問題124 ハシゴ型に連結を増やしていく回路 (24 横浜市大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(1)(b)の別解1: ミルマンの定理を用いた解法
- 模範解答がキルヒホッフの法則(連立方程式)で解くのに対し、別解1では並列接続された電源の端子電圧を一発で求める公式(ミルマンの定理)を用います。
- 設問(1)(b)の別解2: 微積分を用いた体系的解法(電位の定義とキルヒホッフ則の導出)
- 回路方程式を既知の公式として扱うのではなく、静電場の保存力としての性質(電位の一意性)と電荷保存則から、キルヒホッフの法則が成り立つ理由を原理的に解説します。
- 設問(1)(b)の別解1: ミルマンの定理を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- ミルマンの定理: 複雑な連立方程式を立てずに済むため、計算時間を大幅に短縮でき、検算用としても極めて有効です。
- 微積分の解法: 「なぜ回路を一周すると電位差の和が0になるのか」という物理的背景を理解することで、公式の適用範囲や意味を深く理解できます。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「無限に続くはしご型回路(ラダー回路)の等価回路と極限」です。複雑に見える回路も、基本的な単位構造の繰り返しであることを利用し、漸化式を立てて解く手法を学びます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- キルヒホッフの法則: 回路網解析の基本。電流の連続性と電位の一意性に基づきます。
- テブナンの定理(等価電源の考え方): 複雑な回路網を、一つの電圧源と一つの抵抗の直列回路(等価回路)に置き換えて考える手法です。
- 数学的帰納法と漸化式: 繰り返し構造を持つ物理系において、\(n\) 番目と \(n+1\) 番目の関係性から一般項を導きます。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、基本となる単純な回路の電圧と電流を求めます。これが後の設問の基礎パーツとなります。
- (2)では、(1)の結果を利用して、並列回路を一つの「等価電源」に置き換えるための変換式を導きます。
- (3)〜(5)では、回路の段数を増やしながら、(2)の変換式を繰り返し適用し、規則性を見つけます。
- (6)(7)では、見つけた規則性を漸化式として立式し、一般項と極限値を求めます。
問(1)
思考の道筋とポイント
(a) 図1(図a)は単一の閉回路です。キルヒホッフの第2法則(電圧則)を適用すれば解けます。
(b) 図2(図b)は2つの閉回路を持つ回路網です。未知数が電流 \(I_1, I_2, I\) の3つあるため、キルヒホッフの第1法則(電流則)と第2法則を組み合わせて連立方程式を立てます。
この設問における重要なポイント
- 電流の向きの仮定: 図bで電流 \(I_1, I_2, I\) の向きが指定されているので、それに従います。
- 閉回路の選び方: 未知数を求めるために必要な本数の独立な式を立てます。
具体的な解説と立式
(a) 図1(図a)について
回路を流れる電流を \(I_0\) とします。
回路全体を時計回りに一周する閉回路について、キルヒホッフの第2法則(起電力の和 \(=\) 電圧降下の和)を立式します。
$$
\begin{aligned}
E_0 &= R_0 I_0 + r I_0 \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$
端子間の電圧 \(V_0\) は、抵抗 \(r\) での電圧降下に等しいです。
$$
\begin{aligned}
V_0 &= r I_0 \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
(b) 図2(図b)について
図bのように、\(R_1\) を流れる電流を \(I_1\)(上向き)、\(R_2\) を流れる電流を \(I_2\)(上向き)、\(r\) を流れる電流を \(I\)(下向き)とします。
まず、上の分岐点におけるキルヒホッフの第1法則(流入電流の和 \(=\) 流出電流の和)より、
$$
\begin{aligned}
I_1 + I_2 &= I \quad \cdots ③
\end{aligned}
$$
次に、左側の閉回路(電源 \(E_1\) を含むループ)について、時計回りにキルヒホッフの第2法則を立式します。
$$
\begin{aligned}
E_1 &= R_1 I_1 + r I \quad \cdots ④
\end{aligned}
$$
同様に、右側の閉回路(電源 \(E_2\) を含むループ)について、時計回りに立式します。
$$
\begin{aligned}
E_2 &= R_2 I_2 + r I \quad \cdots ⑤
\end{aligned}
$$
端子間の電圧 \(V\) は、抵抗 \(r\) での電圧降下です。
$$
\begin{aligned}
V &= r I \quad \cdots ⑥
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- キルヒホッフの第1法則: \(\sum I_{\text{入}} = \sum I_{\text{出}}\)
- キルヒホッフの第2法則: \(\sum V_{\text{起電力}} = \sum R I\)
- オームの法則: \(V = RI\)
(a)の計算
式①より、\(I_0\) について解きます。
$$
\begin{aligned}
I_0 (R_0 + r) &= E_0 \\[2.0ex]
I_0 &= \frac{E_0}{R_0 + r}
\end{aligned}
$$
