「セミナー物理基礎+物理2025」徹底解説!【第 Ⅶ 章 23】プロセス

当ページでは、数式をより見やすく表示するための処理に、少しお時間がかかることがございます。お手数ですが、ページを開いたまま少々お待ちください。

プロセス

1 光子のエネルギーと運動量

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「光量子仮説(光子のエネルギーと運動量)」です。光を波としてだけでなく、エネルギーの塊(粒子)として捉える視点を養います。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光子のエネルギー: 振動数に比例する。\(E = h\nu\)
  2. 光子の運動量: エネルギーを光速で割ったもの、またはプランク定数を波長で割ったもの。\(p = \frac{E}{c} = \frac{h}{\lambda}\)
  3. 波の基本式: 光速、振動数、波長の関係。\(c = \nu \lambda\)

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. まず、与えられた振動数 \(\nu\) とプランク定数 \(h\) から、光子1個のエネルギー \(E\) を計算します。
  2. 次に、求めたエネルギー \(E\) と光速 \(c\) の関係を用いて、運動量 \(p\) を計算します。

エネルギーと運動量の計算

思考の道筋とポイント
光は電磁波という「波」の性質を持ちますが、アインシュタインの光量子仮説によれば、エネルギーを持った「粒(光子)」としての性質も持ちます。この問題では、その粒としての側面(エネルギーと運動量)を計算します。

この設問における重要なポイント

  • プランク定数 \(h\): ミクロな世界の現象(量子力学)を支配する非常に小さな定数です。
  • エネルギー \(E\): 光の「振動数(揺れの激しさ)」が大きいほど、光子1個のエネルギーは大きくなります。
  • 運動量 \(p\): 光子は質量が \(0\) ですが、運動量を持ちます。古典力学の \(p = mv\) は使えません。代わりに相対性理論に基づく \(E = pc\) や、量子力学的な \(p = \frac{h}{\lambda}\) を用います。
  • 指数の計算: \(10^{-34}\) や \(10^{14}\) といった極端な桁数の計算になるため、指数法則 \(10^a \times 10^b = 10^{a+b}\) を正確に適用することが重要です。

具体的な解説と立式
エネルギー \(E\) について
光子1個が持つエネルギー \(E\) は、その光の振動数 \(\nu\) に比例します。比例定数はプランク定数 \(h\) です。
$$ E = h\nu $$

運動量 \(p\) について
光子の運動量 \(p\) は、エネルギー \(E\) と光速 \(c\) を用いて次のように表されます(特殊相対性理論における質量ゼロ粒子の関係式 \(E = pc\) より)。
$$ p = \frac{E}{c} $$
ここで \(E = h\nu\) を代入すると、振動数 \(\nu\) を用いた式になります。
$$ p = \frac{h\nu}{c} $$

使用した物理公式

  • 光子のエネルギー: \(E = h\nu\)
  • 光子の運動量: \(p = \frac{E}{c} = \frac{h\nu}{c}\)
計算過程

問題文より、以下の値が与えられています。
プランク定数 \(h = 6.6 \times 10^{-34} \, \text{J} \cdot \text{s}\)
振動数 \(\nu = 5.0 \times 10^{14} \, \text{Hz}\)
真空中の光速 \(c = 3.0 \times 10^8 \, \text{m/s}\)

まず、エネルギー \(E\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
E &= h\nu \\[2.0ex]
&= (6.6 \times 10^{-34}) \times (5.0 \times 10^{14}) \\[2.0ex]
&= 6.6 \times 5.0 \times 10^{-34} \times 10^{14} \\[2.0ex]
&= 33 \times 10^{-20} \\[2.0ex]
&= 3.3 \times 10^{-19} \, \text{J}
\end{aligned}
$$

