。これは、2つの波が進んできた距離の差(経路差)が、波長 \(\lambda\) の整数倍であれば、波の形がぴったり重なることを意味します。
- 弱め合いの条件: 「山と谷」が出会う条件です。これは、経路差が波長の整数倍から「半波長」だけずれていることを意味します。
- 表現の変換: 一般的な条件式(波長 \(\lambda\) を基準)を、問題文の要求(半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) を基準)に合わせて書き換えます。
この設問における重要なポイント
- 波源の位相: 問題文に「同位相で振動する」とあるのが非常に重要です。もし逆位相であれば、強め合いと弱め合いの条件が逆転します。
- 半波長という単位: 通常、干渉条件は「波長 \(\lambda\) の整数倍」などで覚えますが、この問題では「半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) の何倍か」と問われています。数式の形を柔軟に変形する力が試されます。
具体的な解説と立式
(1) 現象の名称
複数の波が重なり合うとき、重ね合わせの原理により、ある点では振幅が大きくなり(強め合い)、ある点では振幅が小さくなる(弱め合い)現象が起きます。これを波の干渉といいます。
(2), (3) 干渉条件の導出
波長を \(\lambda\) とします。同位相で振動する2つの波源 \(S_1, S_2\) から、点 \(P\) までの距離をそれぞれ \(l_1, l_2\) とします。このとき、経路差は \(|l_1 – l_2|\) です。
強め合う条件(同位相の波源)
2つの波が点 \(P\) で強め合うためには、波の山と山、または谷と谷が同時に到着する必要があります。これは、経路差が波長 \(\lambda\) の整数倍(\(0\) も含む)であるときです。整数を \(m\) (\(m = 0, 1, 2, \dots\))とすると、条件式は次のように表されます。
$$ |l_1 – l_2| = m\lambda $$
問題文では「半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) の何倍か」を問われているため、この式を \(\frac{\lambda}{2}\) を使って無理やり変形します。
$$ |l_1 – l_2| = 2m \cdot \frac{\lambda}{2} $$
ここで、\(2m\) は必ず偶数となります。
弱め合う条件(同位相の波源)
2つの波が点 \(P\) で弱め合うためには、波の山と谷が同時に到着する必要があります。これは、経路差が波長の整数倍から、さらに半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) だけずれているときです。
$$ |l_1 – l_2| = \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda $$
同様に、これを \(\frac{\lambda}{2}\) をくくり出して変形します。
使用した物理公式
- 波の干渉条件(同位相の波源):
- 強め合い: \(|l_1 – l_2| = m\lambda\)
- 弱め合い: \(|l_1 – l_2| = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
- (ただし \(m = 0, 1, 2, \dots\))
弱め合う条件式の変形を行います。
$$ \begin{aligned}
|l_1 – l_2| &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda \\[2.0ex]
&= \frac{2m + 1}{2} \lambda \\[2.0ex]
&= (2m + 1) \cdot \frac{\lambda}{2}
\end{aligned} $$
ここで、\(2m + 1\) は必ず奇数となります。
強め合う条件についても再掲します。
$$ \begin{aligned}
|l_1 – l_2| &= m\lambda \\[2.0ex]
&= 2m \cdot \frac{\lambda}{2}
\end{aligned} $$
これにより、半波長の偶数倍であることが確認できます。
2つの波源から出た波が、ある地点で合流するときをイメージしてください。
もし、2つの波源からの距離の差がちょうど波1つ分(\(\lambda\))や2つ分(\(2\lambda\))であれば、波の「山」のタイミングがぴったり揃って到着します。すると、山と山が重なって大きな山になり、強め合います。波1つ分は半波長2つ分なので、これは「半波長の偶数倍」のズレと言えます。
一方、距離の差が波0.5個分(\(0.5\lambda\))や1.5個分(\(1.5\lambda\))だと、片方の「山」が着いたとき、もう片方は「谷」が着くことになります。これらは打ち消し合って、波は消えてしまいます。波0.5個分というのは半波長1つ分、つまり「半波長の奇数倍」のズレです。
思考の道筋とポイント
経路差を直接考える代わりに、「位相差」を用いて干渉条件を考えることもできます。これは波動のより本質的な理解につながります。
- 経路差 \(\Delta x\) が生じると、位相(波のサイクルのどこにいるかを表す角度)にずれが生じます。
- 1波長 \(\lambda\) のズレは、位相差 \(2\pi\) に相当します。
- 位相差が \(2\pi\) の整数倍なら元の波と同じ状態(同位相)、\(\pi\) の奇数倍なら逆の状態(逆位相)になります。
具体的な解説と立式
経路差を \(\Delta l = |l_1 – l_2|\) とします。この経路差によって生じる位相差 \(\Delta \phi\) は、以下の比例関係から求まります。
$$ \Delta \phi = 2\pi \frac{\Delta l}{\lambda} $$
強め合う条件
2つの波が強め合うのは、位相差が \(2\pi\) の整数倍(\(0, 2\pi, 4\pi, \dots\))のときです。整数 \(m\) を用いて、
$$ \Delta \phi = 2m\pi $$
これに位相差の式を代入して整理します。
弱め合う条件
2つの波が弱め合うのは、位相差が \(\pi\) の奇数倍(\(\pi, 3\pi, 5\pi, \dots\))のときです。
$$ \Delta \phi = (2m+1)\pi $$
使用した物理公式
- 位相差と経路差の関係: \(\Delta \phi = \frac{2\pi}{\lambda} \Delta l\)
強め合う条件について、式を整理します。
$$ \begin{aligned}
2\pi \frac{\Delta l}{\lambda} &= 2m\pi \\[2.0ex]
\frac{\Delta l}{\lambda} &= m \\[2.0ex]
\Delta l &= m\lambda \\[2.0ex]
&= 2m \cdot \frac{\lambda}{2}
\end{aligned} $$
よって、半波長の偶数倍となります。
弱め合う条件について、式を整理します。
$$ \begin{aligned}
2\pi \frac{\Delta l}{\lambda} &= (2m+1)\pi \\[2.0ex]
\frac{2\Delta l}{\lambda} &= 2m+1 \\[2.0ex]
\Delta l &= (2m+1) \cdot \frac{\lambda}{2}
\end{aligned} $$
よって、半波長の奇数倍となります。
波を円運動の回転角度(位相)で考えてみます。1周(\(360^\circ = 2\pi\))すると波は元の形に戻ります。
2つの波のズレ(位相差)がちょうど1周、2周、3周…(\(2\pi\) の整数倍)であれば、波の形はぴったり重なります。
一方、ズレが半周、1.5周、2.5周…(\(\pi\) の奇数倍)であれば、ちょうど反対側の波(山と谷)が重なることになります。
この「回転のズレ」を「距離のズレ」に換算すると、それぞれ半波長の偶数倍、奇数倍という結果が得られます。
2 波の干渉
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「経路差による波の干渉の判定」です。2つの波源から出た波が、特定の地点で強め合うか弱め合うかを、幾何学的な距離の関係から導き出します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 経路差: 2つの波源から観測点までの距離の差 \(|l_1 – l_2|\)。
- 同位相の干渉条件: 波源が同じタイミングで振動している場合、経路差が波長の整数倍なら強め合い、半波長の奇数倍なら弱め合います。
- 逆位相の干渉条件: 波源の振動が逆のタイミングの場合、条件がすべて逆転します。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、問題文から波長 \(\lambda\) を読み取ります。
- 次に、各点(P, Q, M)について、2つの波源 \(S_1, S_2\) からの距離を読み取り、経路差を計算します。
- 計算した経路差が、波長 \(\lambda\) の何倍になっているかを確認し、干渉条件に当てはめて判定します。
思考の道筋とポイント
波の干渉状態を判定するためには、2つの波がその場所に到達したときに「山と山」で出会うのか、「山と谷」で出会うのかを知る必要があります。これを決めるのが「経路差」です。
- 情報の整理: 波長 \(\lambda = 8.0 \, \text{cm}\) です。
- 経路差の計算: 各点について、\(S_1\) からの距離 \(l_1\) と \(S_2\) からの距離 \(l_2\) の差の絶対値 \(|l_1 – l_2|\) を求めます。
- 条件の適用:
- (1) 同位相の場合:
- 強め合い: 経路差 \(= m\lambda\) (波長の整数倍)
- 弱め合い: 経路差 \(= (m + \frac{1}{2})\lambda\) (波長の整数倍 \(+\) 半波長)
- (2) 逆位相の場合:
- 波源での振動が逆なので、条件が(1)と逆転します。
- (1) 同位相の場合:
この設問における重要なポイント
- 経路差の意味: 経路差が波長 \(\lambda\) 分だけあるということは、波1つ分だけ遅れて到着することを意味します。波1つ分の遅れなら、波の形(位相)は揃ったままです。
- 半波長のズレ: 経路差が \(\frac{\lambda}{2}\) (半波長)分だけあると、山が谷に、谷が山に入れ替わって到着するため、打ち消し合います。
具体的な解説と立式
(1) \(S_1, S_2\) が同位相のとき
2つの波源が同位相で振動しているため、経路差が波長 \(\lambda\) の整数倍であれば強め合い、そこから半波長ずれていれば弱め合います。
波長は \(\lambda = 8.0 \, \text{cm}\) です。
点Pについて
\(S_1\) からの距離 \(l_1 = 6 \, \text{cm}\)、\(S_2\) からの距離 \(l_2 = 10 \, \text{cm}\) です。
経路差 \(\Delta l_{\text{P}}\) を計算し、それが波長の何倍かを調べます。
$$ \Delta l_{\text{P}} = |6 – 10| $$
点Qについて
\(S_1\) からの距離 \(l_1 = 18 \, \text{cm}\)、\(S_2\) からの距離 \(l_2 = 10 \, \text{cm}\) です。
$$ \Delta l_{\text{Q}} = |18 – 10| $$
点Mについて
\(S_1\) からの距離 \(l_1 = 6 \, \text{cm}\)、\(S_2\) からの距離 \(l_2 = 6 \, \text{cm}\) です。
$$ \Delta l_{\text{M}} = |6 – 6| $$
(2) \(S_1, S_2\) が逆位相のとき
波源 \(S_1\) が山を出したとき、\(S_2\) は谷を出しています。
したがって、経路差が \(0\) や波長 \(\lambda\) の整数倍であっても、到着する波は「山と谷」の関係になり、弱め合います。
逆に、経路差が半波長分ずれていれば、そのズレによって位相が反転し、「山と山」の関係に戻って強め合います。
つまり、(1)の結果がすべて逆転します。
使用した物理公式
- 同位相の干渉条件:
- 強め合い: \(|l_1 – l_2| = m\lambda\)
- 弱め合い: \(|l_1 – l_2| = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
- 逆位相の干渉条件:
- 強め合い: \(|l_1 – l_2| = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
- 弱め合い: \(|l_1 – l_2| = m\lambda\)
- (\(m = 0, 1, 2, \dots\))
(1) 同位相の場合
点P:
$$ \begin{aligned}
\Delta l_{\text{P}} &= |6 – 10| \\[2.0ex]
