- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- 熱量の求め方
- 比熱とはなにか
- 熱容量とはなにか
熱量は3つの要素で決まる
上の式が成り立つ理由を、お風呂のお湯が持つ熱量でイメージしてみましょう。
お風呂AとコップBには80[℃]の熱湯、お風呂Cには20[℃]の水が入っているとしましょう。
お風呂Aのお湯すべてを入れた場合、コップBの熱湯すべてを入れた場合、どちらのほうがお風呂Cの温度は上がりますか?
大量のお湯が入っているお風呂Aのほうが、お風呂Cの温度を一気に上げれるでしょう。
つまり温度が同じときは、お湯の量が多いときほど熱を多く持っているということになります。
以上のことから、つぎのことが分かる。
- 温度が高ければ、熱量は多い
- 質量が大きければ、熱量は多い
比熱の大小は、水槽の大小とおなじ
身の回りにあるものは、どんな材質でできているかによって、温度の上がりやすさが違います。
フライパンは少し加熱すれば一気に温度が上がるけど、フライパンと比べると水の温度は上がりにくいです。
フライパンと水を1[g]ずつ切り取り、それぞれを1[K]だけ温度を上げるためには、水のほうが多くの熱が必要になります。
つまり水のほうが比熱が大きいということです。
比熱と温度の関係は、水槽でイメージすることができます。
大小2つの水槽におなじ量の水を入れた場合、小さい水槽のほうが水面の位置は上がります。
また水槽の底に小さな穴をあけて水を抜く場合、小さい水槽のほうが水面の位置は速く下がります。
- 水槽のサイズ
- 入れた水
- 水面の高さ
この3つの関係を、熱のコトバに置き換えてみましょう。
- 比熱(水槽のサイズ)
- 加えた熱量(入れた水)
- 温度(水面の高さ)
水槽のイメージがわかると、つぎのような関係も整理しやすいです。
比熱が大きい | 比熱が小さい |
---|---|
温まりにくい、冷めにくい (例)湯たんぽ | 温まりやすい、冷めやすい (例)フライパン |
2つの要素を1つにまとめたものが熱容量
熱量を求める式に登場する質量と比熱を合体させ、1文字 \(C\) で表現したものを熱容量と呼びます。
実際に問題を解くときは、つぎのような使い分けをしましょう。
- 質量・比熱がわかってるなら \(Q=mcT\)
- 質量・比熱がわからないなら \(Q=CT\)
どれだけ変化したか考えるときは⊿をつける
物理では変化を追う問題が多いです。
変化した量を式で表現するときは、⊿(読み方:デルタ)を使いましょう。
2つの式で \(Q\) の意味が違います。
自分はどちらの意味で使っているのか考えながら式を作りましょう。
まとめ
- 質量、比熱、温度で熱量が決まる
- 比熱は単位質量の物質の温度を1[K]上げるのに必要な熱量
- 熱容量は \(mc\) を1文字 \(C\) で表現したもの
- 変化した量を表すには⊿を使う
演習問題を解いてみたいかたは、融解熱と蒸発熱を復習してからチャレンジ!