基礎CHECK
1 摩擦帯電と電子の移動
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「摩擦帯電と電子の移動」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 電気素量: 電子が持つ電荷は負であり、その大きさが電気量の最小単位であること。
- 電荷保存の法則: 閉じた系の中で、電気量の総和は常に一定に保たれること。
- 帯電の原理: 物体が電子を失うと正に帯電し、電子を得ると負に帯電すること。
- 帯電列: 物質をこすり合わせたときに、どちらが正に、どちらが負に帯電しやすいかを示す序列。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文から、ガラス棒が「正に帯電した」という事実を確認する。
- 物体の帯電は、負の電荷を持つ「電子」の移動によって起こることを理解する。
- 「正に帯電する」とは、電子を失うことなのか、得る事なのかを判断する。
- 電子の移動元と移動先を特定し、結論を導く。
思考の道筋とポイント
この問題は、摩擦によって物体が電気を帯びる「摩擦帯電」の基本的な仕組みを問うています。ポイントは、実際に移動するのが「電子」であること、そして電子は「負」の電荷を持っていることを正確に理解しているかという点です。ガラス棒が「正」に帯電したという結果から、電子がどのように移動したのかを論理的に逆算する思考が求められます。
この設問における重要なポイント
- 原子の構造: 原子は、正の電荷を持つ原子核と、その周りを回る負の電荷を持つ電子から構成されています。通常、原子全体では電気的に中性です。
- 電子の移動: 摩擦などのエネルギーが加わることで、束縛の弱い電子が原子から離れ、他の物体へ移動することがあります。実際に移動するのは、身軽な電子です。正の電荷を持つ原子核(陽子)は移動しません。
- 正の帯電: 物体が電子を失うと、内部の正の電荷(原子核)の総量が負の電荷(電子)の総量を上回るため、物体全体として正に帯電します。
- 負の帯電: 物体が電子を受け取ると、負の電荷の総量が正の電荷の総量を上回るため、物体全体として負に帯電します。
具体的な解説と立式
この問題は概念の理解を問うものであり、数式を用いた立式はありません。
- 前提の確認: まず、物体の帯電現象において、移動するのは負の電荷を持つ「電子」であることを確認します。正の電荷を持つ陽子は原子核内に強く束縛されているため、通常の摩擦では移動しません。
- 問題の条件: 問題文より、「ガラス棒が正に帯電した」ことが分かっています。
- 論理的推論:
- ある物体が「正に帯電する」ということは、その物体から負の電荷が失われたことを意味します。
- なぜなら、もともと電気的に中性(正電荷と負電荷が同量)だった物体から、負の電荷を持つ電子がいくつか出ていくと、残された正電荷の量が相対的に多くなるからです。
- したがって、「ガラス棒が正に帯電した」という現象は、「ガラス棒が電子を失った」ことと同義です。
- 結論: 失われた電子は、こすり合わせた相手である「絹布」に移動したと考えられます。よって、電子は「ガラス棒から絹布へ」移動しました。このとき、電子を受け取った絹布は、負に帯電することになります。
使用した物理公式
この問題で直接使用する公式はありませんが、背景となる重要な概念は以下の通りです。
- 帯電の定義: 物体が電子を失うと正に帯電し、電子を得ると負に帯電する。
- 電荷の担い手: 摩擦帯電において移動するのは電子である。
この問題には計算過程はありません。上記の「具体的な解説と立式」で述べた論理的な推論が解答プロセスとなります。
- ガラス棒が正に帯電 → ガラス棒が電子を失った → 失った電子は絹布へ移動した。
- 結論:電子はガラス棒から絹布へ移動した。
物をこすり合わせたときに電気が起きる現象を考えてみましょう。電気の正体は、とても小さな「電子」という粒の移動です。この電子はマイナス(負)の電気を持っています。
もともと、ガラス棒も絹布もプラスとマイナスの電気が同じ量だけあり、電気的にはゼロ(中性)の状態です。
ここでガラス棒を絹布でこすると、ガラス棒の中にいた電子の一部が、絹布の方へお引越ししてしまいます。
ガラス棒は、マイナスの電気を持つ電子が出て行ってしまったので、残されたプラスの電気が多くなり、結果として「正に帯電」します。
一方、絹布は電子を受け取ったので、マイナスの電気が多くなり、「負に帯電」します。
問題では「ガラス棒が正に帯電した」とあるので、電子は「ガラス棒から絹布へ」移動した、と分かります。
2 クーロンの法則
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「クーロンの法則を用いた静電気力の計算」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- クーロンの法則: 2つの点電荷間に働く力の大きさは、電荷の大きさの積に比例し、距離の2乗に反比例すること。
- 静電気力の向き: 同符号の電荷間には斥力(反発しあう力)、異符号の電荷間には引力(引きつけあう力)が働くこと。
- 力の大きさの計算: クーロンの法則の公式に代入する電荷は、その絶対値を用いること。
- 指数計算: \(10\)のべき乗を含む計算を正確に行うこと。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、2つの電荷の符号を確認し、働く力が引力か斥力かを判断する。