これを式②に代入して \(V_0\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
V_0 &= r \cdot \frac{E_0}{R_0 + r} \\[2.0ex]
&= \frac{r}{R_0 + r} E_0
\end{aligned}
$$
(b)の計算
式④、⑤から \(I_1, I_2\) を \(I\) を用いて表します。
$$
\begin{aligned}
R_1 I_1 &= E_1 – rI \\[2.0ex]
I_1 &= \frac{E_1 – rI}{R_1}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
R_2 I_2 &= E_2 – rI \\[2.0ex]
I_2 &= \frac{E_2 – rI}{R_2}
\end{aligned}
$$
これらを式③に代入します。
$$
\begin{aligned}
\frac{E_1 – rI}{R_1} + \frac{E_2 – rI}{R_2} &= I
\end{aligned}
$$
両辺に \(R_1 R_2\) を掛けて分母を払います。
$$
\begin{aligned}
R_2 (E_1 – rI) + R_1 (E_2 – rI) &= R_1 R_2 I \\[2.0ex]
R_2 E_1 – R_2 r I + R_1 E_2 – R_1 r I &= R_1 R_2 I
\end{aligned}
$$
\(I\) を含む項を右辺に集めます。
$$
\begin{aligned}
R_2 E_1 + R_1 E_2 &= R_1 R_2 I + R_1 r I + R_2 r I \\[2.0ex]
R_2 E_1 + R_1 E_2 &= \{ R_1 R_2 + r(R_1 + R_2) \} I
\end{aligned}
$$
よって、\(I\) が求まります。
$$
\begin{aligned}
I &= \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}
\end{aligned}
$$
これを式⑥に代入して \(V\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
V &= r I \\[2.0ex]
&= \frac{r(R_2 E_1 + R_1 E_2)}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}
\end{aligned}
$$
(a)は、電池と抵抗が1つずつつながった単純な回路です。電池のパワー(起電力)を、内部抵抗と外付け抵抗で山分けします。
(b)は、2つの電池と抵抗のセットが並列につながり、それがさらに外付け抵抗 \(r\) につながっています。それぞれの電池から流れ出た電流が合流して \(r\) に流れ込みます。キルヒホッフの法則を使って連立方程式を解くことで、複雑な回路でも電流と電圧を正確に計算できます。
(a) \(V_0 = \frac{r}{R_0+r}E_0\), \(I_0 = \frac{E_0}{R_0+r}\)。これは分圧の法則そのものであり妥当です。
(b) \(V = \frac{r(R_2 E_1 + R_1 E_2)}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}\), \(I = \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}\)。
もし \(E_1=E_2=E, R_1=R_2=R\) ならば、対称性より \(V = \frac{r(2RE)}{R^2 + 2rR} = \frac{2rE}{R+2r}\) となり、合成抵抗 \(R/2\) の電池と \(r\) の直列回路の結果と一致します。
(a) \(V_0 = \displaystyle \frac{r}{R_0 + r} E_0\), \(I_0 = \displaystyle \frac{E_0}{R_0 + r}\)
(b) \(V = \displaystyle \frac{r(R_2 E_1 + R_1 E_2)}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}\), \(I = \displaystyle \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}\)
思考の道筋とポイント
図2の回路は、起電力 \(E_1\) と抵抗 \(R_1\) の枝、起電力 \(E_2\) と抵抗 \(R_2\) の枝、そして抵抗 \(r\)(起電力 \(0\) とみなせる)の枝が並列に接続された構造をしています。
このような並列回路の端子電圧 \(V\) は、「ミルマンの定理」を用いると一発で求まります。
この設問における重要なポイント
- ミルマンの定理: 並列接続された複数の電圧源の端子電圧を与える公式です。
- 起電力の向き: 全ての枝で起電力の向きを揃えて考える必要があります。抵抗 \(r\) の枝は起電力 \(0\) とみなします。
具体的な解説と立式
ミルマンの定理より、並列回路の全電圧 \(V\) は以下の式で表されます。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{\displaystyle \sum \frac{E_k}{R_k}}{\displaystyle \sum \frac{1}{R_k}}
\end{aligned}
$$