次に、運動量 \(p\) を計算します。上で求めた \(E\) の値を利用します。
$$
\begin{aligned}
p &= \frac{E}{c} \\[2.0ex]
&= \frac{3.3 \times 10^{-19}}{3.0 \times 10^8} \\[2.0ex]
&= \frac{3.3}{3.0} \times \frac{10^{-19}}{10^8} \\[2.0ex]
&= 1.1 \times 10^{-19-8} \\[2.0ex]
&= 1.1 \times 10^{-27} \, \text{kg} \cdot \text{m/s}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

光は波として空間を伝わりますが、物質とやり取りするときは「粒」のように振る舞います。この粒を「光子」と呼びます。
振動数 \(\nu\) は「1秒間に何回波が揺れるか」を表しており、この揺れが激しい(振動数が大きい)光ほど、光子1個に凝縮されているエネルギーは大きくなります。
計算結果の \(10^{-19} \, \text{J}\) という数値は非常に小さいですが、これは光子1個分だからです。私たちが普段感じる光は、この小さな粒が猛烈な数で降り注いでいる状態です。
また、光子は質量がゼロですが、ぶつかった相手を押す「勢い」である運動量を持っています。これも計算結果通り非常に小さな値ですが、宇宙空間でソーラーセイル(光の帆)を使って宇宙船を加速させることができるなど、確かな力学的効果を持っています。

別解: 波長を経由して運動量を求める

思考の道筋とポイント
運動量の公式として、ド・ブロイ波長の関係式 \(p = \frac{h}{\lambda}\) は非常に重要です。ここでは、振動数から一度「波長 \(\lambda\)」を求め、そこから運動量を導出してみます。

具体的な解説と立式
まず、波の基本式 \(c = \nu \lambda\) より、波長 \(\lambda\) を求めます。
$$ \lambda = \frac{c}{\nu} $$
次に、この波長 \(\lambda\) を用いて、運動量 \(p\) を表します。
$$ p = \frac{h}{\lambda} $$

使用した物理公式

  • 波の基本式: \(c = \nu \lambda\)
  • ド・ブロイ波長(光子の運動量): \(p = \frac{h}{\lambda}\)
計算過程

まず波長 \(\lambda\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
\lambda &= \frac{3.0 \times 10^8}{5.0 \times 10^{14}} \\[2.0ex]
&= 0.60 \times 10^{-6} \\[2.0ex]
&= 6.0 \times 10^{-7} \, \text{m}
\end{aligned}
$$

これを用いて運動量 \(p\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
p &= \frac{h}{\lambda} \\[2.0ex]
&= \frac{6.6 \times 10^{-34}}{6.0 \times 10^{-7}} \\[2.0ex]
&= \frac{6.6}{6.0} \times 10^{-34 – (-7)} \\[2.0ex]
&= 1.1 \times 10^{-27} \, \text{kg} \cdot \text{m/s}
\end{aligned}
$$
当然ながら、結果はメインの解法と一致します。

解答 エネルギー:\(3.3 \times 10^{-19} \, \text{J}\), 運動量:\(1.1 \times 10^{-27} \, \text{kg} \cdot \text{m/s}\)

2 光電効果と光量子仮説

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「光電効果と光の粒子性」です。光が波としての性質だけでなく、粒子としての性質を持つことを示す歴史的に重要な現象です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光電効果: 金属に光を当てると電子が飛び出す現象。
  2. 光量子仮説: 光をエネルギー \(h\nu\) を持つ粒子(光子)の流れとみなす考え方。
  3. 光電方程式: \(K_{\text{max}} = h\nu – W\) (\(K_{\text{max}}\): 電子の最大運動エネルギー, \(W\): 仕事関数)。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 光電効果の定義と、その実験的特徴(何が何に関係するか)を整理します。
  2. 古典的な「波」の理論では説明できない点を、アインシュタインの「粒子(光子)」のモデルでどう解決したかを考えます。

光電効果の用語と概念

思考の道筋とポイント
この問題は、物理用語の定義と、光電効果という現象の本質的な理解を問うています。特に重要なのは、「光の強さ(明るさ)」と「光の振動数(色)」が、それぞれ物理的に何に対応し、電子の放出にどう影響するかを区別することです。