- 次に、クーロンの法則の公式 \(F = k \displaystyle\frac{|q_1 q_2|}{r^2}\) を用いて、静電気力の大きさを計算する。
- 問題で与えられた数値を公式に代入し、計算を実行する。
思考の道筋とポイント
静電気力の問題を解く基本は、まず「力の向き」を判断し、次に「力の大きさ」を計算するという2ステップで考えることです。向きは電荷の符号(プラスかマイナスか)で決まります。「同じ符号なら反発(斥力)、違う符号なら引き合う(引力)」というルールを適用します。大きさはクーロンの法則の公式 \(F = k \displaystyle\frac{|q_1 q_2|}{r^2}\) で計算します。このとき、力の大きさを求めるので、電荷 \(q_1\), \(q_2\) には符号をつけずに、その大きさ(絶対値)を代入するのがポイントです。
この設問における重要なポイント
- クーロンの法則: 2つの点電荷 \(q_1\), \(q_2\) が距離 \(r\) だけ離れているとき、互いに及ぼしあう静電気力 \(F\) の大きさは \(F = k \displaystyle\frac{|q_1 q_2|}{r^2}\) で与えられます。ここで \(k\) はクーロンの法則の比例定数です。
- 力の向きのルール:
- \(q_1 q_2 > 0\) (同符号: ++ or –) の場合 → 斥力
- \(q_1 q_2 < 0\) (異符号: +- or -+) の場合 → 引力
- 単位の確認: 計算に用いる物理量は、すべて基本単位(距離は[m]、電気量は[C])に揃えることが重要です。この問題ではすでに揃っています。
具体的な解説と立式
まず、力の向きを判断します。
与えられた電気量は \(q_1 = +3.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\) と \(q_2 = -6.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\) です。
一方が正、もう一方が負の電荷なので、2つの小球の間には引力が働きます。
次に、力の大きさをクーロンの法則を用いて計算します。
クーロンの法則の公式は以下の通りです。
$$ F = k \frac{|q_1 q_2|}{r^2} \quad \cdots ① $$
問題で与えられている値は、
- \(k = 9.0 \times 10^9 \, \text{N} \cdot \text{m}^2/\text{C}^2\)
- \(q_1 = +3.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\)
- \(q_2 = -6.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\)
- \(r = 0.30 \, \text{m}\)
これらの値を式①に代入します。力の大きさを計算するため、電気量は絶対値を用います。
- \(|q_1| = 3.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\)
- \(|q_2| = 6.0 \times 10^{-7} \, \text{C}\)
使用した物理公式
- クーロンの法則: \(F = k \displaystyle\frac{|q_1 q_2|}{r^2}\)
- 静電気力の向き: 同符号の電荷間には斥力、異符号の電荷間には引力が働く。
「具体的な解説と立式」で準備した値を、クーロンの法則の式に代入します。
$$
\begin{aligned}
F &= k \frac{|q_1| |q_2|}{r^2} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{(3.0 \times 10^{-7}) \times (6.0 \times 10^{-7})}{(0.30)^2} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{3.0 \times 6.0 \times 10^{-7+(-7)}}{0.09} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{18 \times 10^{-14}}{9.0 \times 10^{-2}} \\[2.0ex]&= \frac{9.0 \times 18}{9.0} \times \frac{10^9 \times 10^{-14}}{10^{-2}} \\[2.0ex]&= 18 \times 10^{9 – 14 – (-2)} \\[2.0ex]&= 18 \times 10^{-3} \\[2.0ex]&= 1.8 \times 10^1 \times 10^{-3} \\[2.0ex]&= 1.8 \times 10^{-2} \, \text{[N]}
\end{aligned}
$$
したがって、力の大きさは \(1.8 \times 10^{-2} \, \text{N}\) となります。
力の向きは、先に判断した通り「引力」です。
電気を帯びた粒子の間には、磁石のように引き合ったり反発したりする力が働きます。これを「静電気力」と呼びます。
この力のルールは簡単で、「プラスとプラス」や「マイナスとマイナス」のように同じ種類の電気同士は反発し(斥力)、「プラスとマイナス」のように違う種類の電気同士は引き合います(引力)。