今回の回路に適用すると、3つの枝(\(R_1\)の枝、\(R_2\)の枝、\(r\)の枝)について以下のようになります。なお、\(r\) の枝には起電力がないため \(E_3=0\) とします。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{\displaystyle \frac{E_1}{R_1} + \frac{E_2}{R_2} + \frac{0}{r}}{\displaystyle \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2} + \frac{1}{r}} \quad \cdots ⑦
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- ミルマンの定理: \(V = \frac{\sum (E_k/R_k)}{\sum (1/R_k)}\)
- オームの法則: \(I = V/R\)
式⑦の分母と分子に \(R_1 R_2 r\) を掛けて整理します。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{\displaystyle \left( \frac{E_1}{R_1} + \frac{E_2}{R_2} \right) \cdot R_1 R_2 r}{\displaystyle \left( \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2} + \frac{1}{r} \right) \cdot R_1 R_2 r} \\[2.0ex]
&= \frac{E_1 R_2 r + E_2 R_1 r}{R_2 r + R_1 r + R_1 R_2} \\[2.0ex]
&= \frac{r(R_2 E_1 + R_1 E_2)}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}
\end{aligned}
$$
また、電流 \(I\) はオームの法則より求まります。
$$
\begin{aligned}
I &= \frac{V}{r} \\[2.0ex]
&= \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}
\end{aligned}
$$
ミルマンの定理は、複数の電池を並列につないだときの「平均的な電圧」を計算する便利な道具です。
それぞれの電池の電圧を、その通り道の抵抗で割った値(電流のようなもの)を全部足し合わせ、それを「抵抗の逆数の合計」で割ることで、全体の電圧が一発で求まります。
メインの解法と全く同じ結果が、わずか数行の計算で得られました。並列回路の問題においてミルマンの定理がいかに強力であるかが分かります。
思考の道筋とポイント
キルヒホッフの第2法則 \(\sum V = 0\) は、静電場における「エネルギー保存則(電位の一意性)」の現れです。
ここでは、電場 \(\vec{E}\) の線積分を用いて、回路方程式が成り立つ理由を確認しながら解きます。
この設問における重要なポイント
- 静電場の保存力性: 静電場による力は保存力であり、一周したときの仕事の総和は \(0\) になります。
- 電位の定義: 電位差は電場の線積分で定義されます。
具体的な解説と立式
静電場 \(\vec{E}\) は保存力場であり、任意の閉曲線 \(C\) に沿った線積分は \(0\) になります。
$$
\begin{aligned}
\oint_C \vec{E} \cdot d\vec{r} &= 0 \quad \cdots ⑧
\end{aligned}
$$
図bの左側の閉回路(\(E_1\) を含むループ)に沿って、この積分を実行します。
電池内部では非静電力により電位が \(E_1\) 上がり、抵抗 \(R_1, r\) 内部では電流によるオーム抵抗で電位が下がります(電場は電流と同じ向き)。
経路上の電位変化の総和は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
(\text{電池での上昇}) – (\text{抵抗}R_1\text{での降下}) – (\text{抵抗}r\text{での降下}) &= 0 \\[2.0ex]
E_1 – R_1 I_1 – r I &= 0
\end{aligned}
$$
これは式④と同じです。同様に右側のループについても、
$$
\begin{aligned}
E_2 – R_2 I_2 – r I &= 0
\end{aligned}
$$
となり、式⑤が得られます。
また、キルヒホッフの第1法則は「電荷保存則」の現れです。分岐点に流入する電流(単位時間あたりの電荷)と流出する電流は等しくなければなりません。
$$
\begin{aligned}
\frac{dQ_{\text{入}}}{dt} &= \frac{dQ_{\text{出}}}{dt}
\end{aligned}
$$
これより以下の式が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
I_1 + I_2 &= I
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 電位の定義: \(V = – \int \vec{E} \cdot d\vec{r}\)
- 周回積分の法則: \(\oint \vec{E} \cdot d\vec{r} = 0\)
- 電荷保存則: \(dQ/dt = 0\)
これら原理から導かれた式④、⑤、③を連立することで、メイン解法と同様に解くことができます。
計算手順はメイン解法と同一のため省略します。
回路を一周して元の場所に戻ってくると、高さ(電位)は必ず元の高さに戻ります。これは、山登りをして一周して戻ってくると標高差がゼロになるのと同じです。
この「高さのルール」と「電気が途中で消えたり湧いたりしないルール」を使うことで、回路の式を作ることができます。
キルヒホッフの法則が、電磁気学の基本原理である「マクスウェル方程式(静電場の場合)」と「電荷保存則」から自然に導かれることが確認できました。
問(2)
思考の道筋とポイント
