「リードα 物理基礎・物理 改訂版」徹底解説!【第28章】基本問題483~494

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基本問題

483 電気素量

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「ミリカンの実験のデータ解析」です。ミリカンの実験によって得られた複数の油滴の電気量のデータから、物理学における基本定数の一つである「電気素量 \(e\)」を推定する、という思考過程を追体験する問題です。この問題の核心は、「全ての電荷は電気素量 \(e\) の整数倍である」という「電荷の量子性」の概念を理解し、実験データに含まれる誤差を考慮しながら、最も確からしい \(e\) の値を統計的に導き出すことにあります。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 電荷の量子性: この世の全ての物体が持つ電気量は、電気素量 \(e\) という最小単位の整数倍 (\(q=ne\), \(n\) は整数) になっている、という物理学の大原則を理解していること。
  2. 最大公約数の考え方: 与えられた複数の数値が、ある共通の基本単位の整数倍であると仮定したとき、その基本単位を推定する考え方。数学における最大公約数を見つける作業に似ています。
  3. 実験データの誤差: 実際の実験データには必ず誤差が含まれるため、データ間の差や比がきれいな整数にならないことを理解し、最も近い整数を推測する必要があること。
  4. 統計的な処理: 複数のデータから最も確からしい値を求めるために、平均値をとるという統計的な手法の有効性を理解していること。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. まず、与えられた電気量のデータが、ある基本単位 \(e\) の整数倍になっていると仮定します。
  2. 隣り合うデータの差をとることで、基本単位 \(e\) のおおよその値(近似値)を見つけ出します。差が \(e\) の整数倍になることを利用します。
  3. 得られた \(e\) の近似値(約 \(1.6 \times 10^{-19}\))を使って、元の各データが \(e\) のおよそ何倍になっているか(整数 \(n\))を推測します。
  4. 最後に、全てのデータの合計値を、推測した整数 \(n\) の合計値で割ることで、より精度の高い \(e\) の平均値を算出し、有効数字を整えて答えます。

実験データからの電気素量の推定

思考の道筋とポイント
この問題は、純粋な物理法則の適用というよりは、実験データの解釈と統計的な処理能力が問われる問題です。中心となる考え方は「電荷の量子性」、すなわち「どんな電気量も、”電気の粒”である電気素量 \(e\) が何個か集まったものである」というものです。
したがって、与えられた5つのデータは、すべて \(e\) の整数倍 (\(n_1 e, n_2 e, n_3 e, \dots\)) になっているはずです。もしデータに誤差がなければ、これらの数値の最大公約数が \(e\) になるはずです。
しかし、実際のデータには誤差が含まれているため、きれいな整数倍にはなっていません。そこで、まずはデータ間の差をとることで、\(e\) のおおよその見当をつけます。例えば、\(n_2 e\) と \(n_1 e\) の差は \((n_2 – n_1)e\) となり、これも \(e\) の整数倍になるはずだからです。
この近似値を使って、各データが \(e\) の何倍(整数 \(n\))に最も近いかを推定し、最後に全データの情報を使って平均値を計算することで、誤差の影響を減らした、より信頼性の高い \(e\) の値を求めます。
この設問における重要なポイント

  • 全てのデータ \(q_i\) は、ある整数 \(n_i\) を用いて \(q_i \approx n_i e\) と表せる。
  • 隣り合うデータの差 \(q_{i+1} – q_i\) は、\(e\) の(小さな)整数倍の近似値を与える。
  • 誤差の影響を最小化するため、最終的には全てのデータを用いた平均計算を行う。

具体的な解説と立式
与えられた5つの油滴の電気量のデータを \(q_1, q_2, q_3, q_4, q_5\) とします。
\(q_1 = 4.74 \times 10^{-19} \, \text{C}\)
\(q_2 = 6.41 \times 10^{-19} \, \text{C}\)
\(q_3 = 7.95 \times 10^{-19} \, \text{C}\)
\(q_4 = 11.27 \times 10^{-19} \, \text{C}\)
\(q_5 = 14.31 \times 10^{-19} \, \text{C}\)

ステップ1: 隣り合うデータの差を計算し、\(e\) の近似値を得る

これらのデータは \(e\) の整数倍のはずなので、その差も \(e\) の整数倍になるはずです。
$$
\begin{aligned}
q_2 – q_1 &= (6.41 – 4.74) \times 10^{-19} \\[2.0ex]
&= 1.67 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
q_3 – q_2 &= (7.95 – 6.41) \times 10^{-19} \\[2.0ex]
&= 1.54 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
q_4 – q_3 &= (11.27 – 7.95) \times 10^{-19} \\[2.0ex]
&= 3.32 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
q_5 – q_4 &= (14.31 – 11.27) \times 10^{-19} \\[2.0ex]
&= 3.04 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
これらの差を見ると、\(1.67 \times 10^{-19}\) と \(1.54 \times 10^{-19}\) は非常に近い値です。また、\(3.32 \times 10^{-19}\) は \(1.66 \times 10^{-19}\) の2倍、\(3.04 \times 10^{-19}\) は \(1.52 \times 10^{-19}\) の2倍に近いです。
これらのことから、電気素量 \(e\) の値はだいたい \(1.6 \times 10^{-19} \, \text{C}\) 付近であると見当がつきます。これを \(e\) の近似値 \(e_{\text{近似}}\) とします。
$$ e_{\text{近似}} \approx 1.6 \times 10^{-19} \, \text{C} $$

ステップ2: 各データが \(e\) の何倍かを推定する

この近似値 \(e_{\text{近似}}\) を使って、各データ \(q_i\) が \(e\) の何倍 (\(n_i\)) に相当するかを計算します。
まず \(q_1\) について、
$$
\begin{aligned}
n_1 &\approx \frac{q_1}{e_{\text{近似}}} \\[2.0ex]
&= \frac{4.74 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&\approx 2.96
\end{aligned}
$$
よって、最も近い整数は \(n_1=3\) と推測されます。

同様に、\(q_2\) について、
$$
\begin{aligned}
n_2 &\approx \frac{q_2}{e_{\text{近似}}} \\[2.0ex]
&= \frac{6.41 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&\approx 4.01
\end{aligned}
$$
よって、最も近い整数は \(n_2=4\) と推測されます。

\(q_3\) について、
$$
\begin{aligned}
n_3 &\approx \frac{q_3}{e_{\text{近似}}} \\[2.0ex]
&= \frac{7.95 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&\approx 4.97
\end{aligned}
$$
よって、最も近い整数は \(n_3=5\) と推測されます。

