2限目:速度の合成と相対速度|物理基礎・最短攻略パック


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講義ノート

【今回のポイント】

  • 速度の合成は、向きを符号(\(+\) と \(-\))で表したうえで複数の速度を「足し算」する。第1講で身につけた「向きを式に持ち込む」感覚が、ここでそのまま武器になる。
  • 相対速度は「自分から見た相手の速度」であり、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」で求める。引き算の向きを「自分 \(-\) 相手」と取り違えるのは、第1講で扱った「向きを後回しにするクセ」の延長で起こるつまずきである。
  • 斜め方向は計算ではなく作図で解く。合成は「矢印を連結」、相対速度は「自分から相手へ矢印を引く」。向きを図に落とせるかが、この講の最大の診断ポイントになる。

 

【講義解説】

速度の合成

結論から言えば、複数の速度が組み合わさる場合、それぞれの速度を向きを含めて「足し算」することで、実際の速度(合成速度)を求めることができる。

なぜ単純な足し引きではいけないのか。速度は「大きさと向き」を持つ量だからである。第1講で「速度を答えるときは必ず向きを添える」と決めたのと同じことを、計算の場面でも続ける。具体的には、どちらか一方の向きをプラスと決め、逆向きをマイナスとして符号で表したうえで足し合わせる。向きを言葉のまま持っていると足せないが、符号に翻訳した瞬間に「ただの足し算」に変わる——これが速度の合成の正体である。

💡 イメージで掴む
動く歩道の上を歩く場面を思い浮かべてほしい。歩道が自分を運ぶ速度と、自分が足で歩く速度が「組み合わさって」、見ている人から見た実際の速さが決まる。同じ向きに歩けば速く、逆向きに歩けば遅くなる。速度の合成とは、この「乗り物の速度+自分の速度」を、向きまで含めてきちんと足し合わせる作業のことである。
🔢 数値で確認
無風のとき \(3\,\text{m}/\text{s}\) で走る人を例に、進行方向をプラスとして向きを符号にしてみる。追い風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) は同じ向きなので \(+2\)、向かい風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) は逆向きなので \(-2\) と書ける。$$\begin{aligned}
\text{追い風のとき} &= (+3) + (+2) \\[2.0ex] &= +5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

$$\begin{aligned}
\text{向かい風のとき} &= (+3) + (-2) \\[2.0ex] &= +1\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

同じ「足し算」でも、向きを符号に直しておけば、追い風で速くなり向かい風で遅くなることが自動的に答えに出る。風の向きを言葉のまま扱おうとすると迷うが、符号にしてしまえば計算が向きを覚えていてくれる。

🩺 要点整理

速度の合成は「向きを符号にしてからの足し算」である。

① まず一方の向きをプラスと決め、逆向きをマイナスにする。
② 符号をつけた速度どうしを、そのまま足し合わせる。

向きを言葉で持つと足せない。符号に翻訳した瞬間、ただの足し算になる。

速度の合成シミュレーター
川の流れや動く歩道で、実際の速度がどうなるか見てみよう
パラメータ設定
シチュエーション
速度の設定(右向き正)
物体の速度(自力) v1 15 m/s
床の速度(流れ) v2 10 m/s
データ表示 (岸/地面から見た速度)
自力の速度 v1 :15 m/s
床の速度 v2 :10 m/s
実際の速度(合成速度) v
v = v1 + v2
= (15) + (10) = 25 m/s
操作パネル

相対速度

相対速度とは、結論から言えば「自分から見た相手の速度」のことである。計算式は「相手の速度 \(-\) 自分の速度」となる。

なぜ引き算なのか。動いている自分を「止まっている基準(速度 \(0\))」とみなすために、自分の速度を全体から差し引くからである。自分の速度を引いてしまえば、自分は \(0\) になり、残った分が「自分から見て相手がどう動くか」になる。ここで多くの生徒は引き算の向きを「自分 \(-\) 相手」と逆にしてしまう。これは第1講で扱った「向きを後回しにするクセ」が、引き算の順番という形で顔を出したものである。