問題文の誘導に従い、(1)(b)で求めた \(V, I\) の式を、(1)(a)の形(等価回路の式)に変形して比較します。
これは「図2の複雑な回路」を「図1のような単純な電池と抵抗のセット(等価電源)」とみなす操作です。
この設問における重要なポイント
- 等価回路への変換: 複雑な回路網を、端子から見た特性が同じになるような単純な回路に置き換えます。
- 係数比較: \(V\) と \(I\) の式を特定の形に変形し、対応する項を比較して \(X, Y\) を決定します。
具体的な解説と立式
(1)(a)の結果より、等価回路(起電力 \(X\), 内部抵抗 \(Y\))における電圧と電流は以下の形になります。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{r}{Y + r} X, \quad I = \frac{X}{Y + r} \quad \cdots ⑨
\end{aligned}
$$
一方、(1)(b)で求めた \(V\) の式は以下の通りです。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{r(R_2 E_1 + R_1 E_2)}{R_1 R_2 + r(R_1 + R_2)}
\end{aligned}
$$
この式の分母分子を \(R_1 + R_2\) で割り、式⑨の形(分母が \(Y+r\) の形)に近づけます。
$$
\begin{aligned}
V &= \frac{r \cdot \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 + R_2}}{\frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2} + r} \quad \cdots ⑩
\end{aligned}
$$
同様に \(I\) についても変形します。
$$
\begin{aligned}
I &= \frac{\frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 + R_2}}{\frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2} + r} \quad \cdots ⑪
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 特になし(数式の変形と係数比較)
式⑨と式⑩、⑪を比較します。
分子の \(X\) に相当する部分、および分母の \(Y\) に相当する部分を読み取ります。
$$
\begin{aligned}
X &= \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 + R_2} \\[2.0ex]
Y &= \frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2}
\end{aligned}
$$
「2つの電池を並列につないだ回路」は、外から見ると「中くらいの強さの1つの電池」として振る舞います。
その「中くらいの電池」のパワー(起電力 \(X\))と、内部の邪魔する力(内部抵抗 \(Y\))が具体的にどうなるかを計算しました。
結果を見ると、起電力 \(X\) は \(E_1\) と \(E_2\) の「重み付き平均」のような形になり、内部抵抗 \(Y\) は \(R_1\) と \(R_2\) の「並列合成抵抗」になっていることが分かります。
\(Y\) は抵抗の並列合成の式 \(\frac{1}{Y} = \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2}\) と一致しており、物理的に妥当です。
\(X\) についても、もし \(R_1=R_2\) なら \(X = \frac{E_1+E_2}{2}\) となり、平均値になります。これも直感と合致します。
\(X = \displaystyle \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 + R_2}\), \(Y = \displaystyle \frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2}\)
問(3)
思考の道筋とポイント
図3の回路を、図2の回路と比較します。
図3の左側の部分は、図2において以下の置き換えを行ったものとみなせます。
- 左の枝: 抵抗 \(R\), 起電力なし \(\rightarrow R_1 = R, E_1 = 0\)
- 右の枝: 抵抗 \(R\), 起電力 \(E_1’\) \(\rightarrow R_2 = R, E_2 = E_1’\)
これらを問(2)の公式に代入して、等価回路のパラメータ \(X_1, Y_1\) を求めます。
この設問における重要なポイント
- パターンの適用: 既に求めた一般式に、具体的な数値を代入して解を求めます。
- 起電力0の扱い: 電池がない枝は、起電力 \(0\) の電池があると考えます。
具体的な解説と立式
問(2)で求めた \(X, Y\) の式に、\(R_1=R, E_1=0, R_2=R, E_2=E_1’\) を代入します。
使用した物理公式
- 問(2)の結果: \(X = \frac{R_2 E_1 + R_1 E_2}{R_1 + R_2}, Y = \frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2}\)
$$
\begin{aligned}
X_1 &= \frac{R \cdot 0 + R \cdot E_1′}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{R E_1′}{2R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} E_1′
