「物理重要問題集2026」徹底解説(64〜66問):未来の得点力へ!完全マスター講座

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問題64 熱量の保存 (16 岩手大)

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(1)(2)の別解: 微積分と熱力学第一法則を用いた体系的解法
        • 模範解答が「高温物体が失った熱量=低温物体が得た熱量」と直感的に立式するのに対し、別解では熱力学の基本原理である「熱力学第一法則」と「比熱の定義」を微分形式で記述し、それを積分することで「断熱系における内部エネルギー保存則」を導出します。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 符号ミスの防止: 「(後の温度)\(-\)(前の温度)」で統一的に立式できるため、どちらが高温かを判断する必要がなく、符号の取り違えによるミスを防げます。
    • 汎用性の高さ: 物体の数が増えたり、状態変化が複雑になったりしても、「変化量の総和はゼロ」という一つの原理で対処できるため、応用力が飛躍的に向上します。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「断熱容器内での熱平衡と比熱の測定」です。
異なる温度の物体を接触させると、熱の移動が起こり、やがて温度が等しい「熱平衡状態」になります。外部との熱の出入りがない場合、熱量の総和は保存されます。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  • 熱量保存則: 断熱された系内では、高温物体が失った熱量と低温物体が得た熱量は等しくなります。
  • 熱容量と比熱: 質量 \(m\)、比熱 \(c\) の物体の温度を \(\Delta T\) だけ変化させるのに必要な熱量 \(Q\) は、\(Q = mc\Delta T\) で表されます。
  • 熱平衡: 十分な時間が経過すると、接触している全ての物体の温度は等しくなります。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  • (1)では、金属製容器と水の間の熱の移動に着目し、熱量保存則の式を立てて平衡温度 \(t_1\) を求めます。
  • (2)では、(1)の状態(容器と水)に金属球を加えた系全体での熱の移動を考え、再び熱量保存則を用いて金属球の比熱 \(c_X\) を求めます。

問(1)

思考の道筋とポイント
実験1における熱の移動を考えます。
登場するのは「金属製容器」と「水」の2つです。
問題文に「水温はわずかに上昇して」とあるため、水は熱を受け取っています。つまり、初期状態において容器の方が水よりも高温であったことが分かります(\(t_A > t_B\))。
最終的に両者は同じ温度 \(t_1\) になります。

この設問における重要なポイント

  • 高温と低温の識別: 容器が高温物体、水が低温物体です。
  • 熱量の保存: (容器が失った熱量)\(=\)(水が得た熱量)の関係が成り立ちます。

具体的な解説と立式
容器(質量 \(m_A\)、比熱 \(c_A\)、初温 \(t_A\))は温度が \(t_1\) に下がるので、熱を失います。
水(質量 \(m_B\)、比熱 \(c_B\)、初温 \(t_B\))は温度が \(t_1\) に上がるので、熱を得ます。

それぞれの熱量を立式します。
$$
\begin{aligned}
Q_{\text{容器失}} &= m_A c_A (t_A – t_1) \\[2.0ex]
Q_{\text{水得}} &= m_B c_B (t_1 – t_B)
\end{aligned}
$$

熱量保存則より、これらは等しいので以下の式が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
Q_{\text{容器失}} &= Q_{\text{水得}} \\[2.0ex]
m_A c_A (t_A – t_1) &= m_B c_B (t_1 – t_B) \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 熱量の式: \(Q = mc\Delta T\)
  • 熱量保存則: \(Q_{\text{失った}} = Q_{\text{得た}}\)
計算過程

式①を \(t_1\) について解きます。
まず、両辺を展開します。
$$
\begin{aligned}
m_A c_A t_A – m_A c_A t_1 &= m_B c_B t_1 – m_B c_B t_B
\end{aligned}
$$
\(t_1\) を含む項を左辺に、それ以外を右辺に移項します。
$$
\begin{aligned}
m_A c_A t_1 + m_B c_B t_1 &= m_A c_A t_A + m_B c_B t_B
\end{aligned}
$$
左辺を \(t_1\) でくくります。
$$
\begin{aligned}
(m_A c_A + m_B c_B) t_1 &= m_A c_A t_A + m_B c_B t_B
\end{aligned}
$$
両辺を \((m_A c_A + m_B c_B)\) で割ります。
$$
\begin{aligned}
t_1 &= \frac{m_A c_A t_A + m_B c_B t_B}{m_A c_A + m_B c_B}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