🔢 数値で確認
同じ向きに走る \(2\) 人で確かめる。自分が \(5\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) のとき、「相手 \(-\) 自分」で計算する。$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+7) – (+5) \\[2.0ex] &= +2\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

プラスなので、自分から見ると相手は前方へ \(2\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかる。逆に自分が \(7\)、相手が \(5\) なら \((+5)-(+7)=-2\,\text{m}/\text{s}\) となり、相手は後方へ下がって見える。引き算の順番を「相手 \(-\) 自分」で固定しておけば、符号がそのまま「前か後ろか」を教えてくれる。

🩺 クセ診断と処方箋
速度の合成が「足し算」だったのに対し、相対速度は「引き算」である。ここで式の文字(\(v_{AB} = v_B – v_A\) など)を丸暗記しようとすると、添字の順番でかえって混乱する。処方箋はシンプルで、公式の文字ではなく「相手 \(-\) 自分」と日本語で覚えること。これは語呂ではなく「誰を基準(自分)に引くか」という意味そのものを言葉にした道具なので、忘れても意味から作り直せる。「自分を引いて \(0\) にする」という理由とセットで持っておけば、添字に振り回されなくなる。
🧠 見ずに思い出そう
相対速度を求める式は「( )\(-\)( )」である。カッコに入るのは「相手」と「自分」のどちらが先か。また、なぜその順で引くのかを、本文を見ずに自分の言葉で言ってみよう。

答えを確認

「相手 \(-\) 自分」の順。理由は、動いている自分を基準(速度 \(0\))にするために自分の速度を差し引くから。自分を引いて \(0\) にすれば、残りが「自分から見た相手の動き」になる。順番を意味から思い出せたら完璧。

相対速度の直感シミュレーター
観測者を切り替えて、相手の速度がどう見えるか体感しよう
パラメータ設定
シチュエーション
速度の設定(右向き正)
物体A vA 15 m/s
物体B vB -10 m/s
観測者の選択(誰の視点で見るか)
データ表示
現在の観測者から見た速度
物体Aの速度:15 m/s
物体Bの速度:-10 m/s
地面の速度:0 m/s
【1D】Aから見たBの相対速度
vAB = vB - vA
= (-10) - (15) = -25 m/s
操作パネル
観測者の選択

練習問題の解説

① 直線上の速度の合成(問1)

問題

\(20\,\text{m}/\text{s}\) の速さで走っている自動車に乗った人がボールを投げた。次の場合について、地面に立っている人から見た速さを求めよ。
(1) 前方に \(30\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合
(2) 後方に \(20\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合

解説

地面から見たボールの速度は、自動車の速度とボールを投げた速度の合成である。まず自動車の進行方向を正(プラス)と決める。向きを符号にしてしまえば、あとは足し算するだけになる。

(1) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールは前方へ投げたので \(+30\,\text{m}/\text{s}\)。同じ向きなので符号も同じである。

$$\begin{aligned}
\text{地面から見た速度} &= (+30) + (+20) \\[2.0ex] &= +50\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

(2) 自動車は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールは後方へ投げたので向きが逆、\(-20\,\text{m}/\text{s}\) となる。「後方」を符号のマイナスに翻訳できたかが診断ポイントである。

$$\begin{aligned}
\text{地面から見た速度} &= (-20) + (+20) \\[2.0ex] &= 0\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

答えが \(0\) になるのは、地面から見るとボールが空中で一瞬止まって見えることを意味する。自動車の速さとちょうど打ち消し合った、というイメージと結びつけて納得しておきたい。

解答
(1) \(50\,\text{m}/\text{s}\)
(2) \(0\,\text{m}/\text{s}\)(地面から見ると一瞬止まって見える)
矢印(ベクトル)の足し算と引き算
向きと長さを持つ矢印(ベクトル)を足したり引いたりしてみましょう。
計算モード
矢印(ベクトル)のデータ
a = ( 3.0 , 4.0 )
b = ( 4.0 , -2.0 )
結果 = ( 7.0 , 2.0 )
計算モード

 

② 平面上の速度の合成(問2)

