2限目:等速直線運動と2種類のグラフ|力学・最短攻略パック

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講義ノート

【今回のポイント】

  • 等速直線運動とは、同じ速さで一本道をまっすぐ進む運動のこと
  • \(x\text{-}t\) グラフ(位置と時刻の関係)では右上がりの直線になる
  • \(v\text{-}t\) グラフ(速度と時刻の関係)では横一文字の直線になる
  • \(v\text{-}t\) グラフの面積が移動距離を表す(速さ×時間と同じ計算)

【講義解説】

等速直線運動とは

等速直線運動とは、同じ速さで一本道をまっすぐ進む運動のことである。漢字の通り、「等しい速さ」で「直線的」に進む運動である。

中学校で学んだ速さの問題と基本的には変わらない。ずっと一定のスピードでまっすぐ進むだけの、最もシンプルな運動である。

 

2種類のグラフ(\(x\text{-}t\) グラフと \(v\text{-}t\) グラフ)

物体の運動を表すグラフには2種類ある。ここでは速さ \(5\,\text{m}/\text{s}\) で運動している物体を例に見ていく。

\(x\text{-}t\) グラフ(位置−時刻グラフ)

縦軸が \(x\)(位置)、横軸が \(t\)(時刻)のグラフである。

\(0\) 秒のときに \(0\,\text{m}\) 地点にいて、\(1\) 秒ごとに \(5\,\text{m}\) ずつ進む。\(t=1\) のとき \(x=5\)、\(t=2\) のとき \(x=10\)、\(t=3\) のとき \(x=15\) と点を打ってつなぐと、右上がりの直線になる。一定のリズムで位置が変化していくので、まっすぐな線になるのである。

\(v\text{-}t\) グラフ(速度−時刻グラフ)

縦軸が \(v\)(速度)、横軸が \(t\)(時刻)のグラフである。

\(0\) 秒のときも、\(1\) 秒のときも、\(2\) 秒のときも、ずっと速度は \(5\,\text{m}/\text{s}\) である。何秒経っても \(v\) の値は変わらないので、横一文字の直線になる。

 

\(v\text{-}t\) グラフの面積=移動距離

\(v\text{-}t\) グラフには非常に重要な性質がある。グラフの面積を調べると、それがそのまま「移動距離」になっているのである。

なぜそうなるのか。たとえば速さ \(5\,\text{m}/\text{s}\) で \(3\) 秒間進んだときの移動距離を考えると、次のようになる。

$$
\begin{aligned}
x &= 5 \times 3 \\[2.0ex] &= 15\,\text{m}
\end{aligned}
$$

一方、\(v\text{-}t\) グラフで \(t=0\) から \(t=3\) までの面積を求めると、縦が \(5\)、横が \(3\) の長方形の面積になるので、\(5 \times 3 = 15\) となる。

つまり、「速さ×時間」の計算と「縦×横」の面積の計算はまったく同じことをしている。したがって、\(v\text{-}t\) グラフの面積は移動距離を表す。

等速直線運動ではずっとスピードが一定なのであまり効果を感じないかもしれないが、次の講義で扱う「加速するパターン」のときに、この知識が非常に役に立つ。

 

【練習問題の解説】

① 等速直線運動の距離と \(v\text{-}t\) グラフ(問10)

【問題】
ある新幹線は、時速 \(200\) キロメートルで走り、\(2\) 時間半で東京から大阪まで到着する。東京と大阪の距離はいくらか。また、その距離を \(v\text{-}t\) グラフで表せ。

 

【解説】
まず距離を計算する。速度は \(200\,\text{km}/\text{h}\)、時間は \(2.5\,\text{h}\) である。

$$
\begin{aligned}
x &= 200 \times 2.5 \\[2.0ex] &= 500\,\text{km}
\end{aligned}
$$

次に \(v\text{-}t\) グラフを描く。縦軸を \(v\,[\text{km}/\text{h}]\)、横軸を \(t\,[\text{h}]\) とする。速度はずっと \(200\,\text{km}/\text{h}\) なので、\(v=200\) の横一文字の直線を引く。

距離を \(v\text{-}t\) グラフから求める場合は、\(t=2.5\) からまっすぐ上に点線を引き、グラフとぶつかったところで囲まれた長方形の面積を調べる。縦が \(200\)、横が \(2.5\) なので、面積は \(200 \times 2.5 = 500\) となり、先ほど計算した距離と一致する。

