Step1
① 単振動
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の式からの物理量の読み取り」です。与えられた単振動の変位の式から、振幅、角振動数、周期といった基本的な物理量を特定します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の変位の一般式: \(x = A \sin \omega t\) の形を理解していること。
- 振幅 \(A\)、角振動数 \(\omega\)、周期 \(T\) の定義: それぞれが単振動のどの側面を表す量なのかを把握していること。
- 角振動数と周期の関係式: \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\) という重要な関係を覚えていること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 与えられた単振動の式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) を、一般式 \(x = A \sin \omega t\) と比較する。
- 式の係数を直接見比べることで、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) の値を特定する。
- 特定した角振動数 \(\omega\) の値を関係式 \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\) に代入し、周期 \(T\) を計算する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動に関する問題では、まずその運動を表す基本式 \(x = A \sin \omega t\)(または \(x = A \cos \omega t\))を思い浮かべることが全ての始まりです。この問題で与えられている式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) は、まさにこの基本式の形をしています。
したがって、やるべきことは非常にシンプルで、基本式と問題の式を並べて、どの部分がどの物理量に対応しているのかを丁寧に見比べていくだけです。
具体的には、\(\sin\) 関数の前にかかっている数値が「振幅 \(A\)」に、時刻 \(t\) にかかっている係数が「角振動数 \(\omega\)」にそれぞれ対応します。
周期 \(T\) は、式の中に直接は現れませんが、角振動数 \(\omega\) が分かれば \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\) の関係式からいつでも計算できる、という流れを理解しておくことが重要です。
この設問における重要なポイント
- 式の比較: 単振動の一般式 \(x = A \sin \omega t\) と、問題で与えられた式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) の係数を比較することが核心です。
- 振幅 \(A\): 振動の中心からの最大のずれ幅。式の \(\sin\) の前の係数に相当します。
- 角振動数 \(\omega\): 振動のペースを表す量。式の \(t\) の前の係数に相当します。
- 周期 \(T\): 1往復にかかる時間。角振動数 \(\omega\) とは \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\) の関係にあります。この公式は必須の知識です。
- \(\pi\) の扱い: 角振動数の具体的な数値を求める際には、問題文の指示に従い \(\pi=3.14\) を用います。有効数字にも注意しましょう。
具体的な解説と立式
与えられた単振動の変位の式は、
$$ x = 0.40 \sin \pi t \quad \cdots ① $$
です。
これを、単振動の変位の一般式
$$ x = A \sin \omega t \quad \cdots ② $$
と比較します。
式①と②の係数を比較することで、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を求めます。
- 振幅 \(A\) は \(\sin\) の係数なので、
$$ A = 0.40 \, [\text{m}] $$ - 角振動数 \(\omega\) は時刻 \(t\) の係数なので、
$$ \omega = \pi \, [\text{rad/s}] $$ - 周期 \(T\) は、角振動数 \(\omega\) との関係式を用いて立式します。
$$ T = \frac{2\pi}{\omega} \quad \cdots ③ $$
使用した物理公式
- 単振動の変位: \(x = A \sin \omega t\)
- 周期と角振動数の関係: \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\)
1. 振幅 \(A\) の計算
式の比較から、そのまま読み取ることができます。
$$ A = 0.40 \, \text{m} $$
2. 角振動数 \(\omega\) の計算
式の比較から \(\omega = \pi\) であり、問題の指示に従って \(\pi = 3.14\) を代入します。問題文の \(0.40\) が有効数字2桁なので、答えも有効数字2桁に丸めます。
