「物理のエッセンス(力学・波動)」徹底解説(力学1〜5問):物理の”土台”を固める!完全マスター講座

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問題1 \(v-t\) グラフの読み取りと等加速度直線運動の解析

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(a), (b)の別解: 微積分を用いた体系的解法
      • 模範解答が問題の図の \(v-t\) グラフの面積から幾何学的に距離や変位を求めているのに対し、別解では加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) および速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) に基づき、積分計算によって位置 \(x(t)\) を時間の関数として導出し、代数的に解を求めます。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • グラフの形状が複雑になった場合や、曲線(等加速度運動でない場合)であっても通用する、より普遍的で強力なアプローチを身につけることができるためです。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

鍵となる物理法則や概念:

  • 加速度の定義:\(v-t\) グラフの接線の傾きは、その時刻における加速度 \(a\) を表します。
  • 変位と道のり:\(v-t\) グラフと \(t\) 軸で囲まれた部分の面積は、移動距離を表します。\(t\) 軸より上の面積は正の変位、下の面積は負の変位となり、道のりはそれらの絶対値の和となります。

基本的なアプローチ:

  • 各区間のグラフの傾きを計算し、\(a-t\) グラフを作成します。
  • 指定された時間までのグラフの面積を幾何学的に計算し、道のりを求めます。
  • 変位の総和が \(0\) になる条件を立式し、元の位置に戻る時刻を逆算します。

問(a)

思考の道筋とポイント
問題の図(a)の \(v-t\) グラフから物体の運動を読み解きます。
グラフは \(t=3\,\text{s}\) を境に傾きが変わっているため、\(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間と \(t \ge 3\,\text{s}\) の区間に分けて加速度を求めます。
\(4\) 秒間の道のりは、\(t=0\,\text{s}\) から \(t=4\,\text{s}\) までのグラフと \(t\) 軸で囲まれた面積から求めます。この区間では常に \(v \ge 0\) であるため、変位の大きさと道のりは一致します。
元の位置に戻る時刻は、正の向きに進んだ距離(正の変位)と、負の向きに戻った距離(負の変位の絶対値)が等しくなる時刻を探すことで求められます。

 

この設問における重要なポイント

  • 傾きの変化点:\(t=3\,\text{s}\) で加速度が不連続に変化することに注意します。
  • 道のりと変位の違い:\(v\) の符号が変わる \(t=4\,\text{s}\) 以降は、面積が負の変位を表すことを理解し、正の面積と等しくなる条件を考えます。

具体的な解説と立式
まず、加速度を求めます。\(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間の加速度を \(a_{\text{前半}}\)、\(t \ge 3\,\text{s}\) の区間の加速度を \(a_{\text{後半}}\) とします。加速度は \(v-t\) グラフの傾きであるため、速度の変化量 \(\Delta v\) と経過時間 \(\Delta t\) を用いて以下のように立式します。
$$
\begin{aligned}
a_{\text{前半}} &= \frac{\Delta v_{\text{前半}}}{\Delta t_{\text{前半}}} \\[2.0ex]
a_{\text{後半}} &= \frac{\Delta v_{\text{後半}}}{\Delta t_{\text{後半}}}
\end{aligned}
$$

次に、\(4\) 秒間の道のり \(l\) を求めます。問題の図(a)より、\(0 \le t \le 4\,\text{s}\) の範囲でグラフは底辺が \(4\,\text{s}\)、高さが \(6\,\text{m}/\text{s}\) の三角形を形成しています。
$$
\begin{aligned}
l &= (\text{底辺}) \times (\text{高さ}) \times \frac{1}{2}
\end{aligned}
$$

最後に、元の位置に戻る時刻 \(t\) を求めます。\(t=4\,\text{s}\) 以降、物体は負の向きに進みます。\(t=4\,\text{s}\) から \(T\) 秒経過したときの速度を \(v_{\text{戻り}}\) とすると、加速度 \(a_{\text{後半}}\) を用いて次のように表せます。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{戻り}} &= a_{\text{後半}} T
\end{aligned}
$$
この \(T\) 秒間に戻る距離(負の変位の絶対値)を \(l_{\text{戻り}}\) とすると、グラフ上の三角形の面積として立式できます。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{戻り}} &= T \times |v_{\text{戻り}}| \times \frac{1}{2}
\end{aligned}
$$
元の位置に戻るためには、この戻った距離が、最初に進んだ距離 \(l\) と等しくなる必要があります。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{戻り}} &= l
\end{aligned}
$$
求める時刻 \(t\) は、\(t=4\,\text{s}\) から \(T\) 秒後です。
$$
\begin{aligned}
t &= 4 + T
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 加速度の定義:\(a = \frac{\Delta v}{\Delta t}\)
  • \(v-t\) グラフの面積と移動距離の関係(三角形の面積公式)

計算過程
加速度 \(a_{\text{前半}}, a_{\text{後半}}\) を計算します。問題の図(a)より、座標 \((0, 0), (3, 6), (4, 0)\) を読み取ります。
$$
\begin{aligned}
a_{\text{前半}} &= \frac{6 – 0}{3 – 0} \\[2.0ex]
&= 2\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
a_{\text{後半}} &= \frac{0 – 6}{4 – 3} \\[2.0ex]
&= -6\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$

道のり \(l\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
l &= 4 \times 6 \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]
&= 12\,\text{m}
\end{aligned}
$$

元の位置に戻る時刻を求めるため、まず \(v_{\text{戻り}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{戻り}} &= -6 \times T \\[2.0ex]
&= -6T\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}
$$
戻りの距離 \(l_{\text{戻り}}\) を計算します。\(T > 0\) であるため \(|-6T| = 6T\) です。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{戻り}} &= T \times 6T \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]
&= 3T^2\,\text{m}
\end{aligned}
$$
これを \(l = 12\,\text{m}\) と等置して \(T\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
3T^2 &= 12 \\[2.0ex]
T^2 &= 4
\end{aligned}
$$
\(T > 0\) より、
$$
\begin{aligned}
T &= 2\,\text{s}
\end{aligned}
$$
したがって、求める時刻 \(t\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
t &= 4 + 2 \\[2.0ex]
&= 6\,\text{s}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
グラフの坂道の急さが「加速度」を表しています。最初は緩やかな上り坂なので、一定の割合で少しずつスピードアップしています。\(3\) 秒を過ぎると急な下り坂になるので、急ブレーキをかけてスピードを落とし、\(4\) 秒の時点で一瞬止まります。
グラフが作る山の面積が「前に進んだ距離」です。計算すると \(12\,\text{m}\) 進んだことがわかります。
元の位置に戻るということは、前に進んだ \(12\,\text{m}\) と同じだけ、後ろにバックするということです。\(4\) 秒以降はバックし始めますが、急激にスピードが上がるため、たった \(2\) 秒バックするだけで \(12\,\text{m}\) 分の面積(距離)を稼ぐことができ、スタート地点に戻ってきます。

