知っておくべき熱膨張2種類【イメージ重視の物理基礎】

  • まずはザックリ理解したい
  • イメージを優先したい
  • 苦手を克服したい

このような方向けに解説をしていきます。

【今回わかること】

  • 熱膨張とはなにか
  • 線膨張と体膨張
  • それぞれの公式

長さや体積が変わる熱膨張

温度が上昇すると、粒の熱運動が激しくなります。

その結果、長さや体積が増える

これを熱膨張と呼びます。

冷やしたガラスのコップに熱湯を一気に入れると、コップが膨張して割れてしまうのも熱膨張が原因です。

 

熱膨張には2種類あるので、それぞれ見てみましょう。

 

長さが変化する「線膨張」の公式

温度によって固体の長さが変化することを線膨張と呼びます。

熱運動のようすが変わると、長さが少し変わってしまうのです。

温度上がる下がる
長さ長くなる短くなる

 

電車が走っているレールには、所々すき間があります。

すき間を作っておかないと、夏に気温が高くなったときに、レールが膨張して歪んでしまう。

歪んだレールだと電車が脱線してしまいますよね?

 

物体の長さと温度のあいだには、つぎのような関係式が成り立ちます。

温度 \(t\) に代入する値を大きくすると、長さ \(l\) も大きくなるので、温度が高くなれば物体は長くなるというのがわかるでしょう。

ただし温度が上がっても、物体の長さは0.000001[m]程度しか変わりません。

目で見てわかるレベルではないですよね?

なので比例定数\(α\)を入れることで、伸びる量が小さくなるようにしてあります。

\(α\)のことを線膨張率と呼ぶので覚えておきましょう。

この線膨張率は、どんな物質でできているかで決まる値です。

まこと
「長さ」が変わるのは「線」膨張!

 

体積が変化する「体膨張」の公式

温度によって体積が変わることを体膨張と呼びます。

線膨張とおなじで、熱運動のようすが変わることが原因です。

温度上がる下がる
体積膨張する収縮する

 

空のペットボトルにふたをして、熱湯につけたり冷水につけたりすると、空気の体積が変化するのがわかるので実験してみましょう。

 

物体の体積と温度のあいだには、つぎのような関係式があります。

式の仕組みは線膨張と同じです。

\(β\)のことを体膨張率と呼び、物質ごとに決まった値を持っています。

まこと
「体積」が変わるのが「体」膨張!

 

まとめ

  • 長さが変わるのは「線膨張」
  • 体積が変わるのは「体膨張」
  • 温度 \(t\) の係数をまとめて「熱膨張率」と呼ぶ
  • 公式の仕組みは同じ

 

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