$$ \omega = \pi = 3.14 \approx 3.1 \, \text{rad/s} $$
3. 周期 \(T\) の計算
式③に \(\omega = \pi\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= \frac{2\pi}{\omega} \\[2.0ex]&= \frac{2\pi}{\pi} \\[2.0ex]&= 2.0 \, \text{s}
\end{aligned}
$$
単振動の式は、その運動の「プロフィール」が書かれた自己紹介文のようなものです。
基本プロフィール: \(x = A \sin \omega t\)
今回の人のプロフィール: \(x = 0.40 \sin \pi t\)
この2つを見比べれば、その人の特徴が分かります。
- 振幅 \(A\) (どれだけ大きく揺れるか): \(A\) の場所には「\(0.40\)」と書いてあります。なので、振幅は \(0.40 \, \text{m}\) です。
- 角振動数 \(\omega\) (どれだけ速く揺れるか): \(\omega\) の場所には「\(\pi\)」と書いてあります。問題に「\(\pi\) は \(3.14\) としてね」とあるので、角振動数は約 \(3.1 \, \text{rad/s}\) です。
- 周期 \(T\) (1往復に何秒かかるか): これはプロフィールには直接書いてありませんが、角振動数 \(\omega\) が分かれば \(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\omega}\) という公式で計算できます。\(\omega\) は \(\pi\) だったので、\(T = \displaystyle\frac{2\pi}{\pi} = 2.0\) となり、周期は \(2.0\) 秒だと分かります。
② 単振動の変位
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の式を用いた特定時刻での変位の計算」です。与えられた単振動の運動方程式に具体的な時刻を代入し、その瞬間の物体の位置を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の変位の式: \(x = A \sin \omega t\) が、時刻 \(t\) における物体の位置(変位)を表すことを理解していること。
- 値の代入: 物理法則を表す式は、変数に具体的な値を入れることで、その状況における物理量を計算できる関数として利用できること。
- 三角関数の計算: \(\sin(\pi/6)\) のような、基本的な三角関数の値をラジアン単位で正しく計算できること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 与えられた単振動の変位の式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) を確認する。
- この式の時刻 \(t\) に、問題で指定された値 \(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) を代入する。
- 式中の三角関数 \(\sin(\pi/6)\) の値を求め、最終的な変位 \(x\) を計算する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動の変位の式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) は、任意の時刻 \(t\) を入力すれば、その瞬間の物体の位置(変位 \(x\))を出力してくれる、一種の「計算機」のようなものです。
この問題は、その「計算機」に「\(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) 秒のときはどこにいますか?」と尋ねているのと同じです。したがって、物理的な深い考察というよりは、与えられた式に指定された値を正確に代入し、計算を実行する数学的な処理が中心となります。
計算の過程で \(\sin(\pi/6)\) という形が出てきます。物理では角度にラジアンを用いることが標準であるため、\(\pi/6\) [rad] が \(30^\circ\) に相当し、その正弦(sin)が \(\displaystyle\frac{1}{2}\) であることを落ち着いて計算することが重要です。
この設問における重要なポイント
- 式の意味の理解: \(x = 0.40 \sin \pi t\) は、単に物理法則を表すだけでなく、具体的な値を計算するための「関数」として機能します。
- 正確な代入: 問題で与えられた時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) [s] を、式の \(t\) にそのまま代入します。
- 三角関数の知識: \(\sin(\displaystyle\frac{\pi}{6}) = \displaystyle\frac{1}{2}\) であることを正確に覚えているかどうかが、正解への直接的な鍵となります。
具体的な解説と立式
与えられた単振動の変位の式は、
$$ x = 0.40 \sin \pi t $$
です。