 

結論と吟味
加速度は \(t=3\,\text{s}\) で正から負へ大きく変化しており、グラフの見た目(傾きの急さ)と一致します。
道のり \(12\,\text{m}\) は正の値であり妥当です。
元の位置に戻る時刻 \(t=6\,\text{s}\) は、\(t=4\,\text{s}\) 以降の負の加速度が大きいため、加速にかかった時間(\(4\) 秒)よりも短い時間(\(2\) 秒)で戻ってくるという物理的直感と整合します。

解答 (a)
・加速度の時間変化のグラフ:
横軸に時刻 \(t\,\text{[s]}\)、縦軸に加速度 \(a\,\text{[m/s}^2\text{]}\) をとる。
\(0 \le t < 3\) の区間では \(a = 2\) の水平な直線。
\(t > 3\) の区間では \(a = -6\) の水平な直線。
(\(t=3\) では値を持たない、または不連続に飛ぶ)
・\(4\) 秒間の走行距離 \(l\):\(12\,\text{m}\)
・元の位置に戻る時刻:\(6\,\text{s}\)
別解: 微積分を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
グラフの幾何学的な特徴(面積や傾き)に頼らず、加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) と速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) から出発します。
各区間の加速度 \(a(t)\) を時間 \(t\) で積分することで速度 \(v(t)\) を求め、さらに積分することで位置 \(x(t)\) を時間の関数として完全に記述します。
位置の関数が得られれば、道のりは \(x(4) – x(0)\) として、元の位置に戻る時刻は \(x(t) = 0\) の方程式を解くことで代数的に求められます。

 

この設問における重要なポイント

  • 積分定数の決定:積分するたびに現れる積分定数は、初期条件(\(t=0\) で \(v=0, x=0\))や、区間の境界(\(t=3\))での速度と位置の連続性を用いて決定します。

具体的な解説と立式
\(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間を前半区間、\(t \ge 3\,\text{s}\) の区間を後半区間とします。
前半区間の加速度 \(a_{\text{前半}}(t)\) は一定値 \(a_{\text{前半}}\) です。速度 \(v_{\text{前半}}(t)\) と位置 \(x_{\text{前半}}(t)\) は積分により立式します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= \int a_{\text{前半}} dt \\[2.0ex]
x_{\text{前半}}(t) &= \int v_{\text{前半}}(t) dt
\end{aligned}
$$
後半区間の加速度 \(a_{\text{後半}}(t)\) も一定値 \(a_{\text{後半}}\) です。速度 \(v_{\text{後半}}(t)\) と位置 \(x_{\text{後半}}(t)\) も同様に立式します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= \int a_{\text{後半}} dt \\[2.0ex]
x_{\text{後半}}(t) &= \int v_{\text{後半}}(t) dt
\end{aligned}
$$
\(4\) 秒間の道のり \(l\) は、\(t=4\,\text{s}\) における位置と初期位置の差として立式します(この間 \(v \ge 0\) のため)。
$$
\begin{aligned}
l &= x_{\text{後半}}(4) – x_{\text{前半}}(0)
\end{aligned}
$$
元の位置に戻る時刻 \(t\) は、位置が \(0\) になる条件として立式します。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= 0
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 加速度と速度の微分積分関係:\(v = \int a dt\), \(x = \int v dt\)

計算過程
メインの解法より、\(a_{\text{前半}} = 2\,\text{m}/\text{s}^2\), \(a_{\text{後半}} = -6\,\text{m}/\text{s}^2\) です。
前半区間 (\(0 \le t \le 3\)) について積分を実行します。積分定数を \(C_1, C_2\) とします。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= \int 2 dt \\[2.0ex]
&= 2t + C_1
\end{aligned}
$$
初期条件 \(v_{\text{前半}}(0) = 0\) より、
$$
\begin{aligned}
0 &= 2(0) + C_1 \\[2.0ex]
C_1 &= 0
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= 2t
\end{aligned}
$$
次に位置を求めます。初期位置を \(x_{\text{前半}}(0) = 0\) とします。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{前半}}(t) &= \int 2t dt \\[2.0ex]
&= t^2 + C_2
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
0 &= 0^2 + C_2 \\[2.0ex]
C_2 &= 0
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
x_{\text{前半}}(t) &= t^2
\end{aligned}
$$

後半区間 (\(t \ge 3\)) について積分を実行します。積分定数を \(C_3, C_4\) とします。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= \int -6 dt \\[2.0ex]
&= -6t + C_3
\end{aligned}
$$
\(t=3\,\text{s}\) で速度は連続なので、\(v_{\text{後半}}(3) = v_{\text{前半}}(3)\) です。
$$
\begin{aligned}
-6(3) + C_3 &= 2(3) \\[2.0ex]
-18 + C_3 &= 6 \\[2.0ex]
C_3 &= 24
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= -6t + 24
\end{aligned}
$$
次に位置を求めます。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= \int (-6t + 24) dt \\[2.0ex]
&= -3t^2 + 24t + C_4
\end{aligned}
$$
\(t=3\,\text{s}\) で位置も連続なので、\(x_{\text{後半}}(3) = x_{\text{前半}}(3)\) です。
$$
\begin{aligned}
-3(3)^2 + 24(3) + C_4 &= 3^2 \\[2.0ex]
-27 + 72 + C_4 &= 9 \\[2.0ex]
45 + C_4 &= 9 \\[2.0ex]
C_4 &= -36
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= -3t^2 + 24t – 36
\end{aligned}
$$

道のり \(l\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
l &= x_{\text{後半}}(4) – 0 \\[2.0ex]
&= -3(4)^2 + 24(4) – 36 \\[2.0ex]
&= -48 + 96 – 36 \\[2.0ex]
&= 12\,\text{m}
\end{aligned}
$$

元の位置に戻る時刻 \(t\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
-3t^2 + 24t – 36 &= 0
\end{aligned}
$$
両辺を \(-3\) で割ります。
$$
\begin{aligned}
t^2 – 8t + 12 &= 0 \\[2.0ex]
(t – 2)(t – 6) &= 0
\end{aligned}
$$
後半区間の条件 \(t \ge 3\) より、
$$
\begin{aligned}
t &= 6\,\text{s}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
加速度から速度、速度から位置へと、数学のルール(積分)に従って順番に式を作っていきました。
途中で式が変わる \(3\) 秒の地点では、「スピードが急にワープしない」「瞬間移動しない」という当たり前のルールを使って、前後の式を滑らかに繋ぎ合わせました。
最終的に「時刻 \(t\) を入れたら現在地がわかる魔法の式」が完成したので、そこに \(4\) 秒を代入して進んだ距離を出し、現在地が \(0\) になるような時刻 \(t\) を逆算して答えを出しました。

