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「力の図示→運動方程式→解く」を根本から組み直すドクター型講義
講義ノート
【今回のポイント】
- 速度の合成は、向きを符号(\(+\) と \(-\))で表したうえで複数の速度を「足し算」する。第1講で身につけた「向きを式に持ち込む」感覚が、ここでそのまま武器になる。
- 相対速度は「自分から見た相手の速度」であり、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」で求める。引き算の向きを「自分 \(-\) 相手」と取り違えるのは、第1講で扱った「向きを後回しにするクセ」の延長で起こるつまずきである。
- 斜め方向は計算ではなく作図で解く。合成は「矢印を連結」、相対速度は「自分から相手へ矢印を引く」。向きを図に落とせるかが、この講の最大の診断ポイントになる。
【講義解説】
速度の合成
結論から言えば、複数の速度が組み合わさる場合、それぞれの速度を向きを含めて「足し算」することで、実際の速度(合成速度)を求めることができる。
なぜ単純な足し引きではいけないのか。速度は「大きさと向き」を持つ量だからである。第1講で「速度を答えるときは必ず向きを添える」と決めたのと同じことを、計算の場面でも続ける。具体的には、どちらか一方の向きをプラスと決め、逆向きをマイナスとして符号で表したうえで足し合わせる。向きを言葉のまま持っていると足せないが、符号に翻訳した瞬間に「ただの足し算」に変わる——これが速度の合成の正体である。

動く歩道の上を歩く場面を思い浮かべてほしい。歩道が自分を運ぶ速度と、自分が足で歩く速度が「組み合わさって」、見ている人から見た実際の速さが決まる。同じ向きに歩けば速く、逆向きに歩けば遅くなる。速度の合成とは、この「乗り物の速度+自分の速度」を、向きまで含めてきちんと足し合わせる作業のことである。
無風のとき \(3\,\text{m}/\text{s}\) で走る人を例に、進行方向をプラスとして向きを符号にしてみる。追い風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) は同じ向きなので \(+2\)、向かい風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) は逆向きなので \(-2\) と書ける。$$\begin{aligned}
\text{追い風のとき} &= (+3) + (+2) \\[2.0ex] &= +5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
$$\begin{aligned}
\text{向かい風のとき} &= (+3) + (-2) \\[2.0ex]
&= +1\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
同じ「足し算」でも、向きを符号に直しておけば、追い風で速くなり向かい風で遅くなることが自動的に答えに出る。風の向きを言葉のまま扱おうとすると迷うが、符号にしてしまえば計算が向きを覚えていてくれる。
🩺 要点整理
速度の合成は「向きを符号にしてからの足し算」である。
向きを言葉で持つと足せない。符号に翻訳した瞬間、ただの足し算になる。
= (15) + (10) = 25 m/s
相対速度
相対速度とは、結論から言えば「自分から見た相手の速度」のことである。計算式は「相手の速度 \(-\) 自分の速度」となる。
なぜ引き算なのか。動いている自分を「止まっている基準(速度 \(0\))」とみなすために、自分の速度を全体から差し引くからである。自分の速度を引いてしまえば、自分は \(0\) になり、残った分が「自分から見て相手がどう動くか」になる。ここで多くの生徒は引き算の向きを「自分 \(-\) 相手」と逆にしてしまう。これは第1講で扱った「向きを後回しにするクセ」が、引き算の順番という形で顔を出したものである。

同じ向きに走る \(2\) 人で確かめる。自分が \(5\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) のとき、「相手 \(-\) 自分」で計算する。$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+7) – (+5) \\[2.0ex] &= +2\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
プラスなので、自分から見ると相手は前方へ \(2\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかる。逆に自分が \(7\)、相手が \(5\) なら \((+5)-(+7)=-2\,\text{m}/\text{s}\) となり、相手は後方へ下がって見える。引き算の順番を「相手 \(-\) 自分」で固定しておけば、符号がそのまま「前か後ろか」を教えてくれる。
速度の合成が「足し算」だったのに対し、相対速度は「引き算」である。ここで式の文字(\(v_{AB} = v_B – v_A\) など)を丸暗記しようとすると、添字の順番でかえって混乱する。処方箋はシンプルで、公式の文字ではなく「相手 \(-\) 自分」と日本語で覚えること。これは語呂ではなく「誰を基準(自分)に引くか」という意味そのものを言葉にした道具なので、忘れても意味から作り直せる。「自分を引いて \(0\) にする」という理由とセットで持っておけば、添字に振り回されなくなる。