この式に、問題で指定された時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) [s] を代入します。
$$ x = 0.40 \sin \left( \pi \times \frac{1}{6} \right) $$
これが、求める変位 \(x\) を計算するための式となります。
使用した物理公式
- 単振動の変位: \(x = A \sin \omega t\)
立式した式を計算します。
$$
\begin{aligned}
x &= 0.40 \sin \left( \frac{\pi}{6} \right)
\end{aligned}
$$
ここで、\(\sin(\displaystyle\frac{\pi}{6}) = \displaystyle\frac{1}{2}\) なので、
$$
\begin{aligned}
x &= 0.40 \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]&= 0.20
\end{aligned}
$$
したがって、時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) s における変位は \(0.20 \, \text{m}\) となります。
単振動の式 \(x = 0.40 \sin \pi t\) は、「時刻 \(t\) を教えてくれれば、その時の物体の位置 \(x\) を計算してあげるよ」という便利な計算機のようなものです。
今回は「\(t = \displaystyle\frac{1}{6}\) 秒の時はどこにいる?」と聞かれているので、式の \(t\) の部分に \(\displaystyle\frac{1}{6}\) を入れてあげるだけでOKです。
\(x = 0.40 \sin (\pi \times \displaystyle\frac{1}{6}) = 0.40 \sin(\displaystyle\frac{\pi}{6})\)
数学で習ったように、\(\sin(\displaystyle\frac{\pi}{6})\) は \(\sin 30^\circ\) のことで、値は \(\displaystyle\frac{1}{2}\) です。
したがって、
\(x = 0.40 \times \displaystyle\frac{1}{2} = 0.20\)
となり、答えは \(0.20 \, \text{m}\) です。
③ 単振動の速度
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の変位の式から速度の式を導出する」ことです。与えられた物体の位置(変位)の時間変化の式から、その物体の速度が時間と共にどう変化するかを表す式を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の変位と速度の関係: 変位が \(x = A \sin \omega t\) で表されるとき、速度は \(v = A\omega \cos \omega t\) となることを理解していること。
- 式の係数の読み取り: 与えられた変位の式から、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を正確に特定できること。
- 公式への代入: 読み取った物理量を、速度の一般式に正しく代入して式を完成させること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 与えられた変位の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) を、単振動の一般式 \(x = A \sin \omega t\) と比較する。
- 振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) の値を特定する。
- 特定した \(A\) と \(\omega\) の値を、速度の一般式 \(v = A\omega \cos \omega t\) に代入し、求める速度 \(v\) の式を導出する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動では、物体の位置(変位)だけでなく、その速度も時間とともに周期的に変化します。変位と速度の関係は密接で、一方の式が分かればもう一方の式を導出することができます。
この問題では、変位 \(x\) が \(\sin\) を用いた式で与えられています。物理では、変位が \(\sin\) 型の単振動の場合、その速度 \(v\) は \(\cos\) 型の式で表されるという重要な関係があります。
したがって、解法の流れは2段階になります。
1. まず、与えられた変位の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) から、この振動の基本情報である「振幅 \(A\)」と「角振動数 \(\omega\)」を正確に抜き出します。
2. 次に、それらの値を速度の一般式 \(v = A\omega \cos \omega t\) に当てはめて、具体的な速度の式を完成させます。
この設問における重要なポイント
- 変位と速度の公式ペア:
- 変位: \(x = A \sin \omega t\)
- 速度: \(v = A\omega \cos \omega t\)
この2つの式の形と関係性をセットで覚えておくことが、この種の問題を解く上での最も重要な知識です。
