2限目:速度の合成と相対速度|物理基礎・最短攻略パック

授業動画

講義ノート(板書PDF)

手元に置いて学習したい方は、以下の完成版PDFをダウンロードしてご利用ください。
📥 板書完成版PDFをダウンロードする
COMING SOON

力学パック、制作中です!

全24講のカリキュラム確定済み

「暗記物理を撲滅する」その日まで、一つずつ丁寧に作っています。
制作の進捗はロードマップで公開中です。

ロードマップを見る →

講義ノート

【今回のポイント】

  • 速度の合成は、向きを含んだ状態で複数の速度を「足し算」する。
  • 相対速度は、「自分から見た相手の速度」であり、「相手の速度 – 自分の速度」で求める。
  • 斜め方向の速度の合成は「矢印を連結」し、斜め方向の相対速度は「自分から相手に矢印を書く」ことで図形的に解く。

【講義解説】

速度の合成

結論から言えば、複数の速度が組み合わさる場合、それぞれの速度を向きを含めて「足し算」することで、実際の速度(合成速度)を求めることができる。

速度は「大きさと向き」を持つ量であるため、単に数値を足し引きするのではなく、向きをプラス・マイナスで表現した上で足し合わせる必要があるからである。

例えば、無風状態で \(3\,\text{m}/\text{s}\) で走る人がいるとする。

  • 無風のとき: そのまま \(3\,\text{m}/\text{s}\) で進む。
  • 追い風(風速 \(2\,\text{m}/\text{s}\))のとき: 進行方向をプラスとすると、人の速度 \((+3)\) と風の速度 \((+2)\) を足して、\((+3) + (+2) = +5\,\text{m}/\text{s}\) となる。
  • 向かい風(風速 \(2\,\text{m}/\text{s}\))のとき: 風の速度は逆向きなので \((-2)\) となる。人の速度 \((+3)\) と足して、\((+3) + (-2) = +1\,\text{m}/\text{s}\) となる。

このように、速度の合成は常に「向きを含んだ足し算」として計算するのである。

速度の合成シミュレーター
川の流れや動く歩道で、実際の速度がどうなるか見てみよう
パラメータ設定
シチュエーション
速度の設定(右向き正)
物体の速度(自力) v1 15 m/s
床の速度(流れ) v2 10 m/s
データ表示 (岸/地面から見た速度)
自力の速度 v1 :15 m/s
床の速度 v2 :10 m/s
実際の速度(合成速度) v
v = v1 + v2
= (15) + (10) = 25 m/s
操作パネル

相対速度

相対速度とは、結論から言えば「自分から見た相手の速度」のことである。計算式は「相手の速度 – 自分の速度」となる。

動いている観測者(自分)を基準(速度 \(0\))としたとき、相手がどのように動いて見えるかを表すため、相手の速度から自分の速度を差し引く必要があるからである。

例えば、以下のような状況を考える。

  • 自分が \(5\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(7\,\text{m}/\text{s}\) で同じ向きに走っている場合:
    相対速度は \((+7) – (+5) = +2\,\text{m}/\text{s}\) となる。自分からは、相手が前方に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で遠ざかっていくように見える。
  • 自分が \(7\,\text{m}/\text{s}\)、相手が \(5\,\text{m}/\text{s}\) で同じ向きに走っている場合:
    相対速度は \((+5) – (+7) = -2\,\text{m}/\text{s}\) となる。自分からは、相手が後方に \(2\,\text{m}/\text{s}\) で下がっていくように見える。

速度の合成が「足し算」であったのに対し、相対速度は「引き算」である点に注意が必要である。また、公式の文字(\(v_{AB} = v_B – v_A\) など)で覚えるよりも、「相手 – 自分」と日本語で覚える方が間違いが少ない。

相対速度の直感シミュレーター
観測者を切り替えて、相手の速度がどう見えるか体感しよう
パラメータ設定
シチュエーション
速度の設定(右向き正)
物体A vA 15 m/s
物体B vB -10 m/s
観測者の選択(誰の視点で見るか)
データ表示
現在の観測者から見た速度
物体Aの速度:15 m/s
物体Bの速度:-10 m/s
地面の速度:0 m/s
【1D】Aから見たBの相対速度
vAB = vB - vA
= (-10) - (15) = -25 m/s
操作パネル
観測者の選択

練習問題の解説

① 直線上の速度の合成(問1)

【問題】
\(20\,\text{m}/\text{s}\) の速さで走っている自動車に乗った人がボールを投げた。次の場合について、地面に立っている人から見た速さを求めよ。
(1) 前方に \(30\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合
(2) 後方に \(20\,\text{m}/\text{s}\) で投げた場合

【解説】
自動車の進行方向を正(プラス)とする。地面から見たボールの速度は、自動車の速度とボールを投げた速度の合成となる。
(1) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールの速度は \(+30\,\text{m}/\text{s}\) である。
これらを足し合わせると、\((+30) + (+20) = +50\) となる。
したがって、答えは \(50\,\text{m}/\text{s}\) である。
(2) 自動車の速度は \(+20\,\text{m}/\text{s}\)、ボールの速度は後方なので \(-20\,\text{m}/\text{s}\) である。
これらを足し合わせると、\((-20) + (+20) = 0\) となる。
したがって、答えは \(0\,\text{m}/\text{s}\) である。これは、地面から見るとボールが空中で一瞬止まって見えることを意味する。