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
Y_1 &= \frac{R \cdot R}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{R^2}{2R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} R
\end{aligned}
$$
同じ抵抗 \(R\) を持つ2つの枝を並列につなぎました。片方には電池があり、もう片方にはありません。
この場合、全体の電圧能力は半分になり、抵抗値も半分になります。
起電力のない抵抗と電池付き抵抗を並列にすると、起電力は半分になり、抵抗も半分になりました。
\(X_1 = \displaystyle \frac{1}{2} E_1’\), \(Y_1 = \displaystyle \frac{1}{2} R\)
問(4)
思考の道筋とポイント
図4の回路は、図3の回路(等価回路 \(X_1, Y_1\))に、さらに抵抗 \(\frac{1}{2}R\) を直列に接続し、その右側に新たな枝(抵抗 \(R\), 起電力 \(E_2’\))を並列に接続した構造です。
段階的に合成していきます。
- 左側の合成: 図3の等価回路(\(X_1, Y_1\))に直列抵抗 \(\frac{1}{2}R\) を足します。
- 新しい内部抵抗 \(R_{\text{左}} = Y_1 + \frac{1}{2}R\)
- 起電力は変わらず \(E_{\text{左}} = X_1\)
- 全体の合成: 上記の「左側部分」と「右側の枝(\(R, E_2’\))」を、問(2)の公式を使って並列合成します。
この設問における重要なポイント
- 再帰的な構造: 前のステップの結果(等価回路)を次のステップの入力として利用します。
- 直列合成と並列合成: 抵抗の足し算(直列)と、問(2)の公式(並列)を交互に行います。
具体的な解説と立式
まず、左側部分の合成抵抗 \(R_{\text{左}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
R_{\text{左}} &= Y_1 + \frac{1}{2}R
\end{aligned}
$$
左側部分の起電力 \(E_{\text{左}}\) は \(X_1\) です。
右側の枝は \(R_{\text{右}} = R, E_{\text{右}} = E_2’\) です。
これらを問(2)の公式(\(X, Y\) の式)に代入して、\(X_2, Y_2\) を求めます。
代入する値: \(R_1 \to R_{\text{左}}, E_1 \to X_1, R_2 \to R, E_2 \to E_2’\)
使用した物理公式
- 直列抵抗の合成: \(R = R_1 + R_2\)
- 問(2)の結果
まず \(R_{\text{左}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
R_{\text{左}} &= \frac{1}{2}R + \frac{1}{2}R \\[2.0ex]
&= R
\end{aligned}
$$
次に \(X_2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
X_2 &= \frac{R \cdot X_1 + R \cdot E_2′}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{R(X_1 + E_2′)}{2R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} X_1 + \frac{1}{2} E_2′
\end{aligned}
$$
ここに \(X_1 = \frac{1}{2} E_1’\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
X_2 &= \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2} E_1′ \right) + \frac{1}{2} E_2′ \\[2.0ex]
&= \frac{1}{4} E_1′ + \frac{1}{2} E_2′
\end{aligned}
$$
次に \(Y_2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
Y_2 &= \frac{R \cdot R}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} R
\end{aligned}
$$
前の回路に「直列抵抗」を足してから、新しい「並列電池」をつなぎます。
直列抵抗を足すと、抵抗値がちょうど \(R\) に戻ります。これと新しい電池の枝(抵抗 \(R\))を並列につなぐので、また抵抗値は半分になり、電圧は前の電圧と新しい電圧の平均になります。
\(Y_2\) が再び \(\frac{1}{2}R\) に戻ったことに注目してください。これがこの回路の最大の特徴です。
\(X_2 = \displaystyle \frac{1}{4} E_1′ + \frac{1}{2} E_2’\), \(Y_2 = \displaystyle \frac{1}{2} R\)
問(5)
思考の道筋とポイント
図5も同様の構造の繰り返しです。
図4の等価回路(\(X_2, Y_2\))に直列抵抗 \(\frac{1}{2}R\) を足し、右側の枝(\(R, E_3’\))と並列合成します。
この設問における重要なポイント
- 規則性の確認: 手順が問(4)と全く同じであることを確認します。
具体的な解説と立式
左側部分の合成抵抗 \(R_{\text{左}}\) は、