- 速度の最大値: 速度の式の \(\cos\) の前の部分、\(A\omega\) は、その単振動における速度の最大値 \(v_{\text{最大}}\) を表します。
- \(\pi\) の扱い: 問題文に「\(\pi\) はそのまま用いてよい」とあるため、具体的な数値(3.14など)に置き換える必要はありません。
具体的な解説と立式
与えられた単振動の変位の式は、
$$ x = 2.0 \sin \pi t \quad \cdots ① $$
です。
これを、単振動の変位の一般式
$$ x = A \sin \omega t \quad \cdots ② $$
と比較します。
式①と②の係数を比較することで、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を特定します。
- 振幅 \(A\) は \(\sin\) の係数なので、
$$ A = 2.0 \, [\text{m}] $$ - 角振動数 \(\omega\) は時刻 \(t\) の係数なので、
$$ \omega = \pi \, [\text{rad/s}] $$
次に、単振動の速度の一般式
$$ v = A\omega \cos \omega t \quad \cdots ③ $$
に、特定した \(A\) と \(\omega\) の値を代入します。
使用した物理公式
- 単振動の変位: \(x = A \sin \omega t\)
- 単振動の速度: \(v = A\omega \cos \omega t\)
この問題は具体的な数値を求めるのではなく、速度を表す式を導出する問題です。
式③に \(A = 2.0\) と \(\omega = \pi\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
v &= A \omega \cos \omega t \\[2.0ex]&= 2.0 \times \pi \times \cos(\pi t) \\[2.0ex]&= 2.0\pi \cos \pi t
\end{aligned}
$$
したがって、求める速度の式は \(v = 2.0\pi \cos \pi t\) となります。
単振動の「位置の式」から「速度の式」を作る問題です。これには簡単なルールがあります。
1. \(\sin\) は \(\cos\) に変わる: 位置の式が \(\sin\) で書かれている場合、速度の式は必ず \(\cos\) になります。
2. 先頭に係数がつく: 速度の式の先頭には、位置の式から読み取った「振幅 \(A\)」と「角振動数 \(\omega\)」を掛け算したものが付きます。
今回の位置の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) から、
- 振幅 \(A = 2.0\)
- 角振動数 \(\omega = \pi\)
と読み取れます。
この2つを掛け算すると \(A\omega = 2.0 \times \pi = 2.0\pi\) です。
この結果をルールに当てはめると、速度の式は、
\(v = (\text{掛け算した係数}) \times \cos(\text{中身はそのまま})\)
\(v = 2.0\pi \cos(\pi t)\)
と簡単に作ることができます。
④ 単振動の速度
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の速度の式を用いた特定時刻での速度の計算」です。物体の速度が時間と共にどう変化するかを表す式に、具体的な時刻を代入してその瞬間の速度を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の変位と速度の関係: 変位の式 \(x = A \sin \omega t\) から、速度の式が \(v = A\omega \cos \omega t\) となることを理解し、利用できること。
- 具体的な値の代入: 速度の式に、指定された時刻 \(t\) の値を代入して計算できること。
- 三角関数の計算: \(\cos(\pi/3)\) のような、基本的な三角関数の値をラジアン単位で正しく計算できること。
- 近似計算: 問題文の指示に従い、\(\pi=3.14\) を用いて最終的な数値を計算し、適切な有効数字で答えること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、与えられた変位の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) から、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を特定する。
- 速度の一般式 \(v = A\omega \cos \omega t\) に \(A\) と \(\omega\) を代入し、この運動における速度の式を立てる。
- 立てた速度の式に、指定された時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) [s] を代入する。
- 三角関数の値を求め、\(\pi=3.14\) を用いて最終的な速度の値を計算する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