&= 4 \, \text{cm}
\end{aligned} $$
これを波長 \(\lambda = 8.0 \, \text{cm}\) と比較します。
$$ \begin{aligned}
4 &= \frac{1}{2} \times 8.0 \\[2.0ex]
&= \left( 0 + \frac{1}{2} \right) \lambda
\end{aligned} $$
これは「波長の整数倍 \(+\) 半波長」(または半波長の奇数倍)であるため、弱め合います。
点Q:
$$ \begin{aligned}
\Delta l_{\text{Q}} &= |18 – 10| \\[2.0ex]
&= 8 \, \text{cm}
\end{aligned} $$
これを波長と比較します。
$$ \begin{aligned}
8 &= 1 \times 8.0 \\[2.0ex]
&= 1 \lambda
\end{aligned} $$
これは「波長の整数倍」(または半波長の偶数倍)であるため、強め合います。
点M:
$$ \begin{aligned}
\Delta l_{\text{M}} &= |6 – 6| \\[2.0ex]
&= 0 \, \text{cm}
\end{aligned} $$
これを波長と比較します。
$$ \begin{aligned}
0 &= 0 \times 8.0 \\[2.0ex]
&= 0 \lambda
\end{aligned} $$
\(0\) も整数に含まれるため、これは「波長の整数倍」であり、強め合います。
(2) 逆位相の場合
波源の位相が逆転しているため、(1)の結論がすべて逆になります。
- 点P: (1)で弱め合い \(\rightarrow\) 強め合う
- 点Q: (1)で強め合い \(\rightarrow\) 弱め合う
- 点M: (1)で強め合い \(\rightarrow\) 弱め合う
2つのスピーカーから同じ音が出ているところを想像してください。
(1)のようにスピーカーが同時に動いている場合、ちょうど真ん中の点Mや、距離の差が波長1つ分ある点Qでは、音の波がぴったり重なって大きな音になります(強め合い)。しかし、点Pのように距離の差が「波長半分」だけあると、片方の波の山ともう片方の波の谷がぶつかって、音は消えてしまいます(弱め合い)。
(2)のようにスピーカーの動きが互い違い(逆位相)だと、状況は一変します。真ん中の点Mでは、最初から山と谷がぶつかるので音が消えてしまいます。逆に、点Pのような場所では、距離のズレがうまく働いて波が揃い、大きな音になります。
(2) 点P:強め合う,点Q:弱め合う,点M:弱め合う
思考の道筋とポイント
経路差を「長さ」として比較するだけでなく、「位相差(角度のズレ)」に変換して考えることもできます。
- 経路差 \(\Delta l\) を位相差 \(\Delta \phi\) に変換します。変換式は \(\Delta \phi = 2\pi \frac{\Delta l}{\lambda}\) です。
- 位相差が \(2\pi\) の整数倍(\(0, 2\pi, 4\pi \dots\))なら同位相(強め合い)、\(\pi\) の奇数倍(\(\pi, 3\pi, 5\pi \dots\))なら逆位相(弱め合い)です。
- 波源が逆位相の場合は、初期位相差 \(\pi\) を加えるか、判定条件を逆にします。
この設問における重要なポイント
- 位相差の物理的意味: 位相差 \(2\pi\) は波1つ分のズレを意味し、波の形としては元に戻ります。位相差 \(\pi\) は波半分(山と谷)のズレを意味します。
- 波源の位相差: 波源が逆位相であることは、最初から \(\pi\) の位相差があることと同義です。
具体的な解説と立式
波長 \(\lambda = 8.0 \, \text{cm}\) です。
点Pの位相差
経路差 \(\Delta l_{\text{P}} = 4 \, \text{cm}\) より、位相差 \(\Delta \phi_{\text{P}}\) を立式します。
$$ \Delta \phi_{\text{P}} = 2\pi \frac{4}{8.0} $$
点Qの位相差
経路差 \(\Delta l_{\text{Q}} = 8 \, \text{cm}\) より、位相差 \(\Delta \phi_{\text{Q}}\) を立式します。
$$ \Delta \phi_{\text{Q}} = 2\pi \frac{8}{8.0} $$
点Mの位相差
経路差 \(\Delta l_{\text{M}} = 0 \, \text{cm}\) より、位相差 \(\Delta \phi_{\text{M}}\) を立式します。
$$ \Delta \phi_{\text{M}} = 2\pi \frac{0}{8.0} $$
使用した物理公式
- 位相差と経路差の関係: \(\Delta \phi = \frac{2\pi}{\lambda} \Delta l\)
点P:
$$ \begin{aligned}
\Delta \phi_{\text{P}} &= 2\pi \times 0.5 \\[2.0ex]
&= \pi
\end{aligned} $$
位相差が \(\pi\) なので、波は逆位相の関係になり、弱め合います(同位相波源の場合)。
点Q:
$$ \begin{aligned}
\Delta \phi_{\text{Q}} &= 2\pi \times 1.0 \\[2.0ex]
&= 2\pi
\end{aligned} $$
位相差が \(2\pi\)(1周分)なので、波は同位相の関係になり、強め合います(同位相波源の場合)。
点M:
$$ \begin{aligned}
\Delta \phi_{\text{M}} &= 0
\end{aligned} $$
位相差が \(0\) なので、波は同位相の関係になり、強め合います(同位相波源の場合)。
(2) 逆位相波源の場合
波源自体に \(\pi\) の位相差があるため、上記の位相差にさらに \(\pi\) を加えるか、判定を逆にします。
例えば点Pでは、経路差によるズレ \(\pi\) に、波源のズレ \(\pi\) が加わり、合計 \(2\pi\) のズレとなります。これは1周回って元通り(同位相)を意味するため、強め合います。
波を「時計の針」に例えてみましょう。1周(\(2\pi\))すると針は元の位置に戻ります。
点Pでは、距離の差によって針が半周(\(\pi\))だけズレています。だから、片方が12時を指しているとき、もう片方は6時を指しており、打ち消し合います。
点Qでは、距離の差によって針がちょうど1周(\(2\pi\))ズレています。1周ズレても針の向きは同じなので、協力して強め合います。
もし波源が逆位相なら、片方の時計が最初から半周ズレている状態です。すると、点Pでは「半周ズレ \(+\) 最初からの半周ズレ \(=\) 1周ズレ」となり、逆に針が揃うことになります。
(2) 点P:強め合う,点Q:弱め合う,点M:弱め合う
3 波の回折
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「波の回折現象」です。波が障害物の背後に回り込む性質と、その現象が顕著になる条件について理解することが目的です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 回折: 波が障害物の背後に回り込む現象。
- ホイヘンスの原理: 波面上の各点が新たな波源(素元波)となり、それらの包絡面が次の波面になるという原理。回折現象を説明する基礎となります。
- 回折の条件: 障害物や隙間の大きさが、波長と同程度かそれより小さいときに回折が顕著になります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、波が障害物の裏側に回り込む現象の名称を答えます。
- 次に、この現象がどのような条件で目立つようになるか、波の特性(波長)との比較で考えます。
思考の道筋とポイント
波には、粒子とは異なり、障害物の影の部分にもエネルギーを伝播させる性質があります。
- 現象の特定: 「障害物の裏側にまで回り込んでいく」という記述から、この現象が「回折」であることを特定します。
- 条件の理解: 回折がどの程度強く起こるかは、障害物(または隙間)のサイズ \(d\) と波長 \(\lambda\) の比率で決まります。
- \(d \gg \lambda\) (隙間が波長よりはるかに大きい): 波は直進性が強く、回折は目立ちません。
- \(d \approx \lambda\) または \(d < \lambda\) (隙間が波長と同程度か小さい): 波は大きく広がり、回折が顕著になります。
この設問における重要なポイント
- 直進性と回折: 波長が短い(振動数が高い)波ほど直進性が強く、波長が長い(振動数が低い)波ほど回折しやすいという性質があります。例えば、AMラジオ(波長が長い)は山陰でも聞こえやすいのに対し、FMラジオやテレビ(波長が短い)は障害物に遮られやすいのはこのためです。
具体的な解説と立式
(1) 現象の名称
波が進む先に障害物や隙間があるとき、波がその背後に回り込んで広がる現象を回折といいます。これはホイヘンスの原理によって説明されます。隙間の各点が新しい波源となり、そこから素元波が全方向に広がるため、直進方向以外にも波が伝わります。
(2) 回折が目立つ条件
回折現象の度合いは、障害物や隙間の大きさ \(d\) と、波の波長 \(\lambda\) との関係で決まります。
一般に、隙間の大きさ \(d\) が波長 \(\lambda\) に比べて十分に大きい場合(\(d \gg \lambda\))、波はほとんど直進し、障害物の裏側への回り込みはわずかです。
しかし、隙間の大きさが波長と同じ程度、あるいはそれ以下(\(d \le \lambda\))になると、波は隙間を点波源とした球面波のように大きく広がり、障害物の裏側深くまで回り込むようになります。つまり、回折現象が目立ってきます。
使用した物理公式
- 回折の条件: 障害物や隙間のサイズ \(d\) と波長 \(\lambda\) が \(d \le \lambda\) のとき顕著になる。
この問題は用語と概念の穴埋めであり、計算過程はありません。
川の水が岩の後ろに回り込んだり、壁の向こう側の話し声が聞こえたりするのは、波が「回折」するからです。
この「回り込み」やすさは、波のサイズ(波長)と通り道のサイズ(隙間)のバランスで決まります。
広い入り口から入る波はそのまま真っ直ぐ進みますが、狭い入り口を通る波は、出口から扇状に大きく広がります。この「狭い」という基準が、波の長さ(波長)と同じくらいかどうか、ということです。波長に対して隙間が狭いほど、波はよく回り込みます。
思考の道筋とポイント
回折現象を数式ではなく、作図の原理である「ホイヘンスの原理」を用いて視覚的に捉えます。
- 素元波の形成: 波面上のすべての点は、新しい波(素元波)の発生源となります。
- 包絡面: 次の瞬間の波面は、これらの素元波の共通の接面(包絡面)として形成されます。
- 端の効果: 障害物の端や狭い隙間では、素元波の一部が遮断されます。残った素元波が広がることで、波面が回り込む形になります。
具体的な解説と立式
平面波が隙間のある壁に入射する場合を考えます。
隙間にある波面上の各点から、前方に半円状の素元波が発生します。
- 隙間が広い場合: 多数の素元波が重なり合い、中央部では平らな波面(平面波)が維持されます。端の部分だけで回り込みが見られます。
- 隙間が狭い場合: 隙間の中に含まれる素元波の数が少なくなります。極端に狭い(点に近い)場合、そこから出る素元波そのものに近い形、つまり円形波となって広がっていきます。これが「回折が目立つ」状態です。
使用した物理公式
- ホイヘンスの原理
計算はありません。幾何学的な作図による理解です。
波を「たくさんの小さな波源の集まり」と考えてみましょう(ホイヘンスの原理)。
広い隙間を通るときは、たくさんの波源が横一列に並んで進むので、全体として真っ直ぐな波になります。
しかし、隙間がとても狭くて、波源が1つしか通れないような状況を想像してください。その1つの波源から出た波は、池に石を投げ込んだときのように、周り全体に丸く広がっていきます。これが、狭い隙間を通った波が大きく広がる(回折する)理由です。
4 波の反射
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「平面波の反射における波面の作図」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 波面と射線の関係: 波面(山の連なり)と波の進行方向(射線)は常に垂直です。
- 反射の法則: 入射角と反射角は等しくなります(\(i = j\))。
- 波の連続性: 反射面において、入射波面と反射波面は幾何学的につながっています。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 波の進行方向(射線)に着目し、反射の法則を用いて反射波の向きを決定します。
- 決定した向きに対して垂直に、かつ壁面で入射波面と接続するように反射波面を描きます。
思考の道筋とポイント
