授業動画
講義ノート(板書PDF)
📥 板書完成版PDFをダウンロードする
講義ノート
【今回のポイント】
- 速度の合成は、向きを含んだ状態で複数の速度を「足し算」する。
- 相対速度は、「自分から見た相手の速度」であり、「相手の速度 – 自分の速度」で求める。
- 斜め方向の速度の合成は「矢印を連結」し、斜め方向の相対速度は「自分から相手に矢印を書く」ことで図形的に解く。
【講義解説】
速度の合成
結論から言えば、複数の速度が組み合わさる場合、それぞれの速度を向きを含めて「足し算」することで、実際の速度(合成速度)を求めることができる。
速度は「大きさと向き」を持つ量であるため、単に数値を足し引きするのではなく、向きをプラス・マイナスで表現した上で足し合わせる必要があるからである。

例えば、無風状態で \(3\,\text{m}/\text{s}\) で走る人がいるとする。
- 無風のとき: そのまま \(3\,\text{m}/\text{s}\) で進む。
- 追い風(風速 \(2\,\text{m}/\text{s}\))のとき: 進行方向をプラスとすると、人の速度 \((+3)\) と風の速度 \((+2)\) を足して、\((+3) + (+2) = +5\,\text{m}/\text{s}\) となる。
- 向かい風(風速 \(2\,\text{m}/\text{s}\))のとき: 風の速度は逆向きなので \((-2)\) となる。人の速度 \((+3)\) と足して、\((+3) + (-2) = +1\,\text{m}/\text{s}\) となる。
このように、速度の合成は常に「向きを含んだ足し算」として計算するのである。
- 青い矢印(速度1)と赤い矢印(速度2)の先端の丸をドラッグして、速度ベクトルを変化させましょう。
- 2つの矢印の縦方向(Y成分)を0にすると、「一直線上の速度の合成」になります。
- 「アニメーション再生」を押すと、合成速度(緑)で物体が移動する様子を確認できます。
相対速度
相対速度とは、結論から言えば「自分から見た相手の速度」のことである。計算式は「相手の速度 – 自分の速度」となる。
動いている観測者(自分)を基準(速度 \(0\))としたとき、相手がどのように動いて見えるかを表すため、相手の速度から自分の速度を差し引く必要があるからである。

例えば、以下のような状況を考える。
- 自分が \(5\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) で同じ向きに走っている場合:
相対速度は \((+7) – (+5) = +2\,\text{m}/\text{s}\) となる。自分からは、相手が前方に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかっていくように見える。 - 自分が \(7\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(5\,\text{m}/\text{s}\) で同じ向きに走っている場合:
相対速度は \((+5) – (+7) = -2\,\text{m}/\text{s}\) となる。自分からは、相手が後方に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で下がっていくように見える。
速度の合成が「足し算」であったのに対し、相対速度は「引き算」である点に注意が必要である。また、公式の文字(\(v_{AB} = v_B – v_A\) など)で覚えるよりも、「相手 – 自分」と日本語で覚える方が間違いが少ない。
- ベクトル設定: 青(観測者)と赤(対象)の矢印の先端をドラッグして速度を変更します。
- アニメーション: 設定した速度で動く様子を確認できます。「Aの視点」に切り替えると、自分が動いている景色を体感できます。
練習問題の解説
① 直線上の速度の合成(問1)
【問題】
\(20\,\text{m}/\text{s}\) の速さで走っている自動車に乗った人がボールを投げた。次の場合について、地面に立っている人から見た速さを求めよ。
(1) 前方に \(30\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合
(2) 後方に \(20\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合

【解説】
自動車の進行方向を正(プラス)とする。地面から見たボールの速度は、自動車の速度とボールを投げた速度の合成となる。
(1) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールの速度は \(+30\,\text{m}/\text{s}\) である。
これらを足し合わせると、\((+30) + (+20) = +50\) となる。
したがって、答えは \(50\,\text{m}/\text{s}\) である。
(2) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールの速度は後方なので \(-20\,\text{m}/\text{s}\) である。
これらを足し合わせると、\((-20) + (+20) = 0\) となる。
したがって、答えは \(0\,\text{m}/\text{s}\) である。これは、地面から見るとボールが空中で一瞬止まって見えることを意味する。
② 平面上の速度の合成(問2)
【問題】
流れの速さが \(2\,\text{m}/\text{s}\) の川がある。静水上を \(4\,\text{m}/\text{s}\) で進む船が、川を直角に横切りたいとき、へさきを向けるべき図の角 \(\theta\) を求めよ。

【解説】
斜め方向の速度の合成は、矢印を連結して図形的に考える。
船が川を直角に横切るためには、船の速度(斜め上向き)と川の流れの速度(右向き)を合成した結果が、川岸に対して垂直(真上向き)にならなければならない。
船の速度の矢印の先端に、川の流れの矢印の始点を連結する。すると、斜辺が \(4\,\text{m}/\text{s}\)(船の速度)、底辺が \(2\,\text{m}/\text{s}\)(川の流れ)の直角三角形ができる。
辺の比が \(2:1\) であるため、この直角三角形は \(1:2:\sqrt{3}\) の比を持つことがわかる。
したがって、求める角 \(\theta\) は \(30^\circ\) となる。
③ 直線上の相対速度(問3)
【問題】
A: 東向きに \(60\,\text{km}/\text{h}\) で進む
B: 東向きに \(80\,\text{km}/\text{h}\) で進む
C: 東向きに \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む
D: 西向きに \(50\,\text{km}/\text{h}\) で進む
(1) Aに対するBの相対速度を求めよ。
(2) Aに対するCの相対速度を求めよ。
(3) Aに対するDの相対速度を求めよ。