今回は「\(+3.0 \times 10^{-7}\)」と「\(-6.0 \times 10^{-7}\)」なので、プラスとマイナスです。だから、働く力は「引力」になります。
力の大きさは「クーロンの法則」という公式で計算できます。公式に電気の量と距離を入れると、電卓を叩くように答えが出てきます。計算すると、力の大きさは \(1.8 \times 10^{-2} \, \text{N}\) となります。これは、約1.8グラムの物体にかかる重力くらいの小さな力です。
3 静電誘導
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「導体における静電誘導」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 導体と不導体(絶縁体)の違い。
- 自由電子の存在と移動。
- 静電気力(クーロン力)の性質(引力と斥力)。
- 静電誘導のメカニズム。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 正の帯電体を近づけたとき、金属棒内の自由電子がどちら向きに力を受けるか考える。
- 自由電子の移動によって、金属棒の両端にどのような電荷が偏って現れるかを判断する。
- A端がどちらの電荷になるかを結論づける。
思考の道筋とポイント
金属棒(導体)に帯電体を近づけると、金属内部の自由電子が静電気力によって移動します。これが「静電誘導」です。ポイントは、近づける帯電体の電荷の符号と、電子の電荷の符号(負)を元に、電子が引き寄せられるか、反発するかを考えることです。電子が移動した後の、金属棒の両端の電荷の状態を正しく理解することが重要です。
この設問における重要なポイント
- 導体: 内部に自由に移動できる電子(自由電子)を多数持つ物質。例:金属。
- 不導体(絶縁体): 内部に自由電子がほとんどなく、電子が原子に束縛されている物質。例:ガラス、ゴム、プラスチック。
- 静電誘導: 導体に帯電体を近づけると、導体内の自由電子が移動し、帯電体に近い側に異符号の電荷、遠い側に同符号の電荷が現れる現象。
- 電荷の偏り: 静電誘導は、導体全体が帯電するのではなく、あくまで電荷の分布が偏る現象です。導体全体としては電気的に中性を保っています。
具体的な解説と立式
この問題は概念的な理解を問うものであり、数式を用いた立式はありません。
- 初期状態: 金属棒ABは電気的に中性です。つまり、正の電荷を持つ原子核と負の電荷を持つ自由電子が均一に分布し、互いに電気を打ち消し合っています。
- 帯電体の接近: 問題の指示通り、正の帯電体をB端に近づけます。
- 自由電子の移動:
- 金属棒の中を自由に動き回れる自由電子は、負の電荷を持っています。
- 負の電荷は正の電荷から引力を受けます。
- そのため、金属棒内の自由電子は、正の帯電体があるB端の方向へ引き寄せられ、移動します。
- 電荷の偏り:
- B端側: 負の電荷を持つ自由電子が過剰に集まるため、B端付近は負に帯電します。
- A端側: もともといた自由電子がB端側へ移動してしまい、電子が不足した状態になります。その結果、電子を失った原子核(陽イオン)の正の電荷が表面に現れ、A端付近は正に帯電します。
- 結論: したがって、A端に現れる電荷は「正」となります。
使用した物理公式
この問題で直接使用する公式はありませんが、背景となる重要な概念は以下の通りです。
- 静電誘導の原理: 導体内の自由電子が静電気力により移動し、電荷の偏りが生じる。
- 静電気力の向き: 異符号の電荷間には引力、同符号の電荷間には斥力が働く。
この問題には計算過程はありません。上記の「具体的な解説と立式」で述べた物理現象の考察が解答プロセスとなります。
金属の中には、自由に動き回れる「自由電子」というマイナスの電気の粒がたくさんいます。
ここに、プラスの電気を帯びた棒をBの端に近づけます。
マイナスの電気を持つ自由電子は、プラスの電気に引き寄せられる性質があるので、みんなBの端の方へ集まってきます。
その結果、Bの端はマイナスの電子がたくさんいるので「負」に帯電します。
逆に、反対側のAの端は、電子が出て行ってしまったので、もともとあったプラスの電気がむき出しになり、「正」に帯電します。
よって、A端は「正」の電気を帯びることになります。
4 電場
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「電場の定義と、電場から受ける力の計算」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 電場(電界)の定義: ある点に \(+1 \, \text{C}\) の試験電荷を置いたときに、その電荷が受ける静電気力のこと。
- 電場と力の関係式: 電荷 \(q\) が電場 \(E\) から受ける力 \(F\) は \(F=qE\) で表される。
- 電場の向き: 正の電荷が受ける力の向きと定義される。負の電荷が受ける力の向きとは逆になる。
- ベクトル量: 電場と力はどちらも大きさと向きを持つベクトル量である。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 電場の向きを、試験電荷の符号と力の向きから判断する。
- 電場の強さを、関係式 \(F=qE\) を変形した \(E=F/q\) に数値を代入して計算する。
思考の道筋とポイント
