授業動画
講義ノート(板書PDF)
📥 板書完成版PDFをダウンロードする
「力の図示→運動方程式→解く」を根本から組み直すドクター型講義
講義ノート
【今回のポイント】
- 力学の最初の目標は、物体が「いつ」「どこに」あるかを予測することである。この一点を見失わなければ、これから学ぶ式や記号が「何のための道具なのか」が常に見える。
- 「位置」は点、「距離」は点と点の幅、「変位」は向きを含めた位置の変化を表す。三つを区別する理由は、暗記のためではなく、向きを式に写し取るかどうかという物理の本質に直結するからである。
- 「速さ」は大きさのみ、「速度」は大きさと向きの両方を表す。問題でつまずく多くの生徒は、知識ではなく「向きを後回しにするクセ」でつまずいている。
- 「平均の速さ」は区間全体をならした速さ、「瞬間の速さ」はその瞬間の速さで、\(x-t\) グラフでは接線の傾きとして現れる。グラフの傾きと速さが頭の中でつながるかが、最初の診断ポイントになる。
【講義解説】
力学の目標と基本単位
力学を学ぶとき、最初に押さえてほしいのは「何のために学ぶのか」という目的地である。高校物理の力学には、大きな目標が \(2\) つある。
\(1\) つ目は物体が『いつ』『どこに』あるかを予測すること、\(2\) つ目は『力』とは何かを知ることである。今は \(1\) つ目に集中する。これから登場する記号や式は、すべて「いつ・どこに」を言い当てるための道具だと考えてほしい。道具の名前を覚えるのではなく、その道具が何を測るためのものかを掴むことが、考えて解ける物理への第一歩になる。
物理では様々な単位が登場するが、力学で基本となるのは次の \(3\) つである。
- 距離:\(\text{m}\)(メートル)
- 質量:\(\text{kg}\)(キログラム)
- 時間:\(\text{s}\)(秒)
これら \(3\) つを組み合わせた体系を「MKS単位系」と呼ぶ。これから出てくる速さ \(\text{m}/\text{s}\) も加速度 \(\text{m}/\text{s}^2\) も、すべてこの \(3\) つの基本単位の組み合わせでできている。新しい単位が出てきたときは「\(\text{m}\)・\(\text{kg}\)・\(\text{s}\) のどう組み合わせか」と分解する習慣を持つと、単位そのものが物理量の意味を教えてくれる。
🩺 要点整理
力学の最初のゴールと、土台となる単位を押さえる。
新しい単位は、この \(3\) つの組み合わせとして読み解く。
位置・距離・変位の違い
日常会話では混同されがちな「位置」「距離」「変位」という言葉も、物理では明確に区別される。なぜわざわざ区別するのか。それは、後で「向き」を式に持ち込めるかどうかが、この三つの理解で決まるからである。
- 位置:空間上の「点」である。(例:地図上のピン)
- 距離:点と点の「幅」である。マイナスの値は存在しない。
- 変位:向きを含めた位置の「変化」である。プラスマイナスを用いて向きを表現する。

例えば、\(x\) 軸上で \(x = -1\) から \(x = 2\) へ移動した場合、移動した「距離」は \(3\,\text{m}\) であるが、「変位」は正の向きに移動したため \(+3\,\text{m}\) と表現される。距離は「どれだけ動いたか」という幅だけを問うのに対し、変位は「どちら向きに、どれだけ位置が変わったか」まで答える。符号がついているかどうかが、両者を見分ける一番の手がかりである。
家から駅まで往復したとする。歩いた「距離」は往復ぶんしっかり残るが、出発点に戻ってきた以上、位置の変化=「変位」はゼロである。距離は「足の疲れ」、変位は「地図上で見た位置のズレ」と考えると、同じ運動でも測っているものが違うことが体感できる。
\(x = 2\) から出発して \(x = 5\) まで進み、そこから引き返して \(x = 1\) で止まったとする。動いた距離は、行き \(3\,\text{m}\) と帰り \(4\,\text{m}\) を足して \(7\,\text{m}\)。一方、変位は最初の位置 \(x = 2\) から最後の位置 \(x = 1\) への変化なので、$$\begin{aligned}
\text{変位} &= 1 – 2 \\[2.0ex] &= -1\,\text{m}
\end{aligned}$$
となる。距離 \(7\,\text{m}\) と変位 \(-1\,\text{m}\)。同じ運動でも、向きを数に持ち込むかどうかで答えがこれだけ変わる。
よくあるつまずき
症状:「移動した量」を聞かれると、いつも正の数で答えてしまう。