\(q_4\) について、
$$
\begin{aligned}
n_4 &\approx \frac{q_4}{e_{\text{近似}}} \\[2.0ex]
&= \frac{11.27 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&\approx 7.04
\end{aligned}
$$
よって、最も近い整数は \(n_4=7\) と推測されます。

\(q_5\) について、
$$
\begin{aligned}
n_5 &\approx \frac{q_5}{e_{\text{近似}}} \\[2.0ex]
&= \frac{14.31 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \\[2.0ex]
&\approx 8.94
\end{aligned}
$$
よって、最も近い整数は \(n_5=9\) と推測されます。

このように、各データはそれぞれ \(e\) の3, 4, 5, 7, 9倍に相当すると強く推測されます。

ステップ3: 全データを用いて平均値を計算する

各データ \(q_i\) は \(n_i e\) に等しいはずなので、\(e = \displaystyle\frac{q_i}{n_i}\) です。誤差をならしてより正確な値を求めるため、全てのデータの総和を、対応する整数 \(n_i\) の総和で割るという平均計算を行います。
$$ e = \frac{q_1+q_2+q_3+q_4+q_5}{n_1+n_2+n_3+n_4+n_5} $$

使用した物理公式

  • 電荷の量子性: \(q = ne\)
計算過程

ステップ3で立てた式に、数値と推定した整数を代入します。
$$
\begin{aligned}
e &= \frac{(4.74 + 6.41 + 7.95 + 11.27 + 14.31) \times 10^{-19}}{3 + 4 + 5 + 7 + 9} \\[2.0ex]
&= \frac{44.68 \times 10^{-19}}{28} \\[2.0ex]
&= 1.5957… \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
問題の指示に従い、有効数字3桁で答えます。小数第4位を四捨五入すると、
$$ e \approx 1.60 \times 10^{-19} \, \text{C} $$

この設問の平易な説明

この問題は、宝探しの暗号解読に似ています。5つの宝のありか(電気量のデータ)が示されていますが、どれも少しずつずれています(誤差)。しかし、これらの宝はすべて「同じ歩幅(電気素量 \(e\))」で測った場所にある、というルール(電荷の量子性)があります。
まず、隣り合う宝の間の距離(データの差)を測ってみると、だいたい「1.6歩」かその2倍くらいになっていることがわかります。ここから、基本となる「1歩」はだいたい1.6くらいだろう、と見当をつけます。
次に、この「1歩=1.6」という情報を使って、それぞれの宝がスタート地点から何歩目にあるのか(\(e\)の何倍か)を推定します(3歩、4歩、5歩、7歩、9歩)。
最後に、5つの宝の場所の合計距離を、歩数の合計で割ることで、より正確な「1歩の長さ(電気素量 \(e\))」を計算します。たくさんのデータで平均をとることで、一つ一つのズレ(誤差)の影響を小さくできる、というわけです。

結論と吟味

実験データから、電気素量 \(e\) は \(1.60 \times 10^{-19} \, \text{C}\) と求められました。これは現在知られている電気素量の値と非常によく一致しており、与えられたデータと解析手法が妥当であったことを示しています。この問題は、物理法則が実験データの中からどのように見出されていくのか、その一端を体験できる良問です。

解答 \(1.60 \times 10^{-19} \, \text{C}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
  • 電荷の量子性(電気量の不連続性):
    • 核心: この問題の根底にある唯一の、そして最も重要な物理法則は「電荷の量子性」です。これは、どんな物体が持つ電気量も、電気素量 \(e\) という最小単位(電気の”粒”)が整数個集まったもの(\(q=ne\), \(n\)は整数)であり、\(1.5e\) のような中途半端な電気量は存在しない、という物理学の根幹をなす原理です。
    • 理解のポイント:
      • この原理があるからこそ、与えられたバラバラに見えるデータ群に「\(e\) の整数倍」という共通の規則性を見出すことができます。
      • データ間の差を取ったり、各データをある値で割ったりする操作は、すべてこの「電荷の量子性」という法則を信じているからこそ行える、意味のある解析手法となります。問題の全てのステップは、この法則を証明・確認するための手順そのものです。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 原子スペクトルの解析: 原子が放出する光の波長(またはエネルギー)は、とびとびの値(輝線スペクトル)をとります。これらのエネルギーの値から、原子のエネルギー準位という基本構造を推定する問題は、本問と考え方が似ています。
    • 結晶構造の解析: X線回折などで得られたデータから、結晶格子における原子の繰り返し単位(格子定数)を求める問題も、測定データから基本単位を推定するという点で共通しています。
    • より誤差の大きいデータ: 与えられるデータの誤差がもっと大きい場合、隣り合う差を取るだけでは \(e\) の近似値が分かりにくくなります。その場合は、全てのデータをお互いに割り算してみて、その比が簡単な整数比(例: 3:4, 4:5)に近くなるような基本単位を探す、といったより高度な解析が必要になることもあります。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. データの性質を考える: まず、与えられたデータが「連続的な値」をとるものか、「とびとびの値(量子化された量)」をとるものかを見極めます。「電気量」「エネルギー準位」などは後者の典型例です。
    2. 基本単位のあたりをつける: データがとびとびの値なら、その基本単位(最小単位)がいくらくらいか、あたりをつけます。その最も簡単な方法が「隣り合うデータの差をとる」ことです。差は、基本単位の1倍、2倍、…といった小さな整数倍になる可能性が高いためです。
    3. 各データが基本単位の何倍かを推定する: あたりをつけた基本単位で、元のデータを一つずつ割ってみて、最も近い整数を求めます。この整数が、そのデータが基本単位何個分に相当するかを示します。
    4. 統計処理で精度を上げる: 最後に、全てのデータを使って平均値を計算します。これは、個々のデータに含まれる測定誤差の影響を、平均化によって打ち消し合い、より信頼性の高い値を求めるための常套手段です。油滴の電気量の合計を、対応する整数の合計で割るという計算はその典型です。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
  • 単純な平均値の計算:
    • 誤解: 与えられた5つの数値を単純に足して5で割る、という算術平均を計算してしまう。
    • 対策: もし単純な算術平均をとると、\(e\) の3倍のデータも9倍のデータも同じ重みで扱ってしまい、物理的に意味のない値が出てしまいます。この問題のデータは「同じものを5回測定した」のではなく、「\(e\) の異なる整数倍を測定した」ものであることを理解することが重要です。したがって、それぞれのデータが \(e\) の何倍であるかを考慮した「重み付き」の平均(今回の場合は、電気量の合計を整数の合計で割る)を計算しなければなりません。
  • 整数倍の推定ミス:
    • 誤解: \(e\) の近似値を求める際に、隣り合う差だけを見て判断を誤る。例えば、\(q_4 – q_3 = 3.32 \times 10^{-19}\) を \(e\) の1倍だと勘違いしてしまう。
    • 対策: 複数の差(\(1.67, 1.54, 3.32, 3.04\))を総合的に見ることが重要です。明らかに他の値の2倍程度になっているものがあれば、それは基本単位の2倍であると考えるのが自然です。最も小さい差(この場合は \(1.54\))が基本単位の候補になります。
  • 有効数字の扱い:
    • 誤解: 計算の途中で数値を丸めすぎてしまい、最終的な答えに誤差が生じる。または、最終的な答えの有効数字を間違える。
    • 対策: 計算途中では、求められている有効数字(3桁)よりも1桁多く(4桁程度)保持して計算を進めるのが鉄則です。最終的な答えを出す段階で、初めて指定された有効数字に四捨五入します。今回の場合、\(1.5957…\) を計算してから、最後に \(1.60\) とします。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
  • 平均値の計算方法の選定:
    • 選定理由: この問題の目的は、誤差を含む複数の測定値 \(q_i\) と、それに対応すると推測される整数 \(n_i\) の組(\((q_1, n_1), (q_2, n_2), \dots\))から、最も確からしい基本単位 \(e\) を一つ決定することです。もし \(q_i = n_i e\) という関係が誤差なく成り立つなら、どの組から計算した \(e = q_i / n_i\) も同じ値になるはずです。しかし、実際には誤差があるため、\(q_1/n_1, q_2/n_2, \dots\) は微妙に異なる値になります。これらの情報すべてを公平に利用して \(e\) の最良の推定値を得るための最も標準的な統計的手法が、本問で用いた平均計算です。
    • 適用根拠: この計算は、\(q_1+q_2+q_3+q_4+q_5 = (n_1+n_2+n_3+n_4+n_5)e\) という関係式を立て、それを \(e\) について解いているのと同じです。これは、測定された総電気量は、関与した総電子数に比例するという考えに基づいています。個々の測定の誤差がランダム(あるものは少し大きく、あるものは少し小さく測定される)であると仮定すれば、多数の測定値を合計して平均をとることで、これらの誤差が互いに打ち消し合い、真の値に近づくことが期待されます。これは最小二乗法の考え方にも通じる、科学的なデータ処理の基本です。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
  • 計算前の見通しを立てる:
    1. 差をとって、\(e\) のオーダー(だいたい \(1.6 \times 10^{-19}\) くらい)を把握する。
    2. 各データがその何倍かを推定する。
    3. 最後に合計して割り算する、という計算の流れを頭の中で組み立ててから、実際の計算に取り掛かると、手順を間違えにくくなります。
  • 和の計算は筆算で確実に: 小数点を含む足し算(\(4.74 + 6.41 + \dots\))は、焦ると位を間違えやすいです。試験の際には、問題用紙の隅などで筆算を丁寧に行い、検算をすることが重要です。
  • 割り算の工夫: \(44.68 \div 28\) のような割り算は、暗算しようとせず筆算を実行しましょう。あるいは、\(44.68 \div 28 \approx 45 \div 30 = 1.5\) のように、おおよその値を予測してから計算すると、桁を間違えるなどの大きなミスに気づきやすくなります。

