- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- うなりとはなにか
- 重ね合わせの原理から見るうなりの原因
- 身の周りにあるうなり
高さの違う2つの音を同時に鳴らすと「うなり」が発生する
高さの違う2つの音を同時に聞くと、耳鳴りがしてるような感じで音が聞こえます。
この現象をうなりと呼ぶのですが、まずは実際のうなりを聞いてみましょう。
音の高さ(振動数)が違う2つの音さを使います。
0:16あたりで2つの音さを同時に鳴らすので、重なった音が「ワーンワーン」と細かく震えて聞こえるのを確認してみましょう。
「大きい音→小さい音→大きい音→…」が繰り返されてるのがわかりましたか?
うなりは、「大きい音→小さい音」の1セットで回数を数えます。
例えば、大きい音→小さい音→大きい音→小さい音→大きい音→小さい音であれば3回という数え方です。
このうなりの回数を求めるためのシンプルな公式があるので、必ず覚えておきましょう!
\(|f_1-f_2|\) 回/秒
絶対値( | | ) が付いているのは、\(f_1-f_2\) がマイナスになったときに困らないようにするためです。
うなりの「回数」を求めようとしてるので、答えは必ずプラスの値にならないといけません。
「-1回」「-10回」のように回数を数えたことはないですよね?
\(f_1=500\)、\(f_2=502\) のとき、
\(|f_1-f_2|\)
=\(|500-502|\)
=\(|-2|\)
=\(2\) [回/秒]
絶対値に苦手意識がある場合は、(振動数の大きい方)ー(小さい方)で計算して、答えがマイナスにならないようにしましょう!
2つの音が重なったときの波のようす
振動数が違う2つの音を同時に聞いたとき、なぜうなりが起きるのか。
重ね合わせの原理を利用して、うなりが起きる理由を作図から読み取ってみます。
波の細かさ(振動数)が違う2つの波を重ねてみます。
2つの波の合成波は下の図のようになります。
点線になってるのは、元々の2つの波です。
見にくいので、合成波だけ抜き出したものを見てみましょう。
合成波の振幅が等間隔で変わっているのがわかります。
振幅が大きいところは大きい音、振幅が小さいところは小さい音が聞こえる。
これが振動数の違う2つの音を同時に聞いたときに、うなりが発生する理由です。
うなりの身近な例
ギターのチューニング
音の高さがそろっていないと、うなりが発生してしまう。
この原理を利用すると、うなりが発生しなければ同じ高さになったということになります。
このように機器を使わずに、うなりを聞くチューニング方法があります。
除夜の鐘
除夜の鐘の音を意識しながら聞いてみると、うなりが発生してるのがわかります。
「ゴ~~~~~~~ン」という波打つような音の感覚は、うなりが原因です。
まとめ
- 高さの違う音を同時に聞くとうなりが発生する
- \(|f_1-f_2|\) で1秒分のうなりの回数がわかる
- 式での証明より、まずは図でのイメージが大切