 

結論と吟味
微積分を用いた代数的なアプローチによっても、幾何学的なアプローチと全く同じ結果(\(l=12\,\text{m}, t=6\,\text{s}\))が得られました。これにより、両方の解法の正しさが相互に確認できました。

解答 (a)
・加速度の時間変化のグラフ:
横軸に時刻 \(t\,\text{[s]}\)、縦軸に加速度 \(a\,\text{[m/s}^2\text{]}\) をとる。
\(0 \le t < 3\) の区間では \(a = 2\) の水平な直線。
\(t > 3\) の区間では \(a = -6\) の水平な直線。
・\(4\) 秒間の走行距離 \(l\):\(12\,\text{m}\)
・元の位置に戻る時刻:\(6\,\text{s}\)

問(b)

思考の道筋とポイント
問題の図(b)の \(v-t\) グラフから物体の運動を読み解きます。
グラフは \(t=3\,\text{s}\) を境に傾きが変わっています。問題の図から直接読み取れる座標は \((0, -4)\) と \((2, 0)\) のみであるため、まずこの \(2\) 点から \(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間の加速度を求めます。
求めた加速度を用いて \(t=3\,\text{s}\) での速度を計算し、それが \(t \ge 3\,\text{s}\) の区間での一定の速度(加速度 \(0\))になることを確認します。
道のりを求める際、\(t=2\,\text{s}\) で速度の符号が負から正に変わることに注意が必要です。\(0 \le t \le 2\,\text{s}\) の負の変位の絶対値と、\(2 \le t \le 4\,\text{s}\) の正の変位を足し合わせることで、総走行距離(道のり)を求めます。
元の位置に戻る時刻は、\(t=4\,\text{s}\) 時点での変位(初期位置からのズレ)を計算し、その後等速直線運動でそのズレを解消するのにかかる時間を求めることで導き出します。

 

この設問における重要なポイント

  • 未知の座標の導出:グラフから直接読み取れない \(t=3\,\text{s}\) での速度を、読み取れる座標から求めた加速度を用いて論理的に導き出します。
  • 道のりの計算:速度が負の区間(グラフが \(t\) 軸より下)の面積は、そのまま足すと変位になってしまうため、必ず絶対値をとってから足し合わせます。
  • 等速運動区間の利用:\(t \ge 3\,\text{s}\) では速度が一定(加速度 \(0\))になるため、変位の計算が単純な「速さ \(\times\) 時間」になります。

具体的な解説と立式
まず、加速度を求めます。\(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間の加速度を \(a_{\text{前半}}\) とします。問題の図(b)より、この区間のグラフは \((0, -4)\) と \((2, 0)\) を通る直線であるため、以下のように立式します。
$$
\begin{aligned}
a_{\text{前半}} &= \frac{\Delta v_{\text{前半}}}{\Delta t_{\text{前半}}}
\end{aligned}
$$
この加速度を用いて、\(t=3\,\text{s}\) での速度 \(v_{\text{一定}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{一定}} &= v(0) + a_{\text{前半}} \times 3
\end{aligned}
$$
\(t \ge 3\,\text{s}\) の区間ではグラフが水平になるため、速度は \(v_{\text{一定}}\) で一定であり、この区間の加速度 \(a_{\text{後半}}\) は \(0\) となります。

次に、\(4\) 秒間の道のり \(l\) を求めます。\(0 \le t \le 2\,\text{s}\) の区間の道のり(三角形の面積)を \(l_{\text{前半}}\)、\(2 \le t \le 4\,\text{s}\) の区間の道のり(台形の面積)を \(l_{\text{後半}}\) とします。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{前半}} &= (\text{底辺}) \times (\text{高さの絶対値}) \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]
l_{\text{後半}} &= \frac{(\text{上底}) + (\text{下底})}{2} \times (\text{高さ})
\end{aligned}
$$
総走行距離 \(l\) はこれらの和として立式します。
$$
\begin{aligned}
l &= l_{\text{前半}} + l_{\text{後半}}
\end{aligned}
$$

最後に、元の位置に戻る時刻 \(t\) を求めます。まず、\(t=4\,\text{s}\) 時点での変位 \(x_{\text{4秒}}\) を求めます。負の向きに進んだ距離が \(l_{\text{前半}}\)、正の向きに進んだ距離が \(l_{\text{後半}}\) なので、変位は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{4秒}} &= -l_{\text{前半}} + l_{\text{後半}}
\end{aligned}
$$
\(t \ge 4\,\text{s}\) では、速度 \(v_{\text{一定}}\) の等速直線運動を続けます。\(t=4\,\text{s}\) からさらに \(\Delta t\) 秒経過したときに変位が \(0\) になるとすると、次のように立式できます。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{4秒}} + v_{\text{一定}} \Delta t &= 0
\end{aligned}
$$
求める時刻 \(t\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
t &= 4 + \Delta t
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 加速度の定義:\(a = \frac{\Delta v}{\Delta t}\)
  • 等加速度直線運動の速度:\(v = v_0 + at\)
  • \(v-t\) グラフの面積と移動距離の関係(三角形および台形の面積公式)
  • 等速直線運動の変位:\(x = vt\)

計算過程
加速度 \(a_{\text{前半}}\) を計算します。座標 \((0, -4), (2, 0)\) を用います。
$$
\begin{aligned}
a_{\text{前半}} &= \frac{0 – (-4)}{2 – 0} \\[2.0ex]
&= 2\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$
\(t=3\,\text{s}\) での速度 \(v_{\text{一定}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{一定}} &= -4 + 2 \times 3 \\[2.0ex]
&= 2\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}
$$
\(t \ge 3\,\text{s}\) では速度が一定なので、加速度 \(a_{\text{後半}}\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
a_{\text{後半}} &= 0\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$

道のり \(l_{\text{前半}}, l_{\text{後半}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{前半}} &= 2 \times |-4| \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]
&= 4\,\text{m}
\end{aligned}
$$
\(l_{\text{後半}}\) は \(t=2\) から \(t=4\) までの台形(上底は \(t=3\) から \(t=4\) の長さ \(1\)、下底は \(t=2\) から \(t=4\) の長さ \(2\)、高さは \(v_{\text{一定}} = 2\))の面積です。
$$
\begin{aligned}
l_{\text{後半}} &= \frac{1 + 2}{2} \times 2 \\[2.0ex]
&= 3\,\text{m}
\end{aligned}
$$
総走行距離 \(l\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
l &= 4 + 3 \\[2.0ex]
&= 7\,\text{m}
\end{aligned}
$$