この問題は、単振動の速度が時間とともに変化する様子を表す式 \(v(t)\) を用いて、特定の時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) [s] における速度の具体的な値を求めるものです。
まず、変位の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) から、速度の式 \(v = 2.0\pi \cos \pi t\) を導出します(これは前の問題で扱った内容です)。この速度の式は、任意の時刻 \(t\) を入力すれば、その瞬間の速度 \(v\) を出力してくれる「計算機」として機能します。
したがって、やるべきことは、この速度の式に指定された時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) を代入し、計算を進めることです。
計算の過程で \(\cos(\pi/3)\) という項が現れます。これはラジアン表記の角度であり、度数法では \(\cos 60^\circ\) に相当します。その値が \(\displaystyle\frac{1}{2}\) であることを用いて計算し、最後に問題の指示に従って \(\pi=3.14\) を代入し、有効数字を考慮して最終的な答えを導きます。
この設問における重要なポイント
- 速度の式の利用: 変位の式から導かれる速度の式 \(v = A\omega \cos \omega t\) が、任意の時刻 \(t\) における速度を計算するための関数として機能することを理解する。
- 正確な代入: 問題で与えられた時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) [s] を、速度の式の \(t\) にそのまま代入する。
- 三角関数の知識: \(\cos(\displaystyle\frac{\pi}{3}) = \displaystyle\frac{1}{2}\) であることを正確に覚えていること。
- 近似計算と有効数字: \(\pi=3.14\) を用いて計算し、問題文で与えられている数値(2.0)の有効数字2桁に合わせて結果を丸めること。
具体的な解説と立式
単振動の変位の式 \(x = 2.0 \sin \pi t\) から、振幅 \(A=2.0 \, \text{m}\)、角振動数 \(\omega=\pi \, \text{rad/s}\) であることがわかります。
したがって、この物体の速度 \(v\) を表す式は、
$$ v = A\omega \cos \omega t = 2.0\pi \cos \pi t $$
となります。
この速度の式に、問題で指定された時刻 \(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) [s] を代入します。
$$ v = 2.0\pi \cos\left(\pi \times \frac{1}{3}\right) $$
これが、求める速度 \(v\) を計算するための式となります。
使用した物理公式
- 単振動の速度: \(v = A\omega \cos \omega t\)
立式した式を計算します。
$$
\begin{aligned}
v &= 2.0\pi \cos\left(\frac{\pi}{3}\right)
\end{aligned}
$$
ここで、\(\cos(\displaystyle\frac{\pi}{3}) = \displaystyle\frac{1}{2}\) なので、
$$
\begin{aligned}
v &= 2.0\pi \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]&= \pi
\end{aligned}
$$
問題の指示に従い、\(\pi = 3.14\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
v &= 3.14
\end{aligned}
$$
与えられている数値「2.0」が有効数字2桁なので、答えも有効数字2桁に丸めます。
$$ v \approx 3.1 \, [\text{m/s}] $$
速度を計算するための式 \(v = 2.0\pi \cos \pi t\) は、前の問題で作りました。
今回は「\(t = \displaystyle\frac{1}{3}\) 秒の時の速度は?」と聞かれているので、この式の \(t\) に \(\displaystyle\frac{1}{3}\) を入れるだけでOKです。
\(v = 2.0\pi \cos(\pi \times \displaystyle\frac{1}{3}) = 2.0\pi \cos(\displaystyle\frac{\pi}{3})\)
数学で習ったように、\(\cos(\displaystyle\frac{\pi}{3})\) は \(\cos 60^\circ\) のことで、値は \(\displaystyle\frac{1}{2}\) です。
したがって、
\(v = 2.0\pi \times \displaystyle\frac{1}{2} = \pi\)
問題に「\(\pi=3.14\) として」とあるので、\(v = 3.14\) となります。
最後に、問題文の「2.0」に合わせて有効数字を2桁にすると、答えは \(3.1 \, \text{m/s}\) です。
⑤ 単振動の加速度