診断:距離と変位を同じものとして扱う「向きを後回しにするクセ」。問われているのが幅なのか、向きを含む変化なのかを読み分けていない。
処方箋:「距離か、変位か」を問題文で必ず一度立ち止まって確認する。変位なら、答えに符号(\(+\) か \(-\))が付くはずだと身構える。
速さと速度の違い
「速さ」と「速度」も、物理では全く異なる概念として扱う。日常では同じ意味で使うこの \(2\) 語を区別することこそ、物理の「向きを大切にする」姿勢の入口である。
結論から言えば、速さは「大きさ」のみを表し、速度は「大きさと向き」の両方を表す。先ほどの距離(幅だけ)と変位(向き込み)の関係が、そのまま速さと速度の関係に重なっていることに気づいてほしい。

速さとは「\(1\) 秒間に何 \(\text{m}\) 進んだか」を表す数値である。例えば、東へ \(5\,\text{m}/\text{s}\) で走るA君と、西へ \(5\,\text{m}/\text{s}\) で走るBさんがいるとする。\(2\) 人の「速さ」はどちらも \(5\,\text{m}/\text{s}\) で同じである。しかし「速度」を問われたら向きを含めて答える必要があるため、A君の速度は「東向きに \(5\,\text{m}/\text{s}\)」、Bさんの速度は「西向きに \(5\,\text{m}/\text{s}\)」となり、両者は異なるものとして扱われる。速さだけ見れば同じでも、速度は別物——この一段の使い分けが、後の運動の合成や相対速度ですべての土台になる。
カーナビが「時速 \(40\,\text{km}\) です」と言うのが速さ、「北へ向かって時速 \(40\,\text{km}\)」と言うのが速度である。スピードメーターは数字(大きさ)しか出さないが、運転手の頭の中には必ず「どっちへ向かっているか」がある。物理で速度を答えるとは、この「頭の中の向き」を口に出すことだと思えばよい。
速さと速度でつまずく生徒の多くは、知識が足りないのではなく「向きを後回しにするクセ」を持っている。「\(5\,\text{m}/\text{s}\)」とだけ答えて満点を取り損ねるのは、計算ミスではなく診断対象のクセである。処方箋はシンプルで、「速度」という言葉を見たら、答えに必ず向きの言葉(東・西・正・負)を添えると決めてしまうこと。クセは知識では消えないが、行動のルールでなら上書きできる。
平均の速さと瞬間の速さ
速さには「平均の速さ」と「瞬間の速さ」の \(2\) 種類がある。同じ「速さ」という言葉でも、どの時間幅で見ているかが違う。
- 平均の速さ:ある区間全体を一定のペースで進んだと仮定したときの速さ。(距離 \(\div\) 時間)
- 瞬間の速さ:まさにその瞬間のスピード。(車のスピードメーターが指す値)

これらをグラフで考えてみる。縦軸に位置 \(x\)、横軸に時間 \(t\) をとった \(x-t\) グラフにおいて、瞬間の速さは「グラフの接線の傾き」として現れる。グラフの傾きが急なところほど、その瞬間のスピードが速い。なぜ傾きが速さになるのか——傾きとは「横に \(1\) 進む間に縦がどれだけ変わるか」、つまり「時間が \(1\) 進む間に位置がどれだけ変わるか」であり、これはまさに速さの定義そのものだからである。式とグラフが別物に見えるうちは暗記になる。両者が同じことを別の言葉で言っているだけだと掴めると、グラフが「読める」ようになる。
高速道路を走った \(2\) 時間を「平均の速さ」で言えば時速 \(80\,\text{km}\) かもしれない。だが渋滞では \(0\)、追い越しでは \(100\) と、刻一刻のスピードは変わっている。この「今この瞬間」のスピードが瞬間の速さで、スピードメーターの針が指す値である。平均の速さは「あとから旅全体をならした値」、瞬間の速さは「今まさにメーターが指す値」と区別すればよい。
\(x-t\) グラフで「瞬間の速さ」は、グラフの何として読み取れるか。また、その値が大きいほどグラフの形はどうなっているか。本文を見ずに、自分の言葉で言ってみよう。
答えを確認
瞬間の速さは、その点における接線の傾きとして読み取れる。瞬間の速さが大きい点ほど、グラフの傾きは急(立っている)になっている。傾き=「時間が \(1\) 進む間の位置の変化」=速さ、という対応を思い出せれば完璧。
瞬間の速さ
平均の速さ
練習問題の解説
① 速度と位置・距離を求める問題(問1)
問題
東向きを正とする。A君は東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\)、Bさんは西へ \(4\,\text{m}/\text{s}\) で走っている。
(1) A, Bそれぞれの速度は?
