- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- 気柱の固有振動の図
- 振動の名前
- 覚えるべき公式と覚えなくていい公式
気柱の振動は2パターンある
フルートのような木管楽器やリコーダーは、中が空洞になっています。
そこに息をうまく吹き入れると、楽器内の気体が振動してキレイな音が鳴ります。
楽器内の空洞は気体の柱のようになってるので、気柱と呼びましょう。
弦の固有振動と同じように、気柱の振動で覚えておくべき特徴があります。
- 気柱の種類は2種類
- 閉管と開管部分で振動の仕方が違う
閉管タイプ(コップタイプ)
小さい頃に、ビンにうまいこと息を吹き入れて「ボ~~」と音を鳴らしたことありませんか?
これも気柱の固有振動です。
- 注ぎ口の部分は、穴が開いている
- 底の部分は塞がっている
片側が開いていて、もう片側が閉じているものを閉管と呼びます。
開管タイプ(リコーダータイプ)
リコーダーや木管楽器は、息を吹き入れることで音が鳴ります。
- 吹く部分に穴が開いている
- リコーダーの底の部分にも穴が開いている
両側とも塞がっていないものを開管と呼びます。
縦波を横波に変えて定常波の図を描く
気柱の振動は、中の空気が媒質となって縦波の振動をします。
しかし縦波の振動を静止画にすると、いまどういう振動状態なのか分かりにくいです。
そこで縦波を横波に描きかえることで、弦の振動と同じように考えれるようになります。
気柱の振動では、定常波の図を描けるようにするのが目標です。
次の特徴を意識しながら図をチェックしていきましょう!
- 管が閉じてるところは節
- 管が開いてるところは腹
閉管タイプの図
左側は管が閉じているので節、右側は管が開いてるので腹というルールを守りながら図を描きます。
基本振動
これが閉管の基本形です。
腹が1つだけの状態を基本振動と呼びます。
2倍振動はルール違反になる
閉管の基本形を2つ描いて2倍振動を作ろうとすると、管が開いてるところが節になってしまいます。
これでは気柱の振動のルール違反になるので、2倍振動は存在しません!
3倍振動
振動数を大きくしていくと、このような定常波ができあがります。
基本振動の状態から、腹が1つ増えます。
1回ねじった形というイメージでも大丈夫です。
基本形が3個分あるので3倍振動と覚えておきましょう!
4倍振動もルール違反になる
閉管の基本形を4つ描いて4倍振動を作ろうとすると、管が開いてるところが節になってしまいます。
これでは気柱の振動のルール違反になるので、4倍振動も存在しません!
5倍振動
さらに振動数を大きくしていくと、このような定常波ができあがります。
3倍振動の状態から、腹が1つ増えます。
基本形が5個分あるので5倍振動と覚えておきましょう!
開管タイプの図
左側も右側も管が開いてるので腹というルールを守りながら図を描きます。
基本振動
これが開管のときの基本形です。
管の両側が腹になるので、真ん中に節が1個あります。
2倍振動
振動数を大きくしていくと、このような定常波ができあがります。
基本振動の状態から節が1個増えた形です。
閉管の基本形が2個あるので2倍振動と覚えておきましょう!
3倍振動
さらに振動数を大きくしていくと、このような定常波ができあがります。
2倍振動の状態から、さらに節が1個増えた形です。
閉管の基本形が3個あるので3倍振動と覚えておきましょう!
気柱の振動で覚える公式は1つだけ
気柱の振動では、次の公式のみ覚えておけば十分です。
教科書で紹介されている以下の4つの公式は、作図と \(v=fλ\) のみで簡単に作れるので覚える必要ありません!
【閉管の振動】
\(\displaystyle λ_m=\frac{4l}{2m-1}\) , \(\displaystyle f_m=\frac{2m-1}{4l}V\)
(\(m=1,2,3,・・・\))
【開管の振動】
\(\displaystyle λ_m=\frac{2l}{m}\) , \(\displaystyle f_m=\frac{m}{2l}V\)
(\(m=1,2,3,・・・\))
実際に \(v=fλ\) のみで問題を解いてるようすをチェックしてみましょう。
まとめ
- 管が閉じてるところは節、開いてるところは腹
- 基本振動の形を覚えて、〇倍振動は「基本振動〇個分」で調べる
- \(v=fλ\)だけ覚えておく
例題