波の反射の問題では、「波面」そのものを直接操作しようとすると角度の関係で混乱しやすいです。まずは「波の進む向き(射線)」という矢印を基準に考えるのが鉄則です。
- 射線の作図: 入射波面に垂直な矢印(入射線)を引き、壁での反射を考えます。
- 反射の法則: 「入射角 \(=\) 反射角」となるように反射線(反射波の進む向き)を引きます。
- 波面の復元: 描いた反射線に対して垂直な線を引けば、それが反射波面になります。
- 接続性: 入射波面が壁にぶつかっている点から、反射波面もスタートします。
この設問における重要なポイント
- 入射角・反射角の定義: これらは「波面と壁のなす角」ではなく、「射線(進行方向)と法線(壁に垂直な線)のなす角」です。ただし、幾何学的に「波面と壁のなす角」もこれらと等しくなります。
- 「山は山で反射」の意味: これは自由端反射であることを示唆していますが、作図においては「壁の位置で入射波の山が到達した瞬間、反射波の山もそこから発生する」、つまり壁面上で波面が折れ曲がるようにつながることを意味します。
具体的な解説と立式
作図の手順を論理的に構成します。
1. 入射角の特定:
図の入射波面に対して垂直な線(入射線)を引きます。この入射線が壁の法線となす角を入射角 \(i\) とします。
2. 反射線の決定:
反射の法則より、反射角 \(j\) は入射角 \(i\) と等しくなります。
$$ i = j $$
これに基づき、法線に対して入射線と対称な方向に反射線を描きます。
3. 反射波面の決定:
反射波面は、反射線に対して垂直です。また、幾何学的な考察を行うと、入射波面が壁となす角を \(\theta_{\text{入}}\)、反射波面が壁となす角を \(\theta_{\text{反}}\) とすると、以下の関係が成り立ちます。
$$ \theta_{\text{入}} = i, \quad \theta_{\text{反}} = j $$
\(i=j\) より、\(\theta_{\text{入}} = \theta_{\text{反}}\) となります。つまり、反射波面と入射波面は、壁に対して線対称な傾きを持ちます。
使用した物理公式
- 反射の法則: \(i = j\)
- 波面と射線の関係: (波面) \(\perp\) (射線)
本問は作図問題であるため、数値計算はありませんが、作図の根拠となる幾何学的関係を確認します。
- 図の入射波面に対して垂直な矢印(入射線)を考えます。
- 壁との交点において法線(壁に垂直な点線)を立てます。
- 入射線と法線のなす角(入射角 \(i\))と同じ角度で、反対側に反射線を描きます。
- この反射線に対して垂直な直線を多数引きます。これが反射波面の候補です。
- 入射波面が壁に接している点(交点)を通るように、反射波面の位置を決定します。これにより、壁際で「く」の字型に波面がつながる図が完成します。
ボールを壁に投げたときを想像してください。斜めに当たったボールは、同じ角度で反対側に跳ね返りますね。波も同じです。
まず、「波の進む向き(矢印)」が壁に当たって跳ね返る様子を描きます。
次に、その跳ね返った矢印に対して「垂直」に線を引いていけば、それが反射波の波面になります。
ポイントは、壁のところで入射波の線と反射波の線が「く」の字につながるように描くことです。
思考の道筋とポイント
波の反射の問題において、最もミスが少なく、かつ迅速に作図できるテクニックとして「鏡像法(折り返し法)」があります。
「もし壁がなかったら波はどう進むか?」を考え、壁の向こう側にはみ出した部分を、壁を鏡として手前側に折り返すという発想です。
この設問における重要なポイント
- 仮想的な透過波: 壁がないものとして直進させた波を考えます。
- 対称性: 反射波は、壁を対称軸とした透過波の鏡像となります。
具体的な解説と立式
- 透過波の仮定:
壁が存在しないと仮定し、入射波面をそのまま直進させます。壁の向こう側(壁の右側)に描かれるはずの波面を点線で描きます。これを仮想的な透過波と呼びます。 - 折り返し:
壁を対称軸(鏡)として、1.で描いた仮想的な透過波をパタンと折り返します。- 壁上の点はそのまま不動。
- 壁の奥にある点は、壁の手前の対称な位置に移動。
- 反射波面の完成:
折り返してできた線(実線)が、求める反射波面です。
この方法は、反射の法則(\(i=j\))を幾何学的な対称性によって自動的に満たすため、角度を測る必要がなく非常に効率的です。
使用した物理公式
- 鏡像の原理(幾何光学・波動)
計算過程はありません。定規を用いて、入射波面の延長線を壁の反対側に描き、それを壁に対して対称に折り返す作業のみです。
鏡に映る自分を想像してください。鏡の向こう側に自分がいるように見えますよね。
波の反射もこれと同じで、「壁の向こう側に進んでいった波」を想像し、それを鏡のように折り返すだけで反射波が描けます。
定規を使って、入射波の線を壁の奥まで伸ばし、それを壁の線で紙を折るように反対側に写し取るだけです。これが一番簡単な描き方です。
5 屈折率
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「波の屈折と相対屈折率の計算」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 入射角と屈折角の定義: 波の進行方向(射線)と、境界面の法線(垂直な線)とのなす角です。
- 屈折の法則(相対屈折率の定義): 入射角 \(i\) と屈折角 \(r\) の正弦(sin)の比は一定であり、これが相対屈折率となります。
- 有効数字の処理: 問題文の指示に従い、計算結果を適切な桁数で丸めます。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 与えられた図から、入射角 \(i\) と屈折角 \(r\) の値を正しく読み取ります。
- 「媒質Iに対する媒質IIの屈折率」という表現が、相対屈折率 \(n_{12}\) を指していることを確認します。
- 屈折の法則の公式に値を代入し、計算を行います。
思考の道筋とポイント
屈折率の計算問題では、まず「どの角が入射角で、どの角が屈折角か」を正確に把握することが出発点です。
- 角度の特定: 図中の矢印は「射線(波の進む向き)」を表しています。入射角 \(i\) と屈折角 \(r\) は、この射線と「境界面の法線(点線)」とのなす角として定義されます。図より、\(i = 30^\circ\)、\(r = 45^\circ\) であることが読み取れます。
- 求める物理量の確認: 「媒質Iに対する媒質IIの屈折率」は、媒質Iを基準とした媒質IIの相対屈折率 \(n_{12}\) のことです。
- 法則の適用: 相対屈折率の定義式 \(n_{12} = \frac{\sin i}{\sin r}\) を用いて立式します。
この設問における重要なポイント
- 入射角・屈折角の定義ミスに注意: 境界面と射線のなす角(例えば \(90^\circ – 30^\circ = 60^\circ\))を使ってしまうミスが頻発します。必ず「法線とのなす角」を確認しましょう。
- 相対屈折率の添字の意味: \(n_{12}\) は「1から2へ進むときの屈折率」または「1に対する2の屈折率」を表します。定義は \(n_{12} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2} = \frac{\sin i}{\sin r}\) です。
具体的な解説と立式
- 図より、媒質I側の射線と法線のなす角が入射角 \(i\) なので、
$$ i = 30^\circ $$
です。 - 同様に、媒質II側の射線と法線のなす角が屈折角 \(r\) なので、
$$ r = 45^\circ $$
です。 - 媒質Iに対する媒質IIの屈折率(相対屈折率)を \(n_{12}\) とすると、屈折の法則より以下の式が成り立ちます。
$$ n_{12} = \frac{\sin i}{\sin r} = \frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} $$
使用した物理公式
- 屈折の法則(相対屈折率の定義):
$$ n_{12} = \frac{\sin i}{\sin r} $$
立式した式に三角比の値を代入して計算します。
$$
\begin{aligned}
n_{12} &= \frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} \\[2.0ex]
&= \frac{\displaystyle\frac{1}{2}}{\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} \times \frac{\sqrt{2}}{1} \\[2.0ex]
&= \frac{\sqrt{2}}{2}
\end{aligned}
$$
ここで、\(\sqrt{2} \approx 1.414\) を代入します。有効数字2桁で答えるため、途中計算ではもう1桁多く取って計算します。
$$
\begin{aligned}
n_{12} &\approx \frac{1.414}{2} \\[2.0ex]
&= 0.707
\end{aligned}
$$
有効数字2桁になるように、小数第3位を四捨五入します。
$$ n_{12} \approx 0.71 $$
水の中にストローを入れると折れて見えるように、波が異なる物質へ進むときは進む向きが変わります。この「折れ曲がり具合」を表すのが屈折率です。
「媒質Iに対する媒質IIの屈折率」というのは、「IからIIに入るとき、角度のサイン(sin)が何倍になるか(あるいは速度が何分の1になるか)」という比率のことです。
今回は、入射角30度と屈折角45度を使って、その比率を計算するだけのシンプルな問題です。
思考の道筋とポイント
分数の形をした相対屈折率の公式 \(n_{12} = \frac{\sin i}{\sin r}\) は、分母と分子を逆にしてしまうミスが起こりやすいです。
そこで、媒質ごとの「絶対屈折率 \(n\)」と「角度の正弦 \(\sin \theta\)」の積が保存されるという形式の法則 \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) を使うと、より直感的でミスを防ぎやすくなります。
この設問における重要なポイント
- 絶対屈折率の導入: 媒質Iの絶対屈折率を \(n_1\)、媒質IIの絶対屈折率を \(n_2\) と置きます。
- 相対屈折率との関係: 「媒質Iに対する媒質IIの屈折率 \(n_{12}\)」は、絶対屈折率の比 \(\frac{n_2}{n_1}\) と等しいという関係を用います。
具体的な解説と立式
- 媒質I、IIの絶対屈折率をそれぞれ \(n_1, n_2\) とします。
- 屈折の法則(\(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) の形式)を適用します。
$$ n_1 \sin 30^\circ = n_2 \sin 45^\circ $$ - 求める値は相対屈折率 \(n_{12}\) であり、これは絶対屈折率の比で表されます。
$$ n_{12} = \frac{n_2}{n_1} $$ - 上の屈折の法則の式を変形して、\(\frac{n_2}{n_1}\) の形を作ります。
$$ \frac{n_2}{n_1} = \frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} $$
使用した物理公式
- 屈折の法則(積の形式):
$$ n_1 \sin i = n_2 \sin r $$ - 相対屈折率と絶対屈折率の関係:
$$ n_{12} = \frac{n_2}{n_1} $$
式変形後の計算はメインの解法と同様です。
$$
\begin{aligned}
n_{12} &= \frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} \\[2.0ex]
&= \frac{\sqrt{2}}{2} \\[2.0ex]
&\approx 0.71
\end{aligned}
$$
「\(n \times \sin(\text{角度})\) の値は、媒質が変わっても変わらない」と覚えると便利です。
媒質Iでの \(n_1 \times \sin 30^\circ\) と、媒質IIでの \(n_2 \times \sin 45^\circ\) がイコールになります。
この式を作ってから、求めたい比率(\(n_2 / n_1\))に変形すれば、公式をど忘れしても確実に答えにたどり着けます。
6 波の屈折
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「屈折による波の物理量の変化」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 振動数の不変性: 波の振動数は波源の振動で決まるため、媒質が変わっても変化しません。
- 波の基本公式: 速さ \(v\)、振動数 \(f\)、波長 \(\lambda\) の間には常に \(v = f\lambda\) の関係が成り立ちます。
- 屈折の法則: 入射角 \(i\) と屈折角 \(r\)、および各媒質での速さ \(v_1, v_2\)、波長 \(\lambda_1, \lambda_2\) の間には以下の関係があります。