484 光電効果

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「光電効果」です。これは、光が粒子(光子)としての性質を持つことを示す重要な現象であり、量子力学の扉を開いた歴史的なテーマの一つです。光電効果に関する基本的な用語と、そのエネルギー関係を記述するアインシュタインの光電方程式を正しく理解しているかが問われます。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光量子仮説: 光は、振動数 \(\nu\) に比例するエネルギー \(E=h\nu\) を持つ「光子」という粒子の集まりである、という考え方を理解していること(\(h\) はプランク定数)。
  2. 仕事関数: 金属内の電子を、金属の外に引き出すために必要な最小のエネルギーのことを「仕事関数 \(W\)」と呼ぶことを知っていること。これは金属の種類によって決まる固有の値です。
  3. 光電効果のエネルギー保存: 1個の光子が1個の電子にエネルギーを渡し、そのエネルギーが「電子を外に出すための仕事(仕事関数)」と「飛び出した電子の運動エネルギー」に分配される、というエネルギー保存則を理解していること。
  4. 限界振動数: 光電効果を起こす(電子を飛び出させる)ために必要な、最低限の光の振動数のこと。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (ア)から(ウ)は、光電効果に関する基本的な用語や公式の知識を問う問題です。光量子仮説、仕事関数、光電効果という現象名を正しく答えます。
  2. (エ)は、アインシュタインの光電方程式そのものです。光子のエネルギーが、仕事関数と電子の運動エネルギーにどう分配されるかを考え、式を立てます。
  3. (オ)は、(エ)で立てた光電方程式を利用して、光電効果が起こるための条件(電子がギリギリ飛び出せる条件)から、限界振動数 \(\nu_0\) を導出します。

問(ア)

思考の道筋とポイント
光が粒子としての性質を持つと考える「光量子仮説」における、光子1個のエネルギーの定義式を答える問題です。光子のエネルギー \(E\) は、その光の振動数 \(\nu\) と、物理学の基本定数であるプランク定数 \(h\) に比例することが知られています。
この設問における重要なポイント

  • 光量子仮説:光はエネルギーの塊である「光子」の集まりである。
  • 光子1個のエネルギーは、振動数 \(\nu\) に比例し、その比例定数がプランク定数 \(h\) である。

具体的な解説と立式
光量子仮説によれば、振動数 \(\nu\) の光を構成する光子1個が持つエネルギー \(E\) は、プランク定数 \(h\) を用いて次のように表されます。
$$ E = h\nu $$

使用した物理公式

  • 光子のエネルギーの式: \(E = h\nu\)
計算過程

この設問では立式のみが求められており、これ以上の計算は不要です。

この設問の平易な説明

光を波ではなく、「エネルギーを持った小さな粒(光子)」の集まりだと考えてみましょう。この光子1個が持っているエネルギーの大きさは、その光の振動数(1秒間に何回振動するか)に比例します。その比例関係を表すための「つなぎ役」の定数が、プランク定数 \(h\) です。したがって、エネルギーは「\(h \times \nu\)」と計算されます。

結論と吟味

光子1個のエネルギーは \(h\nu\) と表されます。これは現代物理学の根幹をなす公式の一つです。

解答 (ア) \(h\nu\)

問(イ)

思考の道筋とポイント
金属の内部にある電子を、金属の外側まで引っ張り出すのに必要な最小エネルギーの名称を答える問題です。これは、電子が金属原子核から受ける引力に逆らって仕事をする必要があるためで、このエネルギーの障壁のことを「仕事関数」と呼びます。
この設問における重要なポイント