熱い容器と冷たい水を混ぜると、容器から水へと熱が移動します。
容器が出した熱の分だけ、水が熱を受け取ります。
「容器の温度が下がった分」と「水の温度が上がった分」を、それぞれの重さと温まりやすさ(比熱)を考慮して釣り合わせることで、最終的な温度(加重平均のような値)が求まります。

結論と吟味

答えは \(t_1 = \frac{m_A c_A t_A + m_B c_B t_B}{m_A c_A + m_B c_B}\) です。
この式は、熱容量 \(C = mc\) を重みとした加重平均の形をしています。
もし \(m_A c_A = m_B c_B\) ならば、\(t_1 = \frac{t_A + t_B}{2}\) となり、ちょうど中間の温度になるため、物理的に妥当です。
単位を確認すると、\(\frac{\text{J}}{\text{J}/\text{K}} = \text{K}\)(温度)となり正しいです(摂氏温度と絶対温度の目盛間隔は同じなので、差や加重平均ではそのまま計算できます)。

解答 (1) \(\displaystyle \frac{m_A c_A t_A + m_B c_B t_B}{m_A c_A + m_B c_B} \, [{}^\circ\text{C}]\)
別解: 微積分と熱力学第一法則を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
ここでは、熱力学の第一原理から出発し、(1)と(2)を統一的に解くための一般式を導出します。
「熱」とはエネルギーの移動形態の一つであり、断熱容器内(孤立系)ではエネルギーの総量は保存されます。

この設問における重要なポイント

  • 熱力学第一法則: \(dU = d’Q + d’W\) (内部エネルギー変化 \(=\) 吸熱 \(+\) 仕事)。
  • 断熱・定積条件: 断熱容器なので \(d’Q = 0\)、体積変化がないので \(d’W = 0\) です。
  • 内部エネルギー保存: 上記より \(dU = 0\)、つまり系全体の内部エネルギー変化の総和はゼロになります。

具体的な解説と立式
【一般論の導出】
質量 \(m\)、比熱 \(c\) の物体の温度が \(T\) から \(T+dT\) に変化したときの内部エネルギー変化 \(dU\) は、比熱の定義より次のように書けます。
$$
\begin{aligned}
dU &= mc \, dT
\end{aligned}
$$
温度が \(T_{\text{始}}\) から \(T_{\text{終}}\) まで変化したときの総変化量 \(\Delta U\) は、これを積分して求められます。
$$
\begin{aligned}
\Delta U &= \int_{T_{\text{始}}}^{T_{\text{終}}} mc \, dT \\[2.0ex]
&= mc [T]_{T_{\text{始}}}^{T_{\text{終}}} \\[2.0ex]
&= mc (T_{\text{終}} – T_{\text{始}})
\end{aligned}
$$
断熱容器内で複数の物体が熱平衡に達する場合、系全体の内部エネルギー変化の和はゼロになります(エネルギー保存則)。
$$
\begin{aligned}
\sum \Delta U &= 0
\end{aligned}
$$

【設問(1)への適用】
容器(\(A\))と水(\(B\))について、それぞれの変化を考えます。

  • 容器: \(t_A \to t_1\)
  • 水: \(t_B \to t_1\)

それぞれの内部エネルギー変化の和がゼロになるので、以下の式を立てます。
$$
\begin{aligned}
\Delta U_A + \Delta U_B &= 0 \\[2.0ex]
m_A c_A (t_1 – t_A) + m_B c_B (t_1 – t_B) &= 0 \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
※この立式では、どちらが高温かを気にする必要はありません。常に「後 \(-\) 前」で記述します。