$$
\begin{aligned}
R_{\text{左}} &= Y_2 + \frac{1}{2}R
\end{aligned}
$$
これは問(4)と同じ状況です。
したがって、問(2)の公式において \(R_1 \to R_{\text{左}}, E_1 \to X_2, R_2 \to R, E_2 \to E_3’\) と置き換えます。
使用した物理公式
- 直列抵抗の合成: \(R = R_1 + R_2\)
- 問(2)の結果
まず \(R_{\text{左}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
R_{\text{左}} &= \frac{1}{2}R + \frac{1}{2}R \\[2.0ex]
&= R
\end{aligned}
$$
次に \(X_3\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
X_3 &= \frac{R \cdot X_2 + R \cdot E_3′}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} X_2 + \frac{1}{2} E_3′
\end{aligned}
$$
これに \(X_2 = \frac{1}{4} E_1′ + \frac{1}{2} E_2’\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
X_3 &= \frac{1}{2} \left( \frac{1}{4} E_1′ + \frac{1}{2} E_2′ \right) + \frac{1}{2} E_3′ \\[2.0ex]
&= \frac{1}{8} E_1′ + \frac{1}{4} E_2′ + \frac{1}{2} E_3′
\end{aligned}
$$
\(Y_3\) はこれまでと同様に、
$$
\begin{aligned}
Y_3 &= \frac{R \cdot R}{R + R} \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} R
\end{aligned}
$$
もう一段階増やしても、やることは同じです。
前の電圧の半分に、新しい電池の電圧の半分を足し合わせます。抵抗値は常に一定のリズムで元に戻ります。
\(X_3\) の係数が \(1/8, 1/4, 1/2\) と倍々になっていることに規則性が見えます。
\(X_3 = \displaystyle \frac{1}{8} E_1′ + \frac{1}{4} E_2′ + \frac{1}{2} E_3’\), \(Y_3 = \displaystyle \frac{1}{2} R\)
問(6)
思考の道筋とポイント
これまでの結果から規則性を読み取り、一般項 \(X_n, Y_n\) を推測・導出します。
- \(Y_n\) の規則性: 常に \(\frac{1}{2}R\) で一定です。
- \(X_n\) の規則性: \(X_n = \frac{1}{2} X_{n-1} + \frac{1}{2} E_n’\) という漸化式が成り立っています。
この設問における重要なポイント
- 数学的帰納法: \(n\) の場合の結果から \(n+1\) の場合を予測し、一般項を確定させます。
- 等比数列の和: 得られた級数が等比数列の和であることを利用して計算します。
具体的な解説と立式
まず、\(Y_n\) について。
\(Y_{n-1} = \frac{1}{2}R\) と仮定すると、次のステップでの左側抵抗は \(Y_{n-1} + \frac{1}{2}R = R\) となり、これと右側の \(R\) を並列合成すると \(Y_n = \frac{R \cdot R}{R+R} = \frac{1}{2}R\) となります。
\(Y_1 = \frac{1}{2}R\) なので、すべての \(n\) で \(Y_n = \frac{1}{2}R\) です。
次に、\(X_n\) について。
漸化式 \(X_n = \frac{1}{2} X_{n-1} + \frac{1}{2} E_n’\) を繰り返し適用します。
$$
\begin{aligned}
X_1 &= \frac{1}{2} E_1′ \\[2.0ex]
X_2 &= \left(\frac{1}{2}\right)^2 E_1′ + \frac{1}{2} E_2′ \\[2.0ex]
X_3 &= \left(\frac{1}{2}\right)^3 E_1′ + \left(\frac{1}{2}\right)^2 E_2′ + \frac{1}{2} E_3′
\end{aligned}
$$
ここから一般項が推測できます。
$$
\begin{aligned}
X_n &= \left(\frac{1}{2}\right)^n E_1′ + \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} E_2′ + \cdots + \frac{1}{2} E_n’
\end{aligned}
$$
ここで、\(E_1′ = E_2′ = \cdots = E_n’ = E\) とした場合を計算します。
$$
\begin{aligned}
X_n &= E \left\{ \left(\frac{1}{2}\right)^n + \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} + \cdots + \frac{1}{2} \right\}
\end{aligned}
$$
括弧内は、初項 \(\frac{1}{2}\)、公比 \(\frac{1}{2}\)、項数 \(n\) の等比数列の和です。
使用した物理公式
- 等比数列の和の公式: \(S_n = \frac{a(1-r^n)}{1-r}\)