相対速度を求める式は「( )\(-\)( )」である。カッコに入るのは「相手」と「自分」のどちらが先か。また、なぜその順で引くのかを、本文を見ずに自分の言葉で言ってみよう。
答えを確認
「相手 \(-\) 自分」の順。理由は、動いている自分を基準(速度 \(0\))にするために自分の速度を差し引くから。自分を引いて \(0\) にすれば、残りが「自分から見た相手の動き」になる。順番を意味から思い出せたら完璧。
= (-10) - (15) = -25 m/s
練習問題の解説
① 直線上の速度の合成(問1)
問題
\(20\,\text{m}/\text{s}\) の速さで走っている自動車に乗った人がボールを投げた。次の場合について、地面に立っている人から見た速さを求めよ。
(1) 前方に \(30\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合
(2) 後方に \(20\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合

解説
地面から見たボールの速度は、自動車の速度とボールを投げた速度の合成である。まず自動車の進行方向を正(プラス)と決める。向きを符号にしてしまえば、あとは足し算するだけになる。
(1) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールは前方へ投げたので \(+30\,\text{m}/\text{s}\)。同じ向きなので符号も同じである。
$$\begin{aligned}
\text{地面から見た速度} &= (+30) + (+20) \\[2.0ex]
&= +50\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
(2) 自動車は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールは後方へ投げたので向きが逆、\(-20\,\text{m}/\text{s}\) となる。「後方」を符号のマイナスに翻訳できたかが診断ポイントである。
$$\begin{aligned}
\text{地面から見た速度} &= (-20) + (+20) \\[2.0ex]
&= 0\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
答えが \(0\) になるのは、地面から見るとボールが空中で一瞬止まって見えることを意味する。自動車の速さとちょうど打ち消し合った、というイメージと結びつけて納得しておきたい。
(1) \(50\,\text{m}/\text{s}\)
(2) \(0\,\text{m}/\text{s}\)(地面から見ると一瞬止まって見える)
② 平面上の速度の合成(問2)
問題
流れの速さが \(2\,\text{m}/\text{s}\) の川がある。静水上を \(4\,\text{m}/\text{s}\) で進む船が、川を直角に横切りたいとき、へさきを向けるべき図の角 \(\theta\) を求めよ。

解説
斜め方向の合成は、計算ではなく矢印を連結して図形で考える。直線上では符号で足せたが、平面では向きが斜めになるため、足し算を「矢印をつなぐ作図」で実行する——これが平面の合成の核心である。
船が川を「直角に」横切るには、船の速度(斜め上向き)と川の流れ(右向き)を合成した結果が、川岸に対して垂直(真上向き)にならなければならない。そこで、船の速度の矢印の先端に、川の流れの矢印の始点を連結する。すると、斜辺が \(4\,\text{m}/\text{s}\)(船の速度)、底辺が \(2\,\text{m}/\text{s}\)(川の流れ)の直角三角形ができる。
辺の比に注目すると、底辺:斜辺 \(= 2 : 4 = 1 : 2\) である。直角三角形でこの比になるのは \(1 : 2 : \sqrt{3}\)、つまり \(30^\circ\)・\(60^\circ\)・\(90^\circ\) の三角形だけである。よって求める角は \(\theta = 30^\circ\) となる。「比を見たら有名角を思い出す」という第1講までの三角比の道具が、ここで効いてくる。
\(\theta = 30^\circ\)
③ 直線上の相対速度(問3)
問題
A:東向きに \(60\,\text{km}/\text{h}\) で進む
B:東向きに \(80\,\text{km}/\text{h}\) で進む
C:東向きに \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む
D:西向きに \(50\,\text{km}/\text{h}\) で進む
(1) Aに対するBの相対速度を求めよ。
(2) Aに対するCの相対速度を求めよ。
(3) Aに対するDの相対速度を求めよ。



解説
「Aに対する」とは「Aから見た」という意味であり、Aが「自分」になる。東向きを正と決め、「相手 \(-\) 自分」の順で引く。順番を固定しておくのが、符号で迷わないための処方箋である。
(1) B(相手)は \(+80\)、A(自分)は \(+60\)。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+80) – (+60) \\[2.0ex]
&= +20\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$