使用した物理公式

  • 熱力学第一法則(断熱・定積): \(dU = 0\)
  • 内部エネルギー変化: \(\Delta U = mc\Delta T\)
計算過程

式②を展開して \(t_1\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
m_A c_A t_1 – m_A c_A t_A + m_B c_B t_1 – m_B c_B t_B &= 0
\end{aligned}
$$
\(t_1\) を含む項を左辺にまとめ、それ以外を右辺に移項します。
$$
\begin{aligned}
m_A c_A t_1 + m_B c_B t_1 &= m_A c_A t_A + m_B c_B t_B
\end{aligned}
$$
左辺を \(t_1\) でくくります。
$$
\begin{aligned}
(m_A c_A + m_B c_B) t_1 &= m_A c_A t_A + m_B c_B t_B
\end{aligned}
$$
両辺を \((m_A c_A + m_B c_B)\) で割ります。
$$
\begin{aligned}
t_1 &= \frac{m_A c_A t_A + m_B c_B t_B}{m_A c_A + m_B c_B}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

「エネルギーは湧いてこないし、消えもしない」という保存則を使いました。
容器のエネルギー変化と水のエネルギー変化を足し合わせると、外部とのやり取りがないのでゼロになります。
この方法なら、「どっちが熱いんだっけ?」と悩むことなく、機械的に式を立てることができます。

結論と吟味

メインの解法と全く同じ結果が得られました。
この「変化量の総和=0」という考え方は、次の問(2)でも強力な武器になります。

解答 (1) \(\displaystyle \frac{m_A c_A t_A + m_B c_B t_B}{m_A c_A + m_B c_B} \, [{}^\circ\text{C}]\)

問(2)

思考の道筋とポイント
実験2では、実験1の直後の状態(容器と水が共に温度 \(t_1\))に、高温の金属球(温度 \(90^\circ\text{C}\))を加えます。
これら3つの物体(容器、水、金属球)の間で熱の移動が起こり、最終的に温度 \(t_2\) で平衡に達します。

この設問における重要なポイント

  • 系の構成: 低温側は「容器」と「水」の2つ、高温側は「金属球」です。
  • 初期温度: 容器と水は \(t_1\)、金属球は \(90^\circ\text{C}\) です。
  • 熱量保存則: (金属球が失った熱量)\(=\)(容器と水が得た熱量)となります。

具体的な解説と立式
金属球(質量 \(m_X\)、比熱 \(c_X\)、初温 \(90\))は温度が \(t_2\) に下がるので、熱を失います。
容器(質量 \(m_A\)、比熱 \(c_A\))と水(質量 \(m_B\)、比熱 \(c_B\))は、共に初温 \(t_1\) から \(t_2\) に上がるので、熱を得ます。

それぞれの熱量を立式します。
$$
\begin{aligned}
Q_{\text{球失}} &= m_X c_X (90 – t_2) \\[2.0ex]
Q_{\text{容器水得}} &= (m_A c_A + m_B c_B) (t_2 – t_1)
\end{aligned}
$$
※容器と水は同じ温度変化をするので、熱容量をまとめて \((m_A c_A + m_B c_B)\) として扱えます。

熱量保存則より、これらを等号で結びます。
$$
\begin{aligned}
Q_{\text{球失}} &= Q_{\text{容器水得}} \\[2.0ex]
m_X c_X (90 – t_2) &= (m_A c_A + m_B c_B) (t_2 – t_1) \quad \cdots ③
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 熱量保存則: \(Q_{\text{失った}} = Q_{\text{得た}}\)
計算過程

式③を \(c_X\) について解きます。
両辺を \(m_X (90 – t_2)\) で割ります。
$$
\begin{aligned}
c_X &= \frac{(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1)}{m_X (90 – t_2)}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

今度は、さっき温度が落ち着いた「容器+水」のセットに、熱々の金属球を投入します。
金属球が冷える過程で放出した熱を、「容器+水」のセットが受け取って温度が上がります。
「金属球が出した熱」と「容器と水が受け取った熱」が等しいという関係から、金属球の比熱(温まりやすさの性質)を逆算しました。

結論と吟味

答えは \(c_X = \frac{(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1)}{m_X (90 – t_2)}\) です。
分母の \(90 – t_2\) は正の値(球は冷える)、分子の \(t_2 – t_1\) も正の値(水たちは温まる)なので、比熱 \(c_X\) は正の値となり物理的に妥当です。
また、\(m_X\) が大きいほど(球が重いほど)、同じ温度変化を起こすのに必要な比熱は小さくて済むため、分母に \(m_X\) があるのも直感と合致します。