(2) \(3\,\text{s}\) 後のA, Bの位置と、そのときのA, B間の距離は?

解説
(1) ここで問われているのは「速度」である。速度と言われたら、まず向きを答えに入れると身構える。したがって、Aの速度は「東向きに \(6\,\text{m}/\text{s}\)」、Bの速度は「西向きに \(4\,\text{m}/\text{s}\)」となる。「\(6\,\text{m}/\text{s}\)」とだけ答えると、向きが抜けて減点される。これが「向きを後回しにするクセ」が顔を出す典型的な場面である。
(2) 位置を求めるには「\(1\) 秒あたり何 \(\text{m}\) 動くか × 何秒か」で考える。Aは \(1\) 秒間に \(6\,\text{m}\) 進むため、\(3\,\text{s}\) 後は東に \(18\,\text{m}\) の位置にいる。Bは \(1\) 秒間に \(4\,\text{m}\) 進むため、\(3\,\text{s}\) 後は西に \(12\,\text{m}\) の位置にいる。\(2\) 人は反対向きに離れていくので、間の距離は東と西の幅を足し合わせればよい。
$$\begin{aligned}
\text{A, B間の距離} &= 18 + 12 \\[2.0ex]
&= 30\,\text{m}
\end{aligned}$$
(1) Aの速度:東向きに \(6\,\text{m}/\text{s}\)、Bの速度:西向きに \(4\,\text{m}/\text{s}\)
(2) 位置…A:東に \(18\,\text{m}\)、B:西に \(12\,\text{m}\)/A, B間の距離…\(30\,\text{m}\)
② 単位変換を含む平均の速さの問題(問2)
問題
車が \(1\) 時間 \(30\) 分かけて \(135\,\text{km}\) 走った。平均の速さは何 \(\text{km}/\text{h}\) か。またそれは何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解説
まずは \(\text{km}/\text{h}\)(時速)を求める。平均の速さは「距離 \(\div\) 時間」なので、時間を時間単位にそろえる。\(1\) 時間 \(30\) 分は \(1.5\,\text{h}\) であるため、
$$
135 \div 1.5 = 90\,\text{km}/\text{h}
$$
次に \(\text{m}/\text{s}\)(秒速)への変換を行う。ここで覚えておくと便利なテクニックとして、\(\text{km}/\text{h}\) の数値を \(3.6\) で割ると \(\text{m}/\text{s}\) に変換できる。
$$
90 \div 3.6 = 25\,\text{m}/\text{s}
$$
「なぜ \(3.6\) なのか」を一度だけ確かめておくと、この裏技は丸暗記でなく「いつでも作り直せる道具」になる。\(1\,\text{km} = 1000\,\text{m}\)、\(1\,\text{h} = 3600\,\text{s}\) なので、$$\begin{aligned}
1\,\text{km}/\text{h} &= \displaystyle\frac{1000\,\text{m}}{3600\,\text{s}} \\[2.0ex] &= \displaystyle\frac{1}{3.6}\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}$$
つまり \(\text{km}/\text{h}\) を \(\text{m}/\text{s}\) にするには \(3.6\) で割ればよい。理由が分かっていれば、向きを逆にして \(\text{m}/\text{s}\) を \(\text{km}/\text{h}\) にするときは \(3.6\) を掛ければよい、と迷わず思い出せる。
\(90\,\text{km}/\text{h}\)、および \(25\,\text{m}/\text{s}\)
③ x-tグラフから速さを読み取る問題(問3)
問題
下図は \(x\) 軸上を運動する物体の \(x-t\) グラフである。
(1) \(8\,\text{s}\) 間の平均の速さは?