プラスなので東向き、\(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(2) C(相手)は \(+40\)、A(自分)は \(+60\)。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (+40) – (+60) \\[2.0ex]
&= -20\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$
マイナスは西向きを表すので、西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(3) D(相手)は西向きなので \(-50\)、A(自分)は \(+60\)。「西向き」を符号のマイナスに直せたかが、ここの分かれ目である。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-50) – (+60) \\[2.0ex]
&= -110\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$
よって西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\)。向かい合って進む \(2\) 物体の相対速度は、速さがそのまま足された大きさになる、というイメージとも一致する。
(1) 東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)
(2) 西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)
(3) 西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\)
④ 平面上の相対速度(問4)
問題
Aに対するBの相対速度を求めよ。
(Aは東へ \(20\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる)

解説
向きが斜めに絡むので、直線のときの引き算ではなく「自分から相手に矢印を引く」作図で求める。手順は次の通りである。
まず、A(自分)とB(相手)の矢印を、始点を揃えて描く。Aは東向きに長さ \(20\)、Bは南向きに長さ \(20\) の矢印になる。相対速度は「自分(A)の矢印の先端から、相手(B)の矢印の先端へ向かう矢印」として現れる。引き算「相手 \(-\) 自分」を、図の上では「自分の先端から相手の先端へ向かう」という形で実行しているわけである。
この矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺がともに \(20\) の直角二等辺三角形ができる。辺の比は \(1 : 1 : \sqrt{2}\) なので、斜辺(求める相対速度の大きさ)は \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\) となる。矢印の向きは南西を指す。
南西向きに \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\)
🔗 関連単元
この講で何度も出てきた「向きをプラス・マイナスの符号にしてから計算する」という動きは、第1講「位置と速度」で身につけた「向きを後回しにしない」感覚そのものである。そして次の第3講では、速度が時間とともに変化する「加速度」を扱う。そこでも向きを符号で持ち込めるかが土台になるので、この講で符号への翻訳を手に馴染ませておいてほしい。
【記事限定 演習問題】
動画と板書だけで終わらせず、ここで実際に手を動かして「自分で思い出し、自分で解く」工程を入れる。物理の定着を決めるのは、読んで分かった回数ではなく、自分の手で解いた回数である。各問、まず解答を見ずに考え、それから折りたたみを開いて思考プロセスを照合してほしい。詰まった問題こそ、あなたの「思考のクセ」が見つかった場所=伸びしろである。
静水(無風)で \(5\,\text{m}/\text{s}\) で泳ぐ人が、同じ向きの流れ \(3\,\text{m}/\text{s}\) に乗った。地面(岸)から見た速さは何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解答と思考プロセスを見る
同じ向きなので符号も同じ。\(5 + 3 = 8\,\text{m}/\text{s}\)。速度の合成は「向きを符号にしてからの足し算」。同じ向きならそのまま足す、と判断できたか。
\(6\,\text{m}/\text{s}\) で走る人が、向かい風 \(2\,\text{m}/\text{s}\) を受けた。地面から見た速さを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
進行方向を正にすると、向かい風は逆向きなので \(-2\)。
$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (+6) + (-2) \\[2.0ex]
&= +4\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
「向かい風=マイナス」と符号に翻訳できたかが診断ポイント。
\(10\,\text{m}/\text{s}\) で走る電車の中を、進行方向に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た人の速さは?