【解説】
「Aに対する」とは「Aから見た」という意味であり、Aが「自分」となる。東向きを正(プラス)として、「相手 – 自分」の計算を行う。
(1) B(相手)は \(+80\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((+80) – (+60) = +20\) となるため、答えは 東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(2) C(相手)は \(+40\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((+40) – (+60) = -20\) となる。マイナスは西向きを表すため、答えは 西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(3) D(相手)は西向きなので \(-50\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((-50) – (+60) = -110\) となる。
したがって、答えは 西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\) である。
④ 平面上の相対速度(問4)
【問題】
Aに対するBの相対速度を求めよ。
(Aは東へ \(20\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる)

【解説】
斜め方向の相対速度は、計算ではなく図形的に「自分から相手に矢印を書く」ことで求める。
A(自分)とB(相手)の矢印の始点を揃えて描く。Aは東向きに長さ \(20\)、Bは南向きに長さ \(20\) の矢印となる。
相対速度は「自分(A)の矢印の先端から、相手(B)の矢印の先端へ向かう矢印」となる。
この矢印を引くと、直角を挟む2辺が \(20\) と \(20\) の直角二等辺三角形ができる。辺の比は \(1:1:\sqrt{2}\) であるため、斜辺の長さは \(20\sqrt{2}\) となる。
矢印の向きは南西を指している。
したがって、答えは 南西向きに \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\) である。
【重要公式まとめ】
複数の速度が組み合わさる場合、向きを符号で表して足し算する。
$$
v = v_1 + v_2
$$
自分から見た相手の速度は、相手の速度から自分の速度を引いて求める。
$$
v_{AB} = v_B – v_A
$$
(相対速度 = 相手の速度 - 自分の速度)
平面上の速度の合成と相対速度(ベクトルの作図)
- 速度の合成(足し算): 矢印を連結する(一方の矢印の先端に、もう一方の矢印の始点を繋ぐ)。
- 相対速度(引き算): 矢印の始点を揃え、「自分」の矢印の先端から「相手」の矢印の先端へ向かって矢印を引く。
以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。
タップ(クリック)すると答えが表示されます。
Q1. 「速度の合成」と「相対速度」を一直線上で計算するとき、それぞれ「足し算」と「引き算」のどちらを使うのが基本でしょうか?
複数の速度が合わさる合成速度は「足し算」です。一方、相対速度は「自分から見た相手の速度」なので、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」という「引き算」になります。まずはこの大原則を覚えましょう。
Q2. 「Aに対するBの相対速度」を求める場合、正しい計算式は「Aの速度 \(-\) Bの速度」と「Bの速度 \(-\) Aの速度」のどちらでしょうか?
物理において「〇〇に対する」という言葉は「〇〇から見た」という意味です。つまりAが「自分」で、Bが「相手」になります。相対速度は必ず「相手 \(-\) 自分」の順番で計算してください。
Q3. 斜め方向(平面上)の相対速度を図で求める際、自分と相手の矢印の始点を揃えて描いた後、どこからどこへ向かって新しい矢印を引けばよいでしょうか?
相対速度は「自分から見た相手の動き」です。「今の自分の位置(自分の矢印の先端)から見て、相手がどちらの方向へ動いているように見えるか」とイメージすると、作図の向きを間違えにくくなります。
「AIを使ったことがない」「どう質問していいか分からない」という方も大丈夫!以下のステップに沿って進めるだけで、まこと先生の分身があなたのスマホに現れ、分かるまでトコトン付き合ってくれます。
まずは、無料のAIを「まこと先生」に変身させるための呪文(プロンプト)をコピーしましょう。以下の「コピーする」ボタンを1回タップしてください。
普段お使いのブラウザやアプリで、無料のAI(ChatGPTやGeminiなど)を開きます。
入力欄に先ほどコピーした文章をそのまま貼り付け、一番下の4行(名前、講義の回、疑問点、自分の考え)を自分の言葉に書き換えてから送信してください。
💡 ヒント:「自分なりに考えたこと」は、「公式に代入しようとしたけど数字が合わなかった」「波のイメージが頭の中で動かない」など、素直な気持ちでOKです!
まことAIから返信が来たら、そこからが本番です!一度の質問で終わらせず、LINEで先生と話すように会話を続けてみましょう。
💬 こんな風に返信してみて!(質問のコツ)
今のりんごの例え話は分かったけど、摩擦力が入るとどうなるの?
→ 分かった部分と、分からない部分を切り分けて伝える!
ごめん、やっぱりイメージできない!野球の例え話で説明してみて!
→ 自分の好きなスポーツや趣味に例えてもらう!
要するに、〇〇ってことだよね?
→ 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!
まことAIは絶対に怒りませんし、呆れません。「なんかフワッとしてるな…」と思ったら、無理矢理飲み込まずに「まだ腑に落ちない!」と伝えてください。あなたが「完璧!そういうこと!」とスッキリするまで、様々な角度からアプローチし続けます。