- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- 等加速度運動とはなにか
- 覚えておくべき公式3つ
- 公式でなにができるようになるのか
等加速度運動とは『等しい加速度で運動すること』
等加速度運動とは、漢字の通り「等」しい「加速度」で「運動」するということです。
理科が嫌いな方からすれば「専門用語っぽくて分かりにくい!」と感じるでしょう。
しかし、物理で登場する用語は、意外と漢字からイメージできることが多いです。
では、実際に等しい加速度で運動するというのはどういうことなのか。
加速度ってなに?でも登場した徒競走を例にイメージしてみましょう。
時刻ごとの速度を設定しておきます。
(ここでの時刻は、ストップウォッチに表示されている時間をイメージしてください)
- 0秒のとき 0m/s
- 1秒のとき 2m/s
- 2秒のとき 4m/s
- 3秒のとき 6m/s
このとき、1秒ごとに速度は常に2ずつ増加しているので、加速度は2です。
ここで大切なのは『常に』という部分です。
このランナーは、ずっと「2」という等しい加速度で走っています。
これが等加速度運動です。
念のため、等加速度ではない運動もイメージしておきましょう。
(ここでの時刻は、ストップウォッチに表示されている時間をイメージしてください)
- 0秒のとき 0m/s
- 1秒のとき 1m/s
- 2秒のとき 3m/s
- 3秒のとき 6m/s
- 0秒~ 1秒のあいだは加速度1
- 1秒~ 2秒のあいだは加速度2
- 2秒~ 3秒のあいだは加速度3
時間ごとに加速度が変化しているので、これは等加速度運動とは言えません。
「スピードアップしているものはすべて等加速度運動」と勘違いしないように気をつけましょう。
等加速度運動は、漢字をブロックごとにわけて覚えておくとイメージも湧きやすいので、覚え方の工夫をすれば簡単です。
覚える公式は3つ
- \(x=x_0+v_0t+\frac{1}{2}at^2\)
- \(v=v_0+at\)
- \(v^2-v_0^2=2a(x-x_0)\)
- \(x\) → 位置
- \(x_0\) → 最初の位置
- \(v\) → 速度
- \(v_0\) → 初速度
- \(a\) → 加速度
- \(t\) → 時刻
位置・速度・加速度・時刻はこれまでに出てきているので、「この文字で表現するのか!」程度に覚えてください。
ここで初登場なのが『\(x_0\) → 最初の位置』『\(v_0\) → 初速度』です。
0 が付いたら「最初の〇〇」という意味になります。
\(x\)が位置という意味なので、それに0が付けば「最初の位置」
\(v\)が速度という意味なので、それに0が付けば「最初の速度(初速度とも呼ぶ)」
公式の使い道は『未来予測』
では一体この 3 つの公式でなにができるのか。
この公式を使うと未来を予測することができるようになります。
どういうことかと言うと、「最初の情報(最初の位置、初速度、加速度)」と「好きな時刻」を式に代入すると、指定した時刻の位置や速度を計算で求めることができます。
では、また徒競走を例にイメージしてみましょう。
「加速度は2」としましょう。
\(x_0\) → 0
\(v_0\) → 0
\(a\) → 2
これを式に代入するとこのようになります。
- \(x=0+0\times t+\frac{1}{2}\times 2\times t^2\)
- \(v=0+2\times t\)
- \(v^2-0^2=2\times 2 (x-0)\)
あとは好きな時刻 \(t\) を式に代入することで、そのときの位置\(x\)や速度\(v\)を求めることができます。
これが『未来を予測できるようになる』ということです。
実際の問題では「最初の情報を求めよ」という質問もされることがあります。
そのときも、分かっている情報を代入してしまえば計算で求めることが可能です。
まとめ
- 等加速度運動は『等しい加速度で運動する』ということ
- 覚える公式は 3 つ
- 公式を使って未来の予測ができる
実際の問題や使っているところを見てみたいという方はこちらの動画を見てみてください。