  • 金属内の電子は、原子核のプラスの電荷によって束縛されている。
  • 電子を金属外に解放するには、この束縛を断ち切るためのエネルギーが必要。
  • この必要最低限のエネルギーを「仕事関数」と定義する。

具体的な解説と立式
金属内の電子を外部に放出させるために必要な仕事の最小値を、仕事関数といいます。記号では通常 \(W\) で表されます。

使用した物理公式

  • (用語の定義)
計算過程

この設問は用語を答える問題であり、計算は不要です。

この設問の平易な説明

金属の中にある電子は、金属に「縛り付けられている」ような状態です。この電子を金属の外に連れ出すには、入場料のような「最低限必要なエネルギー」を支払わなければなりません。この入場料にあたるエネルギーのことを「仕事関数」と呼びます。

結論と吟味

電子を金属外に飛び出させるために必要な仕事の最小値は「仕事関数」です。

解答 (イ) 仕事関数

問(ウ)

思考の道筋とポイント
金属に光を当てたときに、電子が金属の表面から飛び出してくる現象の名称を答える問題です。この現象は「光電効果」として知られています。
この設問における重要なポイント

  • 光が原因で、電子が放出される現象である。
  • この現象は、光が粒子(光子)として電子に衝突すると考えるとうまく説明できる。

具体的な解説と立式
金属に特定の振動数以上の光を照射すると、金属表面から電子が放出される現象、これを光電効果と呼びます。

使用した物理公式

  • (用語の定義)
計算過程

この設問は用語を答える問題であり、計算は不要です。

この設問の平易な説明

金属に光を当てると、中から電子が飛び出してくる現象があります。これは、光の粒(光子)が金属の中の電子にぶつかり、エネルギーを与えて外に弾き飛ばす、というイメージです。この現象そのものを「光電効果」と呼びます。

結論と吟味

光によって電子が飛び出す現象は「光電効果」です。

解答 (ウ) 光電効果

問(エ)

思考の道筋とポイント
光電効果におけるエネルギー保存則を数式で表現する問題です。金属中の電子が、エネルギー \(h\nu\) を持つ光子1個を吸収します。このエネルギーのうち、まず仕事関数 \(W\) が電子を金属外に引き出すために使われます。そして、残ったエネルギーが、飛び出した電子の運動エネルギーになります。この関係を式に表します。飛び出す電子の運動エネルギーが最大になるのは、仕事関数が最小値 \(W\) で済んだ場合です。
この設問における重要なポイント

  • エネルギー保存則:(光子が与えたエネルギー) = (外に出るための仕事) + (飛び出した電子の運動エネルギー)
  • 運動エネルギーが最大値 \(K_0\) となるのは、仕事が最小値 \(W\) で済んだとき。
  • したがって、\(h\nu = W + K_0\) という関係が成り立つ。

具体的な解説と立式
アインシュタインの光電方程式によれば、光子1個のエネルギー \(h\nu\) は、電子を飛び出させるための仕事関数 \(W\) と、飛び出した電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) の和に等しくなります。
$$ h\nu = W + K_0 $$
この式を、問題で問われている \(K_0\) について解きます。
$$ K_0 = h\nu – W $$

使用した物理公式

  • アインシュタインの光電方程式: \(h\nu = W + K_0\)
計算過程

この設問では立式のみが求められており、これ以上の計算は不要です。

この設問の平易な説明

光の粒(光子)が持っているエネルギー(\(h\nu\))を、電子が丸ごともらいます。電子はこのエネルギーを使って、まず金属から抜け出すための入場料(仕事関数 \(W\))を支払います。そして、お財布に残ったお金が、電子が外の世界で走り回るための運動エネルギー(\(K_0\))になります。この関係は「もらったお金 = 入場料 + 残りのお金」という式で表せます。

結論と吟味

飛び出す電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) は \(h\nu – W\) と表されます。これは光電効果の最も重要な関係式です。

解答 (エ) \(h\nu – W\)

問(オ)

思考の道筋とポイント
光電効果が起こる、すなわち電子が金属から飛び出してくるためのギリギリの条件を考えます。電子が飛び出すためには、その運動エネルギーが正でなければなりません(\(K_0 > 0\))。もし運動エネルギーがゼロ(\(K_0 = 0\))なら、電子は金属表面までたどり着いただけで、飛び出すことはできません。したがって、\(K_0 > 0\) が光電効果の条件となります。この条件を(エ)で求めた式に適用し、振動数 \(\nu\) が満たすべき条件を導きます。その条件を満たす最低の振動数が限界振動数 \(\nu_0\) です。
この設問における重要なポイント

  • 光電効果が起こる条件は、飛び出す電子の運動エネルギーが正であること、すなわち \(K_0 > 0\)。
  • ギリギリ飛び出す限界の条件は \(K_0 = 0\) と考えられる。
  • このときの振動数 \(\nu_0\) を限界振動数という。

具体的な解説と立式
(エ)で求めた光電方程式は \(K_0 = h\nu – W\) です。
電子が飛び出すためには、その運動エネルギー \(K_0\) が正である必要があります。
$$ K_0 > 0 $$
したがって、
$$ h\nu – W > 0 $$
が成り立たなければなりません。これを \(\nu\) について解くと、
$$ h\nu > W $$
$$ \nu > \frac{W}{h} $$
となります。
つまり、光の振動数 \(\nu\) が \(\displaystyle\frac{W}{h}\) という値より大きいときに光電効果が起こります。この、光電効果が起こるか起こらないかの境目となる振動数が限界振動数 \(\nu_0\) なので、
$$ \nu_0 = \frac{W}{h} $$
と定義されます。

使用した物理公式

  • 光電効果の式: \(K_0 = h\nu – W\)
  • 光電効果が起こる条件: \(K_0 > 0\)
計算過程

この設問では立式のみが求められており、これ以上の計算は不要です。

この設問の平易な説明

電子が金属から飛び出すためには、もらったエネルギー(\(h\nu\))が、出ていくための入場料(\(W\))よりも大きくないといけません。つまり「もらったお金 > 入場料」が条件です。この条件を満たすギリギリのライン、つまり「もらったお金 = 入場料」となる瞬間の振動数が「限界振動数 \(\nu_0\)」です。この関係を式にすると \(h\nu_0 = W\) となり、これを \(\nu_0\) について解けば答えが求まります。

結論と吟味

限界振動数 \(\nu_0\) は \(\displaystyle\frac{W}{h}\) と表されます。これは、仕事関数 \(W\) が大きい金属ほど、電子を飛び出させるためにより高い振動数(=よりエネルギーの大きい光子)の光が必要になる、という物理的な直感と一致する妥当な結果です。