元の位置に戻る時刻を求めるため、\(t=4\,\text{s}\) での変位 \(x_{\text{4秒}}\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{4秒}} &= -4 + 3 \\[2.0ex]
&= -1\,\text{m}
\end{aligned}
$$
追加時間 \(\Delta t\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
-1 + 2 \Delta t &= 0 \\[2.0ex]
2 \Delta t &= 1 \\[2.0ex]
\Delta t &= 0.5\,\text{s}
\end{aligned}
$$
時刻 \(t\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
t &= 4 + 0.5 \\[2.0ex]
&= 4.5\,\text{s}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
グラフから読み取れる情報だけを使って、まずは「どれくらい急にブレーキをかけているか(加速度)」を計算しました。その結果を使って、グラフが平らになる \(3\) 秒の時点でスピードがいくらになっているかを割り出しました。
最初は後ろ向きにスピードを出して進んでいますが、徐々にブレーキをかけて \(2\) 秒の時点で止まります。この間に後ろへ \(4\,\text{m}\) 進みました。
そこから今度は前向きに走り出し、\(3\) 秒の時点でスピードが一定になります。\(2\) 秒から \(4\) 秒の間には前へ \(3\,\text{m}\) 進みました。
「道のり」は歩いた総距離なので、後ろに \(4\,\text{m}\)、前に \(3\,\text{m}\) で合計 \(7\,\text{m}\) 歩いたことになります。
現在地は、スタート地点から後ろに \(4\,\text{m}\) 行って前に \(3\,\text{m}\) 戻ったので、スタート地点より \(1\,\text{m}\) 後ろにいます。
ここからは秒速 \(2\,\text{m}\) の一定のペースで前に進むので、残り \(1\,\text{m}\) を進んでスタート地点に戻るには \(0.5\) 秒かかります。だから合計で \(4.5\) 秒後に戻ってきます。

 

結論と吟味
\(t=2\,\text{s}\) で速度の符号が変わるため、道のり(\(7\,\text{m}\))と変位の大きさ(\(|-1\,\text{m}| = 1\,\text{m}\))が異なる値となり、正しく計算できていることが確認できます。
\(t=4\,\text{s}\) 時点で負の変位(\(-1\,\text{m}\))であり、その後正の速度(\(2\,\text{m}/\text{s}\))で進むため、必ずどこかで変位が \(0\) になるはずであり、\(t=4.5\,\text{s}\) という結果は物理的に妥当です。

解答 (b)
・加速度の時間変化のグラフ:
横軸に時刻 \(t\,\text{[s]}\)、縦軸に加速度 \(a\,\text{[m/s}^2\text{]}\) をとる。
\(0 \le t < 3\) の区間では \(a = 2\) の水平な直線。
\(3 < t \le 4\) の区間では \(a = 0\) の水平な直線(\(t\) 軸上)。
・\(4\) 秒間の走行距離 \(l\):\(7\,\text{m}\)
・元の位置に戻る時刻:\(4.5\,\text{s}\)
別解: 微積分を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
問(a)の別解と同様に、加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) と速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) から出発し、積分によって位置 \(x(t)\) を導出します。
道のりを求める際は、速度の符号が変わる \(t=2\,\text{s}\) を境に積分区間を分割し、それぞれの区間での変位の絶対値を足し合わせるという数学的に厳密な手順を踏みます。

 

この設問における重要なポイント

  • 道のりの積分表現:道のり \(l\) は速度の絶対値の積分 \(l = \int |v(t)| dt\) で定義されます。これを計算するために、\(v(t) \le 0\) の区間と \(v(t) \ge 0\) の区間に分けて定積分を行います。

具体的な解説と立式
\(0 \le t \le 3\,\text{s}\) の区間を前半区間、\(t \ge 3\,\text{s}\) の区間を後半区間とします。
前半区間の加速度 \(a_{\text{前半}}(t)\) は一定値 \(a_{\text{前半}}\) です。速度 \(v_{\text{前半}}(t)\) と位置 \(x_{\text{前半}}(t)\) を立式します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= \int a_{\text{前半}} dt \\[2.0ex]
x_{\text{前半}}(t) &= \int v_{\text{前半}}(t) dt
\end{aligned}
$$
後半区間の加速度 \(a_{\text{後半}}(t)\) も一定値 \(a_{\text{後半}}\) です。速度 \(v_{\text{後半}}(t)\) と位置 \(x_{\text{後半}}(t)\) を立式します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= \int a_{\text{後半}} dt \\[2.0ex]
x_{\text{後半}}(t) &= \int v_{\text{後半}}(t) dt
\end{aligned}
$$
\(4\) 秒間の道のり \(l\) は、\(v_{\text{前半}}(t) = 0\) となる時刻 \(t_{\text{折}}\) を境界として、変位の絶対値の和として立式します。
$$
\begin{aligned}
l &= |x_{\text{前半}}(t_{\text{折}}) – x_{\text{前半}}(0)| + (x_{\text{後半}}(4) – x_{\text{前半}}(t_{\text{折}}))
\end{aligned}
$$
元の位置に戻る時刻 \(t\) は、位置が \(0\) になる条件として立式します。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= 0
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 加速度と速度の微分積分関係:\(v = \int a dt\), \(x = \int v dt\)
  • 道のりの定義:\(l = \int |v| dt\)

計算過程
前半区間 (\(0 \le t \le 3\)) について積分を実行します。積分定数を \(C_1, C_2\) とします。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= \int a_{\text{前半}} dt \\[2.0ex]
&= a_{\text{前半}} t + C_1
\end{aligned}
$$
問題の図(b)より、初期条件 \(v_{\text{前半}}(0) = -4\) および \(v_{\text{前半}}(2) = 0\) を用いて \(a_{\text{前半}}\) と \(C_1\) を決定します。
$$
\begin{aligned}
-4 &= a_{\text{前半}}(0) + C_1 \\[2.0ex]
C_1 &= -4
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
0 &= a_{\text{前半}}(2) – 4 \\[2.0ex]
2a_{\text{前半}} &= 4 \\[2.0ex]
a_{\text{前半}} &= 2\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
v_{\text{前半}}(t) &= 2t – 4
\end{aligned}
$$
次に位置を求めます。初期位置を \(x_{\text{前半}}(0) = 0\) とします。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{前半}}(t) &= \int (2t – 4) dt \\[2.0ex]
&= t^2 – 4t + C_2
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
0 &= 0^2 – 4(0) + C_2 \\[2.0ex]
C_2 &= 0
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
x_{\text{前半}}(t) &= t^2 – 4t
\end{aligned}
$$