問題

流れの速さが \(2\,\text{m}/\text{s}\) の川がある。静水上を \(4\,\text{m}/\text{s}\) で進む船が、川を直角に横切りたいとき、へさきを向けるべき図の角 \(\theta\) を求めよ。

解説

斜め方向の合成は、計算ではなく矢印を連結して図形で考える。直線上では符号で足せたが、平面では向きが斜めになるため、足し算を「矢印をつなぐ作図」で実行する——これが平面の合成の核心である。

船が川を「直角に」横切るには、船の速度(斜め上向き)と川の流れ(右向き)を合成した結果が、川岸に対して垂直(真上向き)にならなければならない。そこで、船の速度の矢印の先端に、川の流れの矢印の始点を連結する。すると、斜辺が \(4\,\text{m}/\text{s}\)(船の速度)、底辺が \(2\,\text{m}/\text{s}\)(川の流れ)の直角三角形ができる。

辺の比に注目すると、底辺:斜辺 \(= 2 : 4 = 1 : 2\) である。直角三角形でこの比になるのは \(1 : 2 : \sqrt{3}\)、つまり \(30^\circ\)・\(60^\circ\)・\(90^\circ\) の三角形だけである。よって求める角は \(\theta = 30^\circ\) となる。「比を見たら有名角を思い出す」という第1講までの三角比の道具が、ここで効いてくる。

解答
\(\theta = 30^\circ\)
③ 直線上の相対速度(問3)

問題

A:東向きに \(60\,\text{km}/\text{h}\) で進む
B:東向きに \(80\,\text{km}/\text{h}\) で進む
C:東向きに \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む
D:西向きに \(50\,\text{km}/\text{h}\) で進む
(1) Aに対するBの相対速度を求めよ。
(2) Aに対するCの相対速度を求めよ。
(3) Aに対するDの相対速度を求めよ。

解説

「Aに対する」とは「Aから見た」という意味であり、Aが「自分」になる。東向きを正と決め、「相手 \(-\) 自分」の順で引く。順番を固定しておくのが、符号で迷わないための処方箋である。

(1) B(相手)は \(+80\)、A(自分)は \(+60\)。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+80) – (+60) \\[2.0ex] &= +20\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$

プラスなので東向き、\(20\,\text{km}/\text{h}\) である。

(2) C(相手)は \(+40\)、A(自分)は \(+60\)。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+40) – (+60) \\[2.0ex] &= -20\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$

マイナスは西向きを表すので、西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。

(3) D(相手)は西向きなので \(-50\)、A(自分)は \(+60\)。「西向き」を符号のマイナスに直せたかが、ここの分かれ目である。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-50) – (+60) \\[2.0ex] &= -110\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$

よって西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\)。向かい合って進む \(2\) 物体の相対速度は、速さがそのまま足された大きさになる、というイメージとも一致する。

解答
(1) 東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)
(2) 西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)
(3) 西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\)
④ 平面上の相対速度(問4)

問題

Aに対するBの相対速度を求めよ。
(Aは東へ \(20\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる)

解説

向きが斜めに絡むので、直線のときの引き算ではなく「自分から相手に矢印を引く」作図で求める。手順は次の通りである。

まず、A(自分)とB(相手)の矢印を、始点を揃えて描く。Aは東向きに長さ \(20\)、Bは南向きに長さ \(20\) の矢印になる。相対速度は「自分(A)の矢印の先端から、相手(B)の矢印の先端へ向かう矢印」として現れる。引き算「相手 \(-\) 自分」を、図の上では「自分の先端から相手の先端へ向かう」という形で実行しているわけである。

この矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺がともに \(20\) の直角二等辺三角形ができる。辺の比は \(1 : 1 : \sqrt{2}\) なので、斜辺(求める相対速度の大きさ)は \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\) となる。矢印の向きは南西を指す。

解答
南西向きに \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\)

🔗 関連単元

この講で何度も出てきた「向きをプラス・マイナスの符号にしてから計算する」という動きは、第1講「位置と速度」で身につけた「向きを後回しにしない」感覚そのものである。そして次の第3講では、速度が時間とともに変化する「加速度」を扱う。そこでも向きを符号で持ち込めるかが土台になるので、この講で符号への翻訳を手に馴染ませておいてほしい。