解答 (オ) \(\displaystyle\frac{W}{h}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
  • 光の粒子性とエネルギー保存則:
    • 核心: この問題の根幹は、アインシュタインが提唱した「光量子仮説」と、それに基づく「エネルギー保存則」を理解することです。すなわち、「光はエネルギー \(E=h\nu\) を持つ粒(光子)であり、そのエネルギーが電子に吸収され、仕事関数と運動エネルギーに分配される」という一連の物理モデルを把握することが全てです。
    • 理解のポイント:
      • 光子のエネルギー (\(h\nu\)): 入力されるエネルギー。光の振動数 \(\nu\) が大きいほど、光子1個のエネルギーは大きい。
      • 仕事関数 (\(W\)): 電子を金属から引き剥がすために消費される、一種の「コスト」や「束縛エネルギー」。金属の種類で決まる定数。
      • 運動エネルギー (\(K_0\)): 残ったエネルギー。これが電子の飛び出す勢いになる。
      • エネルギー保存式(光電方程式): \(h\nu = W + K_0\)。この式は、光電効果という現象におけるエネルギーの収支を完璧に説明する、この分野で最も重要な式です。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
  • 応用できる類似問題のパターン:
    • グラフの読み取り問題: 横軸に振動数 \(\nu\)、縦軸に運動エネルギーの最大値 \(K_0\) をとったグラフが登場する問題。光電方程式 \(K_0 = h\nu – W\) は、\(\nu\) を変数とみると傾きが \(h\)、\(y\)切片(縦軸切片)が \(-W\) の一次関数のグラフになります。グラフからプランク定数 \(h\) や仕事関数 \(W\) を読み取る問題は頻出です。
    • 波長 \(\lambda\) を用いた問題: 光の基本式 \(c = \nu\lambda\)(\(c\)は光速)を使うと、光子のエネルギーは \(E = h\nu = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) とも表せます。振動数 \(\nu\) の代わりに波長 \(\lambda\) で条件が与えられる問題も多く、その場合はこの関係式を使って変換する必要があります。限界振動数 \(\nu_0\) に対応する「限界波長 \(\lambda_0\)」を求める問題も同様です。
    • 阻止電圧(遮断電圧)を求める問題: 飛び出してくる光電子を、逆向きの電場で止めるために必要な電圧 \(V_s\) を阻止電圧といいます。電子を止めるということは、電場がする仕事 \(eV_s\) が電子の運動エネルギー \(K_0\) に等しくなるということなので、\(K_0 = eV_s\) という関係があります。これと光電方程式を組み合わせることで、\(eV_s = h\nu – W\) という関係式が得られ、阻止電圧を計算する問題に応用できます。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. エネルギーの流れをイメージする: 「光子(エネルギー \(h\nu\))が電子に衝突 → 仕事関数 \(W\) が支払われる → 残りが運動エネルギー \(K_0\) になる」という一連のストーリーを頭に描きます。
    2. 光電方程式を書き出す: 光電効果に関する問題だと分かったら、まず \(K_0 = h\nu – W\) という基本式を書き出します。これが全ての思考の出発点になります。
    3. 条件を式に反映させる: 問題文の条件が何を意味するかを考え、式に代入します。
      • 「電子が飛び出すかどうか」→ \(K_0 > 0\) かどうか。
      • 「限界振動数(ギリギリ飛び出す)」→ \(K_0 = 0\) のときの振動数。
      • 「波長 \(\lambda\) が与えられた」→ \(\nu = c/\lambda\) を代入する。
      • 「阻止電圧 \(V_s\) が与えられた」→ \(K_0 = eV_s\) を代入する。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
  • 仕事関数と運動エネルギーの混同:
    • 誤解: 光子のエネルギーが全て運動エネルギーになると考えてしまう(\(K_0 = h\nu\))。あるいは、仕事関数を足してしまう(\(K_0 = h\nu + W\))。
    • 対策: 仕事関数 \(W\) は、電子が金属から「脱出するための通行料」として必ず支払わなければならないコストである、というイメージを強く持つことが重要です。もらったエネルギー \(h\nu\) から、まずコスト \(W\) が引かれ、その「残り」が運動エネルギー \(K_0\) になる、というエネルギーの流れを常に意識しましょう。
  • 振動数と波長の関係の混同:
    • 誤解: エネルギーは波長に比例する、と勘違いしてしまう。
    • 対策: エネルギー \(E=h\nu\) は振動数 \(\nu\) に比例します。光の速さ \(c\) は一定なので、\(c=\nu\lambda\) より、\(\nu\) と \(\lambda\) は反比例の関係にあります。したがって、エネルギーは波長 \(\lambda\) には「反比例」します(\(E = hc/\lambda\))。「振動数が大きい(波長が短い)光ほどエネルギーが高い」と覚えておきましょう。紫外線が日焼けの原因になるのは、可視光線より振動数が高く、エネルギーが大きいからです。
  • 限界振動数の条件の立て間違い:
    • 誤解: 限界振動数を求めるときに、\(h\nu_0 = W\) という関係を忘れ、どう立てていいか分からなくなる。
    • 対策: 「限界」とは「ギリギリ飛び出す」状況、つまり「飛び出すための運動エネルギーがちょうどゼロになる」状況だと考えます。光電方程式 \(K_0 = h\nu – W\) に \(K_0=0\) を代入すれば、自ずと \(0 = h\nu_0 – W\)、すなわち \(h\nu_0 = W\) という条件式が導かれます。意味から式を導出する癖をつけると、公式を丸暗記する必要がなくなります。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
  • アインシュタインの光電方程式 \(K_0 = h\nu – W\):
    • 選定理由: この問題は「光電効果」という特定の物理現象を扱っており、この現象におけるエネルギーの収支を記述するために作られた専用の公式が、アインシュタインの光電方程式です。現象と公式が1対1で対応しているため、これを選択するのは必然です。
    • 適用根拠: この式は、より普遍的な「エネルギー保存則」を、光電効果という現象に特化させたものです。物理学の根幹をなすエネルギー保存則は、いかなる現象においても成り立ちます。光電効果では、(1)光子のエネルギー、(2)仕事関数(束縛からの解放エネルギー)、(3)電子の運動エネルギー、という3者がエネルギーの収支に関わっています。これらを「\((\text{初期エネルギー}) = (\text{消費エネルギー}) + (\text{最終エネルギー})\)」という保存則の枠組みに当てはめた結果が、この光電方程式なのです。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
  • 文字式のまま解く: この問題はすべて文字式で答えるため、具体的な数値計算はありません。しかし、文字式の変形においてもミスは起こりえます。
  • 移項の符号ミスに注意: \(h\nu = W + K_0\) から \(K_0\) を求める際に、\(W\) を左辺に移項するので \(K_0 = h\nu – W\) となります。単純な操作ですが、焦っていると符号を間違えがちです。一つ一つの操作を丁寧に行いましょう。
  • 求める変数について解く: (オ)で \(\nu_0\) を求める際、\(h\nu_0 = W\) という関係式から、両辺を \(h\) で割って \(\nu_0 = \displaystyle\frac{W}{h}\) とします。最終的に何について解くのかを明確に意識し、その文字だけが左辺に残るように、落ち着いて式を変形させることが重要です。