この設問における重要なポイント

  • 光の強さ(明るさ): 光子説では「光子の数」に対応します。光を強くすると、飛び出す電子の「数」は増えますが、電子1個あたりの「勢い(運動エネルギー)」は変わりません。
  • 光の振動数(色): 光子説では「光子1個のエネルギー」に対応します。振動数を大きくすると、光子1個が電子に与えるエネルギーが増えるため、飛び出す電子の「勢い(最大運動エネルギー)」が大きくなります。
  • 古典論との対比: 光を単なる波と考えると、光を強くすれば(振幅を大きくすれば)エネルギーが増え、電子が勢いよく飛び出すはずですが、実験事実はそうなりません。これを説明するために「光子」という概念が必要になりました。

具体的な解説と立式
空欄 (ア) について
金属表面に光を照射したとき、金属内の自由電子が光のエネルギーを吸収して外に飛び出す現象を光電効果といいます。また、飛び出した電子を光電子と呼びます。

空欄 (イ) について
光電効果の実験事実として、飛び出す電子の運動エネルギーの最大値 \(K_{\text{max}}\) は、入射する光の強さ(明るさ)には依存せず、光の振動数 \(\nu\)(またはそれに対応する波長 \(\lambda\))によって決まります。
振動数が大きい(波長が短い)光ほど、電子は大きな運動エネルギーを持って飛び出します。

空欄 (ウ) について
この現象は、光を連続的な波としてではなく、「エネルギーの塊(粒子)」として捉えることで説明できます。アインシュタインは、光子1個が持つエネルギー \(E\) は、光の振動数 \(\nu\) に比例すると仮定しました。
$$ E = h\nu $$
(\(h\) はプランク定数)

空欄 (エ) について
このエネルギーの塊としての粒子を光子(または光量子)といいます。

使用した物理公式

  • 光子のエネルギー: \(E = h\nu\)
計算過程

この問題は用語と概念の確認であり、数値計算はありません。
論理的な構成は以下の通りです。
1. 現象の定義 \(\rightarrow\) (ア) 光電効果
2. 実験事実の確認(エネルギーは何で決まるか?) \(\rightarrow\) (イ) 振動数
3. 理論的解釈(エネルギーの式) \(\rightarrow\) \(E \propto \nu\) より (ウ) 振動数
4. 粒子の名称 \(\rightarrow\) (エ) 光子

この設問の平易な説明

光電効果を「ボール当てゲーム」に例えてみましょう。
金属の中にある電子は、地面に埋まった看板のようなものです。これを倒して外に飛ばすには、ある程度の衝撃が必要です。

  • 光の強さは「ボールを投げる人数(ボールの数)」です。
  • 光の振動数は「ボール1個の重さやスピード(威力)」です。

もし軽いピンポン玉(振動数の小さい光)を何千個投げても(光を強くしても)、看板はびくともしません。しかし、重い野球ボール(振動数の大きい光)なら、たった一球でも看板を弾き飛ばせるかもしれません。
そして、看板がどれだけの勢いで飛んでいくか(電子の運動エネルギー)は、「ボールが何個当たったか」ではなく、「どんな威力のボールが当たったか(振動数)」で決まります。
このように、光を「粒(ボール)」として考えると、実験結果がきれいに説明できるのです。この粒を「光子」と呼びます。

別解: 光電方程式を用いた数式による理解

思考の道筋とポイント
用語の穴埋めだけでなく、アインシュタインの光電方程式を用いて、数式の上から(イ)の答えを導いてみます。

具体的な解説と立式
エネルギー保存則に着目します。
「光子1個が持ち込んだエネルギー」から「電子が金属から脱出するのに必要なエネルギー(仕事関数)」を引いた残りが、「飛び出した電子の運動エネルギー」になります。
これを式で表すと以下のようになります。
$$ K_{\text{max}} = h\nu – W $$
ここで、