 


【記事限定 演習問題】

動画と板書だけで終わらせず、ここで実際に手を動かして「自分で思い出し、自分で解く」工程を入れる。物理の定着を決めるのは、読んで分かった回数ではなく、自分の手で解いた回数である。各問、まず解答を見ずに考え、それから折りたたみを開いて思考プロセスを照合してほしい。詰まった問題こそ、あなたの「思考のクセ」が見つかった場所=伸びしろである。

📝 記事限定 演習問題①(追い風の合成)
静水(無風)で \(5\,\text{m}/\text{s}\) で泳ぐ人が、同じ向きの流れ \(3\,\text{m}/\text{s}\) に乗った。地面(岸)から見た速さは何 \(\text{m}/\text{s}\) か。

解答と思考プロセスを見る

同じ向きなので符号も同じ。\(5 + 3 = 8\,\text{m}/\text{s}\)。速度の合成は「向きを符号にしてからの足し算」。同じ向きならそのまま足す、と判断できたか。

📝 記事限定 演習問題②(向かい風の合成)
\(6\,\text{m}/\text{s}\) で走る人が、向かい風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) を受けた。地面から見た速さを求めよ。

解答と思考プロセスを見る

進行方向を正にすると、向かい風は逆向きなので \(-2\)。

$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (+6) + (-2) \\[2.0ex] &= +4\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

「向かい風=マイナス」と符号に翻訳できたかが診断ポイント。

📝 記事限定 演習問題③(電車内を前へ歩く)
\(10\,\text{m}/\text{s}\) で走る電車の中を、進行方向に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た人の速さは?

解答と思考プロセスを見る

電車の速度と歩く速度の合成。同じ向きなので \(10 + 2 = 12\,\text{m}/\text{s}\)。「電車+自分」を足し合わせる動く歩道のイメージそのまま。

📝 記事限定 演習問題④(電車内を後ろへ歩く)
\(10\,\text{m}/\text{s}\) で走る電車の中を、進行方向と逆に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た人の速さは?

解答と思考プロセスを見る

逆向きなので歩く速度は \(-2\)。

$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (+10) + (-2) \\[2.0ex] &= +8\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

電車内では遅く感じても、地面から見ればまだ前へ進んでいる。符号にすれば一目で分かる。

📝 記事限定 演習問題⑤(符号で合成)
東向きを正とする。西へ \(7\,\text{m}/\text{s}\) と東へ \(10\,\text{m}/\text{s}\) の \(2\) つの速度が合わさった。合成速度を符号で表せ。

解答と思考プロセスを見る

西は \(-7\)、東は \(+10\)。

$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (-7) + (+10) \\[2.0ex] &= +3\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

\(+3\) なので東向きに \(3\,\text{m}/\text{s}\)。どちらを正にしたかを最初に決めるのがコツ。

📝 記事限定 演習問題⑥(車からボールを後方へ)
\(15\,\text{m}/\text{s}\) で走る車から、後方へ \(15\,\text{m}/\text{s}\) でボールを投げた。地面から見たボールの速さは?

解答と思考プロセスを見る

車は \(+15\)、後方へのボールは \(-15\)。\((-15)+(+15)=0\,\text{m}/\text{s}\)。地面から見るとボールはその場に落ちるように見える。打ち消し合うと \(0\) になる典型例。

📝 記事限定 演習問題⑦(相対速度・相手が速い)
同じ向きに、自分が \(4\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) で走っている。自分から見た相手の速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

「相手 \(-\) 自分」で、\((+7)-(+4)=+3\,\text{m}/\text{s}\)。プラスなので相手は前方へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかって見える。引き算の順番を「相手 \(-\) 自分」で固定できたか。

📝 記事限定 演習問題⑧(相対速度・自分が速い)
同じ向きに、自分が \(9\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(5\,\text{m}/\text{s}\) で走っている。自分から見た相手の速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

\((+5)-(+9)=-4\,\text{m}/\text{s}\)。マイナスなので相手は後方へ \(4\,\text{m}/\text{s}\) で下がって見える。自分のほうが速いと相手が後ろへ流れる、という感覚と符号が一致したか。