解答と思考プロセスを見る
電車の速度と歩く速度の合成。同じ向きなので \(10 + 2 = 12\,\text{m}/\text{s}\)。「電車+自分」を足し合わせる動く歩道のイメージそのまま。
\(10\,\text{m}/\text{s}\) で走る電車の中を、進行方向と逆に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た人の速さは?
解答と思考プロセスを見る
逆向きなので歩く速度は \(-2\)。
$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (+10) + (-2) \\[2.0ex]
&= +8\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
電車内では遅く感じても、地面から見ればまだ前へ進んでいる。符号にすれば一目で分かる。
東向きを正とする。西へ \(7\,\text{m}/\text{s}\) と東へ \(10\,\text{m}/\text{s}\) の \(2\) つの速度が合わさった。合成速度を符号で表せ。
解答と思考プロセスを見る
西は \(-7\)、東は \(+10\)。
$$\begin{aligned}
\text{合成速度} &= (-7) + (+10) \\[2.0ex]
&= +3\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
\(+3\) なので東向きに \(3\,\text{m}/\text{s}\)。どちらを正にしたかを最初に決めるのがコツ。
\(15\,\text{m}/\text{s}\) で走る車から、後方へ \(15\,\text{m}/\text{s}\) でボールを投げた。地面から見たボールの速さは?
解答と思考プロセスを見る
車は \(+15\)、後方へのボールは \(-15\)。\((-15)+(+15)=0\,\text{m}/\text{s}\)。地面から見るとボールはその場に落ちるように見える。打ち消し合うと \(0\) になる典型例。
同じ向きに、自分が \(4\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) で走っている。自分から見た相手の速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
「相手 \(-\) 自分」で、\((+7)-(+4)=+3\,\text{m}/\text{s}\)。プラスなので相手は前方へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかって見える。引き算の順番を「相手 \(-\) 自分」で固定できたか。
同じ向きに、自分が \(9\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(5\,\text{m}/\text{s}\) で走っている。自分から見た相手の速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
\((+5)-(+9)=-4\,\text{m}/\text{s}\)。マイナスなので相手は後方へ \(4\,\text{m}/\text{s}\) で下がって見える。自分のほうが速いと相手が後ろへ流れる、という感覚と符号が一致したか。
東向きを正とする。自分は東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\)、相手は西へ \(8\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる。自分から見た相手の速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
相手は西向きなので \(-8\)、自分は \(+6\)。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-8) – (+6) \\[2.0ex]
&= -14\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
西向きに \(14\,\text{m}/\text{s}\)。向かい合うと相対速度は速さの和の大きさになる。「西=マイナス」を先に決められたか。
東向きを正とする。\(20\,\text{m}/\text{s}\) で東へ走る電車から、線路わきに止まっている木を見る。電車内の人から見た木の速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
木は止まっているので \(0\)、自分(電車)は \(+20\)。\((0)-(+20)=-20\,\text{m}/\text{s}\)。木は西へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で動いて見える=景色が後ろへ流れる現象。止まっている相手でも相対速度は \(0\) でないことに気づけたか。
\(2\) 台の電車が同じ向きに、ともに \(25\,\text{m}/\text{s}\) で並んで走っている。一方から見た、もう一方の速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