 

② 等速直線運動の位置と変位(問11)

【問題】
x軸上を正の向きに \(2.5\,\text{m}/\text{s}\) の一定の速度で運動している物体が、時刻 \(0\,\text{s}\) に原点Oを通過したとする。時刻 \(3.0\,\text{s}\) での物体の位置を求めよ。また \(3.0\,\text{s}\) から \(5.0\,\text{s}\) までの間の変位を求めよ。\(v\text{-}t\) グラフを用いること。

 

【解説】
まず状況を整理する。\(t=0\,\text{s}\) で原点(\(x=0\))を通過し、速度はずっと \(2.5\,\text{m}/\text{s}\) である。\(v\text{-}t\) グラフを描くと、\(v=2.5\) の横一文字の直線になる。

前半: 時刻 \(3.0\,\text{s}\) での位置

\(t=0\) から \(t=3.0\) までの \(v\text{-}t\) グラフの面積を求める。縦が \(2.5\)、横が \(3.0\) の長方形である。

$$
\begin{aligned}
x_3 &= 2.5 \times 3.0 \\[2.0ex] &= 7.5\,\text{m}
\end{aligned}
$$

原点から正の向きに \(7.5\,\text{m}\) 移動したので、位置は \(7.5\,\text{m}\) である。

後半: \(3.0\,\text{s}\) から \(5.0\,\text{s}\) までの変位

\(t=3.0\) から \(t=5.0\) までの面積を求める。横の長さは \(5.0 – 3.0 = 2.0\,\text{s}\) である。

$$
\begin{aligned}
\Delta x &= 2.5 \times 2.0 \\[2.0ex] &= 5.0\,\text{m}
\end{aligned}
$$

正の向きに移動しているので、変位は \(+5.0\,\text{m}\) である。


【重要公式まとめ】

等速直線運動の移動距離

$$
\begin{aligned}
x &= v \times t
\end{aligned}
$$

\(x\): 移動距離、\(v\): 速度、\(t\): 時間

\(v\text{-}t\) グラフの面積 = 移動距離

\(v\text{-}t\) グラフで囲まれた部分の面積が、その時間内の移動距離を表す。

 

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以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。

「今回の講義で、『\(v\text{-}t\)グラフの面積が移動距離になる』という話が出ましたが、ただの四角形の面積がどうして距離になるのか、直感的に腑に落ちません。公式(速さ×時間)だから、という説明以外で、中学生でもイメージしやすい例えを使って教えてくれませんか?」
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タップ(クリック)すると答えが表示されます。

Q1. 「等速直線運動」とは、どのような運動のことでしょうか?漢字の意味から2つの特徴を答えてください。
【正解】 「同じ(一定の)速さ」で「まっすぐ(一直線に)」進む運動

「等速」=スピードが変わらない、「直線」=曲がらずにまっすぐ進む、という物理の中で最もシンプルな運動です。

Q2. 等速直線運動をしているとき、縦軸に速度(\(v\))、横軸に時間(\(t\))をとった「\(v\text{-}t\)グラフ」はどのような形の線になりますか?
【正解】 横一文字(水平)の直線

時間がどれだけ経っても速度がずっと一定で変わらないため、グラフは上がったり下がったりせず、真横にまっすぐな線になります。

Q3. 物理において非常に重要な性質です。\(v\text{-}t\)グラフにおいて、グラフの線によって囲まれた部分の「面積」は、何を表しているでしょうか?
【正解】 移動距離

長方形の面積は「縦×横」で計算しますが、これは「速さ×時間」を計算しているのと全く同じです。そのため、面積が移動距離を表すことになります。次回の講義の「加速する運動」でもこの考え方が大活躍します。

 

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共田 誠(まこと先生)

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共田 誠(まこと先生)

高校物理講師・プロ家庭教師 / 指導歴14年

上智大学理工学部物理学科卒。私立高校の非常勤講師として進学クラスから基礎クラスまで幅広く担当。大手家庭教師センター3社でプロ家庭教師を経験し、現在はオンライン専門で全国の高校生を個別指導中。

暗記物理の撲滅」を掲げ、生徒の思考のクセを診断・矯正するドクター型アプローチで指導。表面的なテクニックではなく、初見の問題に強い思考力を育てる。

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