485 光電効果

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは、前問に引き続き「光電効果」です。今回は、光電効果の基本的な関係式を用いて、具体的な数値を計算する問題と、光の条件(波長、強さ)を変化させたときに光電子のエネルギーがどうなるかを定性的に考察する問題が含まれています。光電効果の物理モデルを正しく理解し、数式と物理現象を結びつけて考える力が問われます。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光子のエネルギー: 光の波長 \(\lambda\) が与えられた場合に、光子1個のエネルギーを \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) と計算できること。
  2. アインシュタインの光電方程式: 光電効果におけるエネルギー保存則 \(K_0 = h\nu – W = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) を理解し、適用できること。
  3. 光の強さと光子数: 光の「強さ」とは、単位時間あたりに単位面積を通過する光子の「数」に比例する量であり、光子1個あたりのエネルギーとは無関係であることを理解していること。
  4. 波長とエネルギーの関係: 光子のエネルギーは、波長が「短い」ほど「大きく」なるという反比例の関係を正しく把握していること。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、与えられた光の波長 \(\lambda\) と物理定数(プランク定数 \(h\)、光速 \(c\))を用いて、光子1個のエネルギー \(E\) を公式 \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) に代入して計算します。
  2. (2)では、(1)で求めた光子のエネルギー \(E\) と、問題で与えられた仕事関数 \(W\) を、光電方程式 \(K_0 = E – W\) に代入して、光電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) を計算します。
  3. (3)では、光電方程式を元に、(a)波長 \(\lambda\) を変化させた場合、(b)光の強さ(光子数)を変化させた場合に、\(K_0\) がどうなるかを分析します。

問(1)

思考の道筋とポイント
光子1個がもつエネルギー \(E\) を求める問題です。問題文では光の「波長 \(\lambda\)」が与えられています。光子のエネルギー公式 \(E=h\nu\) と、波の基本式 \(c=\nu\lambda\) を組み合わせることで、エネルギーを波長 \(\lambda\) で表す式 \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) を導き、これに与えられた数値を代入して計算します。
この設問における重要なポイント

  • 光子のエネルギーは \(E=h\nu\)。
  • 振動数 \(\nu\) と波長 \(\lambda\) の関係は \(\nu = \displaystyle\frac{c}{\lambda}\)。
  • 上記2式より、エネルギーを波長で表す式は \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\)。

具体的な解説と立式
光の波長を \(\lambda\)、プランク定数を \(h\)、真空中の光の速さを \(c\) とすると、光子1個がもつエネルギー \(E\) は、
$$ E = h\frac{c}{\lambda} $$
と表されます。

使用した物理公式

  • 光子のエネルギー: \(E = h\nu\)
  • 波の基本式: \(c = \nu\lambda\)
計算過程

上記で立てた式に、与えられた数値を代入します。
\(h = 6.6 \times 10^{-34} \, \text{J}\cdot\text{s}\)
\(c = 3.0 \times 10^8 \, \text{m/s}\)
\(\lambda = 3.3 \times 10^{-7} \, \text{m}\)
$$
\begin{aligned}
E &= \frac{(6.6 \times 10^{-34}) \times (3.0 \times 10^8)}{3.3 \times 10^{-7}} \\[2.0ex]
&= \frac{6.6 \times 3.0}{3.3} \times \frac{10^{-34} \times 10^8}{10^{-7}} \\[2.0ex]
&= (2.0 \times 3.0) \times 10^{-34+8-(-7)} \\[2.0ex]
&= 6.0 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
したがって、光子1個のエネルギーは \(6.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\) となります。

この設問の平易な説明

光の粒「光子」1個が持っているエネルギーを計算します。エネルギーの大きさは、光の波長が短いほど大きくなるという性質があります。その関係を表す公式 \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) に、問題文で与えられたプランク定数 \(h\)、光の速さ \(c\)、波長 \(\lambda\) の値をそのまま代入して計算します。

結論と吟味

光子1個のエネルギーは \(6.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\) と計算できました。これは非常に小さなエネルギーですが、原子や電子の世界では典型的な大きさの値です。

解答 (1) \(6.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\)

問(2)

思考の道筋とポイント
金属から飛び出す光電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) を求める問題です。これはアインシュタインの光電方程式 \(K_0 = (\text{光子のエネルギー}) – (\text{仕事関数})\) を用いて計算します。(1)で光子のエネルギー \(E\) は計算済みであり、仕事関数 \(W\) は問題文で与えられています。これらの値を代入するだけで答えが求まります。
この設問における重要なポイント

  • 光電効果のエネルギー保存則(光電方程式): \(K_0 = E – W\)。
  • (1)で求めた光子のエネルギー \(E\) を利用する。

具体的な解説と立式
アインシュタインの光電方程式より、飛び出す光電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) は、光子1個のエネルギーを \(E\)、金属の仕事関数を \(W\) として、
$$ K_0 = E – W $$
と表されます。

使用した物理公式

  • アインシュタインの光電方程式: \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\)
計算過程

上記で立てた式に、(1)で求めた \(E = 6.0 \times 10^{-19} \, \text{J}\) と、問題文で与えられた \(W = 3.7 \times 10^{-19} \, \text{J}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
K_0 &= (6.0 \times 10^{-19}) – (3.7 \times 10^{-19}) \\[2.0ex]
&= (6.0 – 3.7) \times 10^{-19} \\[2.0ex]
&= 2.3 \times 10^{-19}
\end{aligned}
$$
したがって、光電子の運動エネルギーの最大値は \(2.3 \times 10^{-19} \, \text{J}\) となります。

この設問の平易な説明

光の粒が電子に与えたエネルギー((1)で計算)から、電子が金属を抜け出すための通行料(仕事関数)を差し引いた残りが、電子が飛び出すときの運動エネルギーになります。単純な引き算で計算できます。