「電場(電界)」とは、電気的な力が働く空間そのものを表す物理量です。その定義は「その場所に \(+1 \, \text{C}\) の電荷を置いたときに受ける力」であり、単位が[N/C](ニュートン毎クーロン)であることからもその意味を読み取れます。
この問題では、実際に置かれた電荷 \(q\) が力 \(F\) を受けたという事実から、その場所の電場の強さ \(E\) と向きを特定します。力の向きと電場の向きの関係を正しく把握することが重要です。正の電荷が受ける力の向きは電場の向きと同じですが、負の電荷の場合は逆向きになる点に注意が必要です。
この設問における重要なポイント
- 電場の定義: 電場 \(E\) は、その場所に置かれた試験電荷 \(q\) が受ける力 \(F\) を用いて、\(E = \displaystyle\frac{F}{q}\) と定義されます。
- 電場と力の関係(ベクトルとして): \(\vec{F} = q\vec{E}\) という関係が成り立ちます。
- \(q > 0\) (正電荷) の場合: 力 \(\vec{F}\) と電場 \(\vec{E}\) は同じ向きです。
- \(q < 0\) (負電荷) の場合: 力 \(\vec{F}\) と電場 \(\vec{E}\) は逆向きです。
- この問題では、電荷 \(q = +2.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\) で正なので、力の向きと電場の向きは一致します。
具体的な解説と立式
まず、電場の向きを判断します。
問題文より、置かれた電荷は \(q = +2.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\) であり、正の電荷です。
この正の電荷が「東向き」に力を受けています。
電場の向きは「その場所に置いた正の電荷が受ける力の向き」と定義されているため、この場所の電場の向きは「東向き」であると分かります。
次に、電場の強さ \(E\) を計算します。
電場の強さ \(E\)、電荷の大きさ \(q\)、力の大きさ \(F\) の関係式は \(F = qE\) です。
この式を \(E\) について解くと、以下のようになります。
$$ E = \frac{F}{q} \quad \cdots ① $$
問題で与えられている値は、
- \(F = 4.0 \times 10^{-2} \, \text{N}\)
- \(q = 2.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\)
これらの値を式①に代入して \(E\) を求めます。
使用した物理公式
- 電場と静電気力の関係式: \(F = qE\)
- 電場の向きの定義: 正の電荷が受ける力の向き。
「具体的な解説と立式」で立てた式に、与えられた数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
E &= \frac{F}{q} \\[2.0ex]&= \frac{4.0 \times 10^{-2}}{2.0 \times 10^{-6}} \\[2.0ex]&= \frac{4.0}{2.0} \times 10^{-2 – (-6)} \\[2.0ex]&= 2.0 \times 10^{-2+6} \\[2.0ex]&= 2.0 \times 10^4 \, \text{[N/C]}
\end{aligned}
$$
したがって、電場の強さは \(2.0 \times 10^4 \, \text{N/C}\) です。
向きは先に判断した通り「東向き」です。
「電場」とは、目には見えない「電気の力が働くフィールド」のようなものです。
電場の「向き」は、「もしそこにプラスの電気を置いたら、どっち向きに力を受けるか」というルールで決められています。この問題では、実際にプラスの電荷を置いたら「東向き」に力を受けたので、電場の向きは「東向き」で決まりです。
電場の「強さ」は、「\(1 \, \text{C}\) という基準の電気を置いたときに、どれくらいの力を受けるか」で表します。今回は、\(+2.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\) という電荷が \(4.0 \times 10^{-2} \, \text{N}\) の力を受けたので、割り算をして \(1 \, \text{C}\) あたりの力の強さを計算します。
計算すると \(2.0 \times 10^4 \, \text{N/C}\) となり、これが電場の強さです。
5 点電荷のまわりの電場
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「点電荷が作る電場の計算」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 点電荷が作る電場の公式: \(E = k \displaystyle\frac{|Q|}{r^2}\)
- 電場の向きの定義: その点に置いた正の試験電荷が受ける力の向き。
- 正電荷が作る電場は、電荷から遠ざかる向きであること。
- 負電荷が作る電場は、電荷に近づく向きであること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、電場源となる電荷の符号を確認し、電場の向きを判断する。
- 次に、点電荷が作る電場の強さの公式に、与えられた数値を代入して大きさを計算する。
思考の道筋とポイント