$$ \frac{\sin i}{\sin r} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2} $$
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、媒質が変わっても変化しない「振動数」を答えます。
- 次に、屈折の法則を用いて「速さ」を計算します。
- 最後に、求めた速さと振動数を用いて、波の基本公式から「波長」を導きます。
思考の道筋とポイント
波が異なる媒質へ進むとき、変化するものとしないものを明確に区別することが重要です。
- 振動数 \(f_2\): 「1秒間に波が振動する回数」は、波源が決めるものであり、途中で媒質が変わっても変化しません。したがって、\(f_2 = f_1\) です。
- 速さ \(v_2\): 図から入射角 \(i\) と屈折角 \(r\) を読み取り、屈折の法則 \(\frac{\sin i}{\sin r} = \frac{v_1}{v_2}\) を適用して求めます。
- 波長 \(\lambda_2\): 媒質IIでの速さ \(v_2\) と振動数 \(f_2\) が分かれば、\(v_2 = f_2 \lambda_2\) より求められます。
この設問における重要なポイント
- 角度の読み取り: 前問と同様、図の矢印(射線)と点線(法線)のなす角を確認します。入射角 \(i=30^\circ\)、屈折角 \(r=45^\circ\) です。
- 計算の順序: 振動数は計算不要で即答できます。速さは屈折の法則から、波長はその結果を使って計算するのが最もスムーズです。
具体的な解説と立式
(1) 媒質IIでの振動数
波が媒質Iから媒質IIへ進んでも、振動数は変化しません。
問題文より、媒質Iでの振動数は \(0.80 \, \text{Hz}\) です。
したがって、媒質IIでの振動数もこれと等しくなります。
(2) 媒質IIでの波の速さ
媒質Iでの速さを \(v_1 = 2.0 \, \text{m/s}\)、媒質IIでの速さを \(v_2\) とします。
入射角 \(i=30^\circ\)、屈折角 \(r=45^\circ\) であることから、屈折の法則を立式します。
$$ \frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} = \frac{v_1}{v_2} $$
これに \(v_1 = 2.0\) を代入して \(v_2\) を求めます。
(3) 媒質IIでの波長
媒質IIでの波長を \(\lambda_2\) とします。
波の基本公式 \(v = f\lambda\) を媒質IIについて適用します。
$$ v_2 = f_2 \lambda_2 $$
ここで、(1)より \(f_2 = 0.80 \, \text{Hz}\)、(2)で求めた \(v_2\) の値を用いて立式します。
使用した物理公式
- 屈折の法則:
$$ \frac{\sin i}{\sin r} = \frac{v_1}{v_2} $$ - 波の基本公式:
$$ v = f\lambda $$
(1) 振動数
計算は不要です。
$$ f_2 = 0.80 \, \text{Hz} $$
(2) 速さ
屈折の法則の式を変形して計算します。
$$
\begin{aligned}
\frac{\sin 30^\circ}{\sin 45^\circ} &= \frac{2.0}{v_2} \\[2.0ex]
v_2 &= 2.0 \times \frac{\sin 45^\circ}{\sin 30^\circ} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times \frac{\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}}{\displaystyle\frac{1}{2}} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times \frac{\sqrt{2}}{1} \\[2.0ex]
&= 2.0\sqrt{2}
\end{aligned}
$$
\(\sqrt{2} \approx 1.41\) として計算します。
$$
\begin{aligned}
v_2 &\approx 2.0 \times 1.41 \\[2.0ex]
&= 2.82
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、小数第2位を四捨五入します。
$$ v_2 \approx 2.8 \, \text{m/s} $$
(3) 波長
\(v_2 = f_2 \lambda_2\) より、
$$
\begin{aligned}
\lambda_2 &= \frac{v_2}{f_2} \\[2.0ex]
&= \frac{2.0\sqrt{2}}{0.80} \\[2.0ex]
&= 2.5\sqrt{2}
\end{aligned}
$$
同様に \(\sqrt{2} \approx 1.41\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
\lambda_2 &\approx 2.5 \times 1.41 \\[2.0ex]
&= 3.525
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、小数第2位を四捨五入します。
$$ \lambda_2 \approx 3.5 \, \text{m} $$
波が別の物質に入るとき、「リズム(振動数)」は変わりませんが、「歩幅(波長)」と「歩く速さ(速さ)」が変わります。
まず、リズムは変わらないので振動数はそのまま \(0.80 \, \text{Hz}\) です。
次に、速さは角度の関係(屈折の法則)を使って計算すると、約 \(1.4\) 倍(\(\sqrt{2}\) 倍)になることが分かります。
最後に、速さが \(1.4\) 倍になったのにリズムが同じということは、歩幅(波長)も \(1.4\) 倍に広がっているはずです。これを計算して波長を求めます。
思考の道筋とポイント
前問と同様に、絶対屈折率 \(n\) を用いた形式 \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) を利用することで、分数の計算ミスを防ぎ、物理的な対称性を意識して解くことができます。
また、絶対屈折率と波の速さの関係 \(n = \frac{c}{v}\)(\(c\)は真空中の速さ)を念頭に置くと、\(n_1 v_1 = n_2 v_2\) という保存量のような関係式も導けますが、ここでは基本となる \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) から出発します。
この設問における重要なポイント
- 絶対屈折率の比: \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) より、\(\frac{n_1}{n_2} = \frac{\sin r}{\sin i}\) となります。
- 速さと屈折率の逆比関係: 屈折率が大きいほど波は遅くなるため、\(\frac{v_2}{v_1} = \frac{n_1}{n_2}\) が成り立ちます。これらを組み合わせることで速さを求めます。
具体的な解説と立式
- 屈折の法則(積の形式)より、絶対屈折率の比を求めます。
$$ n_1 \sin 30^\circ = n_2 \sin 45^\circ $$
これより、
$$ \frac{n_1}{n_2} = \frac{\sin 45^\circ}{\sin 30^\circ} $$ - 速さと絶対屈折率の関係 \(\frac{v_2}{v_1} = \frac{n_1}{n_2}\) を用いて、\(v_2\) を求めます。
$$ v_2 = v_1 \times \frac{n_1}{n_2} $$
これに比の値を代入して、
$$ v_2 = v_1 \times \frac{\sin 45^\circ}{\sin 30^\circ} $$ - 波長についても同様に、\(\frac{\lambda_2}{\lambda_1} = \frac{n_1}{n_2}\) の関係を用いて求めます。
$$ \lambda_2 = \lambda_1 \times \frac{n_1}{n_2} $$
ここで \(\lambda_1 = \frac{v_1}{f_1}\) です。
使用した物理公式
- 屈折の法則(積の形式): \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\)
- 屈折率と速さ・波長の関係: \(\frac{v_2}{v_1} = \frac{\lambda_2}{\lambda_1} = \frac{n_1}{n_2}\)
- 速さ \(v_2\) の計算:
$$
\begin{aligned}
v_2 &= 2.0 \times \frac{\sin 45^\circ}{\sin 30^\circ} \\[2.0ex] &= 2.0 \times \frac{1/\sqrt{2}}{1/2} \\[2.0ex] &= 2.0\sqrt{2} \\[2.0ex] &\approx 2.8 \, \text{m/s}
\end{aligned}
$$ - 波長 \(\lambda_2\) の計算:
まず \(\lambda_1\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
\lambda_1 &= \frac{2.0}{0.80} \\[2.0ex] &= 2.5 \, \text{m}
\end{aligned}
$$
続いて \(\lambda_2\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
\lambda_2 &= 2.5 \times \frac{\sin 45^\circ}{\sin 30^\circ} \\[2.0ex] &= 2.5\sqrt{2} \\[2.0ex] &\approx 3.5 \, \text{m}
\end{aligned}
$$
「屈折率 \(n\) と速さ \(v\) は反比例する(\(n\) が大きいと遅くなる)」という性質を使います。
まず、角度の関係から「媒質IIの方が屈折率が小さい(角度が大きいから)」ことが分かります。具体的には、\(\sin\) の比から屈折率の比が分かります。
屈折率が小さくなる分、逆に速さと波長は大きくなります。その倍率(\(\sqrt{2}\) 倍)を元の速さと波長に掛けるだけで答えが出ます。
7 ホイヘンスの原理
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「波の伝わり方を説明するホイヘンスの原理」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 波面: 波の山(または谷)が連なってできる線や面のこと。
- 素元波: 波面上の各点から新しく発生すると考えられる微小な波。
- ホイヘンスの原理: 「ある瞬間の波面上の各点を波源として、そこから素元波が発生し、それらの素元波に共通して接する面(包絡面)が次の瞬間の波面になる」という原理。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文の記述を読み、波の伝播モデルに関する用語を特定します。
- 図のイメージ(点から広がる波、それらがつながって新しい面ができる様子)と照らし合わせます。
- 物理用語としての正確な名称(素元波、円形波/球面波、ホイヘンスの原理)を答えます。
思考の道筋とポイント
波が伝わっていく現象を、「連続的に新しい波が生まれている」と捉え直すのがこの原理の核心です。
- 波の発生源: 最初は1つの波源から波が出ますが、伝わった先にある波面上のすべての点が、あたかも新しい波源のように振る舞うと考えます。
- 2次的な波: その新しい波源(波面上の点)から広がる小さな波を考えます。これを「素元波」と呼びます。
- 波の形状: 点から広がる波なので、2次元(水面など)なら「円形」、3次元(空間)なら「球面」に広がります。
- 次の波面: 無数の素元波が重なり合い、その先端をつないだ線(共通接線・包絡面)が、実際に観測される次の波面となります。
この設問における重要なポイント
- 素元波(そげんは): 「素」となる「元」の波という意味です。英語では secondary wavelets(二次的な小波)とも呼ばれます。
- 次元による違い: 問題文の図は平面図ですが、空間を伝わる音波や光波を考える場合は「球面波」となります。解答では両方の可能性を考慮して「円形(球面)」としています。
- 原理の意義: この原理を使うことで、波の反射や屈折、回折といった現象を作図的に説明・証明することができます。
具体的な解説と立式
本問は用語を問う知識問題であるため、数式による立式はありませんが、論理的な構成は以下の通りです。
- 空欄①: 波面上の各点を中心として発生する「2次的な波」の名称を問われています。これはホイヘンスの原理の定義そのものであり、素元波が入ります。