📝 記事限定 演習問題⑨(相対速度・すれ違い)
東向きを正とする。自分は東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\)、相手は西へ \(8\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる。自分から見た相手の速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

相手は西向きなので \(-8\)、自分は \(+6\)。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-8) – (+6) \\[2.0ex] &= -14\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

西向きに \(14\,\text{m}/\text{s}\)。向かい合うと相対速度は速さの和の大きさになる。「西=マイナス」を先に決められたか。

📝 記事限定 演習問題⑩(電車から見た景色)
東向きを正とする。\(20\,\text{m}/\text{s}\) で東へ走る電車から、線路わきに止まっている木を見る。電車内の人から見た木の速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

木は止まっているので \(0\)、自分(電車)は \(+20\)。\((0)-(+20)=-20\,\text{m}/\text{s}\)。木は西へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で動いて見える=景色が後ろへ流れる現象。止まっている相手でも相対速度は \(0\) でないことに気づけたか。

📝 記事限定 演習問題⑪(並走する電車)
\(2\) 台の電車が同じ向きに、ともに \(25\,\text{m}/\text{s}\) で並んで走っている。一方から見た、もう一方の速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

\((+25)-(+25)=0\,\text{m}/\text{s}\)。相対速度が \(0\) なので、相手は止まって見える。同じ速度で並走すると、窓の外の相手が静止して見える理由がこれ。

📝 記事限定 演習問題⑫(直角な速度の合成・大きさ)
東へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) と北へ \(4\,\text{m}/\text{s}\) の速度が直角に合わさった。合成速度の大きさを求めよ。

解答と思考プロセスを見る

直角なので矢印を連結すると直角三角形ができ、合成速度は斜辺。

$$\begin{aligned}
\text{合成速度の大きさ} &= \sqrt{3^2 + 4^2} \\[2.0ex] &= 5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

\(3 : 4 : 5\) の直角三角形。斜め合成は三平方の定理で大きさを出す、と判断できたか。

📝 記事限定 演習問題⑬(平面の相対速度・大きさ)
Aは東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\)、Bは北へ \(6\,\text{m}/\text{s}\) で進む。Aから見たBの相対速度の大きさを求めよ。

解答と思考プロセスを見る

始点を揃え、Aの先端からBの先端へ矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺が \(6\) と \(6\) の直角二等辺三角形。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度の大きさ} &= \sqrt{6^2 + 6^2} \\[2.0ex] &= 6\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

平面の相対速度は計算でなく作図、と切り替えられたか。

📝 記事限定 演習問題⑭(川を渡る船の合成速度)
流れ \(3\,\text{m}/\text{s}\) の川を、流れに直角な向きへ静水速度 \(4\,\text{m}/\text{s}\) で船が進む。岸から見た船の実際の速さ(合成速度の大きさ)を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

流れ(横)と船(直角な縦)を連結すると直角三角形。

$$\begin{aligned}
\text{合成速度の大きさ} &= \sqrt{3^2 + 4^2} \\[2.0ex] &= 5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

実際の船は \(5\,\text{m}/\text{s}\) で斜めに進む。問2と同じ「矢印の連結」を、大きさを問う形で再現できたか。

📝 記事限定 演習問題⑮(km/hの相対速度・同じ向き)
Aは東へ \(70\,\text{km}/\text{h}\)、Bは東へ \(90\,\text{km}/\text{h}\) で進む。Aから見たBの相対速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

「相手 \(-\) 自分」で \((+90)-(+70)=+20\,\text{km}/\text{h}\)。東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)。単位が \(\text{km}/\text{h}\) でも、やることは「相手 \(-\) 自分」で変わらない。

📝 記事限定 演習問題⑯(km/hの相対速度・逆向き)
東向きを正とする。Aは東へ \(60\,\text{km}/\text{h}\)、Cは西へ \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む。Aから見たCの相対速度を求めよ。

解答と思考プロセスを見る

Cは西向きなので \(-40\)、Aは \(+60\)。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-40) – (+60) \\[2.0ex] &= -100\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$