  • \(K_{\text{max}}\): 電子の最大運動エネルギー
  • \(h\nu\): 光子1個のエネルギー(\(\nu\) は振動数)
  • \(W\): 仕事関数(金属固有の定数)

この式を見ると、\(K_{\text{max}}\)(飛び出す電子のエネルギー)は、\(\nu\)(振動数)によって決まる一次関数であることが分かります。この式の中に「光の強さ(光子の数)」を表す変数は含まれていません。
したがって、電子の最大運動エネルギーは光の振動数だけに関係することが、数式からも明らかです。

解答 (ア) 光電効果 (イ) 振動数(または波長) (ウ) 振動数 (エ) 光子

3 仕事関数と限界振動数

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「仕事関数と限界振動数」です。光電効果が起こるための条件をエネルギーの観点から理解します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 仕事関数 \(W\): 金属内部の電子を表面から外に取り出すために必要な最小のエネルギー。
  2. 限界振動数 \(\nu_0\): 光電効果が起こり始める(電子が飛び出し始める)ギリギリの光の振動数。
  3. 関係式: \(W = h\nu_0\)
  4. 電子ボルト (\(\text{eV}\)): ミクロな世界で便利なエネルギーの単位。\(1 \, \text{eV} = 1.6 \times 10^{-19} \, \text{J}\)

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. まず、限界振動数 \(\nu_0\) とプランク定数 \(h\) から、仕事関数 \(W\) をジュール単位で計算します。
  2. 次に、求めたジュール単位のエネルギーを、電気素量 \(e\) の値を用いて電子ボルト単位に換算します。

仕事関数の計算と単位換算

思考の道筋とポイント
光電効果において、電子は金属原子核からの引力によって金属内に束縛されています。この束縛を振り切って外に出るためには、ある一定以上のエネルギーが必要です。この「脱出に必要なエネルギー代」を仕事関数と呼びます。
光子1個のエネルギー \(h\nu\) が、この仕事関数 \(W\) を上回ったとき初めて電子は飛び出すことができます。そのギリギリの境界線となる振動数が限界振動数 \(\nu_0\) です。

この設問における重要なポイント

  • 限界振動数の意味: \(h\nu_0 = W\) という式は、「光子のエネルギー」がちょうど「借金(仕事関数)」と等しくなり、手持ち(運動エネルギー)がゼロでやっと外に出られる状態を表しています。
  • 単位換算: \(\text{J}\) から \(\text{eV}\) への変換は、物理では頻出です。「\(1 \, \text{eV}\) は電子1個 (\(e\)) を \(1 \, \text{V}\) で加速するエネルギー」という定義を思い出し、\(1.6 \times 10^{-19}\) で割る操作を間違えないようにします。
  • 有効数字: 問題文の数値が2桁(\(4.6, 6.6\))なので、最終的な答えも2桁に丸めますが、途中計算では桁落ちを防ぐためにもう1桁多く(3桁以上)残して計算します。

具体的な解説と立式
仕事関数 \(W\) [\(\text{J}\)] の計算
限界振動数 \(\nu_0\) の光を当てたとき、飛び出す電子の最大運動エネルギー \(K_{\text{max}}\) は \(0\) になります。光電方程式 \(K_{\text{max}} = h\nu – W\) において、\(K_{\text{max}} = 0\), \(\nu = \nu_0\) とすると、以下の関係が成り立ちます。
$$ 0 = h\nu_0 – W $$
したがって、仕事関数 \(W\) は次のように表されます。
$$ W = h\nu_0 $$

単位の換算 [\(\text{eV}\)]
\(1 \, \text{eV}\) は、電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19} \, \text{C}\) の電荷を持つ電子が、\(1 \, \text{V}\) の電位差で加速されたときに得るエネルギーです。
$$ 1 \, \text{eV} = 1.6 \times 10^{-19} \, \text{J} $$
したがって、ジュール値 \(W \, [\text{J}]\) を \(1.6 \times 10^{-19}\) で割ることで、電子ボルト値 \(W’ \, [\text{eV}]\) を求められます。
$$ W’ = \frac{W}{1.6 \times 10^{-19}} $$

