仕事の原理とは?道具を使っても仕事の量は同じ【イメージ重視の物理基礎】

  • まずはザックリ理解したい
  • イメージを優先したい
  • 苦手を克服したい

このような方向けに解説をしていきます。

【今回わかること】

  • 仕事の原理とはなにか
  • てこの原理を使うと、なぜ重いものを持ち上げやすくなるか
  • 動滑車はなぜ重いものを持ち上げやすくなるか

『仕事の原理』とは道具を使っても仕事の量は変わらないということ

物体にを加えて動かすと、その力は仕事をしたことになります。

「道具を使っても仕事の量が変わらない」ことを『仕事の原理』と呼びます。

この仕事の原理を利用することでカンタンに物を動かせる道具が身の回りにはたくさんあります。

 

例えば、車いすの人がバスに乗車するのを手伝うところをイメージしてみましょう。

車いすを持ち上げようとするとかなりの力が必要になります。

しかし、坂になっている台を使うと楽に乗車することができますよね。

このように道具を使うことで、通常は大きな力を必要とすることも小さな力で済むようになります。

その元になっている原理が『仕事の原理』と呼ばれるものです。

まこと
道具を使っても仕事の量は変わらない!

 

なぜ仕事の量が変わらないのか

仕事力×力の方向に移動した距離で求めることができます。

道具を使うと『』は小さくて済むようになりますが、同時に『力の方向に移動した距離』が大きくなるため、結果的に仕事の量は変わりません。

車いすの例では、まっすぐ上に持ち上げるよりもスロープを使った方が移動距離が伸びます。

移動距離が伸びたことによって、車いすを運ぶために必要となる力が小さくなる。

つまり、運ぶのが楽に感じるようになるということです。

まこと
仕事の原理を活かしたものはたくさんありますが、ここでは代表的な2つの例を覚えておきましょう!

 

【代表例1】てこの原理

てこの原理とは、持ち上げたい物の場所(作用点)に支えとなる場所(支点)を近づけることで必要な力を減らすというものです。

力を加える部分(力点)の移動距離は長くなりますが、荷物が乗っている部分の移動距離は短くなります。

ここで「仕事の原理」より、加えた力のする仕事と荷物を持ち上げる仕事の量は同じになるはずです。

つまり荷物側は移動距離が短い分、加えた力よりも荷物を持ち上げる力は大きくなります。

よって、小さな力で重いものを持ち上げることが可能になります。

まこと
支点の場所を調節して力点の移動距離を伸ばせば、より重いものを持ち上げられる!

 

【代表例2】動滑車

滑車が壁に固定されずに、自由に動くことができるものを動滑車と呼びます。

ロープを1m引っぱったとしても、動滑車部分は2本のロープで合わせて1m分動くことになります。

よって動滑車部分は0.5mしか持ち上がりません

つまり、動滑車に取りつけた荷物を1m持ち上げるためには、倍の2m引っぱる必要があります。

さらに、動滑車の部分は2本のロープで引っ張っている状態と同じなので、荷物を引っ張る力が2倍になります

動滑車を使えば、普通に1m持ち上げるときの半分の力で済むということです。

このような理由で、動滑車を使えば小さな力でも重いものを持ち上げることが可能になります。

 

まこと
「動滑車について教わったことない」という方は、こちらの動画で基本事項のチェックをしてみましょう!

 

まとめ

  • 仕事の原理とは、道具を使っても仕事の量が変わらないという原理
  • 距離を長くすれば必要な力が小さくて済む
  • 代表例は『てこ』と『動滑車』

 

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