点電荷は、その周りの空間に電場を作ります。電場の強さは電荷からの距離によって決まり、向きは電場を作る電荷の符号(正か負か)によって決まります。
この問題の最大のポイントは、電場の向きを正しく判断することです。「電場の向きとは、その場所にプラスの試験電荷を置いたときに、どちら向きに力を受けるか」という定義に立ち返ると、間違いがありません。
今回は、原点に負の電荷が置かれています。x軸上の正の点にプラスの試験電荷を置くと、原点の負電荷に引き寄せられます。したがって、力の向き、すなわち電場の向きは原点方向(x軸の負の向き)となります。
大きさの計算は、公式に電荷の絶対値を代入するだけなので、計算ミスに注意すれば難しくありません。
この設問における重要なポイント
- 点電荷が作る電場の公式: 電荷 \(Q\) の点電荷から距離 \(r\) 離れた点の電場の強さ \(E\) は、\(E = k \displaystyle\frac{|Q|}{r^2}\) で与えられます。ここで \(k\) はクーロンの法則の比例定数です。
- 電場の向き:
- 電場源が正電荷 (\(Q>0\)) の場合:電荷から放射状に遠ざかる向き(湧き出す向き)。
- 電場源が負電荷 (\(Q<0\)) の場合:電荷に向かって放射状に近づく向き(吸い込まれる向き)。
- 電場の強さの計算では、電荷 \(Q\) の符号は向きの判断に使い、大きさの計算では絶対値 \(|Q|\) を用います。
具体的な解説と立式
まず、電場の向きを判断します。
電場の向きは、その点に \(+1 \, \text{C}\) の正の試験電荷を置いたときに受ける力の向きとして定義されます。
この問題では、x軸の原点に負の電荷 \(Q = -9.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\) が固定されています。
電場を求めたい点は「原点から正の向きに \(0.30 \, \text{m}\) 離れた点」です。
この点に、もし正の試験電荷を置いたと想像します。正の電荷は、原点にある負の電荷から引力を受けます。
この引力の向きは、原点に向かう向き、すなわち「x軸の負の向き」です。
したがって、この点における電場の向きは「x軸の負の向き」となります。
次に、電場の強さ \(E\) を計算します。
点電荷が作る電場の強さの公式は以下の通りです。
$$ E = k \frac{|Q|}{r^2} \quad \cdots ① $$
問題で与えられている値は、
- \(k = 9.0 \times 10^9 \, \text{N} \cdot \text{m}^2/\text{C}^2\)
- \(Q = -9.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\) なので、その絶対値は \(|Q| = 9.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\)
- \(r = 0.30 \, \text{m}\)
これらの値を式①に代入して \(E\) を求めます。
使用した物理公式
- 点電荷のまわりの電場の式: \(E = k \displaystyle\frac{|Q|}{r^2}\)
- 電場の向きの定義: その点に置いた正の試験電荷が受ける力の向き。
「具体的な解説と立式」で立てた式に、与えられた数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
E &= k \frac{|Q|}{r^2} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{9.0 \times 10^{-6}}{(0.30)^2} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{9.0 \times 10^{-6}}{0.09} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{9.0 \times 10^{-6}}{9.0 \times 10^{-2}} \\[2.0ex]&= \frac{9.0 \times 9.0}{9.0} \times \frac{10^9 \times 10^{-6}}{10^{-2}} \\[2.0ex]&= 9.0 \times 10^{9 – 6 – (-2)} \\[2.0ex]&= 9.0 \times 10^{5} \, \text{[N/C]}
\end{aligned}
$$
したがって、電場の強さは \(9.0 \times 10^5 \, \text{N/C}\) です。
向きは先に判断した通り「x軸の負の向き」です。
電気を帯びた粒(点電荷)は、その周りに「電場」という力のフィールドを作ります。
今回は、原点にマイナスの電荷が置かれています。
電場の向きは、「もしその場所にプラスの電気を置いたら、どっちに力を受けるか?」で決まります。
x軸のプラスの場所に、もしプラスの電気を置いたら、原点のマイナスに引き寄せられますよね。なので、力の向きは原点方向、つまり「x軸の負の向き」になります。これが電場の向きです。
電場の強さは、公式 \(E = k \displaystyle\frac{|Q|}{r^2}\) で計算できます。与えられた数値を代入すると、\(9.0 \times 10^5 \, \text{N/C}\) となります。
6 点電荷のまわりの電位