後半区間 (\(t \ge 3\)) について積分を実行します。問題の図(b)より、この区間では速度が一定であるため、加速度 \(a_{\text{後半}} = 0\) です。積分定数を \(C_3, C_4\) とします。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= \int 0 dt \\[2.0ex]
&= C_3
\end{aligned}
$$
\(t=3\,\text{s}\) で速度は連続なので、\(v_{\text{後半}}(3) = v_{\text{前半}}(3)\) です。
$$
\begin{aligned}
C_3 &= 2(3) – 4 \\[2.0ex]
C_3 &= 2
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
v_{\text{後半}}(t) &= 2
\end{aligned}
$$
次に位置を求めます。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= \int 2 dt \\[2.0ex]
&= 2t + C_4
\end{aligned}
$$
\(t=3\,\text{s}\) で位置も連続なので、\(x_{\text{後半}}(3) = x_{\text{前半}}(3)\) です。
$$
\begin{aligned}
2(3) + C_4 &= 3^2 – 4(3) \\[2.0ex]
6 + C_4 &= 9 – 12 \\[2.0ex]
6 + C_4 &= -3 \\[2.0ex]
C_4 &= -9
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
x_{\text{後半}}(t) &= 2t – 9
\end{aligned}
$$

道のり \(l\) を計算します。まず \(v_{\text{前半}}(t) = 0\) となる時刻 \(t_{\text{折}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
2t_{\text{折}} – 4 &= 0 \\[2.0ex]
t_{\text{折}} &= 2\,\text{s}
\end{aligned}
$$
道のり \(l\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
l &= |x_{\text{前半}}(2) – x_{\text{前半}}(0)| + (x_{\text{後半}}(4) – x_{\text{前半}}(2)) \\[2.0ex]
&= |(2^2 – 4(2)) – 0| + ((2(4) – 9) – (2^2 – 4(2))) \\[2.0ex]
&= |4 – 8| + ((8 – 9) – (4 – 8)) \\[2.0ex]
&= |-4| + (-1 – (-4)) \\[2.0ex]
&= 4 + 3 \\[2.0ex]
&= 7\,\text{m}
\end{aligned}
$$

元の位置に戻る時刻 \(t\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
2t – 9 &= 0 \\[2.0ex]
2t &= 9 \\[2.0ex]
t &= 4.5\,\text{s}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
問(a)と同じように、積分を使って「現在地がわかる魔法の式」を作りました。
道のりを計算するときは、「マイナスの位置にいる」ことと「マイナスの距離を歩いた」ことは違うので、\(2\) 秒の時点で一度計算を区切り、後ろに歩いた分(\(-4\,\text{m}\))のマイナスをとってプラス(\(4\,\text{m}\))に直してから、前に歩いた分(\(3\,\text{m}\))と足し合わせました。
元の位置に戻る時間は、完成した式 \(x_{\text{後半}}(t) = 2t – 9\) が \(0\) になるような \(t\) を方程式で解くだけで、自動的に答えが出てきます。

 

結論と吟味
微積分を用いた代数的なアプローチによっても、幾何学的なアプローチと全く同じ結果(\(l=7\,\text{m}, t=4.5\,\text{s}\))が得られました。特に、道のりの計算において絶対値の積分という数学的定義が、グラフの面積の足し合わせと完全に対応していることが確認できます。

解答 (b)
・加速度の時間変化のグラフ:
横軸に時刻 \(t\,\text{[s]}\)、縦軸に加速度 \(a\,\text{[m/s}^2\text{]}\) をとる。
\(0 \le t < 3\) の区間では \(a = 2\) の水平な直線。
\(3 < t \le 4\) の区間では \(a = 0\) の水平な直線(\(t\) 軸上)。
・\(4\) 秒間の走行距離 \(l\):\(7\,\text{m}\)
・元の位置に戻る時刻:\(4.5\,\text{s}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?

  • \(v-t\) グラフの幾何学的意味(傾きと面積)
    • 核心: \(v-t\) グラフにおいて、接線の傾きは「加速度」を表し、グラフと \(t\) 軸で囲まれた部分の面積は「変位(位置の変化量)」を表します。
    • 理解のポイント:
      • 傾きが一定の直線であれば「等加速度直線運動」、傾きが \(0\)(水平)であれば「等速直線運動」です。
      • 面積を計算する際、\(t\) 軸より上の面積は「正の向きへの移動距離」、下の面積は「負の向きへの移動距離」を意味します。
  • 「変位」と「道のり」の明確な区別
    • 核心: 「変位」はスタート地点からの直線距離と向き(ベクトルの和)であり、「道のり」は実際に歩いた総距離(スカラーの和)です。
    • 理解のポイント:
      • 速度 \(v\) の符号が変わらない(ずっと前進、またはずっと後退)場合、変位の大きさと道のりは一致します。
      • 速度 \(v\) の符号が変わる(途中で引き返す)場合、道のりを求めるには、前進した距離と後退した距離の「絶対値」を足し合わせる必要があります。

応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点

  • 応用できる類似問題のパターン:
    • グラフの相互変換問題: \(v-t\) グラフから \(a-t\) グラフや \(x-t\) グラフを描かせる問題。傾きが加速度、面積が変位という関係を使い、区間ごとにグラフの形状(直線か放物線かなど)を決定します。
    • 2物体の追いつき・すれ違い問題: 2つの物体の \(v-t\) グラフが同時に描かれている問題。2つのグラフが交差する時刻は「速度が同じになる時刻」であり、「追いつく時刻」ではありません。追いつく時刻は、2つのグラフの「面積(変位)が等しくなる時刻」を探すことで解けます。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. グラフの折れ曲がり点(変化点)を特定する: 加速度が変化する時刻(今回の \(t=3\,\text{s}\) など)で区間を分割し、それぞれの区間で独立して運動を考えます。
    2. \(v=0\) となる時刻(折り返し点)を特定する: グラフが \(t\) 軸と交差する時刻(今回の(b)の \(t=2\,\text{s}\) など)を見つけます。道のりを問われた場合は、必ずこの時刻で計算を区切ります。

要注意!ありがちなミス・誤解とその対策

  • 道のりの計算で負の面積をそのまま足してしまう:
    • 誤解: 「\(4\) 秒間の道のりを求めよ」と言われ、\(0\) から \(4\) 秒までの面積を単純に足し引き(積分)してしまい、変位を答えてしまう。
    • 対策: 「道のり」と聞かれたら、まずグラフが \(t\) 軸をまたいでいないか(\(v=0\) になる瞬間がないか)を確認する癖をつけましょう。またいでいる場合は、必ず \(t\) 軸より下の面積を「正の値(絶対値)」に直してから足し合わせます。
  • グラフから読み取れない座標を勝手に推測する:
    • 誤解: (b)のグラフで、\(t=3\,\text{s}\) のときの速度がなんとなく \(2\,\text{m}/\text{s}\) に見えるからといって、計算せずにその値を使ってしまう。
    • 対策: グラフの目盛りが明記されていない点は、見た目で判断してはいけません。必ず、明記されている座標(今回は \((0, -4)\) と \((2, 0)\))から傾き(加速度)を計算し、数式を用いて論理的に未知の座標の値を導き出してください。

なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法

  • 幾何学的な解法(グラフの面積と傾き):
    • 選定理由: \(v-t\) グラフが直線で構成されている場合、三角形や台形の面積公式、直線の傾きの計算だけで視覚的かつ迅速に解けるため、最も効率的です。
    • 適用根拠: 等加速度直線運動において、\(v-t\) グラフは必ず直線になり、その面積が変位に等しいという数学的性質に基づいています。
  • 微積分を用いた体系的解法(別解):
    • 選定理由: グラフが曲線(加速度が時間変化する運動)になった場合や、面積計算が複雑な場合に、図の形状に依存せず機械的な計算で確実に答えを出せるため、汎用性が極めて高いです。
    • 適用根拠: 加速度、速度、位置の定義(\(a = \frac{dv}{dt}\), \(v = \frac{dx}{dt}\))という物理学の根本原理に基づいているため、あらゆる力学現象に例外なく適用できます。

計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック

  • 三角形の面積計算での「\(\frac{1}{2}\)」の掛け忘れ防止:
    • 意識: 物理のグラフ問題では、長方形(等速運動)と三角形(等加速度運動)が頻出しますが、焦っていると三角形の面積で \(\frac{1}{2}\) を忘れがちです。
    • 実践: 式を立てる際、暗算で済ませず、必ず \((\text{底辺}) \times (\text{高さ}) \times \frac{1}{2}\) と紙に書き出してから計算を実行しましょう。
  • 符号のダブルチェック:
    • 意識: 速度や加速度が負になる区間では、符号のミスが致命傷になります。
    • 実践: 計算で出た答え(例えば \(a = -6\,\text{m}/\text{s}^2\))が、グラフの見た目(右下がりの急な直線)と一致しているか、直感的なチェックを必ず行いましょう。また、道のりを計算する際は、式の中に絶対値記号 \(| \dots |\) を明記することで、符号の反転忘れを防ぎます。

問題2 等加速度直線運動の基本と移動距離の導出

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 別解1: \(v-t\) グラフ(および平均の速度)を用いた解法
      • 模範解答が等加速度直線運動の公式を2段階で用いて加速度と移動距離を求めているのに対し、別解1では \(v-t\) グラフを描いた際の面積(台形の面積)、あるいは「平均の速度」の概念を用いて、加速度を求めずに一気に移動距離を算出します。
    • 別解2: 微積分を用いた体系的解法
      • 公式を前提とせず、加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) と速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) に基づき、積分計算によって速度と位置の関数を導出して解を求めます。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 別解1は、計算ステップを減らすことで計算ミスを防ぎ、かつ運動を視覚的・直感的に捉える力を養うため、実戦で非常に有効なテクニックです。
    • 別解2は、公式の丸暗記から脱却し、物理現象を数学的な原理から記述する普遍的なアプローチを身につけることができるためです。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

鍵となる物理法則や概念:

  • 等加速度直線運動の公式:速度と時間の関係 \(v = v_{\text{初}} + at\)、位置と時間の関係 \(x = v_{\text{初}}t + \frac{1}{2}at^2\)。
  • \(v-t\) グラフの幾何学的性質:グラフと \(t\) 軸で囲まれた部分の面積が移動距離(変位)を表します。
  • 平均の速度:等加速度直線運動において、ある区間の平均の速度は、最初と最後の速度の平均値 \(\frac{v_{\text{初}} + v_{\text{終}}}{2}\) と一致します。

基本的なアプローチ:

  • 与えられた物理量(初速度、時間、終端速度)を整理し、適切な公式を選択して未知の物理量(加速度、移動距離)を順番に求めます。

思考の道筋とポイント
問題文から与えられている条件を整理します。
初速度 \(v_{\text{初}} = 2\,\text{m}/\text{s}\)、経過時間 \(t = 4\,\text{s}\)、そのときの速度 \(v_{\text{終}} = 14\,\text{m}/\text{s}\) です。
求めるものは移動距離 \(x\) です。
等加速度直線運動の公式 \(x = v_{\text{初}}t + \frac{1}{2}at^2\) を使うためには、加速度 \(a\) が必要です。そこで、まずは速度の公式 \(v_{\text{終}} = v_{\text{初}} + at\) を用いて加速度 \(a\) を求め、その後に距離の公式に代入するという2段階の手順を踏みます。

 

この設問における重要なポイント

  • 未知数の特定:直接移動距離を求める公式(\(v^2 – v_{\text{初}}^2 = 2ax\) など)もありますが、いずれにせよ加速度 \(a\) が未知であるため、まずは \(a\) を求めることが先決であると見抜くことが重要です。

具体的な解説と立式
等加速度直線運動の速度の公式を用いて、加速度 \(a\) を求める式を立てます。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{終}} &= v_{\text{初}} + at
\end{aligned}
$$
次に、求めた加速度 \(a\) を用いて、移動距離 \(x\) を求める式を立てます。
$$
\begin{aligned}
x &= v_{\text{初}}t + \frac{1}{2}at^2
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 等加速度直線運動の速度:\(v = v_0 + at\)
  • 等加速度直線運動の変位:\(x = v_0t + \frac{1}{2}at^2\)

計算過程
速度の公式に与えられた数値を代入し、加速度 \(a\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
14 &= 2 + a \times 4
\end{aligned}
$$
移項して整理します。
$$
\begin{aligned}
4a &= 14 – 2 \\[2.0ex]
4a &= 12 \\[2.0ex]
a &= 3\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$
求めた加速度 \(a = 3\,\text{m}/\text{s}^2\) と、与えられた数値を距離の公式に代入します。
$$
\begin{aligned}
x &= 2 \times 4 + \frac{1}{2} \times 3 \times 4^2 \\[2.0ex]
&= 8 + \frac{1}{2} \times 3 \times 16 \\[2.0ex]
&= 8 + 3 \times 8 \\[2.0ex]
&= 8 + 24 \\[2.0ex]
&= 32\,\text{m}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
最初は秒速 \(2\,\text{m}\) で歩いていましたが、だんだんペースを上げて、\(4\) 秒後には秒速 \(14\,\text{m}\) で走っていました。
まず、「\(4\) 秒間でどれくらいペースが上がったか(加速度)」を計算します。速度は \(12\,\text{m}/\text{s}\) 増えているので、\(1\) 秒あたり \(3\,\text{m}/\text{s}\) ずつペースアップしたことがわかります。
この「\(1\) 秒あたり \(3\,\text{m}/\text{s}\) ずつ速くなる」というルールを使って、\(4\) 秒間に進んだ距離を公式に当てはめて計算すると、\(32\,\text{m}\) 進んだことがわかります。