(2) 各 \(1\,\text{s}\) 間で平均の速さが最大になるのはいつか?
(3) \(4\,\text{s}\) における瞬間の速さは?

解説
(1) 平均の速さは「全体の距離 \(\div\) かかった時間」で求める。グラフより、\(8\,\text{s}\) 間で \(12\,\text{m}\) 進んでいることが読み取れる。
$$
\displaystyle\frac{12}{8} = 1.5\,\text{m}/\text{s}
$$
(2) 各 \(1\,\text{s}\) 間で平均の速さが最大になるのは、その区間で位置がいちばん大きく増えた区間、つまりグラフの傾きが最も急な区間である。グラフの上がり方を目で追うと、\(2\,\text{s}\) から \(3\,\text{s}\) の間が最も急に上がっている。「速さが最大」を「グラフのどこが急か」に翻訳できるかが、この問題の診断ポイントになる。
(3) 瞬間の速さは、その点における接線の傾きを求める。グラフに引かれている接線を見ると、横軸が \(2\) から \(8\) まで(\(6\,\text{s}\) 間)進む間に、縦軸が \(4\) から \(12\) まで(\(8\,\text{m}\))増えていることが読み取れる。傾き=縦の変化 \(\div\) 横の変化なので、
$$
\displaystyle\frac{8}{6} \approx 1.333\dots
$$
有効数字を考えて、約 \(1.3\,\text{m}/\text{s}\) となる。
(1) \(1.5\,\text{m}/\text{s}\)
(2) \(2 \sim 3\,\text{s}\) の間
(3) 約 \(1.3\,\text{m}/\text{s}\)
🔗 関連単元
この講で身につけた「速度は向きを含む」という感覚は、次の第2講「速度の合成と相対速度」でそのまま土台になる。複数の速度を足し合わせたり、「誰から見た速度か」を考えたりする場面で、向きを正しく符号に落とせるかが問われる。向きを後回しにしないクセが、ここで効いてくる。
【記事限定 演習問題】
動画と板書だけで終わらせず、ここで実際に手を動かして「自分で思い出し、自分で解く」工程を入れる。物理の定着を決めるのは、読んで分かった回数ではなく、自分の手で解いた回数である。各問、まず解答を見ずに考え、それから折りたたみを開いて思考プロセスを照合してほしい。詰まった問題こそ、あなたの「思考のクセ」が見つかった場所=伸びしろである。
\(x\) 軸上で \(x = 3\) から \(x = 8\) まで進んだ。移動した距離と変位を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
同じ向きに進んだだけなので、距離も変位も大きさは同じ \(5\,\text{m}\)。ただし変位は向き込みなので符号を付けて答える。距離は \(5\,\text{m}\)、変位は \(+5\,\text{m}\)。「変位なら符号を付ける」と身構えられたかが診断ポイント。
\(x\) 軸上で \(x = 4\) から \(x = -2\) まで移動した。距離と変位を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
動いた幅は \(4\) から \(-2\) までで \(6\,\text{m}\)、これが距離。変位は最後 \(-2\) から最初 \(4\) を引いて、
$$\begin{aligned}
\text{変位} &= -2 – 4 \\[2.0ex]
&= -6\,\text{m}
\end{aligned}$$
距離 \(6\,\text{m}\)、変位 \(-6\,\text{m}\)。負の向きに進めば変位はマイナスになる。
\(x = 0\) から出発し、\(x = 5\) まで進んでから引き返して \(x = 2\) で止まった。距離と変位を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
距離は行き \(5\,\text{m}\) と帰り \(3\,\text{m}\) を足して \(8\,\text{m}\)。変位は出発点 \(0\) から最終位置 \(2\) への変化なので \(+2\,\text{m}\)。往復を含むと距離と変位は一致しなくなる、という代表例。「足の疲れ(距離)」と「地図上のズレ(変位)」のイメージを使い分けられたか。
家を出て公園まで \(400\,\text{m}\) 歩き、同じ道を通って家まで戻った。歩いた距離と変位を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
距離は往復ぶんで \(800\,\text{m}\)。変位は出発点に戻ってきたので、位置の変化はなく \(0\,\text{m}\)。「これだけ歩いたのに変位ゼロ?」という違和感こそ、距離と変位が別物だと腑に落ちた合図。
北へ \(8\,\text{m}/\text{s}\) で走る人と、南へ \(8\,\text{m}/\text{s}\) で走る人がいる。\(2\) 人の速さは同じか。速度は同じか。