等比数列の和の公式を用いて計算します。
$$
\begin{aligned}
X_n &= E \cdot \frac{\frac{1}{2} \left\{ 1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n \right\}}{1 – \frac{1}{2}} \\[2.0ex]
&= E \cdot \frac{\frac{1}{2} \left\{ 1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n \right\}}{\frac{1}{2}} \\[2.0ex]
&= E \left\{ 1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n \right\}
\end{aligned}
$$
規則性を見つけて、数式でまとめました。
抵抗値はずっと変わらず一定です。
電圧は、段数が増えるごとに少しずつ増えていきますが、その増え方はだんだん小さくなっていきます。これは「1/2 + 1/4 + 1/8 + …」という足し算をしているのと同じです。
\(n=1\) のとき \(X_1 = E(1 – 1/2) = E/2\)。問(3)の結果と一致します。
\(X_n = \displaystyle \left\{ 1 – \left( \frac{1}{2} \right)^n \right\} E\), \(Y_n = \displaystyle \frac{1}{2} R\)
問(7)
思考の道筋とポイント
(6)で求めた \(X_n, Y_n\) において、\(n \to \infty\) の極限をとります。
この設問における重要なポイント
- 極限の計算: \(n\) が無限大になったとき、\((1/2)^n\) が \(0\) に収束することを利用します。
具体的な解説と立式
\(n \to \infty\) のとき、\(\left(\frac{1}{2}\right)^n \to 0\) となります。
使用した物理公式
- 極限の性質: \(\lim_{n \to \infty} r^n = 0 \quad (|r| < 1)\)
$$
\begin{aligned}
\lim_{n \to \infty} X_n &= \lim_{n \to \infty} E \left\{ 1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n \right\} \\[2.0ex]
&= E (1 – 0) \\[2.0ex]
&= E
\end{aligned}
$$
\(Y_n\) は \(n\) によらず一定なので、
$$
\begin{aligned}
\lim_{n \to \infty} Y_n &= \frac{1}{2} R
\end{aligned}
$$
はしごを無限に長くつなげていくと、等価的な電池の強さは元の電池 \(E\) と同じになり、内部抵抗は \(\frac{1}{2}R\) に収束します。
これは、遠くにある電池の影響はどんどん小さくなるものの、無限個集まることで全体として \(E\) になることを意味しています。
無限に接続した場合、端子から見た回路は「起電力 \(E\)、内部抵抗 \(R/2\) の電池」と等価になります。
\(X_\infty = E\), \(Y_\infty = \displaystyle \frac{1}{2} R\)
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 等価回路(テブナンの定理)の再帰的適用
- 核心: 複雑な回路網も、基本単位(ユニット)の繰り返し構造に着目し、部分的に「等価電源(起電力 \(V\) と内部抵抗 \(r\))」に置き換えることで単純化できる。
- 理解のポイント:
- ブラックボックス化: 端子から見た電気的特性(\(V\) と \(I\) の関係)さえ同じなら、中身がどうなっていても「1つの電池と1つの抵抗」に置き換えられる。
- 漸化式の利用: \(n\) 段目の等価回路に新しいユニットを足すと \(n+1\) 段目になる、という関係式(漸化式)を作ることで、無限に続く回路も数学的に解析できる。
- キルヒホッフの法則と重ね合わせの理
- 核心: 任意の回路網において、電荷保存則(電流則)とエネルギー保存則(電圧則)は常に成立し、線形回路であれば電源ごとの影響を足し合わせることができる。
- 理解のポイント:
- ミルマンの定理: 並列接続された複数の電源回路において、キルヒホッフの法則を解いた結果として得られる「端子電圧の公式」であり、計算を大幅に短縮する強力な武器となる。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 抵抗のみの無限ラダー回路: 電池がなく抵抗だけがはしご状に続く問題。全体の合成抵抗を \(R_x\) と置き、「無限に続いているから、一区画切り取っても残りは \(R_x\) のまま」という自己相似性を利用して \(R_x = R + (R // R_x)\) の方程式を解く。
- コンデンサーやコイルのラダー回路: 抵抗 \(R\) がインピーダンス \(Z\) に変わるだけで、基本的な立式(直列・並列の合成)は全く同じ。交流回路のフィルタ特性解析などに応用される。
- 初見の問題での着眼点:
- (繰り返し単位の発見): 回路図を見て、「どこからどこまでが繰り返されているか」という最小単位(ユニット)を特定する。
- (漸化式の立式): \(n\) 番目の状態(電圧や抵抗)を文字で置き、それに1ユニット追加したときの \(n+1\) 番目の状態を計算して、\(a_{n+1} = p a_n + q\) の形の式を作る。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 繁分数(分数の分数)の計算ミス:
- 誤解: 分母や分子に分数が含まれる式(例: 問(1)bの計算途中)を、そのまま通分しようとして式が複雑になり、計算ミスを誘発する。
- 対策: 分母・分子にある「分母の最小公倍数(今回は \(R_1 R_2 (R_1+R_2)\) など)」を式全体に掛けて、一気に分数を解消(平坦化)してから計算を進める習慣をつける。
- 漸化式の添字と項数のズレ:
- 誤解: \(X_n\) を求める際、等比数列の和の公式の「項数」を間違える(\(n\) なのか \(n-1\) なのか)。
- 対策: 具体的に \(n=1, 2, 3\) 程度まで書き下して項数を確認する。また、求めた一般項に \(n=1\) を代入して、問(3)の結果と一致するか必ず検算する。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- キルヒホッフの法則(メイン解法):
- 選定理由: 最も基本的で汎用性が高く、どのような回路構造であっても確実に式を立てることができる「王道」だから。
- 適用根拠: 回路が閉回路を含み、電流と電圧の関係を厳密に解く必要があるため。
- ミルマンの定理(別解):
- 選定理由: 「並列接続された電源」という特定の構造に対して、連立方程式を解く手間を省き、圧倒的な速さで端子電圧を求められるから。
- 適用根拠: 図2の回路が、明らかに3つの枝(電源付き抵抗)の並列接続構造をしているため。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 次元解析(ディメンションチェック):
- 意識: 導出した文字式の単位が正しいか常に確認する。
- 実践: 例えば電圧 \(V\) の式なら、分母が \([\Omega]^2\)、分子が \([\Omega]^2 [V]\) のようになっていれば、全体で \([V]\) になる。抵抗 \(R\) の式なら全体が \([\Omega]\) になるか確認する。
- 極端なケースでの検算:
- 意識: 物理的に結果が明らかな状況を想定して、式が整合するか確認する。
- 実践: 問(1)で \(R_1=R_2\) としたら対称性から電圧は平均値になるか? \(r \to \infty\) (開放)としたらどうなるか? などの極限を頭の中でシミュレーションする。
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問題125 直線電流と円形電流がつくる磁場 (23 日本女子大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(1)〜(3)の別解1: ベクトル積(外積)を用いた厳密な向きの決定
- 模範解答が「右ねじの法則」や「フレミングの左手の法則」といった定性的なルールを用いるのに対し、別解1ではローレンツ力のベクトル形式 \(\vec{F} = I \vec{l} \times \vec{B}\) やビオ・サバールの法則のベクトル形式を用いて、計算によって機械的かつ厳密に向きを決定します。
- 設問(1)〜(3)の別解2: 微積分を用いた体系的解法(アンペールの法則とビオ・サバールの法則)
- 公式 \(H = I/2\pi r\) や \(H = I/2r\) を既知とせず、マクスウェル方程式の積分形(アンペールの法則)やビオ・サバールの法則から出発して、磁場の式を導出する原理的なアプローチをとります。
- 設問(1)〜(3)の別解1: ベクトル積(外積)を用いた厳密な向きの決定
- 上記の別解が有益である理由
- ベクトル積: 3次元空間での力の向きや磁場の向きを、空間認識能力に頼らず数式処理だけで確実に導けるため、複雑な配置の問題でミスを防げます。
- 微積分の解法: 公式の適用範囲(無限長直線か、円形中心かなど)を原理から理解でき、応用問題への対応力が身につきます。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「電流が作る磁場と、磁場中の電流が受ける力」です。直線電流と円形電流という基本的なソースが作る磁場をベクトルとして重ね合わせ、その相互作用を解析します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- アンペールの法則(直線電流の磁場): 無限に長い直線電流 \(I\) から距離 \(r\) 離れた点の磁場の強さは \(H = \frac{I}{2\pi r}\) です。向きは右ねじの法則に従います。
- 円形電流の中心磁場: 半径 \(r\) の円形電流 \(I\) がその中心に作る磁場の強さは \(H = \frac{I}{2r}\) です。
- 電流が磁場から受ける力(電磁力): 磁束密度 \(B\) の中にある長さ \(l\) の直線電流 \(I\) は、\(F = IBl\) の力を受けます。向きはフレミングの左手の法則に従います。
- 磁場の重ね合わせ: 複数の電流源がある場合、各々が作る磁場ベクトルを合成(ベクトル和)します。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、導線2が作る磁場を求め、その磁場中で導線1が受ける力を計算します。
- (2)では、2本の導線が作る磁場をベクトルとして足し合わせます。
- (3)では、直線電流による合成磁場を打ち消すような磁場を円形コイルで作る条件を考えます。
問(1)
ここから先が、他の受験生と差がつく重要パートです。
「解法に至る思考プロセス」を
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なぜその公式を使うのか?どうしてその着眼点を持てるのか?
市販の解説では省略されてしまう「行間の思考」を、泥臭く解説しています。
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