今回の問題
dynamics#55【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「力学的エネルギー保存則、運動量保存則、単振動の組み合わせ」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 力学的エネルギー保存則: 小球が斜面を滑り落ちる過程や、衝突後に一体となった物体がばねを圧縮する過程では、非保存力(摩擦など)が仕事をしないため、力学的エネルギーが保存されます。
- 運動量保存則: 小球が板に衝突する瞬間は、ごく短時間であるため、ばねの力などの外力の影響は無視できます。したがって、小球と板を一つの系とみなすと、衝突の直前直後で系の水平方向の運動量は保存されます。
- 単振動: 衝突後、一体となった物体はばねの復元力を受けて単振動します。その周期は、物体の質量とばね定数によって決まります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
この問題は、大きく3つの段階に分けて考えます。
- 段階1(小球の滑落): 小球が高さ\(h\)から水平面まで滑り落ちる過程。力学的エネルギー保存則を用いて、衝突直前の小球の速さを求めます。
- 段階2(小球と板の衝突): 小球が板に衝突し、一体となる瞬間。これは完全非弾性衝突であり、運動量保存則を用いて、衝突直後の一体となった物体の速さを求めます。
- 段階3(一体となった物体の単振動): 一体となった物体がばねを縮める過程。力学的エネルギー保存則を用いてばねの最大の縮みを、単振動の周期の考え方を用いて速さが0になるまでの時間を求めます。