使用した物理公式

  • 仕事関数と限界振動数の関係: \(W = h\nu_0\)
  • エネルギー単位の換算: \(E \, [\text{eV}] = \frac{E \, [\text{J}]}{1.6 \times 10^{-19}}\)
計算過程

まず、仕事関数 \(W\) をジュール単位で計算します。
$$
\begin{aligned}
W &= h\nu_0 \\[2.0ex]
&= (6.6 \times 10^{-34}) \times (4.6 \times 10^{14}) \\[2.0ex]
&= 6.6 \times 4.6 \times 10^{-34+14} \\[2.0ex]
&= 30.36 \times 10^{-20} \\[2.0ex]
&= 3.036 \times 10^{-19} \, \text{J}
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、3桁目を四捨五入します。
$$ W \approx 3.0 \times 10^{-19} \, \text{J} $$

次に、この値を \(\text{eV}\) 単位に換算します。計算精度を保つため、四捨五入前の値 \(3.036 \times 10^{-19}\) を使用します。
$$
\begin{aligned}
W’ &= \frac{3.036 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&= \frac{3.036}{1.6} \\[2.0ex]
&= 1.897 \dots \, \text{eV}
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、3桁目を四捨五入します。
$$ W’ \approx 1.9 \, \text{eV} $$

この設問の平易な説明

金属の中の電子は、いわば「エネルギーの井戸」の底にいます。外の世界に飛び出すには、井戸の深さ分のエネルギーが必要です。この深さが「仕事関数」です。
光を当てるということは、井戸の底にいる電子にロープ(エネルギー)を投げ入れるようなものです。
限界振動数とは、「この振動数より低い光(エネルギーの足りないロープ)では、電子を井戸の縁まで引き上げられない」という境界線です。
計算の結果、このセシウムという金属の井戸の深さは \(3.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\) であることが分かりました。これは非常に小さな値なので、\(\text{eV}\)(電子ボルト)というミクロな世界専用の単位に直すと、約 \(1.9 \, \text{eV}\) となり、扱いやすい数字になります。

別解: 限界波長を用いた考察

思考の道筋とポイント
問題によっては、限界振動数ではなく「限界波長 \(\lambda_0\)」が与えられることがあります。振動数と波長は逆数の関係にあるため、波長が長すぎるとエネルギー不足で光電効果が起きなくなります。

具体的な解説と立式
波の基本式 \(c = \nu_0 \lambda_0\) より、限界振動数 \(\nu_0\) を限界波長 \(\lambda_0\) で書き換えます。
$$ \nu_0 = \frac{c}{\lambda_0} $$
これを仕事関数の式 \(W = h\nu_0\) に代入すると、以下のようになります。
$$ W = \frac{hc}{\lambda_0} $$
もし限界波長が与えられた場合は、この式を用いて仕事関数を求めることができます。今回の問題では振動数が与えられているため、この式を使う必要はありませんが、物理的な関係性を理解しておくことは重要です。

解答 \(3.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\), \(1.9 \, \text{eV}\)
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4 光電効果のエネルギー収支

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「光電効果におけるエネルギー保存則」です。光子から受け取ったエネルギーがどのように使われるかを計算します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. エネルギー保存則: (入ってきたエネルギー)=(使ったエネルギー)+(残ったエネルギー)
  2. 光電方程式: \(K_{\text{max}} = h\nu – W\)
    • \(h\nu\): 光子1個のエネルギー(収入)
    • \(W\): 仕事関数(脱出に必要な経費)
    • \(K_{\text{max}}\): 電子の最大運動エネルギー(手元に残る利益)

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 与えられた「光子のエネルギー」と「仕事関数」の値を、光電方程式に代入して計算します。

最大運動エネルギーの計算

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