解答 (2) \(\displaystyle \frac{(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1)}{m_X (90 – t_2)} \, [\text{J}/(\text{g} \cdot \text{K})]\)
別解: 微積分と熱力学第一法則を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
問(1)の別解で導出した「断熱系における内部エネルギー変化の総和はゼロ(\(\sum \Delta U = 0\))」という原理を、3つの物体(容器、水、金属球)からなる系に適用します。

この設問における重要なポイント

  • 3物体の変化:
    • 容器: \(t_1 \to t_2\)
    • 水: \(t_1 \to t_2\)
    • 金属球: \(90 \to t_2\)
  • 保存則の適用: これら3つの内部エネルギー変化を単純に足し合わせるとゼロになります。

具体的な解説と立式
各物体の内部エネルギー変化 \(\Delta U\) を立式し、その和をゼロとします。
$$
\begin{aligned}
\Delta U_A + \Delta U_B + \Delta U_X &= 0 \\[2.0ex]
m_A c_A (t_2 – t_1) + m_B c_B (t_2 – t_1) + m_X c_X (t_2 – 90) &= 0 \quad \cdots ④
\end{aligned}
$$
※ここでも、温度の大小関係を考慮せず、全て「\(t_2 – (\text{初温})\)」の形で記述しています。

使用した物理公式

  • エネルギー保存則(断熱系): \(\sum \Delta U = 0\)
計算過程

式④を変形して \(c_X\) を求めます。
第3項を右辺に移項します。
$$
\begin{aligned}
(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1) &= – m_X c_X (t_2 – 90)
\end{aligned}
$$
右辺のマイナスを括弧の中に入れます(\(-(t_2 – 90) = 90 – t_2\))。
$$
\begin{aligned}
(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1) &= m_X c_X (90 – t_2)
\end{aligned}
$$
両辺を \(m_X (90 – t_2)\) で割ります。
$$
\begin{aligned}
c_X &= \frac{(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1)}{m_X (90 – t_2)}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

容器、水、金属球の3人が、外部と遮断された部屋の中でエネルギー(熱)を交換し合っているイメージです。
誰かがエネルギーを失えば、誰かがそれを受け取りますが、部屋全体のエネルギーの合計は変わりません。
それぞれの「変化分」を足してゼロにするというシンプルな計算で、答えにたどり着けます。

結論と吟味

メインの解法と同じ結果が得られました。
この解法は、物体が3つ、4つと増えても「項を足すだけ」で対応できるため、非常に強力です。

解答 (2) \(\displaystyle \frac{(m_A c_A + m_B c_B)(t_2 – t_1)}{m_X (90 – t_2)} \, [\text{J}/(\text{g} \cdot \text{K})]\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

■最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?

  • 熱量保存則(エネルギー保存則)
    • 核心: 断熱された系において、高温物体が失った熱エネルギーは、そのまま低温物体が得る熱エネルギーとなり、系全体のエネルギー総量は不変である。
    • 理解のポイント:
      • 熱平衡: 十分な時間が経過すると、接触している全ての物体の温度は等しくなります。
      • 立式の型: 「\(Q_{\text{失}} = Q_{\text{得}}\)」とするか、「\(\sum \Delta U = 0\)」とするかの2パターンがあります。

■応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点

  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 氷を含む混合問題: 氷が水になるときは「融解熱」が必要です。状態変化(固体\(\leftrightarrow\)液体\(\leftrightarrow\)気体)がある場合、温度変化の項 \(mc\Delta T\) に加えて、状態変化の項 \(mL\) を忘れずに追加しましょう。
    • 熱容量が無視できない容器: 今回のように容器自体も熱の出入りに関与する場合、容器の質量と比熱(または熱容量)を必ず計算に含めます。「容器の熱容量は無視できる」と書かれていない限り、容器も立派な登場人物です。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. 登場人物の整理: 誰が熱を出し(高温)、誰が熱をもらう(低温)のかをリストアップします。
    2. 断熱の確認: 「外部との熱の出入りはない」という文言を確認し、保存則が使えることを確定させます。