解答と思考プロセスを見る
速さはどちらも \(8\,\text{m}/\text{s}\) で同じ。しかし速度は向きを含むので、「北へ \(8\,\text{m}/\text{s}\)」と「南へ \(8\,\text{m}/\text{s}\)」で異なる。速さが同じでも速度は違う——「向きを後回しにするクセ」が出ていないか確認する問題。
東向きを正とする。西へ \(7\,\text{m}/\text{s}\) で進む物体の速度を、符号を使って表すとどうなるか。
解答と思考プロセスを見る
東向きが正なので、西向きは負。よって速度は \(-7\,\text{m}/\text{s}\)。向きを「言葉」ではなく「符号」で表すと、後の計算でそのまま足し算・引き算に持ち込める。どちらを正にしたかを最初に決めておくのがコツ。
東向きを正とする。原点にいる物体が東へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) で進む。\(5\,\text{s}\) 後の位置を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
\(1\) 秒で \(3\,\text{m}\) 進むので、
$$\begin{aligned}
\text{位置} &= 3 \times 5 \\[2.0ex]
&= 15\,\text{m}
\end{aligned}$$
東向きが正なので \(+15\,\text{m}\)、つまり東に \(15\,\text{m}\)。力学の目標「いつ・どこにあるか」を、最も単純な形で実行する問題。
東向きを正とする。原点から、A君は東へ \(5\,\text{m}/\text{s}\)、B君は西へ \(3\,\text{m}/\text{s}\) で同時に走り出した。\(4\,\text{s}\) 後の \(2\) 人の間の距離を求めよ。
解答と思考プロセスを見る
Aは東に \(5 \times 4 = 20\,\text{m}\)、Bは西に \(3 \times 4 = 12\,\text{m}\)。反対向きに離れるので、間の距離は幅を足して、
$$\begin{aligned}
\text{2人の間の距離} &= 20 + 12 \\[2.0ex]
&= 32\,\text{m}
\end{aligned}$$
反対向きなら「足す」。同じ向きなら「引く」。どちら向きかを最初に絵で確認するのが処方箋。
\(120\,\text{m}\) の道のりを \(8\,\text{s}\) で走った。平均の速さを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
平均の速さは「距離 \(\div\) 時間」なので、
$$
120 \div 8 = 15\,\text{m}/\text{s}
$$
定義「距離÷時間」を、公式として覚えるのではなく「\(1\) 秒あたりに直すこと」と捉えられているかがポイント。
平均の速さ \(20\,\text{m}/\text{s}\) で \(300\,\text{m}\) 進むのに何秒かかるか。
解答と思考プロセスを見る
「速さ=距離÷時間」を、求めたい時間について読み替える。時間=距離÷速さなので、
$$
300 \div 20 = 15\,\text{s}
$$
公式を丸暗記していると逆算で手が止まる。\(v = \displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}\) のどれが分かっていて何を求めるのかを毎回確認すれば、向きを変えても迷わない。
平均の速さ \(12\,\text{m}/\text{s}\) で \(5\,\text{s}\) 走ると、何 \(\text{m}\) 進むか。
解答と思考プロセスを見る
距離=速さ×時間なので、
$$
12 \times 5 = 60\,\text{m}
$$
\(v = \displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}\) という一つの関係を、距離・速さ・時間のどれを求める形にも組み替えられるかが、定着の分かれ目。
\(2\) 分間で \(360\,\text{m}\) 歩いた。平均の速さは何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解答と思考プロセスを見る
時間の単位を秒にそろえるのが先。\(2\) 分は \(120\,\text{s}\) なので、
$$
360 \div 120 = 3\,\text{m}/\text{s}
$$
\(\text{m}/\text{s}\) を求めるなら時間も秒にする——単位をそろえてから割る、という順番を守れたかがポイント。
時速 \(72\,\text{km}/\text{h}\) は秒速何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解答と思考プロセスを見る