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動における加速度と復元力の計算」です。単振動の基本的な性質を表す公式を用いて、特定の変位における加速度と、そのときに物体にはたらく力を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の加速度の公式: 加速度 \(a\) は、変位 \(x\) と角振動数 \(\omega\) を用いて \(a = -\omega^2 x\) と表されること。
- 運動方程式: 物体にはたらく力 \(F\) は、その物体の質量 \(m\) と加速度 \(a\) を用いて \(F = ma\) と表されること。
- 復元力の概念: 単振動を引き起こす力は、変位に比例し、向きは常に振動の中心を向く(変位と逆向き)。
- 「大きさ」を問われた際の注意点: 計算結果が負の値になった場合、それは向きを表しているため、大きさとしては絶対値(正の値)で答えること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文で与えられた物理量(質量 \(m\)、角振動数 \(\omega\)、変位 \(x\))を整理する。
- 加速度の公式 \(a = -\omega^2 x\) に値を代入して加速度を計算し、その大きさを求める。
- 運動方程式 \(F = ma\) に質量と求めた加速度を代入して力を計算し、その大きさを求める。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動において、加速度は物体の位置(変位)によって決まります。その関係を表すのが、単振動の最も重要な公式の一つである \(a = -\omega^2 x\) です。この式は、加速度が変位 \(x\) に比例し、向きが常に逆(中心向き)であることを示しています(マイナス符号が「逆向き」を意味します)。
この問題では、角振動数 \(\omega\) と変位 \(x\) が与えられているため、この公式に値を代入するだけで、瞬時に加速度を計算することができます。
次に、物体にはたらく力を求めます。これは、力学の基本であるニュートンの運動方程式 \(F=ma\) を使います。単振動を引き起こしている力(復元力)も、この法則に従います。先ほど加速度 \(a\) を計算したので、あとは質量 \(m\) を掛けるだけで、力を求めることができます。
問題では加速度と力の「大きさ」が問われていることに注意が必要です。計算結果に出てくるマイナス符号は「向き」の情報なので、答えとしてはその絶対値(正の値)を記述します。
この設問における重要なポイント
- 加速度の公式: \(a = -\omega^2 x\)。これは単振動の運動を定義づける非常に重要な式です。
- 運動方程式: \(F = ma\)。力と加速度を結びつける、物理学の根幹をなす法則です。
- 復元力の公式: 上の2式を組み合わせると、単振動の復元力は \(F = m(-\omega^2 x) = -m\omega^2 x\) と表せます。この形も覚えておくと便利です。
- 符号の意味: \(a = -\omega^2 x\) のマイナス符号は、加速度が常に変位と逆向き(中心向き)であることを示しています。同様に、力 \(F\) も変位と逆向きにはたらきます。
具体的な解説と立式
問題文で与えられた物理量を整理します。
- 質量: \(m = 0.10 \, \text{kg}\)
- 角振動数: \(\omega = 3.0 \, \text{rad/s}\)
- 変位: \(x = 0.20 \, \text{m}\)
1. 加速度 \(a\) の立式
単振動の加速度の公式を用います。
$$ a = -\omega^2 x \quad \cdots ① $$
2. 力 \(F\) の立式
運動方程式を用います。
$$ F = ma \quad \cdots ② $$
使用した物理公式
- 単振動の加速度: \(a = -\omega^2 x\)
- 運動方程式: \(F = ma\)
1. 加速度の計算
式①に \(\omega = 3.0\) と \(x = 0.20\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
a &= -(3.0)^2 \times 0.20 \\[2.0ex]&= -9.0 \times 0.20 \\[2.0ex]&= -1.8 \, [\text{m/s}^2]\end{aligned}
$$
加速度の大きさは、この値の絶対値なので \(|a| = 1.8 \, \text{m/s}^2\) となります。
2. 力の計算
式②に \(m = 0.10\) と、上で求めた \(a = -1.8\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
F &= 0.10 \times (-1.8) \\[2.0ex]&= -0.18 \, [\text{N}]\end{aligned}
$$
力の大きさは、この値の絶対値なので \(|F| = 0.18 \, \text{N}\) となります。
この問題は、2つの公式を順番に使うだけで解くことができます。
ステップ1: 加速度を求める
単振動の加速度は、\(a = -\omega^2 x\) という公式で計算できます。「角振動数 \(\omega\)」と「変位 \(x\)」が分かっていればOKです。
値を当てはめると、\(a = -(3.0)^2 \times 0.20 = -1.8\) となります。