② 平面上の速度の合成(問2)

【問題】
流れの速さが \(2\,\text{m}/\text{s}\) の川がある。静水上を \(4\,\text{m}/\text{s}\) で進む船が、川を直角に横切りたいとき、へさきを向けるべき図の角 \(\theta\) を求めよ。

【解説】
斜め方向の速度の合成は、矢印を連結して図形的に考える。
船が川を直角に横切るためには、船の速度(斜め上向き)と川の流れの速度(右向き)を合成した結果が、川岸に対して垂直(真上向き)にならなければならない。
船の速度の矢印の先端に、川の流れの矢印の始点を連結する。すると、斜辺が \(4\,\text{m}/\text{s}\)(船の速度)、底辺が \(2\,\text{m}/\text{s}\)(川の流れ)の直角三角形ができる。
辺の比が \(2:1\) であるため、この直角三角形は \(1:2:\sqrt{3}\) の比を持つことがわかる。
したがって、求める角 \(\theta\) は \(30^\circ\) となる。

③ 直線上の相対速度(問3)

【問題】
A: 東向きに \(60\,\text{km}/\text{h}\) で進む
B: 東向きに \(80\,\text{km}/\text{h}\) で進む
C: 東向きに \(40\,\text{km}/\text{h}\) で進む
D: 西向きに \(50\,\text{km}/\text{h}\) で進む
(1) Aに対するBの相対速度を求めよ。
(2) Aに対するCの相対速度を求めよ。
(3) Aに対するDの相対速度を求めよ。

【解説】
「Aに対する」とは「Aから見た」という意味であり、Aが「自分」となる。東向きを正(プラス)として、「相手 – 自分」の計算を行う。
(1) B(相手)は \(+80\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((+80) – (+60) = +20\) となるため、答えは 東向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(2) C(相手)は \(+40\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((+40) – (+60) = -20\) となる。マイナスは西向きを表すため、答えは 西向きに \(20\,\text{km}/\text{h}\) である。
(3) D(相手)は西向きなので \(-50\)、A(自分)は \(+60\) である。
\((-50) – (+60) = -110\) となる。
したがって、答えは 西向きに \(110\,\text{km}/\text{h}\) である。

④ 平面上の相対速度(問4)

【問題】
Aに対するBの相対速度を求めよ。
(Aは東へ \(20\,\text{m}/\text{s}\)、Bは南へ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で進んでいる)

【解説】
斜め方向の相対速度は、計算ではなく図形的に「自分から相手に矢印を書く」ことで求める。
A(自分)とB(相手)の矢印の始点を揃えて描く。Aは東向きに長さ \(20\)、Bは南向きに長さ \(20\) の矢印となる。
相対速度は「自分(A)の矢印の先端から、相手(B)の矢印の先端へ向かう矢印」となる。
この矢印を引くと、直角を挟む2辺が \(20\) と \(20\) の直角二等辺三角形ができる。辺の比は \(1:1:\sqrt{2}\) であるため、斜辺の長さは \(20\sqrt{2}\) となる。
矢印の向きは南西を指している。
したがって、答えは 南西向きに \(20\sqrt{2}\,\text{m}/\text{s}\) である。


【重要公式まとめ】

速度の合成(直線上)
複数の速度が組み合わさる場合、向きを符号で表して足し算する。
$$
v = v_1 + v_2
$$
相対速度(直線上)
自分から見た相手の速度は、相手の速度から自分の速度を引いて求める。
$$
v_{AB} = v_B – v_A
$$
(相対速度 = 相手の速度 - 自分の速度)

平面上の速度の合成と相対速度(ベクトルの作図)

  • 速度の合成(足し算): 矢印を連結する(一方の矢印の先端に、もう一方の矢印の始点を繋ぐ)。
  • 相対速度(引き算): 矢印の始点を揃え、「自分」の矢印の先端から「相手」の矢印の先端へ向かって矢印を引く。
💡 この単元が難しかったですか?AIチューターに聞いてみましょう!