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「点電荷が作る電位の計算」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 点電荷が作る電位の公式: \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\)。
- 電位はスカラー量であり、向きを持たないこと。
- 電位の計算では、電荷 \(Q\) の符号をそのまま用いること。
- 電位の基準点(この問題では無限遠)が \(0 \, \text{V}\) であること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 点電荷が作る電位の公式 \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\) を用いる。
- 与えられた数値を公式に代入し、計算する。電荷の符号を含めて計算することに注意する。
思考の道筋とポイント
「電位」は、電気的な位置エネルギーに関係する量で、よく地形の「高さ」に例えられます。電場が「坂の傾きと向き」を表すベクトル量だったのに対し、電位は「その地点の標高」を表すスカラー量です。そのため、向きを考える必要がなく、計算は比較的シンプルです。
この問題で最も重要なポイントは、電位の公式 \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\) には、電場の公式と違って絶対値記号がつかないことです。電荷 \(Q\) が正なら電位も正、\(Q\) が負なら電位も負になります。この符号の扱いを間違えないようにしましょう。
この設問における重要なポイント
- 電位の定義: 単位電荷(\(+1 \, \text{C}\))を基準点(無限遠)からその点まで静電気力に逆らって運ぶのに要する仕事。単位は[V](ボルト)。
- 点電荷が作る電位の公式: 電荷 \(Q\) から距離 \(r\) 離れた点の電位 \(V\) は \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\) で与えられます。
- スカラー量: 電位は向きを持たないスカラー量です。複数の電荷が作る電位を求めるときは、各電荷が作る電位を単純に足し合わせる(代数和)だけで済みます。
- 符号の扱い: 電荷 \(Q\) が正なら電位 \(V\) も正(電気的な山)、\(Q\) が負なら \(V\) も負(電気的な谷)になります。
具体的な解説と立式
点電荷が作る電位の公式は以下の通りです。
$$ V = k \frac{Q}{r} \quad \cdots ① $$
この公式では、電場の強さの計算とは異なり、電荷 \(Q\) の符号をそのまま代入します。
問題で与えられている値は、
- \(k = 9.0 \times 10^9 \, \text{N} \cdot \text{m}^2/\text{C}^2\)
- \(Q = -6.0 \times 10^{-6} \, \text{C}\)
- \(r = 3.0 \, \text{m}\)
これらの値を式①に代入して \(V\) を求めます。
使用した物理公式
- 点電荷のまわりの電位の式: \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\)
「具体的な解説と立式」で立てた式に、与えられた数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
V &= k \frac{Q}{r} \\[2.0ex]&= (9.0 \times 10^9) \times \frac{-6.0 \times 10^{-6}}{3.0} \\[2.0ex]&= \frac{9.0 \times (-6.0)}{3.0} \times 10^{9-6} \\[2.0ex]&= 3.0 \times (-6.0) \times 10^3 \\[2.0ex]&= -18 \times 10^3 \\[2.0ex]&= -1.8 \times 10^1 \times 10^3 \\[2.0ex]&= -1.8 \times 10^4 \, \text{[V]}
\end{aligned}
$$
したがって、点Aの電位は \(-1.8 \times 10^4 \, \text{V}\) となります。
「電位」は、電気の世界での「高さ」のようなものです。プラスの電気は周りに高い「山」を作り、マイナスの電気は深い「谷」を作るとイメージしてください。
今回は、マイナスの電荷が置かれているので、その周りには電気的な「谷」ができています。この問題は、その谷のある地点での「深さ(マイナスの高さ)」を計算するものです。
公式 \(V = k \displaystyle\frac{Q}{r}\) に、電荷の量(今回はマイナスなので、マイナスの値を入れる)と距離をそのまま代入するだけで計算できます。
計算結果が \(-1.8 \times 10^4 \, \text{V}\) とマイナスの値になったのは、マイナスの電荷が作る「谷」の電位を求めたから、と考えると分かりやすいでしょう。
7 電場がする仕事
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「電位差と仕事の関係」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 電位と電位差の定義。