問題で聞かれているのは「大きさ」なので、マイナスを取った \(1.8 \, \text{m/s}^2\) が答えです。(マイナスは「中心に向かう向き」という意味です)
ステップ2: 力を求める
力は、おなじみの運動方程式 \(F=ma\) で計算できます。「質量 \(m\)」と、今計算した「加速度 \(a\)」を掛けるだけです。
\(F = 0.10 \times (-1.8) = -0.18\) となります。
これも「大きさ」を聞かれているので、マイナスを取った \(0.18 \, \text{N}\) が答えです。
⑥ 単振動
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動における各位置での速度と加速度の特徴」です。単振動の運動をイメージし、振動の中心と端で速度と加速度がそれぞれどのようになるかを理解することが目的です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の速度の公式: \(v = A\omega \cos \omega t\)。または、エネルギー保存則から導かれる \(v = \omega \sqrt{A^2 – x^2}\)。
- 単振動の加速度の公式: \(a = -\omega^2 x\)。
- 振動の中心と端の定義:
- 振動の中心 (B): 変位 \(x=0\) の点。ばねが自然長の点。
- 振動の端 (A, C): 変位が最大 (\(x = \pm A\)) になる点。折り返し点。
- 力学的エネルギー保存則: 運動エネルギーと弾性エネルギーの和が一定であること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 速度について考える。振動の中心(B)と端(A, C)で、物体の動きがどうなっているかをイメージする。または、速度の公式 \(v = \omega \sqrt{A^2 – x^2}\) に \(x=0\) と \(x=\pm A\) を代入して考える。
- 加速度について考える。加速度の公式 \(a = -\omega^2 x\) を元に、変位 \(x\) が最大・最小になる位置で加速度がどうなるかを判断する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
この問題は、単振動の運動を直感的に、あるいは公式に基づいて理解しているかを問うものです。計算は不要で、概念の理解が全てです。
1. 速度について
まず、物体の「速さ」を考えます。ブランコを漕ぐ様子を想像してみましょう。
- 最も速いのはどこか?: ブランコが一番低い位置(振動の中心B)を通過する瞬間が、最もスピードに乗っています。単振動でも同様に、物体は振動の中心Bを通過するときに速さが最大になります。
- 速さがゼロになるのはどこか?: ブランコが最も高い位置に達した瞬間、一瞬だけ静止して折り返します。単振動でも同じで、振動の両端(AとC)で物体は一瞬停止し、向きを変えます。したがって、速さは0になります。
2. 加速度について
次に「加速度」を考えます。加速度は、物体にはたらく「力」に比例します(\(F=ma\))。ばねの単振動では、力はばねの「伸び」や「縮み」に比例します(フックの法則)。
- 加速度が最大になるのはどこか?: 力が最大になるのは、ばねが最も伸びている(位置C)か、最も縮んでいる(位置A)ときです。したがって、加速度の大きさも振動の両端(AとC)で最大になります。
- 加速度がゼロになるのはどこか?: 力がゼロになるのは、ばねが自然長(伸びも縮みもしていない)のときです。これが振動の中心(B)にあたります。力がゼロなので、加速度もゼロになります。
この直感的な理解を、物理公式で裏付けることもできます。
この設問における重要なポイント
- 速度:
- 振動の中心(B)で最大 (\(v_{\text{最大}} = A\omega\))
- 振動の端(A, C)でゼロ
- 加速度:
- 振動の端(A, C)で大きさ最大 (\(a_{\text{最大}} = \omega^2 A\))
- 振動の中心(B)でゼロ
- 変位と速度と加速度の関係:
- 変位が0のとき、速度は最大、加速度は0。
- 変位が最大のとき、速度は0、加速度は最大。
この逆の相関関係を理解することが核心です。
具体的な解説と立式
この問題は概念的な理解を問うもので、立式や計算は不要です。各物理量の性質を吟味します。
空欄①, ②: 速度について
単振動の速度 \(v\) は、変位 \(x\) を用いて \(v = \pm \omega \sqrt{A^2 – x^2}\) と表せます。
- 速さが最大になる位置 (①):
速さが最大になるのは、\(v^2 = \omega^2 (A^2 – x^2)\) が最大になるとき、つまり \(x^2\) が最小になるときです。これは変位が \(x=0\) の点、すなわち振動の中心Bです。 - 速さが0になる位置 (②):
速さが0になるのは、\(A^2 – x^2 = 0\) のとき、つまり変位が \(x = \pm A\) の点です。これは振動の端AとCです。
空欄③, ④: 加速度について
単振動の加速度 \(a\) は、\(a = -\omega^2 x\) と表せます。
- 加速度の大きさが最大になる位置 (③):
加速度の大きさ \(|a| = \omega^2 |x|\) が最大になるのは、変位の大きさ \(|x|\) が最大になるときです。これは \(x = \pm A\) の点、すなわち振動の端AとCです。 - 加速度の大きさが0になる位置 (④):