- 空欄②: 点波源から等方的に広がる波の形状を問われています。媒質が一様であれば、波はあらゆる方向に同じ速さで広がるため、2次元なら円形、3次元なら球面となります。
- 空欄③: この原理を提唱した17世紀のオランダの物理学者の名前を問われています。クリスティアーン・ホイヘンスにちなんで、ホイヘンスの原理といいます。
使用した物理公式
- ホイヘンスの原理(概念定義)
計算過程はありません。用語の定義に基づき解答を導きます。
- ① → 素元
- ② → 円形(または球面)
- ③ → ホイヘンス
運動会の「ウェーブ」や「人文字」を想像してみてください。
隣の人が立ち上がると(波面が到達すると)、その人がまた次の合図となって(素元波の発生源となって)、次の人が立ち上がります。
このように、「波が届いた場所が、次の波を作り出すスタート地点になる」と考えるのがホイヘンスの原理です。
それぞれの場所から「せーの」で広がる小さな波(素元波)がたくさん集まって、全体として大きな波が進んでいくように見えるのです。
思考の道筋とポイント
この問題は知識問題であり、解答そのものに別解はありません。しかし、ホイヘンスの原理を単なる用語として暗記するのではなく、「実際に現象を説明するツール」として理解することが重要です。ここでは、ホイヘンスの原理を使って「反射の法則(入射角=反射角)」がなぜ成り立つのかを考えるアプローチを紹介します。
この設問における重要なポイント
- 作図による証明: 波面と素元波を描くことで、物理現象を幾何学の問題に帰着させます。
- 共通接線: 反射波の波面は、壁から発生した多数の素元波の共通接線として描かれます。
具体的な解説と立式
- 入射波面の到達: 平面波が壁に対して斜めに入射し、波面の端Aが壁に到達した瞬間を考えます。
- 素元波の発生: 時間 \(t\) が経過する間に、波面のもう一方の端Bは壁上の点B’まで進みます。この距離は \(v t\) です(\(v\)は波の速さ)。
- 反射波の広がり: その同じ時間 \(t\) の間に、点Aからは素元波が半円状に広がります。その半径も \(v t\) です。
- 反射波面の形成: 点B’から、点Aを中心に描いた半径 \(v t\) の半円(素元波)に向けて接線を引きます。この接線が反射波の波面となります。
- 三角形の合同: 幾何学的に2つの直角三角形を考えると、斜辺が共通で、他の1辺の長さが等しい(どちらも \(v t\))ため、これらは合同になります。
- 結論: 合同な三角形の対応する角は等しいため、入射角 \(i\) と反射角 \(j\) が等しくなることが証明されます。
$$ i = j $$
使用した物理公式
- 距離の式: \( \text{距離} = \text{速さ} \times \text{時間} \)
- 三角形の合同条件
具体的な数値計算はありませんが、幾何学的な証明プロセスが計算に相当します。
入射波が進んだ距離 \(\text{BB}’\) と反射波(素元波)の半径 \(\text{AA}’\) は等しく、以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
\text{BB}’ &= vt \\[2.0ex]
\text{AA}’ &= vt
\end{aligned}
$$
これにより、直角三角形の斜辺と他の一辺が等しいため、以下の合同関係が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
\triangle \text{ABB}’ &\equiv \triangle \text{A}’\text{B}’\text{A}
\end{aligned}
$$
合同な図形の対応する角は等しいため、以下の関係が得られます。
$$
\begin{aligned}
\angle \text{BAB}’ &= \angle \text{A}’\text{B}’\text{A}
\end{aligned}
$$
これより、入射角 \(i\) と反射角 \(j\) の関係は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
i &= j
\end{aligned}
$$
ホイヘンスの原理は、ただの名前ではありません。「波がどう曲がるか」を定規とコンパスで描けるようにする強力な道具です。
例えば、波が壁に斜めに当たるとき、「先に壁に着いた端っこ」から「反射の波(素元波)」が広がり始めます。
「遅れて壁に着く反対側の端っこ」が到着するころには、先の波はだいぶ広がっています。
この「広がった波」と「今着いた点」をうまくつなぐ線を引くと、自然と「入射角=反射角」になるように反射波の向きが決まるのです。
[mathjax] SNSでのシェアはご自由にどうぞ。(上のボタンをクリック) ブログで引用する際には、こちらのリンクを添えてください。 【引用】https://makoto-physics-school.com […]
例題
例題25 波の干渉
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(2)の別解: 条件式(不等式)を用いた解法
- 模範解答が図を描いて中点から順に節の位置を探すのに対し、別解では干渉の条件式(経路差と波長の関係式)を立て、数式的に満たす点の個数を数え上げます。
- 設問(4)の別解: 条件式(不等式)を用いた解法
- 設問(2)と同様に、逆位相の場合の干渉条件式を用いて、計算によって腹の個数を求めます。
- 設問(2)の別解: 条件式(不等式)を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- 汎用性の高さ: 波源間の距離が波長に比べて非常に大きい場合や、複雑な数値設定の場合でも、図を描くことなく正確に個数を求められます。
- 論理的な確実性: 作図による数え間違いのリスクを減らし、数式に基づいて機械的に答えを導き出せます。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる個数は模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「波の干渉」です。2つの波源から広がる波が重なり合ったとき、互いに強め合ったり弱め合ったりする現象を扱います。特に、2つの波源を結ぶ線分上での定常波(定在波)の様子を理解することが目的です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 波の重ね合わせの原理: 2つの波が重なると、変位はそれぞれの波の変位の和になります。
- 干渉条件(同位相の場合):
- 強め合う(腹): 経路差 \(|l_1 – l_2| = m\lambda\) (\(m = 0, 1, 2, \dots\))
- 弱め合う(節): 経路差 \(|l_1 – l_2| = (m + \frac{1}{2})\lambda\) (\(m = 0, 1, 2, \dots\))
- 定常波の性質: 進行方向が逆向きの同じ波長の波が重なると、定常波が生じます。腹と腹(または節と節)の間隔は半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) です。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、点Pまでの2つの波源からの距離を求め、その差(経路差)を計算します。経路差が波長の何倍になっているかを確認し、干渉条件に当てはめて強め合うか弱め合うかを判断します。
- (2)では、2つの波源を結ぶ線分上にできる定常波について考えます。中点での干渉の様子(腹か節か)を基準にし、そこから定常波の性質(節の間隔)を利用して節の位置と個数を特定します。
- (3)では、(2)で求めた節の個数と、節線が双曲線になるという知識を用いて、正しい図形を選択します。
- (4)では、波源が逆位相になった場合の干渉条件の変化(条件の入れ替わり)を考慮し、同様に腹の個数を求めます。
問(1)
思考の道筋とポイント
点Pにおける波の振る舞いを知るためには、2つの波源 \(S_1, S_2\) から点Pまでの距離の差(経路差)が重要です。この経路差が波長 \(\lambda\) の整数倍であれば波は強め合い(腹)、半整数倍であれば弱め合います(節)。
この設問における重要なポイント
- 波源 \(S_1, S_2\) は同位相で振動している。
- 波長 \(\lambda = 10\,\text{cm}\)。
- 振幅 \(A = 3\,\text{cm}\)。
- 強め合うとき、振幅は2つの波の振幅の和 \(A + A = 2A\) となる。
具体的な解説と立式
まず、点Pまでの経路差を計算するための式を立てます。
\(S_1\) から点Pまでの距離を \(l_1\)、\(S_2\) から点Pまでの距離を \(l_2\) とします。
経路差 \(\Delta l\) は以下の式で表されます。
$$
\begin{aligned}
\Delta l &= |l_1 – l_2|
\end{aligned}
$$
次に、干渉の条件を確認します。2つの波源が同位相の場合、強め合う条件(腹になる条件)は、\(m\) を \(0\) 以上の整数として以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
\Delta l &= m\lambda
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 経路差: \(\Delta l = |l_1 – l_2|\)
- 同位相の波源による強め合う条件: \(\Delta l = m\lambda\)
与えられた数値を代入して計算します。
\(l_1 = 25\,\text{cm}\)、\(l_2 = 15\,\text{cm}\) なので、
$$
\begin{aligned}
\Delta l &= |25 – 15| \\[2.0ex]
&= 10\,\text{cm}
\end{aligned}
$$
波長は \(\lambda = 10\,\text{cm}\) です。
求めた経路差 \(\Delta l = 10\,\text{cm}\) と波長 \(\lambda\) を比較すると、
$$
\begin{aligned}
10 &= 1 \times 10
\end{aligned}
$$
となり、\(m=1\) の場合の強め合う条件 \(\Delta l = 1\lambda\) を満たしています。
したがって、点Pでは波が強め合い、腹となります。
このときの振幅は、元の振幅 \(3\,\text{cm}\) の2倍になります。
倍率を求める計算は以下の通りです。
$$
\begin{aligned}
\text{倍率} &= \frac{2 \times 3}{3} \\[2.0ex]
&= 2
\end{aligned}
$$
\(S_1\) から来た波と \(S_2\) から来た波が、点Pで合流します。\(S_1\) からの距離と \(S_2\) からの距離の差は \(10\,\text{cm}\) です。これはちょうど波1つ分の長さ(波長)と同じです。波1つ分ずれて重なるということは、波の山と山、谷と谷がぴったり重なるということです。そのため、波は強め合って、振幅は元の2倍になります。
答えは2倍です。経路差が波長の整数倍であることから強め合うという判断は妥当です。
問(2)
思考の道筋とポイント
2つの波源を結ぶ線分上には定常波ができます。この定常波の節の数を求めます。模範解答のアプローチに従い、まず対称の中心である中点Mの様子(腹か節か)を調べ、そこから周期的に現れる節の位置を数えていきます。
この設問における重要なポイント
- 線分 \(S_1S_2\) の長さは \(20\,\text{cm}\)。
- 中点Mでは、2つの波源からの距離が等しいので経路差は \(0\)。
- 定常波の隣り合う腹と節の間隔は \(\frac{\lambda}{4}\)。
- 定常波の隣り合う節と節の間隔は \(\frac{\lambda}{2}\)。
具体的な解説と立式
まず、中点Mでの干渉の状態を調べます。
中点Mにおける経路差 \(\Delta l_M\) は、
$$
\begin{aligned}
\Delta l_M &= |10 – 10| \\[2.0ex]
&= 0
\end{aligned}
$$
これは \(0 \times \lambda\) なので、中点Mは強め合って「腹」になります。
次に、腹から最も近い節までの距離 \(d_{\text{腹-節}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
d_{\text{腹-節}} &= \frac{\lambda}{4}
\end{aligned}
$$
また、節と節の間隔 \(d_{\text{節-節}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
d_{\text{節-節}} &= \frac{\lambda}{2}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 定常波の腹と節の間隔: \(\frac{\lambda}{4}\)
- 定常波の節と節の間隔: \(\frac{\lambda}{2}\)