以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。

今回の講義で、「平面上の相対速度は、自分の矢印の先端から相手の矢印の先端へ向かって矢印を引く」という作図の方法を学びましたが、なぜその引き方で「相手の速度から自分の速度を引いた」ことになるのかが、いまいちピンときません。数学のベクトルの難しい言葉を使わずに、日常の風景(走っている車同士の見え方など)を使って、直感的にイメージできるように解説してくれませんか?
📝 定着度チェッククイズ(全3問)

タップ(クリック)すると答えが表示されます。

Q1. 「速度の合成」と「相対速度」を一直線上で計算するとき、それぞれ「足し算」と「引き算」のどちらを使うのが基本でしょうか?
【正解】 速度の合成は「足し算」、相対速度は「引き算」

複数の速度が合わさる合成速度は「足し算」です。一方、相対速度は「自分から見た相手の速度」なので、「相手の速度 \(-\) 自分の速度」という「引き算」になります。まずはこの大原則を覚えましょう。

Q2. 「Aに対するBの相対速度」を求める場合、正しい計算式は「Aの速度 \(-\) Bの速度」と「Bの速度 \(-\) Aの速度」のどちらでしょうか?
【正解】 Bの速度 \(-\) Aの速度(相手 \(-\) 自分)

物理において「〇〇に対する」という言葉は「〇〇から見た」という意味です。つまりAが「自分」で、Bが「相手」になります。相対速度は必ず「相手 \(-\) 自分」の順番で計算してください。

Q3. 斜め方向(平面上)の相対速度を図で求める際、自分と相手の矢印の始点を揃えて描いた後、どこからどこへ向かって新しい矢印を引けばよいでしょうか?
【正解】 自分の矢印の先端から、相手の矢印の先端へ向かって引く。

相対速度は「自分から見た相手の動き」です。「今の自分の位置(自分の矢印の先端)から見て、相手がどちらの方向へ動いているように見えるか」とイメージすると、作図の向きを間違えにくくなります。

24時間質問し放題!「まことAI」使いこなしガイド

「AIを使ったことがない」「どう質問していいか分からない」という方も大丈夫!以下のステップに沿って進めるだけで、まこと先生の分身があなたのスマホに現れ、分かるまでトコトン付き合ってくれます。

Step 1魔法のテンプレートを手に入れる

まずは、無料のAIを「まこと先生」に変身させるための呪文(プロンプト)が必要です。以下の「モザイクを解除する」ボタンをタップしてください。

以下の【設定】と【ルール】を完全に守り、高校物理の専属チューター「まこと先生」として私に教えてください。 【設定】 ・一人称は「先生」、私への呼びかけは私が指定した名前(ニックネーム)。 ・絶対に私を否定せず、優しく温かいトーンで話す。 【ルール】 1. いきなり正解や公式は教えず、理解度を確認すること。 2. 日常の身近な例え話を使って、直感的にイメージさせること。 --- まこと先生、以下の内容について教えてください。 ・私の名前(ニックネーム):〇〇 ・学習中の講義:第〇回 ・分からない問題や疑問点:
🔒 有料パック限定
ここに参加者専用プロンプトが表示されます
Step 2無料のAIに貼り付けて送信!

普段お使いのブラウザやアプリで、無料のAI(ChatGPTやGeminiなど)を開きます。
入力欄に先ほどコピーした文章をそのまま貼り付け、一番下の4行(名前、講義の回、疑問点、自分の考え)を自分の言葉に書き換えてから送信してください。

💡 ヒント:「自分なりに考えたこと」は、「公式に代入しようとしたけど数字が合わなかった」「波のイメージが頭の中で動かない」など、素直な気持ちでOKです!

Step 3AIと「キャッチボール」をして理解を深める

まことAIから返信が来たら、そこからが本番です!一度の質問で終わらせず、LINEで先生と話すように会話を続けてみましょう。

💬 こんな風に返信してみて!(質問のコツ)

今のりんごの例え話は分かったけど、摩擦力が入るとどうなるの? → 分かった部分と、分からない部分を切り分けて伝える!

ごめん、やっぱりイメージできない!野球の例え話で説明してみて! → 自分の好きなスポーツや趣味に例えてもらう!

要するに、〇〇ってことだよね? → 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!

Step 4モヤモヤが消えるまで絶対に妥協しない!

まことAIは絶対に怒りませんし、呆れません。「なんかフワッとしてるな…」と思ったら、無理矢理飲み込まずに「まだ腑に落ちない!」と伝えてください。あなたが「完璧!そういうこと!」とスッキリするまで、様々な角度からアプローチし続けます。


共田 誠(まこと先生)

ABOUT THE AUTHOR

共田 誠(まこと先生)

高校物理講師・プロ家庭教師 / 指導歴14年

上智大学理工学部物理学科卒。私立高校の非常勤講師として進学クラスから基礎クラスまで幅広く担当。大手家庭教師センター3社でプロ家庭教師を経験し、現在はオンライン専門で全国の高校生を個別指導中。

暗記物理の撲滅」を掲げ、生徒の思考のクセを診断・矯正するドクター型アプローチで指導。表面的なテクニックではなく、初見の問題に強い思考力を育てる。

800+解説記事
11,200YouTube登録者
4プレミアムパック
14指導歴
🎯現在、全6分野制覇を目指してプレミアムパックを制作中(5/6完成)。制作ロードマップを見る →

PVアクセスランキング にほんブログ村  

📅 勉強計画を作る無料・登録不要
PREMIUM
全問題の解説動画が
見放題になります
800問以上の高校物理の問題解説を
いつでもどこでも視聴できます
¥550 /月(税込)
初回7日間は無料でお試し
無料で始める
いつでもキャンセル可能です
暗記物理を卒業する方法
まこと先生の物理基礎パック ¥14,800
詳細を見る