- 静電気力がする仕事の公式: \(W = q(V_{\text{始}} – V_{\text{終}})\)。
- 外力がする仕事と静電気力がする仕事の関係。
- 仕事とエネルギー保存則。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文から、始点と終点の電位差を正確に読み取る。
- 静電気力がする仕事の公式に、電荷と電位差を代入して計算する。
- 「ゆっくり移動させる」という条件から、外力がする仕事と静電気力がする仕事の関係を導き、外力がする仕事を計算する。
思考の道筋とポイント
電位は電気的な位置の高さを表す量です。正の電荷は、電位が高い方から低い方へ移動するときに静電気力から正の仕事をされ、逆に低い方から高い方へ移動するときは負の仕事をされます。これは、物体が重力によって高い所から低い所へ落ちるときに重力が正の仕事をするのと似ています。
この問題のポイントは2つあります。
1. 静電気力がする仕事 \(W\) の公式 \(W = q(V_{\text{始}} – V_{\text{終}})\) を正しく使うこと。「始点の電位 – 終点の電位」という順番が重要です。
2. 「ゆっくり移動させる」という条件の意味を理解すること。これは、移動中に電荷の運動エネルギーが増加しないことを意味し、加えている外力と静電気力が常につりあっている(大きさが等しく向きが逆)状態を示唆します。そのため、外力がする仕事 \(W’\) は、静電気力がする仕事 \(W\) と大きさが等しく符号が逆になります (\(W’ = -W\))。
この設問における重要なポイント
- 静電気力がする仕事: 電荷 \(q\) を電位 \(V_{\text{始}}\) の点から電位 \(V_{\text{終}}\) の点へ移動させるとき、静電気力がする仕事 \(W\) は、\(W = q(V_{\text{始}} – V_{\text{終}})\) で与えられます。これは、静電気力による位置エネルギーの減少分に等しいです。
- 外力がする仕事: 電荷をゆっくり運ぶとき、外力は静電気力に逆らって仕事をします。このとき外力がする仕事 \(W’\) は、静電気力による位置エネルギーの変化量 \(\Delta U = U_{\text{終}} – U_{\text{始}}\) に等しくなります。\(U=qV\) の関係を使うと、\(W’ = qV_{\text{終}} – qV_{\text{始}} = -q(V_{\text{始}} – V_{\text{終}}) = -W\) となります。
- 仕事の正負:
- 静電気力が正の仕事をする → 電荷は自然に動く向きに移動した(位置エネルギーが減少)。
- 静電気力が負の仕事をする → 電荷は自然な動きに逆らって移動させられた(位置エネルギーが増加)。
具体的な解説と立式
1. 静電気力がする仕事 \(W\) の計算
電荷 \(q\) を点Aから点Bへ移動させるので、始点はA、終点はBです。
静電気力がする仕事 \(W\) の公式は、
$$ W = q(V_{\text{A}} – V_{\text{B}}) \quad \cdots ① $$
問題文より、「点Aは点Bより \(10 \, \text{V}\) だけ高電位である」ので、電位差は \(V_{\text{A}} – V_{\text{B}} = 10 \, \text{V}\) です。
また、運ぶ電荷は \(q = +1 \, \text{C}\) です。
これらの値を式①に代入して \(W\) を求めます。
2. 外力がする仕事 \(W’\) の計算
電荷を「ゆっくり」移動させるため、加える外力 \(\vec{F}_{\text{外}}\) は、常に静電気力 \(\vec{F}_{\text{静}}\) とつりあっています。つまり、\(\vec{F}_{\text{外}} = -\vec{F}_{\text{静}}\) の関係が成り立ちます。
同じ距離を移動させるとき、力の向きが常に逆なので、仕事の符号も逆になります。
$$ W’ = -W \quad \cdots ② $$
式②を用いて \(W’\) を求めます。
使用した物理公式
- 静電気力がする仕事: \(W = q(V_{\text{始}} – V_{\text{終}})\)
- 外力がする仕事(ゆっくり運ぶ場合): \(W’ = -W\)
1. 静電気力がする仕事 \(W\)
$$
\begin{aligned}
W &= q(V_{\text{A}} – V_{\text{B}}) \\[2.0ex]&= (+1) \times (10) \\[2.0ex]&= 10 \, \text{[J]}
\end{aligned}
$$
2. 外力がする仕事 \(W’\)
$$
\begin{aligned}
W’ &= -W \\[2.0ex]&= -10 \, \text{[J]}
\end{aligned}
$$
電位をビルの「階数」に例えてみましょう。点Aは点Bより10階分だけ高い場所にあるとします。そして、\(+1 \, \text{C}\) の電荷を「荷物」と考えます。
- 静電気力がする仕事 \(W\):
荷物をA(高い階)からB(低い階)へ移動させます。このとき、重力(静電気力)は荷物を下へ引っ張ってくれるので、移動を手伝ってくれます。このように、力が移動を手伝うとき、その力は「プラスの仕事」をしたと言います。仕事の量は「荷物の重さ × 高さの差」で決まり、今回は \(1 \times 10 = 10 \, \text{J}\) となります。 - 外力がする仕事 \(W’\):