波長 \(\lambda = 10\,\text{cm}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
d_{\text{腹-節}} &= \frac{10}{4} \\[2.0ex]
&= 2.5\,\text{cm}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
d_{\text{節-節}} &= \frac{10}{2} \\[2.0ex]
&= 5.0\,\text{cm}
\end{aligned}
$$
中点M(位置 \(0\,\text{cm}\) とします)は腹なので、そこから左右に \(2.5\,\text{cm}\) 離れた位置に最初の節があります。
さらにそこから \(5.0\,\text{cm}\) ごとに節が現れます。
波源は中点から左右に \(10\,\text{cm}\) の位置にあります。節の位置がこの範囲内(\(-10 < x < 10\))にあるものを数えます。
- 中点より右側(\(S_2\)側):
- \(2.5\,\text{cm}\) の地点(節)
- \(2.5 + 5.0 = 7.5\,\text{cm}\) の地点(節)
- \(7.5 + 5.0 = 12.5\,\text{cm}\) の地点(範囲外)
よって、右側に2個。
- 中点より左側(\(S_1\)側):
対称性より、同様に2個存在します。
(\(-2.5\,\text{cm}\) と \(-7.5\,\text{cm}\) の地点)
合計個数を計算します。
$$
\begin{aligned}
\text{合計} &= 2 + 2 \\[2.0ex]
&= 4\,\text{個}
\end{aligned}
$$
2つのスピーカーの真ん中(中点)では、両方からの距離が同じなので、同時に出た波は同時に届き、強め合って「腹」になります。定常波では、腹の隣には必ず「節」があり、その距離は波長の4分の1(\(2.5\,\text{cm}\))です。さらにその隣の節は、波長の半分(\(5.0\,\text{cm}\))だけ離れています。中点からスタートして、端っこ(\(10\,\text{cm}\) 離れた波源)にぶつかるまでに節がいくつあるかを数えると、片側に2つずつ、合計で4つ見つかります。
答えは4個です。波源の位置(\(10\,\text{cm}\))には節は来ないので、範囲内にある節は確かに4個となります。
思考の道筋とポイント
図を描いて数える代わりに、数式を使って節の条件を満たす点の個数を計算で求めます。線分上の点における経路差を位置座標 \(x\) の関数として表し、それが節の条件(半波長の奇数倍)を満たすような整数 \(m\) がいくつあるかを数えます。
この設問における重要なポイント
- 中点を原点 \(x=0\) とし、\(S_1\) を \(x=-10\)、\(S_2\) を \(x=10\) とする。
- 線分上の点 \(x\) (\(-10 < x < 10\)) における \(S_1\) からの距離は \(10+x\)、\(S_2\) からの距離は \(10-x\)。
- 経路差は \(|(10+x) – (10-x)| = |2x|\)。
- 節の条件は \(|2x| = (m + \frac{1}{2})\lambda\)。
具体的な解説と立式
線分上の任意の位置 \(x\) における経路差は \(2|x|\) です。これが節になる条件式を立てます。\(m\) を \(0\) 以上の整数とします。
$$
\begin{aligned}
2|x| &= \left(m + \frac{1}{2}\right)\lambda
\end{aligned}
$$
この式を満たす \(x\) が、波源の間(\(-10 < x < 10\))、つまり \(|x| < 10\) の範囲にいくつあるかを調べます。
不等式で表すと以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
2|x| &< 20
\end{aligned}
$$
これに節の条件式を代入して、\(m\) の範囲を求めます。
使用した物理公式
- 節の条件式: \(\Delta l = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
条件式に \(\lambda = 10\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
2|x| &= \left(m + \frac{1}{2}\right) \times 10 \\[2.0ex]
2|x| &= 10m + 5 \\[2.0ex]
|x| &= 5m + 2.5
\end{aligned}
$$
この \(|x|\) が \(10\) より小さい必要があります。
$$
\begin{aligned}
5m + 2.5 &< 10 \\[2.0ex]
5m &< 7.5 \\[2.0ex]
m &< 1.5
\end{aligned}
$$
\(m\) は \(0\) 以上の整数なので、可能な値は \(m = 0, 1\) の2通りです。
各 \(m\) に対して、\(|x|\) が決まります。\(|x| > 0\) なので、\(x\) は正と負の2つの値を持ちます。
- \(m=0\) のとき: \(|x| = 2.5 \rightarrow x = \pm 2.5\) (2個)
- \(m=1\) のとき: \(|x| = 7.5 \rightarrow x = \pm 7.5\) (2個)
合計個数は、
$$
\begin{aligned}
2 + 2 &= 4\,\text{個}
\end{aligned}
$$
数式を使って、「波源からの距離の差が、波長の0.5倍、1.5倍、2.5倍…」となる場所を探す方法です。計算の結果、距離の差が0.5倍(\(m=0\))になる場所と、1.5倍(\(m=1\))になる場所が、波源の間に収まることがわかりました。それぞれ左右に1か所ずつあるので、合計4か所になります。
メインの解法と同じく4個という結果が得られました。この方法は、波源間の距離がもっと長い場合などに特に有効です。
問(3)
思考の道筋とポイント
節線とは、節(弱め合う点)を連ねた線のことです。2つの波源からの距離の差が一定(半波長の奇数倍)となる点の集合は、幾何学的に「双曲線」となります。
この設問における重要なポイント
- 節線は双曲線である。
- 節線の本数は、線分 \(S_1S_2\) 上の節の個数と一致する。
- (2)より、節は4個あるので、節線は4本である。
- 中点は腹なので、中点を通る線(垂直二等分線)は腹線であり、節線ではない。
具体的な解説と立式
節線の本数は、2つの波源を結ぶ線分上の節の数と等しくなります。(2)の結果より、節は4個あるため、節線も4本存在します。
また、中点は腹であるため、中点を通る垂直二等分線は腹線となります。したがって、節線は中点を通らず、その両側に2本ずつ配置される形になります。
選択肢の検討:
- ①: 節線が5本ある(中央に1本、左右に2本ずつ)。本数が合わず、中点を通る線が描かれているため不適。
- ②: 節線が4本あり、中点を通っていない。適切。
- ③: 波紋のような円形になっている。不適。
- ④: 節線が2本で、形も不自然。不適。
使用した物理公式
- 特になし(定性的な判断)
なし
節をつないだ線(節線)は、2つの波源の間を通るカーブ(双曲線)になります。この線の数は、波源の間にできた節の数と同じです。(2)で節は4つあるとわかったので、線も4本あるはずです。また、真ん中は「腹」なので、真ん中を通る線は節線ではありません。これらの条件に合う図は②だけです。
節の数が4個であることと整合するのは②のみです。
問(4)
思考の道筋とポイント
波源が「逆位相」になると、干渉の条件がすべて逆転します。つまり、これまで強め合っていた場所(腹)が弱め合う場所(節)になり、その逆もまた然りです。この性質を利用して、腹の個数を求めます。
この設問における重要なポイント
- 逆位相の場合、経路差 \(0\) の中点は「節」になる。
- 腹になる条件は、経路差 \(\Delta l = (m + \frac{1}{2})\lambda\)。
- 節になる条件は、経路差 \(\Delta l = m\lambda\)。
- 腹と腹の間隔は変わらず \(\frac{\lambda}{2}\)。
具体的な解説と立式
逆位相の場合、中点M(経路差0)は節になります。
求めたいのは「腹」の数です。
中点(節)から最も近い腹までの距離 \(d_{\text{節-腹}}\) は、
$$
\begin{aligned}
d_{\text{節-腹}} &= \frac{\lambda}{4}
\end{aligned}
$$
腹と腹の間隔 \(d_{\text{腹-腹}}\) は、
$$
\begin{aligned}
d_{\text{腹-腹}} &= \frac{\lambda}{2}
\end{aligned}
$$
これらを用いて、中点から順に腹の位置を探します。
使用した物理公式
- 逆位相の干渉条件の反転
- 定常波の間隔: \(\frac{\lambda}{4}\), \(\frac{\lambda}{2}\)
(2)と同様に、\(\lambda = 10\,\text{cm}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
d_{\text{節-腹}} &= 2.5\,\text{cm}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
d_{\text{腹-腹}} &= 5.0\,\text{cm}
\end{aligned}
$$
中点(節)から左右に \(2.5\,\text{cm}\) の位置に最初の腹があります。
そこから \(5.0\,\text{cm}\) ごとに腹が現れます。
範囲 \(-10 < x < 10\) 内の腹を数えます。
- 中点より右側:
- \(2.5\,\text{cm}\) の地点(腹)
- \(2.5 + 5.0 = 7.5\,\text{cm}\) の地点(腹)
- \(7.5 + 5.0 = 12.5\,\text{cm}\) (範囲外)
よって、2個。
- 中点より左側:
対称性より、同様に2個。
合計個数を計算します。
$$
\begin{aligned}
\text{合計} &= 2 + 2 \\[2.0ex]
&= 4\,\text{個}
\end{aligned}
$$
波源の動きが逆(片方が上がるとき片方が下がる)になると、強め合う場所と弱め合う場所が完全に入れ替わります。さっき「腹」だった真ん中は、今度は「節」になります。逆に、さっき「節」だった場所が、今度は「腹」になります。(2)で節が4個あった場所に、今度は腹ができるわけですから、腹の数は4個になります。
答えは4個です。同位相のときの節の位置が、逆位相のときの腹の位置になるため、(2)の答えと同じ数になるのは必然です。
思考の道筋とポイント
逆位相の場合の腹の条件式を用いて、数式的に個数を求めます。
この設問における重要なポイント
- 逆位相の場合、腹になる条件は経路差が半波長の奇数倍。
- 条件式: \(|l_1 – l_2| = (m + \frac{1}{2})\lambda\)。
具体的な解説と立式
線分上の点 \(x\) における経路差は \(2|x|\) です。
逆位相のとき、腹になる条件式は以下の通りです(\(m\) は \(0\) 以上の整数)。
$$
\begin{aligned}
2|x| &= \left(m + \frac{1}{2}\right)\lambda
\end{aligned}
$$
この式は、(2)の別解で立てた「同位相のときの節の条件式」と全く同じ形をしています。
したがって、計算過程も結果も(2)の別解と全く同じになります。
使用した物理公式
- 逆位相の腹の条件式: \(\Delta l = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
(2)の別解と同様に、
$$
\begin{aligned}
2|x| &= \left(m + \frac{1}{2}\right) \times 10 \\[2.0ex]
|x| &= 5m + 2.5
\end{aligned}
$$
範囲 \(|x| < 10\) を満たす \(m\) を探すと、
$$
\begin{aligned}
5m + 2.5 &< 10 \\[2.0ex]
m &< 1.5
\end{aligned}
$$
\(m = 0, 1\) が該当します。
それぞれの \(m\) に対して \(x\) は正負の2つ存在するので、
$$
\begin{aligned}
2 \times 2 &= 4\,\text{個}
\end{aligned}
$$
逆位相のときに「腹」になる条件を式にすると、同位相のときに「節」になる条件の式と全く同じになります。だから、計算するまでもなく、(2)で求めた節の数と同じ4個が答えになります。
数式的にも、同位相の節の条件と逆位相の腹の条件が一致することが確認できました。
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 波の干渉条件の完全理解