\(\text{km}/\text{h}\) を \(\text{m}/\text{s}\) にするには \(3.6\) で割る。
$$
72 \div 3.6 = 20\,\text{m}/\text{s}
$$
なぜ \(3.6\) かは「\(1000\,\text{m} \div 3600\,\text{s}\)」から来ていると思い出せれば、丸暗記でなく作り直せる道具になる。
秒速 \(15\,\text{m}/\text{s}\) は時速何 \(\text{km}/\text{h}\) か。
解答と思考プロセスを見る
向きが逆なので、今度は \(3.6\) を掛ける。
$$
15 \times 3.6 = 54\,\text{km}/\text{h}
$$
「\(\text{km}/\text{h}\)→\(\text{m}/\text{s}\) は割る、\(\text{m}/\text{s}\)→\(\text{km}/\text{h}\) は掛ける」。理由(\(1\,\text{km}/\text{h} = \frac{1}{3.6}\,\text{m}/\text{s}\))を押さえていれば、どちらか迷わない。
\(1\) 時間 \(15\) 分で \(90\,\text{km}\) 走った。平均の速さは何 \(\text{km}/\text{h}\) か。また何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解答と思考プロセスを見る
\(1\) 時間 \(15\) 分は \(1.25\,\text{h}\)。まず時速を出す。
$$
90 \div 1.25 = 72\,\text{km}/\text{h}
$$
次に \(3.6\) で割って秒速へ。
$$
72 \div 3.6 = 20\,\text{m}/\text{s}
$$
時速を出してから単位変換、という \(2\) 段の手順を、本問2と同じ型で再現できたか。
ある物体が \(x-t\) グラフ上で、\(0\,\text{s}\) のとき \(x = 2\,\text{m}\)、\(6\,\text{s}\) のとき \(x = 20\,\text{m}\) にいた。この \(6\,\text{s}\) 間の平均の速さを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
平均の速さは「位置の変化 \(\div\) 時間」。位置は \(20 – 2 = 18\,\text{m}\) 増えたので、
$$
\displaystyle\frac{18}{6} = 3\,\text{m}/\text{s}
$$
グラフでは、始点と終点を結んだ直線の傾きが平均の速さにあたる。傾き=速さ、の対応を使えたか。
\(x-t\) グラフで、区間Pは傾きがゆるやか、区間Qは傾きが急であった。瞬間の速さが大きいのはどちらの区間か。
解答と思考プロセスを見る
傾きが急なほど、同じ時間で位置が大きく変わる=速い。よって瞬間の速さが大きいのは区間Q。「速さが大きい」を「グラフのどこが急か」に翻訳できれば、グラフが読めている。
\(x-t\) グラフのある点で接線を引いたところ、横に \(4\,\text{s}\) 進む間に縦が \(10\,\text{m}\) 増えていた。その瞬間の速さを求めよ。
解答と思考プロセスを見る
瞬間の速さ=接線の傾き=縦の変化÷横の変化なので、
$$
\displaystyle\frac{10}{4} = 2.5\,\text{m}/\text{s}
$$
接線を「縦÷横」で読む手順を、本問3(3)と同じ型で再現できたか。
渋滞で止まったり進んだりしながら、\(30\) 分で \(15\,\text{km}\) 移動した。この \(30\) 分間の平均の速さを \(\text{km}/\text{h}\) で求めよ。また、走行中ずっとこの速さだったと言えるか。
解答と思考プロセスを見る
\(30\) 分は \(0.5\,\text{h}\) なので、平均の速さは、
$$
15 \div 0.5 = 30\,\text{km}/\text{h}
$$
ただしこれは全体をならした平均で、瞬間の速さは止まったり加速したりで刻々変わっている。「平均=あとからならした値」「瞬間=今この瞬間の値」の区別ができたか。
東向きを正とする。物体が \(x = -4\,\text{m}\) から東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\) で \(3\,\text{s}\) 進んだ。(1) 変位は? (2) 進んだあとの位置は? (3) この \(3\,\text{s}\) 間の平均の速さは何 \(\text{m}/\text{s}\) か。
解答と思考プロセスを見る
(1) 東へ \(6\,\text{m}/\text{s}\) で \(3\,\text{s}\) なので、変位は \(6 \times 3 = 18\,\text{m}\)、東向き(正)なので \(+18\,\text{m}\)。