■要注意!ありがちなミス・誤解とその対策

  • 温度差の符号ミス:
    • 誤解: \(Q = mc\Delta T\) の \(\Delta T\) を計算する際、適当に引き算をしてしまい、負の値にしてしまう。
    • 対策: 「\(Q_{\text{失}} = Q_{\text{得}}\)」で解くときは、必ず「高い温度 \(-\) 低い温度」で正の値にします。一方、「\(\sum \Delta U = 0\)」で解くときは、常に「後の温度 \(-\) 前の温度」で統一します。混ぜないことが大切です。
  • 単位の不整合:
    • 誤解: 質量を \(\text{kg}\) ではなく \(\text{g}\) のまま計算してよいか迷う。
    • 対策: 比熱の単位を見ます。今回のように \([\text{J}/(\text{g} \cdot \text{K})]\) ならば、質量は \(\text{g}\) のままでOKです。もし \([\text{J}/(\text{kg} \cdot \text{K})]\) なら \(\text{kg}\) に換算する必要があります。

■なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法

  • 熱量保存則 \(Q_{\text{失}} = Q_{\text{得}}\):
    • 選定理由: 直感的で分かりやすく、物体が2つの場合や、高温・低温が明確な場合に計算が楽だからです。
    • 適用根拠: 断熱容器内での実験であり、熱の移動が内部だけで完結しているため。
  • 内部エネルギー保存則 \(\sum \Delta U = 0\):
    • 選定理由: 物体が3つ以上ある場合や、最終温度が未知で大小関係が不明な場合に、符号ミスを回避できる最強の解法だからです。
    • 適用根拠: 熱力学第一法則(断熱・定積)に基づく厳密な保存則であるため。

■計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック

  • 次元解析(単位チェック):
    • 意識: 最後の答えが出たら、単位が合っているか確認する癖をつけます。
    • 実践: 例えば \(t_1\) の式で、分母は \([mc]\)(熱容量)、分子は \([mct]\)(熱容量\(\times\)温度)なので、割ると「温度」になります。これが合っていれば、大きな計算間違いはしていません。
  • 極端な例での検算:
    • 意識: 「もし条件がこうだったら?」と想像して式に当てはめます。
    • 実践: 問(1)で \(m_A c_A\) が非常に大きい(容器が巨大)と仮定すると、\(t_1 \approx t_A\) になるはずです。式でも \(m_B c_B\) が無視できるようになり、\(t_1 \approx t_A\) となることが確認できます。
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問題65 水の状態変化 (15 近畿大)

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 全設問共通の別解: 微積分と熱力学第一法則を用いた体系的解法(一括解説)
      • 模範解答が設問ごとに個別に熱量計算を行うのに対し、別解では「供給電力=内部エネルギー(エンタルピー)の時間変化率」という微分方程式から出発し、全区間のエネルギー収支を積分によって一挙に導出します。これにより、全ての設問が単なる連立方程式の処理に帰着することを体系的に示します。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 物理的統一性: 「熱」と「仕事(電力)」がエネルギーの異なる形態であり、保存則によって結びついていることを、数式を通じて深く理解できます。
    • グラフの解釈: \(T-t\) グラフの「傾き」が熱容量の逆数に、「水平区間の長さ」が潜熱に比例することを、数式から直接的に読み取れるようになります。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「物質の三態変化と熱エネルギーの保存」です。
一定の電力で加熱された水が、氷から水、そして水蒸気へと状態変化する過程を追跡し、各段階で必要な熱量や比熱、潜熱の関係を解き明かします。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  • 顕熱(けんねつ): 物体の温度を変化させるために使われる熱。\(Q = mc\Delta T\) で表されます。
  • 潜熱(せんねつ): 融解や蒸発など、温度を変えずに状態変化させるために使われる熱。\(Q = mL\) で表されます。
  • エネルギー保存則: 外部から供給された電気エネルギー(電力 \(\times\) 時間)は、すべて物質の内部エネルギー(またはエンタルピー)の上昇に使われます(断熱容器のため)。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  • (1)〜(3)では、グラフから各区間の温度変化や所要時間を読み取り、熱量の公式とエネルギー保存則を立式して、電力や融解熱を求めます。
  • (4)(6)では、異なる区間のエネルギー収支の式を比較(比をとる)することで、比熱や潜熱の倍率を求めます。
  • (5)では、融解区間における「加えられた熱量」と「融解した質量」の比例関係を利用します。

問(1)

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