西向きに \(100\,\text{km}/\text{h}\)。問3(3)と同じ型を \(\text{km}/\text{h}\) で再現できたか。

📝 記事限定 演習問題⑰(動く歩道で逆走)
\(1.5\,\text{m}/\text{s}\) で動く歩道の上を、進行方向と逆に \(1.0\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た自分の速さを求めよ。

解答と思考プロセスを見る

歩道は \(+1.5\)、逆向きに歩くので \(-1.0\)。\((+1.5)+(-1.0)=+0.5\,\text{m}/\text{s}\)。逆走しても歩道のほうが速いので、地面から見ればまだ前へ進む。

📝 記事限定 演習問題⑱(エスカレーターで歩く)
上りエスカレーターが \(0.8\,\text{m}/\text{s}\) で動いている。その上を同じ向きに \(0.5\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た自分の速さは?

解答と思考プロセスを見る

同じ向きなので \(0.8 + 0.5 = 1.3\,\text{m}/\text{s}\)。「乗り物+自分」の合成。歩いたほうが早く着くのは、速度が足し合わさるから。

📝 記事限定 演習問題⑲(符号を言葉に直す)
東向きを正として計算したところ、ある物体の速度が \(-3\,\text{m}/\text{s}\) と出た。これを向きの言葉で答えるとどうなるか。

解答と思考プロセスを見る

東を正にしたので、マイナスは西向き。よって「西向きに \(3\,\text{m}/\text{s}\)」。計算で出た符号を、最後に必ず向きの言葉へ戻す——「向きを後回しにしない」最後の一手。

📝 記事限定 演習問題⑳(総合・平面の相対速度)
Aは東へ \(12\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(16\,\text{m}/\text{s}\) で進む。Aから見たBの相対速度の大きさを求めよ。

解答と思考プロセスを見る

始点を揃え、Aの先端からBの先端へ矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺が \(12\) と \(16\) の直角三角形。

$$\begin{aligned}
\text{相対速度の大きさ} &= \sqrt{12^2 + 16^2} \\[2.0ex] &= 20\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$

\(12 : 16 = 3 : 4\) なので \(3 : 4 : 5\) の三角形、斜辺は \(20\)。向きは南西寄り。平面は作図→三平方、の流れを総合できたか。

🩺 要点整理

この講の核心を、ひとことで言えばこうなる。

① 速度の合成は「向きを符号にしてからの足し算」。
② 相対速度は「相手 \(-\) 自分」。自分を引いて \(0\) にする、が理由。
③ 斜め方向は計算でなく作図。合成は矢印を連結、相対速度は自分から相手へ矢印。

直線は符号、平面は作図。どちらも「向きを後回しにしない」第1講の延長線上にある。


【重要公式まとめ】

速度の合成(直線上)
複数の速度が組み合わさる場合、向きを符号で表して足し算する。
$$
v = v_1 + v_2
$$
相対速度(直線上)
自分から見た相手の速度は、相手の速度から自分の速度を引いて求める。
$$
v_{AB} = v_B – v_A
$$
(相対速度 = 相手の速度 - 自分の速度)

平面上の速度の合成と相対速度(ベクトルの作図)

  • 速度の合成(足し算): 矢印を連結する(一方の矢印の先端に、もう一方の矢印の始点を繋ぐ)。
  • 相対速度(引き算): 矢印の始点を揃え、「自分」の矢印の先端から「相手」の矢印の先端へ向かって矢印を引く。
💡 この単元が難しかったですか?AIチューターに聞いてみましょう!