(2) 出発位置 \(-4\) に変位 \(+18\) を足して、
$$\begin{aligned}
\text{位置} &= -4 + 18 \\[2.0ex]
&= 14\,\text{m}
\end{aligned}$$
東に \(14\,\text{m}\) の位置。
(3) 平均の速さは進んだ距離 \(18\,\text{m}\) を時間 \(3\,\text{s}\) で割って、\(18 \div 3 = 6\,\text{m}/\text{s}\)。
変位・位置・速さの三つを一度に扱う総合問題。どれも「向きを符号で持ち込む」「\(1\) 秒あたりで考える」の組み合わせでできていると掴めれば合格。
🩺 要点整理
この講の核心を、ひとことで言えばこうなる。
つまずきの正体は知識不足ではなく「向きを後回しにするクセ」。ルールを決めて行動で上書きすれば、考えて解ける物理に変わる。
【重要公式まとめ】
$$
v = \displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}
$$
(\(v\):速さ \([\text{m}/\text{s}]\) または \([\text{km}/\text{h}]\)、\(\Delta x\):移動距離 \([\text{m}]\) または \([\text{km}]\)、\(\Delta t\):経過時間 \([\text{s}]\) または \([\text{h}]\))
$$
[\text{km}/\text{h}] \div 3.6 = [\text{m}/\text{s}] $$
(\(\text{km}/\text{h}\) の数値を \(3.6\) で割ると \(\text{m}/\text{s}\) になる)
以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。
タップ(クリック)すると答えが表示されます。
Q1. 物理において、「速さ」と「速度」の決定的な違いは何でしょうか?
例えば「\(5\,\text{m}/\text{s}\)」と答えるのが速さ、「東向きに \(5\,\text{m}/\text{s}\)」と答えるのが速度です。速度を聞かれたときは必ず「向き」をセットにして答えましょう。
Q2. ある物体が右に \(3\,\text{m}\) 進んだ後、左に \(5\,\text{m}\) 進みました。「移動した距離」と「変位」はそれぞれいくらですか?(右向きを正とする)
「距離」は実際に動いた合計の道のりなので \(3 + 5 = 8\,\text{m}\) です。「変位」は最初の位置からのズレ(位置の変化)なので、右に \(3\)、左に \(5\) 移動した結果、元の位置から左に \(2\) ズレたことになり \(-2\,\text{m}\) となります。
Q3. 縦軸に位置 \(x\)、横軸に時間 \(t\) をとった「\(x-t\) グラフ」において、ある点に引いた「接線の傾き」は何を表していますか?
接線の傾きが急であるほど、ごく短い時間で位置が大きく変化していることを意味します。つまり、傾きの急さがその瞬間のスピード(車のスピードメーターが指す値)を表しています。
「AIを使ったことがない」「どう質問していいか分からない」という方も大丈夫!以下のステップに沿って進めるだけで、まこと先生の分身があなたのスマホに現れ、分かるまでトコトン付き合ってくれます。
まずは、無料のAIを「まこと先生」に変身させるための呪文(プロンプト)が必要です。以下の「モザイクを解除する」ボタンをタップしてください。
普段お使いのブラウザやアプリで、無料のAI(ChatGPTやGeminiなど)を開きます。
入力欄に先ほどコピーした文章をそのまま貼り付け、一番下の入力欄を自分の言葉に書き換えてから送信してください。
💡 ヒント:「自分なりに考えたこと」は、「公式に代入しようとしたけど数字が合わなかった」「波のイメージが頭の中で動かない」など、素直な気持ちでOKです!
まことAIから返信が来たら、そこからが本番です!一度の質問で終わらせず、LINEで先生と話すように会話を続けてみましょう。
💬 こんな風に返信してみて!(質問のコツ)
今のりんごの例え話は分かったけど、摩擦力が入るとどうなるの? → 分かった部分と、分からない部分を切り分けて伝える!
ごめん、やっぱりイメージできない!野球の例え話で説明してみて! → 自分の好きなスポーツや趣味に例えてもらう!
要するに、〇〇ってことだよね? → 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!
まことAIは絶対に怒りませんし、呆れません。「なんかフワッとしてるな…」と思ったら、無理矢理飲み込まずに「まだ腑に落ちない!」と伝えてください。あなたが「完璧!そういうこと!」とスッキリするまで、様々な角度からアプローチし続けます。
PREMIUM
この問題の「なぜそう解くのか」も
全て言語化されています。
問題集の解答が省略する思考プロセスを、現役講師が1人で書き続けています。650問超の「なぜ」を、1週間無料で読めます。