 

結論と吟味
初速度が正であり、速度が増加している(加速度が正)ため、物体は常に同じ向きに進み続けます。したがって、計算された変位 \(32\,\text{m}\) はそのまま移動距離となり、物理的に妥当です。

解答 \(32\,\text{m}\)
別解: \(v-t\) グラフ(および平均の速度)を用いた解法

思考の道筋とポイント
等加速度直線運動において、\(v-t\) グラフを描くと直線になります。このグラフと \(t\) 軸で囲まれた部分の面積が移動距離を表します。
今回の運動をグラフにすると、縦軸の切片が \(2\)、\(t=4\) のときの高さが \(14\) となる「台形」になります。台形の面積公式を使えば、加速度を求めることなく一発で移動距離を計算できます。
また、この台形の面積公式は、物理的には「平均の速度 \(\times\) 時間」を計算していることと全く同じ意味になります。

 

この設問における重要なポイント

  • グラフの面積の活用:公式を忘れてしまっても、\(v-t\) グラフの面積が距離になるという基本原理さえ覚えていれば解くことができます。
  • 平均の速度:等加速度運動では、最初と最後の速度のちょうど真ん中の値(平均値)でずっと等速運動したと考えた場合の距離と、実際の移動距離が一致します。

具体的な解説と立式
\(v-t\) グラフにおける台形の面積(上底が \(v_{\text{初}}\)、下底が \(v_{\text{終}}\)、高さが \(t\))として、移動距離 \(x\) を立式します。
$$
\begin{aligned}
x &= \frac{v_{\text{初}} + v_{\text{終}}}{2} \times t
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • \(v-t\) グラフの面積と移動距離の関係(台形の面積公式)
  • 平均の速度を用いた変位:\(x = \bar{v}t = \frac{v_0 + v}{2}t\)

計算過程
与えられた数値を式に代入して計算します。
$$
\begin{aligned}
x &= \frac{2 + 14}{2} \times 4 \\[2.0ex]
&= \frac{16}{2} \times 4 \\[2.0ex]
&= 8 \times 4 \\[2.0ex]
&= 32\,\text{m}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
最初は秒速 \(2\,\text{m}\)、最後は秒速 \(14\,\text{m}\) で、その間一定の割合でスピードアップしました。
この場合、最初と最後のスピードのちょうど真ん中、つまり秒速 \(8\,\text{m}\) の一定のペースでずっと走っていたのと同じ距離を進むことになります。
秒速 \(8\,\text{m}\) で \(4\) 秒間走ったので、\(8 \times 4 = 32\,\text{m}\) 進んだことになります。加速度を計算する手間が省けて、とても簡単です。

 

結論と吟味
メインの解法と全く同じ結果が得られました。計算ステップが少ないため、計算ミスのリスクを大幅に減らすことができる優れた解法です。

解答 \(32\,\text{m}\)
別解: 微積分を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
等加速度直線運動の公式を既知とせず、加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) と速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) から出発します。
一定の加速度 \(a\) を時間 \(t\) で積分して速度 \(v(t)\) の式を作り、初期条件と \(t=4\) での条件から \(a\) を決定します。さらに速度を積分して位置 \(x(t)\) の式を作り、移動距離を求めます。

 

この設問における重要なポイント

  • 積分定数の決定:積分によって現れる定数は、\(t=0\) のときの速度(初速度)や位置(初期位置)といった初期条件を用いて決定します。

具体的な解説と立式
加速度を一定値 \(a\) とします。速度 \(v(t)\) は加速度の積分として立式します。
$$
\begin{aligned}
v(t) &= \int a dt
\end{aligned}
$$
位置 \(x(t)\) は速度の積分として立式します。
$$
\begin{aligned}
x(t) &= \int v(t) dt
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 加速度と速度の微分積分関係:\(v = \int a dt\), \(x = \int v dt\)

計算過程
速度 \(v(t)\) の積分を実行します。積分定数を \(C_1\) とします。
$$
\begin{aligned}
v(t) &= at + C_1
\end{aligned}
$$
初期条件 \(t=0\) で \(v(0) = v_{\text{初}}\) より、積分定数を決定します。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{初}} &= a(0) + C_1 \\[2.0ex]
C_1 &= v_{\text{初}}
\end{aligned}
$$
よって、速度の式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
v(t) &= at + v_{\text{初}}
\end{aligned}
$$
\(t=4\) のとき \(v(4) = v_{\text{終}}\) であるという条件を用いて、加速度 \(a\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
v_{\text{終}} &= a \times 4 + v_{\text{初}}
\end{aligned}
$$
数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
14 &= 4a + 2 \\[2.0ex]
4a &= 12 \\[2.0ex]
a &= 3\,\text{m}/\text{s}^2
\end{aligned}
$$
次に、位置 \(x(t)\) の積分を実行します。積分定数を \(C_2\) とします。
$$
\begin{aligned}
x(t) &= \int (at + v_{\text{初}}) dt \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2}at^2 + v_{\text{初}}t + C_2
\end{aligned}
$$
初期位置を \(x(0) = 0\) とすると、
$$
\begin{aligned}
0 &= \frac{1}{2}a(0)^2 + v_{\text{初}}(0) + C_2 \\[2.0ex]
C_2 &= 0
\end{aligned}
$$
よって、位置の式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
x(t) &= \frac{1}{2}at^2 + v_{\text{初}}t
\end{aligned}
$$
\(t=4\) のときの移動距離 \(x\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
x &= \frac{1}{2} \times 3 \times 4^2 + 2 \times 4 \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2} \times 3 \times 16 + 8 \\[2.0ex]
&= 24 + 8 \\[2.0ex]
&= 32\,\text{m}
\end{aligned}
$$

 

この設問の平易な説明
「加速度」を積分すると「速度」になり、「速度」を積分すると「位置」になるという数学のルールに従って、順番に式を組み立てていきました。
途中で出てくる「積分定数」というおまけの数字は、「最初のスピードは \(2\) だった」「最初はスタート地点(距離 \(0\))にいた」という最初の状態を当てはめることで消すことができます。
こうして出来上がった式は、教科書に載っている等加速度直線運動の公式そのものです。公式を暗記していなくても、積分を使えば自分で公式を作り出して答えを出すことができます。

 

結論と吟味
微積分を用いた原理的なアプローチによっても、公式を用いた場合と全く同じ結果が得られました。これにより、等加速度直線運動の公式が微積分の結果として導出されるものであることが確認できます。

解答 \(32\,\text{m}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?