結論と吟味

運動エネルギーの最大値は \(2.3 \times 10^{-19} \, \text{J}\) となりました。光子のエネルギー \(E\) が仕事関数 \(W\) よりも大きい(\(6.0 > 3.7\))ため、電子は無事に飛び出すことができ、正の運動エネルギーを持つという、つじつまの合う結果になっています。

解答 (2) \(2.3 \times 10^{-19} \, \text{J}\)

問(3)

思考の道筋とポイント
光電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0\) が、光の条件によってどう変わるかを考える問題です。全ての思考の出発点は、光電方程式 \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) です。この式の中で、何が変化し、何が変化しないのかを分析します。

(a) 波長だけを短くしたとき

波長 \(\lambda\) が小さくなります。\(h, c, W\) は定数です。式の形から、分母である \(\lambda\) が小さくなると、分数 \(h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\)(光子のエネルギー)の値は大きくなります。その結果、\(K_0\) も大きくなります。

(b) 光の強さだけを増したとき

光の「強さ」を増すとは、光子1個あたりのエネルギーを変えずに、照射する光子の「数」を増やすことを意味します。光電効果は1個の光子と1個の電子の1対1のやりとりで決まる現象なので、光子1個のエネルギー \(h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) は変わりません。したがって、飛び出す電子1個あたりの運動エネルギーの最大値 \(K_0\) も変わりません。(ただし、飛び出す電子の数は増えます。)
この設問における重要なポイント

  • 全ての判断は光電方程式 \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) に基づいて行う。
  • 仕事関数 \(W\) は金属の種類で決まる定数であり、光の条件にはよらない。
  • (a) 波長 \(\lambda\) が短くなると、光子のエネルギー \(E\) は大きくなる。
  • (b) 光の強さは「光子の数」に対応し、「光子1個のエネルギー」には影響しない。

具体的な解説と立式
(a) 光電方程式 \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) において、\(h, c, W\) は定数です。波長 \(\lambda\) を短くすると、分母が小さくなるため、項 \(h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) は大きくなります。したがって、\(K_0\) は大きくなります。

(b) 光の強さを増しても、波長 \(\lambda\) は一定なので、光子1個のエネルギー \(E = h\displaystyle\frac{c}{\lambda}\) は変化しません。仕事関数 \(W\) も金属で決まっているので不変です。したがって、光電方程式 \(K_0 = E – W\) から計算される \(K_0\) の値も変化しません。

使用した物理公式

  • アインシュタインの光電方程式: \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\)
計算過程

この設問は定性的な変化を問うものであり、計算は不要です。

この設問の平易な説明

(a) 光の波長を短くすることは、電子にぶつかる光の粒を「より強力な(エネルギーの大きい)粒」に変えることに相当します。より多くのエネルギーをもらえれば、通行料を払った後の残りのお金(運動エネルギー)も増えるので、運動エネルギーは「大きく」なります。

(b) 光の強さを増すことは、「同じ強さの粒を、たくさんぶつける」ことに相当します。電子にぶつかるのは一度に1個の粒だけなので、粒の数が増えても、電子1個がもらえるエネルギーは変わりません。したがって、運動エネルギーは「変わらない」となります。(ただし、たくさんの電子が次々と飛び出してくるようにはなります。)

結論と吟味

(a) 大きくなる、(b) 変わらない、という結果は、光電効果の最も重要な性質を示しています。特に(b)は、光を波と考えると説明がつかない(強い波ほど大きなエネルギーを与えるはず)ため、光が粒子であることを示す強力な証拠となりました。