- 核心: 2つの波源からの波が重なり合うとき、その強め合い・弱め合いを決めるのは「経路差」と「波長」の関係だけです。この関係式(干渉条件)を正確に記憶し、適用できることが全てです。
- 理解のポイント:
- 経路差 \(\Delta l = |l_1 – l_2|\) が波長 \(\lambda\) の整数倍 \(m\lambda\) ならば、山と山が重なって強め合います(同位相の場合)。
- 経路差が半波長の奇数倍 \((m + \frac{1}{2})\lambda\) ならば、山と谷が重なって弱め合います(同位相の場合)。
- この条件式は、単なる数式ではなく、「波の山と谷がどう重なるか」という物理的なイメージと直結させて理解しましょう。
- 定常波の空間的性質の把握
- 核心: 進行方向が逆の同じ波が重なると、空間に固定された振動パターンである「定常波」が生まれます。この定常波の「腹」と「節」の配置規則を知っていることが、問題を解く鍵となります。
- 理解のポイント:
- 腹と節は交互に等間隔で並びます。
- 隣り合う腹と腹(または節と節)の間隔は半波長 \(\frac{\lambda}{2}\) です。
- 隣り合う腹と節の間隔は \(\frac{\lambda}{4}\) です。
- この「\(\frac{\lambda}{2}\)」と「\(\frac{\lambda}{4}\)」という数字は、定常波の問題では必ず使う定数です。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 逆位相の波源: 今回の問(4)のように、波源が逆位相(片方が山を出したとき、もう片方が谷を出す)の場合、干渉条件が完全に入れ替わります。つまり、整数倍で節、半整数倍で腹になります。「逆位相なら条件逆転」と即座に反応できるようにしましょう。
- 平面上の干渉(双曲線): 線分上だけでなく、平面全体での干渉を問われることがあります。この場合、強め合う点(または弱め合う点)の集合は双曲線を描きます。節線の本数を問われたら、まずは2波源を結ぶ線分上の節の数を数えるのが鉄則です。
- 異なる振幅や波長: もし振幅が異なる場合、節でも振幅は0にならず、最小値(差)になります。波長が異なる場合は、定常波ではなく「うなり」のような複雑な干渉模様になりますが、高校物理では稀です。
- 初見の問題での着眼点:
- 波源の位相確認: まず最初に「同位相」か「逆位相」かを確認します。これが全ての出発点です。
- 中点の状態チェック: 2つの波源の中点は、経路差が0の特別な点です。同位相なら必ず腹、逆位相なら必ず節になります。ここを基準(原点)にして考えると、数え間違いを防げます。
- 波長 \(\lambda\) の計算: 問題文に直接与えられていない場合は、\(v = f\lambda\) などの公式から最初に波長を求めておきましょう。全ての長さの基準は波長です。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 腹と節の条件の取り違え:
- 誤解: 「\(m\lambda\) が節だったっけ?腹だったっけ?」と混乱してしまう。
- 対策: 「経路差0(\(m=0\))のとき」を考えましょう。同位相なら、距離の差がないので同時に山が届き、強め合います。つまり「整数倍=強め合う」と導けます。丸暗記ではなく、極端な例でその場で導出するのが確実です。
- 端点の扱いのミス:
- 誤解: 波源の位置そのものを数に含めるかどうか迷う。
- 対策: 問題文の「\(S_1, S_2\) を結ぶ線分上」という表現に注意します。通常、波源の位置では波の発生源としての振る舞いが優先されるため、干渉の議論からは除外されることが多いですが、厳密には不等号(\(<\) か \(\le\) か)で判断します。今回の解説のように、波源の位置と節の位置が一致しない場合は問題になりませんが、一致する場合は問題文の微妙なニュアンス(「間」なのか「上」なのか)を読み取る必要があります。
- 節の間隔を \(\lambda\) と勘違いする:
- 誤解: 波長が \(\lambda\) だから、節も \(\lambda\) ごとに現れると思い込む。
- 対策: 定常波の1波長分には、山(腹)と谷(腹)が1つずつ含まれます。つまり、腹は2回現れます。よって、腹(節)の間隔は \(\frac{\lambda}{2}\) です。図を描いて確認する癖をつけましょう。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- (1)での公式選択(経路差と干渉条件):
- 選定理由: 問われているのは「ある一点での振幅」です。波の干渉において、振幅を決める唯一の要因は「2つの波の位相差(ズレ)」であり、それは「経路差」によって決まります。したがって、経路差 \(\Delta l\) を計算し、干渉条件式に当てはめるアプローチが必然となります。
- 適用根拠: 波源からの距離が具体的に与えられているため、幾何学的に経路差を計算可能です。
- (2)でのアプローチ選択(中点基準の数え上げ vs 不等式):
- 選定理由: 模範解答が採用している「中点から順に数える」方法は、物理的な現象(定常波の形)をイメージしやすく、数が少ない場合には直感的でミスが少ないため推奨されます。一方、別解の「不等式」は、数が非常に多い場合や、波源間距離が文字式で与えられた場合に威力を発揮します。
- 適用根拠: 今回は節の数が4個と少ないため、中点(腹)を基準に \(\frac{\lambda}{4}\), \(\frac{\lambda}{2}\) と距離を足していく方法が最も確実で早いです。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 図を描いて可視化する:
- 頭の中だけで \(\frac{\lambda}{4}\) や \(\frac{\lambda}{2}\) を足していくと、個数を1つずらす(植木算のミス)可能性が高いです。簡単な数直線を描き、中点に「腹」と書き込み、そこから定規の目盛りのように節の位置をマークしていくと、数え間違いは激減します。
- 単位の確認:
- 全て \(\text{cm}\) で統一されているか確認しましょう。もし \(\text{m}\) と \(\text{cm}\) が混在していたら、計算前に必ず統一します。
- 対称性の利用:
- 中点を中心に左右対称であることを利用すれば、片側だけ数えて2倍するだけで済みます。計算量が半分になれば、ミスする確率も半分になります。ただし、中点そのものがカウント対象(例えば中点が節の場合の節の数)である場合は、2倍してから1を足すのを忘れないように注意が必要です。
例題26 波の屈折
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 波長の計算の別解: 絶対屈折率と波長の関係を用いた解法
- 模範解答が速度と波長の比の式 \(\frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2}\) を用いて計算するのに対し、別解では「絶対屈折率」の概念を導入し、\(n_1 \lambda_1 = n_2 \lambda_2\) (光学距離の保存に関連する式)という関係式を用いて解きます。
- 波長の計算の別解: 絶対屈折率と波長の関係を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- 物理的本質の理解: 「媒質の光学的な密度(屈折率)が高いほど、波長は短くなる(波が詰まる)」という物理的直感を養えます。
- 汎用性の高さ: 光波の干渉問題(薄膜干渉など)において、光路長(\(n \times \text{距離}\))や波長の短縮(\(\lambda’ = \lambda/n\))を考える際の基礎となる重要な考え方です。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる数値は模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「波の屈折」です。波が異なる媒質へ進む際、速さが変化することで進行方向が変わる現象(屈折)を作図と計算の両面から理解することが目的です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- ホイヘンスの原理: 波面上の各点を波源として素元波が広がり、それらの共通接線が次の瞬間の波面になるという原理。作図の根拠となります。
- 屈折の法則: 入射角 \(i\)、屈折角 \(r\)、各媒質での速さ \(v_1, v_2\)、波長 \(\lambda_1, \lambda_2\) の間に成り立つ関係式 \(\frac{\sin i}{\sin r} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2}\)。
- 振動数不変の原理: 波が屈折しても、波源の振動数 \(f\) は変化しません(\(v=f\lambda\) より、速さと波長は比例関係になります)。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 作図問題では、ホイヘンスの原理に基づき、媒質Iと媒質IIでの波の速さの比を利用して、ある時間が経過した後の素元波の広がりを作図し、屈折波の波面と進行方向を決定します。
- 波長の計算では、屈折の法則(速さと波長の比例関係)を用いて、媒質IIでの波長を計算します。
作図問題
思考の道筋とポイント
波の進行方向(射線)と波面は常に垂直です。媒質が変わると波の速さが変わるため、同じ時間に進める距離が変わります。この「進める距離の違い」が波面の折れ曲がり(屈折)を生み出します。ホイヘンスの原理を使って、幾何学的に次の波面を描きます。
この設問における重要なポイント
- 波面は進行方向(射線)と垂直である。
- 媒質Iでの速さ \(v_1 = 3.0\,\text{m/s}\)。
- 媒質IIでの速さ \(v_2 = 2.0\,\text{m/s}\)。
- 同じ時間 \(t\) の間に進む距離の比は、速さの比に等しい(\(3:2\))。
具体的な解説と立式
作図の手順を論理的に組み立てます。
図中の波面上の点Bと、境界面上の点O、O’に注目します。
入射波の波面が点Bから点O’まで進む時間を \(t\) とします。
この間に波が進む距離 \(BO’\) は、媒質Iの速さ \(v_1\) を用いて以下のように表せます。
$$
\begin{aligned}
BO’ &= v_1 t
\end{aligned}
$$
同じ時間 \(t\) の間に、すでに媒質IIに入っている点Oから出た素元波は、媒質IIの中を広がります。
この素元波の半径 \(r\) は、媒質IIの速さ \(v_2\) を用いて以下のように表せます。
$$
\begin{aligned}
r &= v_2 t
\end{aligned}
$$
これら2つの距離の比をとります。
$$
\begin{aligned}
\frac{r}{BO’} &= \frac{v_2 t}{v_1 t} \\[2.0ex]
&= \frac{v_2}{v_1}
\end{aligned}
$$
数値を代入して比を求めます。
$$
\begin{aligned}
\frac{r}{BO’} &= \frac{2.0}{3.0} \\[2.0ex]
&= \frac{2}{3}
\end{aligned}
$$
したがって、点Oから広がる素元波の半径 \(r\) は、距離 \(BO’\) の \(\frac{2}{3}\) 倍の長さになります。
$$
\begin{aligned}
r &= \frac{2}{3} BO’
\end{aligned}
$$
作図手順:
- コンパスなどで長さ \(BO’\) を測り、その \(\frac{2}{3}\) の長さをとります。
- 点Oを中心として、半径 \(r = \frac{2}{3} BO’\) の円(素元波)を媒質II側に描きます。
- 点O’からこの円に接線 \(O’C\) を引きます(Cは接点)。この接線が「屈折波の波面」です。
- 点Oから接点Cへ向かう直線(矢印)を引きます。これが「屈折波の進行方向」です。
使用した物理公式
- 等速直線運動: \(x = vt\)
- ホイヘンスの原理
(作図問題のため、数値計算は比の計算のみ)
$$
\begin{aligned}
v_1 : v_2 &= 3.0 : 2.0 \\[2.0ex]
&= 3 : 2
\end{aligned}
$$
よって、進む距離の比も \(3:2\) となります。
波の「列」が斜めに境界線に入ってくる様子を想像してください。列の片側(点O側)が先に「泥沼(遅くなる媒質)」に入り、もう片側(点B側)はまだ「舗装路(速い媒質)」を走っています。
舗装路側の点Bが点O’まで進む間に、泥沼に入った点Oはあまり進めません。具体的には、速さが \(3.0\) から \(2.0\) に落ちるので、進める距離は \(\frac{2}{3}\) になってしまいます。
点Oから「\(\frac{2}{3}\) しか進めなかった距離」の円を描き、点O’からその円に接するように線を引くと、それが新しい波の列(波面)になります。波はこの波面に垂直に進むので、進行方向も折れ曲がります。