以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。

今回の講義で、「平面上の相対速度は、自分の矢印の先端から相手の矢印の先端へ向かって矢印を引く」という作図の方法を学びましたが、なぜその引き方で「相手の速度から自分の速度を引いた」ことになるのかが、いまいちピンときません。数学のベクトルの難しい言葉を使わずに、日常の風景(走っている車同士の見え方など)を使って、直感的にイメージできるように解説してくれませんか?
📝 定着度チェッククイズ(全3問)

タップ(クリック)すると答えが表示されます。

Q1. 「速度の合成」と「相対速度」を一直線上で計算するとき、それぞれ「足し算」と「引き算」のどちらを使うのが基本でしょうか?
【正解】 速度の合成は「足し算」、相対速度は「引き算」

複数の速度が合わさる合成速度は「足し算」です。一方、相対速度は「自分から見た相手の速度」なので、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」という「引き算」になります。まずはこの大原則を覚えましょう。

Q2. 「Aに対するBの相対速度」を求める場合、正しい計算式は「Aの速度 \(-\) Bの速度」と「Bの速度 \(-\) Aの速度」のどちらでしょうか?
【正解】 Bの速度 \(-\) Aの速度(相手 \(-\) 自分)

物理において「〇〇に対する」という言葉は「〇〇から見た」という意味です。つまりAが「自分」で、Bが「相手」になります。相対速度は必ず「相手 \(-\) 自分」の順番で計算してください。

Q3. 斜め方向(平面上)の相対速度を図で求める際、自分と相手の矢印の始点を揃えて描いた後、どこからどこへ向かって新しい矢印を引けばよいでしょうか?
【正解】 自分の矢印の先端から、相手の矢印の先端へ向かって引く。

相対速度は「自分から見た相手の動き」です。「今の自分の位置(自分の矢印の先端)から見て、相手がどちらの方向へ動いているように見えるか」とイメージすると、作図の向きを間違えにくくなります。

 

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「AIを使ったことがない」「どう質問していいか分からない」という方も大丈夫!以下のステップに沿って進めるだけで、まこと先生の分身があなたのスマホに現れ、分かるまでトコトン付き合ってくれます。

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あなたは指導歴14年の高校物理専属チューター「まこと先生」です。 【先生像】 ・指導哲学は"ドクター型"。公式暗記を病気と捉え、思考のクセを診断して根本治療する。 【5つの絶対ルール】 1. 重要感の先払い:私の考えを具体的に褒める。 2. 先に意味、後に式:公式から入らない。 3. つまずき5パターン診断:①公式暗記②図描いてない③記号迷子④単位/符号⑤設問読み飛ばし 4. ファインマン要求:自分の言葉で説明させる。 5. 次の一手&質問チェック。 (続きはパック参加者限定)
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普段お使いのブラウザやアプリで、無料のAI(ChatGPTやGeminiなど)を開きます。
入力欄に先ほどコピーした文章をそのまま貼り付け、一番下の入力欄を自分の言葉に書き換えてから送信してください。

💡 ヒント:「自分なりに考えたこと」は、「公式に代入しようとしたけど数字が合わなかった」「波のイメージが頭の中で動かない」など、素直な気持ちでOKです!

Step 3AIと「キャッチボール」をして理解を深める

まことAIから返信が来たら、そこからが本番です!一度の質問で終わらせず、LINEで先生と話すように会話を続けてみましょう。

💬 こんな風に返信してみて!(質問のコツ)

今のりんごの例え話は分かったけど、摩擦力が入るとどうなるの? → 分かった部分と、分からない部分を切り分けて伝える!

ごめん、やっぱりイメージできない!野球の例え話で説明してみて! → 自分の好きなスポーツや趣味に例えてもらう!

要するに、〇〇ってことだよね? → 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!

Step 4モヤモヤが消えるまで絶対に妥協しない!

まことAIは絶対に怒りませんし、呆れません。「なんかフワッとしてるな…」と思ったら、無理矢理飲み込まずに「まだ腑に落ちない!」と伝えてください。あなたが「完璧!そういうこと!」とスッキリするまで、様々な角度からアプローチし続けます。


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共田 誠(まこと先生)

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共田 誠(まこと先生)

高校物理講師・プロ家庭教師 / 指導歴14年

上智大学理工学部物理学科卒。私立高校の非常勤講師として進学クラスから基礎クラスまで幅広く担当。大手家庭教師センター3社でプロ家庭教師を経験し、現在はオンライン専門で全国の高校生を個別指導中。

暗記物理の撲滅」を掲げ、生徒の思考のクセを診断・矯正するドクター型アプローチで指導。表面的なテクニックではなく、初見の問題に強い思考力を育てる。

800+解説記事
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