\((+25)-(+25)=0\,\text{m}/\text{s}\)。相対速度が \(0\) なので、相手は止まって見える。同じ速度で並走すると、窓の外の相手が静止して見える理由がこれ。
東へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) と北へ \(4\,\text{m}/\text{s}\) の速度が直角に合わさった。合成速度の大きさを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
直角なので矢印を連結すると直角三角形ができ、合成速度は斜辺。
$$\begin{aligned}
\text{合成速度の大きさ} &= \sqrt{3^2 + 4^2} \\[2.0ex]
&= 5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
\(3 : 4 : 5\) の直角三角形。斜め合成は三平方の定理で大きさを出す、と判断できたか。
Aは東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\)、Bは北へ \(6\,\text{m}/\text{s}\) で進む。Aから見たBの相対速度の大きさを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
始点を揃え、Aの先端からBの先端へ矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺が \(6\) と \(6\) の直角二等辺三角形。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度の大きさ} &= \sqrt{6^2 + 6^2} \\[2.0ex]
&= 6\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
平面の相対速度は計算でなく作図、と切り替えられたか。
流れ \(3\,\text{m}/\text{s}\) の川を、流れに直角な向きへ静水速度 \(4\,\text{m}/\text{s}\) で船が進む。岸から見た船の実際の速さ(合成速度の大きさ)を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
流れ(横)と船(直角な縦)を連結すると直角三角形。
$$\begin{aligned}
\text{合成速度の大きさ} &= \sqrt{3^2 + 4^2} \\[2.0ex]
&= 5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
実際の船は \(5\,\text{m}/\text{s}\) で斜めに進む。問2と同じ「矢印の連結」を、大きさを問う形で再現できたか。
Aは東へ \(70\,\text{km}/\text{h}\)、Bは東へ \(90\,\text{km}/\text{h}\) で進む。Aから見たBの相対速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
「相手 \(-\) 自分」で \((+90)-(+70)=+20\,\text{km}/\text{h}\)。東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\)。単位が \(\text{km}/\text{h}\) でも、やることは「相手 \(-\) 自分」で変わらない。
東向きを正とする。Aは東へ \(60\,\text{km}/\text{h}\)、Cは西へ \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む。Aから見たCの相対速度を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
Cは西向きなので \(-40\)、Aは \(+60\)。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度} &= (-40) – (+60) \\[2.0ex]
&= -100\,\text{km}/\text{h}
\end{aligned}$$
西向きに \(100\,\text{km}/\text{h}\)。問3(3)と同じ型を \(\text{km}/\text{h}\) で再現できたか。
\(1.5\,\text{m}/\text{s}\) で動く歩道の上を、進行方向と逆に \(1.0\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た自分の速さを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
歩道は \(+1.5\)、逆向きに歩くので \(-1.0\)。\((+1.5)+(-1.0)=+0.5\,\text{m}/\text{s}\)。逆走しても歩道のほうが速いので、地面から見ればまだ前へ進む。
上りエスカレーターが \(0.8\,\text{m}/\text{s}\) で動いている。その上を同じ向きに \(0.5\,\text{m}/\text{s}\) で歩く。地面から見た自分の速さは?