作図の結果、屈折波は入射波よりも法線(境界面に垂直な線)に近づく方向に折れ曲がります。これは、速い媒質から遅い媒質へ進む際の一般的な性質と一致しており、妥当です。
波長の計算
思考の道筋とポイント
波が屈折しても、波源の振動数 \(f\) は変わりません。波の基本式 \(v = f\lambda\) において \(f\) が一定であるため、速さ \(v\) と波長 \(\lambda\) は比例関係にあります。これを利用して、媒質IIでの波長 \(\lambda_2\) を求めます。
この設問における重要なポイント
- 媒質Iでの速さ \(v_1 = 3.0\,\text{m/s}\)。
- 媒質IIでの速さ \(v_2 = 2.0\,\text{m/s}\)。
- 媒質Iでの波長 \(\lambda_1 = 4.5\,\text{m}\)。
- 屈折の法則: \(\frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2}\)。
具体的な解説と立式
屈折の法則より、速さの比と波長の比は等しくなります。
$$
\begin{aligned}
\frac{v_1}{v_2} &= \frac{\lambda_1}{\lambda_2}
\end{aligned}
$$
この式に既知の値を代入して、未知数 \(\lambda_2\) を求める方程式を立てます。
使用した物理公式
- 屈折の法則: \(\frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2}\)
値を代入します。
$$
\begin{aligned}
\frac{3.0}{2.0} &= \frac{4.5}{\lambda_2}
\end{aligned}
$$
この式を \(\lambda_2\) について解きます。
たすき掛け(斜めの積が等しい)を行うと、
$$
\begin{aligned}
3.0 \times \lambda_2 &= 2.0 \times 4.5 \\[2.0ex]
3.0 \lambda_2 &= 9.0 \\[2.0ex]
\lambda_2 &= \frac{9.0}{3.0} \\[2.0ex]
\lambda_2 &= 3.0\,\text{m}
\end{aligned}
$$
波の速さが遅くなると、後ろの波が前の波に追いつこうとするため、波と波の間隔(波長)が詰まって短くなります。
速さが \(3.0\) から \(2.0\) になったので、速さは \(\frac{2}{3}\) 倍になりました。
波長も同じように \(\frac{2}{3}\) 倍になります。
元の波長 \(4.5\,\text{m}\) の \(\frac{2}{3}\) 倍を計算すれば答えが出ます。
答えは \(3.0\,\text{m}\) です。速さが遅くなった分、波長も短くなっており、物理的に妥当な結果です。
思考の道筋とポイント
「絶対屈折率」という概念を使って解きます。絶対屈折率 \(n\) は、真空中の光速 \(c\) とその媒質中の速さ \(v\) の比で定義され、\(n = \frac{c}{v}\) となります。つまり、速さと絶対屈折率は反比例します。
また、振動数が変わらないため、波長も速さに比例し、結果として「波長は絶対屈折率に反比例する」という重要な性質が導かれます。これを利用して立式します。
この設問における重要なポイント
- 絶対屈折率 \(n\) と速さ \(v\) の関係: \(n v = c\) (一定)。
- 絶対屈折率 \(n\) と波長 \(\lambda\) の関係: \(n \lambda = \lambda_0\) (一定、\(\lambda_0\) は真空中での波長)。
- 媒質Iの絶対屈折率を \(n_1\)、媒質IIの絶対屈折率を \(n_2\) とおく。
具体的な解説と立式
まず、絶対屈折率と速さの関係式 \(n = \frac{c}{v}\) より、以下の関係が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
n_1 v_1 &= n_2 v_2 \\[2.0ex]
&= c \quad (\text{一定})
\end{aligned}
$$
同様に、波長についても以下の関係が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
n_1 \lambda_1 &= n_2 \lambda_2 \\[2.0ex]
&= \lambda_0 \quad (\text{一定})
\end{aligned}
$$
これら2つの式から、\(n_1, n_2\) を消去して \(\lambda_2\) を求める形に変形します。
上の式より \(n_1 : n_2 = v_2 : v_1\) なので、これを下の式に適用すると、
$$
\begin{aligned}
\frac{\lambda_1}{\lambda_2} &= \frac{n_2}{n_1} \\[2.0ex]
&= \frac{v_1}{v_2}
\end{aligned}
$$
となりますが、ここでは「絶対屈折率の比」を明示的に計算してから波長を求める手順を踏みます。
媒質Iに対する媒質IIの相対屈折率 \(n_{12}\) (これは絶対屈折率の比 \(\frac{n_2}{n_1}\) に等しい)を求めます。
$$
\begin{aligned}
n_{12} &= \frac{v_1}{v_2}
\end{aligned}
$$
そして、波長は屈折率に反比例して変化することを用います。
$$
\begin{aligned}
\lambda_2 &= \frac{\lambda_1}{n_{12}}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 絶対屈折率の定義: \(n = \frac{c}{v}\)
- 屈折率と波長の関係: \(\lambda’ = \frac{\lambda}{n}\)
まず、相対屈折率(屈折率の比)を計算します。
$$
\begin{aligned}
n_{12} &= \frac{3.0}{2.0} \\[2.0ex]
&= 1.5
\end{aligned}
$$
これは、媒質IIが媒質Iに比べて「1.5倍、波が進みにくい(光学的に密な)媒質である」ことを意味します。
波長はこの比率で縮みます。
$$
\begin{aligned}
\lambda_2 &= \frac{4.5}{1.5} \\[2.0ex]
&= 3.0\,\text{m}
\end{aligned}
$$
「屈折率」という数値は、「どれくらい波の進みを邪魔するか」の度合いだと考えてください。
速さの比を見ると、媒質IIは媒質Iよりも \(1.5\) 倍遅くなる場所です。つまり、屈折率は \(1.5\) 倍大きいということです。
屈折率が \(1.5\) 倍になると、波長はギュッと圧縮されて \(1.5\) 分の \(1\) になります。
\(4.5\,\text{m}\) を \(1.5\) で割ることで、新しい波長が求められます。
メインの解法と同じく \(3.0\,\text{m}\) が得られました。この考え方は、光の干渉などで「光路長(屈折率×距離)」を考える際に非常に重要になります。
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- ホイヘンスの原理による波面の作図
- 核心: 波の進行現象を幾何学的に理解するための最強のツールです。「ある瞬間の波面上のすべての点が、新しい波源(素元波の中心)になる」という原理さえあれば、反射も屈折も回折もすべて説明できます。
- 理解のポイント:
- 素元波の半径 \(r\) は、その媒質での速さ \(v\) と経過時間 \(t\) の積 \(vt\) で決まります。
- 媒質が変わると速さが変わるため、素元波の半径が変わります。これが波面の折れ曲がり(屈折)の原因です。
- 「共通接線」が次の波面になる、という作図の手順をマスターしましょう。
- 屈折の法則の適用
- 核心: 屈折現象を数式で記述したものです。入射角、屈折角、速さ、波長、屈折率の間の比例・反比例関係を一挙に表します。
- 理解のポイント:
- \(\frac{\sin i}{\sin r} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2} = n_{12}\) という一連の等式を暗記するだけでなく、それぞれの項が何を意味するかを理解しましょう。
- 特に「速さが遅くなると、角度(法線とのなす角)は小さくなり、波長は短くなる」という定性的なイメージを持つことが重要です。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 全反射の問題: 屈折角が \(90^\circ\) になるとき、光(波)は境界面から外に出られなくなります。これは「遅い媒質から速い媒質へ」進むとき(\(n_1 > n_2\))にのみ起こります。屈折の法則で \(\sin r = 1\) と置くことで臨界角を求められます。
- プリズムを通る光: ガラスのプリズムを通る光は、2回の屈折を経て大きく曲げられます。それぞれの面で丁寧に屈折の法則を適用し、偏角(どれだけ曲がったか)を計算する問題が頻出です。
- 光ファイバー: 全反射の原理を応用した技術です。芯(コア)の屈折率を鞘(クラッド)より高くすることで、光を閉じ込めて遠くまで運びます。
- 初見の問題での着眼点:
- 媒質の「硬さ(疎密)」を見極める: 波の速さが与えられていれば、どちらが「速い(疎)」でどちらが「遅い(密)」かを即座に判断します。
- 法線を引く: 境界面に対して垂直な線(法線)を必ず引きましょう。入射角や屈折角は、境界面ではなく「法線」とのなす角です。ここを間違えると全て計算が狂います。
- 比例関係の確認: 「速いほう=角度が大きい=波長が長い」「遅いほう=角度が小さい=波長が短い」という大小関係を常に意識して、計算結果がそれに合っているか確認します。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 入射角・屈折角の定義ミス:
- 誤解: 波の進行方向と「境界面」とのなす角を \(i\) や \(r\) としてしまう。
- 対策: 物理における角度は、基本的に「法線(垂線)」とのなす角です。図を描くときは、まず法線を点線で引き、そこからの角度を測る癖をつけましょう。
- 相対屈折率の添字の混乱:
- 誤解: \(n_{12}\) が \(\frac{n_1}{n_2}\) なのか \(\frac{n_2}{n_1}\) なのか分からなくなる。
- 対策: \(n_{12}\) は「媒質1に対する媒質2の屈折率」であり、定義は \(\frac{v_1}{v_2}\) です。絶対屈折率との関係は逆比になり、\(\frac{n_2}{n_1}\) です。「1から2へ行くとき、速度は \(v_1/v_2\) 倍、屈折率は \(n_2/n_1\) 倍」と整理して覚えましょう。あるいは、常に \(n_1 \sin i = n_2 \sin r\) の形(屈折の法則の対称形)で使うとミスが減ります。
- 振動数が変わるという誤解:
- 誤解: 媒質が変わって速さが変わると、振動数も変わると思ってしまう。
- 対策: 振動数は「波源」が決めるものであり、一度出た波の振動数は媒質が変わっても絶対に変わりません。これは波の基本原理です。「色は変わらない(光の場合)」「音の高さは変わらない(音の場合)」と覚えましょう。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 作図問題での公式選択(ホイヘンスの原理):
- 選定理由: 求められているのが「作図」であり、波の進行現象を幾何学的に構成する必要があるためです。波面の進行を説明できる原理はホイヘンスの原理しかありません。
- 適用根拠: 媒質ごとの速さが与えられているため、素元波の半径比を決定でき、正確な作図が可能です。
- 波長の計算での公式選択(屈折の法則):
- 選定理由: 異なる媒質間での波の物理量(速さ、波長)の関係を問われているため、それらを結びつける屈折の法則が最適です。
- 適用根拠: 入射波の速さと波長、屈折波の速さが既知であるため、方程式を立てれば未知の波長を直接計算できます。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 比の計算を活用する:
- 今回のように \(3.0\) と \(2.0\) というきれいな数字の場合、分数のまま計算するよりも「\(3:2\) だから \(\frac{2}{3}\) 倍」と比率で考える方が直感的でミスが減ります。
- 単位の確認:
- 速さが \(\text{m/s}\)、波長が \(\text{m}\) で統一されているか確認します。もし \(\text{cm}\) などが混ざっていたら、計算前に必ず統一しましょう。
- 図形的なチェック:
- 計算で求めた波長が、作図した波面の間隔と矛盾していないか確認します。作図で波面の間隔が狭くなっているなら、計算結果の波長も元の波長より短くなっていなければなりません。
[mathjax] SNSでのシェアはご自由にどうぞ。(上のボタンをクリック) ブログで引用する際には、こちらのリンクを添えてください。 【引用】https://makoto-physics-school.com […]