解答 (3) (a) 大きくなる (b) 変わらない

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
  • 光電方程式の定量的・定性的理解:
    • 核心: この問題は、アインシュタインの光電方程式 \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) を、単なる公式として覚えるだけでなく、その意味を深く理解し、具体的な数値計算(定量的側面)と、条件変化に対する結果の予測(定性的側面)の両方に活用できるかを試しています。
    • 理解のポイント:
      • 定量的側面 (問1, 2): 式に具体的な数値を代入して、物理量を計算する能力。ここでは、光子のエネルギー \(E=hc/\lambda\) と、光電子の運動エネルギー \(K_0 = E – W\) の計算が求められます。
      • 定性的側面 (問3): 式を構成する変数が変化したときに、結果がどうなるかを予測する能力。\(K_0\) が \(\lambda\) にはどう依存し、光の強さにはどう依存する(あるいは、しない)のかを、式の構造から読み解くことが重要です。この定性的な理解こそが、物理現象の本質を捉える上で不可欠です。
  • 光の二重性(粒子性の側面):
    • 核心: 光電効果は、光が「波」としての性質だけでは説明できず、「粒子(光子)」としての性質を持つことを示す決定的な証拠です。特に、問(3)(b)の「光の強さを増しても、電子1個の運動エネルギーは変わらない」という事実は、この粒子性の考え方でしか説明できません。
    • 理解のポイント:
      • 粒子モデル(正解): 光の強さは光子の「数」である。光子と電子は1対1で衝突するため、光子の数が増えても、電子1個が受け取るエネルギーは変わらない。
      • 波動モデル(間違い): もし光が波ならば、光の強さは波の「振幅」に対応する。強い波(振幅の大きい波)ほど大きなエネルギーを運ぶため、電子はより大きな運動エネルギーを得るはずである。しかし、実験事実はこれと異なるため、波動モデルは破綻します。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 仕事関数 \(W\) を求める問題: 光の波長 \(\lambda\) と、飛び出す電子の運動エネルギー \(K_0\) が与えられ、そこから仕事関数 \(W\) を逆算する問題(\(W = hc/\lambda – K_0\))。
    • 限界波長 \(\lambda_0\) を求める問題: 仕事関数 \(W\) が与えられ、光電効果が起こる最長の波長(限界波長 \(\lambda_0\))を求める問題。限界振動数の場合と同様に \(K_0=0\) の条件から、\(hc/\lambda_0 = W\) という関係式を立てて解きます。
    • グラフ問題: 横軸を \(1/\lambda\)、縦軸を \(K_0\) としたグラフも考えられます。光電方程式 \(K_0 = (hc)\displaystyle\frac{1}{\lambda} – W\) より、これは傾きが \(hc\)、縦軸切片が \(-W\) の一次関数となります。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. 与えられている量を確認: 問題文で与えられているのが、振動数 \(\nu\) なのか、波長 \(\lambda\) なのか、光子のエネルギー \(E\) なのか、仕事関数 \(W\) なのか、運動エネルギー \(K_0\) なのかを最初に整理します。
    2. 光電方程式を立てる: どんな問題であれ、光電効果がテーマならまず \(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) を書き出します。
    3. 未知数を特定し、式を変形: 問題で求められている未知数は何かを確認し、その未知数について式を解く形に変形します。
    4. 定性的な問いには、式の構造を見る: 「大きくなるか、小さくなるか、変わらないか」を問われたら、式の変数と定数を区別します。\(K_0 = h\displaystyle\frac{c}{\lambda} – W\) において、\(h, c, W\) は定数です。変数は \(\lambda\) のみであり、\(K_0\) は \(\lambda\) の逆数に比例する関係にあることが分かります。光の強さはこの式に現れないため、無関係であると判断できます。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
  • 指数の計算ミス:
    • 誤解: (1)の計算で、\(10^{-34} \times 10^8 \div 10^{-7}\) のような指数の計算を間違える。
    • 対策: 指数法則 \(10^a \times 10^b = 10^{a+b}\), \(10^a \div 10^b = 10^{a-b}\) を正確に適用することが重要です。特に割り算は引き算になるので、\(10^{-34+8-(-7)} = 10^{-34+8+7} = 10^{-19}\) と、符号の変化に細心の注意を払いましょう。
  • 有効数字の扱い:
    • 誤解: 問題文で与えられた数値の有効数字が2桁(\(3.7, 3.3, 6.6, 3.0\))であることを見落とし、答えを不適切な桁数で書いてしまう。
    • 対策: 計算を始める前に、与えられた定数や測定値の有効数字を確認する癖をつけましょう。この問題ではすべて2桁なので、最終的な答えも2桁に揃えるのが基本です。\(6.0 \times 10^{-19}\) のように、`.0` をつけて有効数字が2桁であることを明示する必要があります。
  • 光の強さの誤解:
    • 誤解: 「光が強い」=「光子1個のエネルギーが大きい」と勘違いしてしまう。
    • 対策: 「光の強さ(明るさ)」と「光の色(振動数・波長)」を明確に区別することが重要です。光の強さは光子の「数」、光の色は光子1個の「エネルギー」に対応します。赤い光をどんなに強くしても、光子1個のエネルギーは赤色のままですが、光子の数だけが増えます。このアナロジーを覚えておくと、混同を防げます。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
  • 光子のエネルギー式 \(E = hc/\lambda\):
    • 選定理由: (1)では光子1個のエネルギーが問われ、条件として波長 \(\lambda\) が与えられています。光子のエネルギーと波長を直接結びつける公式が \(E = hc/\lambda\) であるため、これを選択するのは最も合理的です。
    • 適用根拠: この式は、光量子仮説 \(E=h\nu\) と、あらゆる波に共通の基本式 \(c=\nu\lambda\) という、2つの普遍的な物理法則を組み合わせたものです。したがって、その適用は完全に正当化されます。
  • 光電方程式 \(K_0 = E – W\):
    • 選定理由: (2)では、光電効果によって飛び出す電子の運動エネルギーが問われています。この現象におけるエネルギー収支を記述するために確立されたのが光電方程式であり、これ以外の公式で \(K_0\) を直接求めることはできません。
    • 適用根拠: この式は、ミクロな世界でのエネルギー保存則の現れです。入射した光子の全エネルギー \(E\) が、電子を束縛から解放するためのコスト \(W\) と、解放後の運動エネルギー \(K_0\) に過不足なく分配される、という物理的描像を数式化したものです。エネルギー保存則という物理学の金字塔に裏付けられているため、その適用は揺るぎないものです。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
  • 計算しやすい形に整理する: (1)の計算では、いきなり電卓のように計算するのではなく、
    $$ E = \left( \frac{6.6 \times 3.0}{3.3} \right) \times \left( \frac{10^{-34} \times 10^8}{10^{-7}} \right) $$
    のように、数値の部分と10のべき乗の部分を分けて考えると、計算の見通しが良くなり、ミスが減ります。
  • 約分を最大限に活用する: \(\displaystyle\frac{6.6}{3.3} = 2\) のように、先に約分できる部分は約分してしまうのが計算を楽にするコツです。
  • 引き算での桁揃え: (2)の計算 \(6.0 \times 10^{-19} – 3.7 \times 10^{-19}\) では、\(10^{-19}\) の部分が共通であることを確認してから、係数部分の引き算 \((6.0 – 3.7)\) を行います。もし指数の部分が異なっていたら、どちらかに揃える操作が必要になるため、注意が必要です。
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486 光電効果のグラフ

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「光電効果の実験とグラフの解釈」です。光電管を用いた実験装置の回路図と、得られた電流-電圧特性のグラフから、物理量を読み解く問題です。特に、電子の運動エネルギーと電位差の関係(仕事)、電流と電子の数の関係を正しく理解しているかが問われます。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 仕事とエネルギーの関係: 電荷 \(q\) が電位差 \(V\) のある区間を移動するとき、静電気力がする仕事は \(W=qV\) であり、これが運動エネルギーの変化に等しい(仕事とエネルギーの原理)ことを理解していること。
  2. 阻止電圧: 光電子の運動エネルギーが最大 (\(K_0\)) のものでも、陽極に到達できなくなるような逆向きの電圧(阻止電圧)の物理的意味を理解していること。このとき、\(K_0 = eV_0\) という関係が成り立ちます。
  3. 電流の定義: 電流が「単位時間あたりに断面を通過する電気量」であることを理解していること。光電効果の文脈では、単位時間あたりに陽極に到達する電子の数に比例します。
  4. 飽和電流: 陽極の電位を十分に高くしたときに、発生した光電子がすべて陽極に到達し、それ以上電流が増えなくなる状態(飽和電流)の意味を理解していること。この電流値は、単位時間あたりに発生する光電子の数で決まります。
  5. 光の強さと光子数: 光の強さが、単位時間あたりに入射する光子の数に比例するという関係を理解していること。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、グラフから「阻止電圧」\(-V_0\) を読み取ります。これは、運動エネルギーが最大の電子が、ちょうど陽極に到達できなくなる電圧です。このときのエネルギー保存(仕事とエネルギーの関係)から、速さの最大値 \(v\) を求めます。
  2. (2)では、グラフから「飽和電流」\(I_0\) を読み取ります。これは、陰極から飛び出した光電子がすべて陽極に到達したときの電流です。電流の定義(単位時間あたりの電気量)から、単位時間あたりに飛び出す光電子の数 \(n\) を求めます。
  3. (3)では、「光子の数を半分にする」という条件が、物理量にどう影響するかを分析します。光子数が半分になると、飛び出す電子の数も半分になり、飽和電流も半分になります。一方、光子1個のエネルギーは変わらないため、電子の運動エネルギーの最大値、ひいては阻止電圧も変わりません。これらの考察を元に、新しいグラフを描きます。

問(1)

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