  • 等加速度直線運動の公式の構造
    • 核心: 等加速度直線運動を記述する3つの基本公式(\(v = v_0 + at\), \(x = v_0t + \frac{1}{2}at^2\), \(v^2 – v_0^2 = 2ax\))は、それぞれ「時間 \(t\)」「位置 \(x\)」「速度 \(v\)」「加速度 \(a\)」のうち、どれか1つの変数が欠けた形になっています。
    • 理解のポイント:
      • 問題文で与えられている物理量と、求めたい物理量をリストアップし、どの公式を使えば未知数を直接(あるいは少ないステップで)求められるかを選択する力が問われます。
  • \(v-t\) グラフの面積と平均の速度
    • 核心: 等加速度直線運動において、\(v-t\) グラフは直線となり、その面積(台形)が移動距離を表します。これは「平均の速度 \(\times\) 時間」と数学的に完全に等価です。
    • 理解のポイント:
      • 加速度 \(a\) が未知であっても、初速度 \(v_0\) と終端速度 \(v\) が分かっていれば、平均の速度 \(\bar{v} = \frac{v_0 + v}{2}\) を用いて一気に距離を計算できます。

応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点

  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 時間が与えられていない問題: 「初速 \(v_0\) で走り出し、距離 \(x\) 進んだときの速度が \(v\) になった。加速度はいくらか?」のように、時間 \(t\) が登場しない問題では、\(v^2 – v_0^2 = 2ax\) の公式が威力を発揮します。
    • ブレーキをかけて止まる問題: 「初速 \(v_0\) で走っていた車がブレーキをかけ、距離 \(x\) 進んで停止した」という問題。停止するということは「終端速度 \(v = 0\)」という隠れた条件があることを見抜く必要があります。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. 与えられた数値を記号化する: 問題文を読みながら、「\(v_0 = 2\)」「\(t = 4\)」「\(v = 14\)」のように、物理量の記号と数値をセットで書き出します。
    2. 求めるものを明確にする: 「\(x = ?\)」と書き出し、手持ちのカード(既知の数値)からゴール(未知数)にたどり着くための最短ルート(公式)を探します。

要注意!ありがちなミス・誤解とその対策

  • 公式の丸暗記による適用ミス:
    • 誤解: 「距離を求める問題だから \(x = v_0t + \frac{1}{2}at^2\) を使おう」と飛びつき、加速度 \(a\) が分かっていないのに無理やり計算を進めようとして行き詰まる。
    • 対策: 公式を使う前に、式の中の変数がすべて分かっているか(未知数が1つだけか)を確認する癖をつけましょう。未知数が2つある場合は、別の公式を使ってまず1つを求める必要があります。
  • 単位の不一致:
    • 誤解: 速度が \(\text{km/h}\) で与えられているのに、時間が \(\text{s}\)(秒)のまま公式に代入してしまう。
    • 対策: 計算を始める前に、必ずすべての物理量の単位が \(\text{m}\), \(\text{s}\), \(\text{kg}\) などの基本単位(MKS単位系)に統一されているかを確認し、必要なら換算を行ってください。

なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法

  • 2段階の公式適用(メイン解法):
    • 選定理由: 教科書通りの最もオーソドックスな手順であり、途中で加速度 \(a\) という運動の「原因」を求めることで、物理的な状況を段階的に把握できるため、初学者にとって理解しやすい方法です。
    • 適用根拠: 等加速度直線運動であるという問題の前提条件から、基本公式がそのまま適用できます。
  • 平均の速度を用いた解法(別解1):
    • 選定理由: 加速度 \(a\) を求めるという中間ステップを省略でき、計算が足し算と掛け算だけで済むため、計算ミスを劇的に減らすことができる実戦的なテクニックです。
    • 適用根拠: 等加速度直線運動においてのみ、平均の速度が \(\frac{v_0 + v}{2}\) となるという数学的性質に基づいています。

計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック

  • 公式の書き出し:
    • 意識: 頭の中だけで数値を当てはめようとすると、二乗を忘れたり、\(\frac{1}{2}\) を掛け忘れたりする原因になります。
    • 実践: 計算用紙の端に、使う公式(文字式)を必ず一度書き出してから、その下に数値を代入していくようにしましょう。
  • 別解による検算:
    • 意識: 1つの方法で答えが出ても、それが正しいとは限りません。
    • 実践: メインの解法(公式2段階)で解いた後、別解1(平均の速度)でサクッと計算し直し、答えが一致するかどうかを確かめる習慣をつけると、正答率が飛躍的に向上します。
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問題3 折り返しを伴う等加速度直線運動の解析と走行距離の導出

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 別解1: \(v-t\) グラフを用いた解法(模範解答記載)
      • 模範解答のメイン解法が公式 \(v^2 – v_0^2 = 2ax\) を用いて位置を計算し、そこから距離を求めているのに対し、別解1では \(v-t\) グラフの面積から幾何学的に移動距離を求めます。
    • 別解2: 微積分を用いた体系的解法
      • 公式を前提とせず、加速度の定義 \(a = \frac{dv}{dt}\) と速度の定義 \(v = \frac{dx}{dt}\) に基づき、積分計算によって速度と位置の関数を導出し、道のりの定義 \(\int |v| dt\) に従って解を求めます。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 別解1は、運動の様子(どこで折り返したか、どれだけ進んで戻ったか)を視覚的に捉えやすく、計算ミスを防ぎやすい実戦的な解法です。
    • 別解2は、公式の丸暗記から脱却し、物理現象を数学的な原理から記述する普遍的なアプローチを身につけることができるためです。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

鍵となる物理法則や概念:

  • 等加速度直線運動の公式:速度と時間の関係 \(v = v_{\text{初}} + at\)、速度と位置の関係 \(v^2 – v_{\text{初}}^2 = 2ax\)。
  • 折り返し点の条件:物体が進行方向を変える瞬間、速度は必ず \(0\) になります(\(v=0\))。
  • 変位と走行距離(道のり)の違い:変位は「最初と最後の位置の差」ですが、走行距離は「実際に動いた軌跡の長さ」です。折り返しがある場合、前進した距離と後退した距離を別々に求めて足し合わせる必要があります。

基本的なアプローチ:

  • 速度の公式を用いて、指定された速度になるまでの時間を求めます。
  • 折り返し点(\(v=0\))の位置と、最終的な位置をそれぞれ求めます。
  • それらの位置関係から、実際に走行した総距離を計算します。

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