荷物をAからBへ「ゆっくり」下ろす場面を想像してください。荷物がドスンと落ちないように、あなたは重力とは反対の向き(上向き)に力を加えながら、ゆっくり下ろします。このとき、あなたの力(外力)は上を向いているのに、荷物は下に移動しています。このように、力の向きと移動の向きが逆の場合、その力は「マイナスの仕事」をしたと言います。仕事の大きさは同じなので、\(-10 \, \text{J}\) となります。
8 一様な電場
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「一様な電場における電場と電位の関係」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 一様な電場の特徴: どこでも電場の強さと向きが一定であること。
- 電場と電位の関係式: 一様な電場では \(V=Ed\) が成り立つこと。
- 電場の単位: [N/C] と [V/m] が等価であることの理解。
- 問題文の読解: 「電圧」が「電位差」を意味することを理解すること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題の状況が「一様な電場」であることを確認する。
- 一様な電場における電場と電位差の関係式 \(E = \displaystyle\frac{V}{d}\) を選択する。
- 問題文から電位差 \(V\) と距離 \(d\) の値を読み取り、公式に代入して計算する。
思考の道筋とポイント
平行な金属板の間にできる電場は、端の部分を除いて「一様な電場」となります。一様な電場とは、場所によらず電場の強さと向きが一定である、非常にシンプルな状況です。
このような特殊な状況では、電場の強さ \(E\)、2点間の距離 \(d\)、その2点間の電位差 \(V\) の間に、\(V=Ed\) という非常に簡潔な関係式が成り立ちます。この公式は、電場と電位という2つの重要な概念を結びつける、基本かつ強力なツールです。
問題で与えられているのが電圧 \(V\) と距離 \(d\) で、求めるのが電場の強さ \(E\) なので、この公式を使えば直接答えを導くことができます。
この設問における重要なポイント
- 一様な電場: どこでも強さと向きが同じ電場のこと。平行平板コンデンサーの極板間にできる電場が代表例です。電気力線は平行で等間隔な直線で描かれます。
- 電場と電位の関係式: 一様な電場 \(E\) の中で、電場の向きに沿って距離 \(d\) だけ離れた2点間の電位差を \(V\) とすると、\(V=Ed\) という関係が成り立ちます。
- 電場の単位: 電場の定義 \(E=F/q\) からは単位 [N/C] が導かれますが、\(E=V/d\) の関係から [V/m] という単位も使われます。この2つの単位は物理的に等価です (\(1 \, \text{N/C} = 1 \, \text{V/m}\))。この問題では[V/m]が指定されているため、\(E=V/d\) の式を使うことがより明確に示唆されています。
具体的な解説と立式
平行な金属平板間にできる電場は一様な電場とみなせます。
一様な電場における電場の強さ \(E\)、極板間の電位差 \(V\)、極板間の距離 \(d\) の関係式は、
$$ V = Ed $$
です。この式を電場の強さ \(E\) について解くと、以下のようになります。
$$ E = \frac{V}{d} \quad \cdots ① $$
問題で与えられている値は、
- 電位差(電圧) \(V = 10 \, \text{V}\)
- 距離 \(d = 2.0 \times 10^{-2} \, \text{m}\)
これらの値を式①に代入して \(E\) を求めます。
使用した物理公式
- 一様な電場と電位差の関係式: \(E = \displaystyle\frac{V}{d}\) (または \(V=Ed\))
「具体的な解説と立式」で立てた式に、与えられた数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
E &= \frac{V}{d} \\[2.0ex]&= \frac{10}{2.0 \times 10^{-2}} \\[2.0ex]&= \frac{10}{2.0} \times 10^{-(-2)} \\[2.0ex]&= 5.0 \times 10^2 \, \text{[V/m]}
\end{aligned}
$$
したがって、電場の強さは \(5.0 \times 10^2 \, \text{V/m}\) となります。
平行な金属板の間にできる電場は、どこでも同じ強さ・同じ向きの「一様な電場」になります。これを電気の坂道に例えると、「どこでも傾きが一定の、まっすぐな坂」のようなものです。
この「坂の傾き」が電場の強さ \(E\) にあたります。
そして、「高さの差」が電圧 \(V\)、「水平距離」が板の間の距離 \(d\) にあたります。
まっすぐな坂道では「高さの差 = 傾き × 水平距離」という関係がありますよね。電気の世界でも全く同じで、「\(V = E \times d\)」という関係が成り立ちます。
この問題では、高さの差 \(V\) と水平距離 \(d\) が分かっているので、割り算をして坂の傾き \(E\) を求めることができます。
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