解答と思考プロセスを見る
同じ向きなので \(0.8 + 0.5 = 1.3\,\text{m}/\text{s}\)。「乗り物+自分」の合成。歩いたほうが早く着くのは、速度が足し合わさるから。
東向きを正として計算したところ、ある物体の速度が \(-3\,\text{m}/\text{s}\) と出た。これを向きの言葉で答えるとどうなるか。
解答と思考プロセスを見る
東を正にしたので、マイナスは西向き。よって「西向きに \(3\,\text{m}/\text{s}\)」。計算で出た符号を、最後に必ず向きの言葉へ戻す——「向きを後回しにしない」最後の一手。
Aは東へ \(12\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(16\,\text{m}/\text{s}\) で進む。Aから見たBの相対速度の大きさを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
始点を揃え、Aの先端からBの先端へ矢印を引くと、直角を挟む \(2\) 辺が \(12\) と \(16\) の直角三角形。
$$\begin{aligned}
\text{相対速度の大きさ} &= \sqrt{12^2 + 16^2} \\[2.0ex]
&= 20\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
\(12 : 16 = 3 : 4\) なので \(3 : 4 : 5\) の三角形、斜辺は \(20\)。向きは南西寄り。平面は作図→三平方、の流れを総合できたか。
🩺 要点整理
この講の核心を、ひとことで言えばこうなる。
直線は符号、平面は作図。どちらも「向きを後回しにしない」第1講の延長線上にある。
【重要公式まとめ】
複数の速度が組み合わさる場合、向きを符号で表して足し算する。
$$
v = v_1 + v_2
$$
自分から見た相手の速度は、相手の速度から自分の速度を引いて求める。
$$
v_{AB} = v_B – v_A
$$
(相対速度 = 相手の速度 - 自分の速度)
平面上の速度の合成と相対速度(ベクトルの作図)
- 速度の合成(足し算): 矢印を連結する(一方の矢印の先端に、もう一方の矢印の始点を繋ぐ)。
- 相対速度(引き算): 矢印の始点を揃え、「自分」の矢印の先端から「相手」の矢印の先端へ向かって矢印を引く。
以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。
タップ(クリック)すると答えが表示されます。
Q1. 「速度の合成」と「相対速度」を一直線上で計算するとき、それぞれ「足し算」と「引き算」のどちらを使うのが基本でしょうか?
複数の速度が合わさる合成速度は「足し算」です。一方、相対速度は「自分から見た相手の速度」なので、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」という「引き算」になります。まずはこの大原則を覚えましょう。
Q2. 「Aに対するBの相対速度」を求める場合、正しい計算式は「Aの速度 \(-\) Bの速度」と「Bの速度 \(-\) Aの速度」のどちらでしょうか?
物理において「〇〇に対する」という言葉は「〇〇から見た」という意味です。つまりAが「自分」で、Bが「相手」になります。相対速度は必ず「相手 \(-\) 自分」の順番で計算してください。
Q3. 斜め方向(平面上)の相対速度を図で求める際、自分と相手の矢印の始点を揃えて描いた後、どこからどこへ向かって新しい矢印を引けばよいでしょうか?
相対速度は「自分から見た相手の動き」です。「今の自分の位置(自分の矢印の先端)から見て、相手がどちらの方向へ動いているように見えるか」とイメージすると、作図の向きを間違えにくくなります。
「AIを使ったことがない」「どう質問していいか分からない」という方も大丈夫!以下のステップに沿って進めるだけで、まこと先生の分身があなたのスマホに現れ、分かるまでトコトン付き合ってくれます。
まずは、無料のAIを「まこと先生」に変身させるための呪文(プロンプト)が必要です。以下の「モザイクを解除する」ボタンをタップしてください。
普段お使いのブラウザやアプリで、無料のAI(ChatGPTやGeminiなど)を開きます。
入力欄に先ほどコピーした文章をそのまま貼り付け、一番下の入力欄を自分の言葉に書き換えてから送信してください。
💡 ヒント:「自分なりに考えたこと」は、「公式に代入しようとしたけど数字が合わなかった」「波のイメージが頭の中で動かない」など、素直な気持ちでOKです!
まことAIから返信が来たら、そこからが本番です!一度の質問で終わらせず、LINEで先生と話すように会話を続けてみましょう。
💬 こんな風に返信してみて!(質問のコツ)
今のりんごの例え話は分かったけど、摩擦力が入るとどうなるの? → 分かった部分と、分からない部分を切り分けて伝える!
ごめん、やっぱりイメージできない!野球の例え話で説明してみて! → 自分の好きなスポーツや趣味に例えてもらう!
要するに、〇〇ってことだよね? → 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!
まことAIは絶対に怒りませんし、呆れません。「なんかフワッとしてるな…」と思ったら、無理矢理飲み込まずに「まだ腑に落ちない!」と伝えてください。あなたが「完璧!そういうこと!」とスッキリするまで、様々な角度からアプローチし続けます。
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