- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- 慣性の法則ってなに?
- 電車の急ブレーキで中の人がよろける原因
- 身の回りにある他の慣性の法則の例
慣性の法則とは『直前の動きを維持すること』
外力(外からの力)が働いていて、しかも力がつり合っていないときは加速度運動をしてしまいます。
つまり、どんどん加速したり減速したりしてしまいますね。
今回は、「外力が働いていない」もしくは「外力がつり合っている」という状況について考えてみます。
このような状況では、次のような関係が成り立ちます。
- 静止しているものは静止し続けようとする
- 動いているものは動き続けようとする
まずは、「電車が急ブレーキをかけたときのあなた」を例にして、慣性の法則が身近なものだと感じてみましょう!
電車の急ブレーキであなたがよろける原因は『慣性の法則』と『摩擦力』
ここで電車が急ブレーキをかけた場合、あなたは電車の進行方向に倒れるような状態になってしまいます。
わかりやすいように、両足をそろえてバランスが取りにくい状態で立っているところをイメージしてみましょう。
「頭」は慣性の法則で『進み続けようとする』
電車が一定の速度で進んでいるとき、あなたも電車と同じ速度で動き続けていることになります。
新幹線のようにものすごい速度で動いていても、新幹線の中で平然と立っていられますよね?
これが『慣性の法則』というものです。
もしもあなたが直前の動き、つまり電車と同じ速度で動くということができなかったらどうなってしまうでしょう。
電車の進む向きに力を加えられているわけでもないので、その場で静止してしまうはずです。
これでは大惨事です!新幹線の乗客乗員が新幹線の最後部車両に吹っ飛ばされてしまい、乗り物として成り立たなくなってしまいます。
このような事故みたいな現象が起きないのも『慣性の法則』のおかげです。
「電車と一緒に進んでいる体は、力を加えなければ進み続けようとする」というイメージが湧くようにしておきましょう!
足裏は床との摩擦で『静止しようとする』
体が慣性の法則で進み続けようとする中、足裏は床に触れているので摩擦力が働きます。
立っているときにいきなり足を引っ張られたら転んでしまいますよね?
電車が急ブレーキをかけるというのは、摩擦力によって突然足をうしろに引っ張られるのと同じです。
2つの原因で急ブレーキがかかるとよろける
- 頭は慣性の法則で前に進み続けようとする
- 足元は摩擦力が働くので、うしろに引っ張られた状態になる
電車が急ブレーキをかけると、この2つが同時に起こるのであなたはよろけてしまうということです。
急ブレーキだけでなく「急発進」の場合もよろけてしまいますよね?
その場合も「慣性の法則」と「摩擦力」が原因です。
- 頭は発車する直前と同じ動き、つまり静止し続けようとする
- 足元は摩擦力で電車の進行方向に引っ張られる
その結果、電車に乗っているあなたはうしろによろけてしまうということになります。
電車以外でイメージしやすい『慣性の法則』の例
加速したり減速する乗り物であれば、慣性の法則を感じることはできます。
- 自転車
- 車
- バイク など
テーブルクロス引きも『慣性の法則』の代表例です。
テーブルクロスを引く前は、グラスやボトルなどは静止しています。
ここで勢いよくテーブルクロスを引くと、グラスやボトルは「慣性の法則」でその場に静止し続けようとします。
しかし、テーブルクロスをゆっくり引いてしまうと、摩擦力が原因で少し動き出します。
すると今度は動くという状態を維持しようとしてしまうので、グラスはテーブルクロスと一緒に動いて床に落ちます。
いま、あなたはどこかで座っている、もしくは立っているでしょう。
もし歩きながらこの記事を見ているのであれば、一回立ち止まってみて下さい。
いまのあなたは、一見静止しているように感じるかもしれませんが、実際はものすごいスピードで動いている最中です。
地球はだいたい「時速1700km」で回っています。
つまり、地球上にいるあなたも、時速1700kmで地球と一緒に動いているということです。
自転の速度の求め方
(計算を簡単にするために、赤道付近の値を使います)
地球は1日1回転します。地球をグルっと1周する長さは約4万km。
つまり24時間で4万km動くことになるので、4万÷24で約1700km/hと分かります。50m走をおよそ0.1秒で走るスピードです。
ここで突然地球の自転が止まったら大惨事です!
いま時速1700kmで動いている最中なので、地球が突然止まった場合、あなたは時速1700kmで動き続けようとしてしまいます。
つまり、時速1700kmで吹っ飛びます!
高校物理に入ると『慣性力』という力も登場する
物理基礎の範囲では「慣性の法則」という現象だけを教わって終了ですが、高校物理の範囲では『慣性力』という力まで登場します。
物理基礎がおわったあと高校物理を選択しようと考えている場合は、下の動画で『慣性力』についてもチェックしておきましょう!
(物理基礎と高校物理の違いについてはこちら)
慣性力についてもう少し詳しく見てみたいという場合は、こちらの記事を参考にしてみてください!
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