加速度の大きさが0になるのは、\(x=0\) の点、すなわち振動の中心Bです。
使用した物理公式
- 単振動の速度と変位の関係: \(v = \pm \omega \sqrt{A^2 – x^2}\)
- 単振動の加速度と変位の関係: \(a = -\omega^2 x\)
この問題には計算過程はありません。上記の物理法則の理解そのものが解答プロセスとなります。
- ① 速さが最大 → 振動の中心 → B
- ② 速さが0 → 振動の端 → A, C
- ③ 加速度の大きさが最大 → 振動の端 → A, C
- ④ 加速度の大きさが0 → 振動の中心 → B
ブランコをイメージすると簡単です。
- スピード:
- 一番速いのは、真ん中を通り過ぎる瞬間です。→ ①はB
- 一瞬止まるのは、一番高いところ(両端)です。→ ②はA, C
- グイっと引っ張られる力(加速度):
- 最も強く進行方向と逆向きに引っ張られる(折り返すための力)のは、一番高いところ(両端)です。→ ③はA, C
- ふわっと無重力のように感じる(力がかからない)のは、真ん中です。→ ④はB
⑦ 単振動の周期
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「復元力の式から単振動の周期を求める」ことです。物体にはたらく力と変位の関係式から、その運動の周期を計算します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の復元力の一般式: 単振動を引き起こす力は、変位に比例し向きが逆であるという関係 \(F = -Kx\) で表されます。
- 単振動の周期の公式: 周期 \(T\) は、質量 \(m\) と復元力の比例定数 \(K\) を用いて \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) と表されます。
- 式の比較による定数の特定: 与えられた具体的な力の式と、物理法則の一般式を比較して、物理定数(今回は \(K\))の値を読み取るスキル。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 与えられた力の式 \(F = -40x\) を、単振動の復元力の一般式 \(F = -Kx\) と見比べる。
- 復元力の比例定数 \(K\) の値を特定する。
- 周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) に、問題文で与えられた質量 \(m\) と、特定した \(K\) の値を代入して周期 \(T\) を計算する。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動とは、物体が中心からの距離(変位 \(x\))に比例した力(復元力 \(F\))を受けて起こる往復運動です。その関係は、一般的に \(F = -Kx\) という式で表されます。この \(K\) は、ばね振り子でいう「ばね定数」に相当し、振動の「硬さ」や「起こりにくさ」を示す重要なパラメータです。
この問題では、具体的な力の式として \(F = -40x\) が与えられています。この式を一般式 \(F = -Kx\) と比較することで、この振動の比例定数が \(K=40\) であることを見抜くのが第一歩です。
次に、単振動の周期(1往復にかかる時間)を求めます。周期 \(T\) は、物体の質量 \(m\) と比例定数 \(K\) によって決まり、その関係は \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) という公式で与えられます。この公式は、質量が大きいほど周期が長く(慣性が大きく動きにくい)、\(K\) が大きいほど周期が短くなる(強く引き戻されるので速い)という直感とも一致します。
\(K\) の値を特定できれば、あとは質量 \(m=10 \, \text{kg}\) とともにこの公式に代入するだけで、周期 \(T\) を計算することができます。
この設問における重要なポイント
- 復元力の式の理解: \(F = -Kx\) という形が単振動の本質です。与えられた力の式から、この形を見出し、比例定数 \(K\) を特定することが重要です。
- 周期の公式: \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) は、単振動における最重要公式の一つです。必ず暗記しておく必要があります。
- \(K\) の物理的意味: \(K\) は、ばね定数と同じく、変位 \(1 \, \text{m}\) あたりに何ニュートンの復元力がはたらくかを示す量です。単位は \(\text{N/m}\) となります。
- 近似計算: 問題の指示に従い、\(\pi=3.14\) を用いて計算し、適切な有効数字で答えます。
具体的な解説と立式
問題で与えられた、物体にはたらく力 \(F\) と変位 \(x\) の関係式は、
$$ F = -40x \quad \cdots ① $$
です。
一方、単振動の復元力の一般式は、比例定数を \(K\) として、
$$ F = -Kx \quad \cdots ② $$
と表されます。
式①と②を比較することで、この単振動における比例定数 \(K\) がわかります。
$$ K = 40 \, [\text{N/m}] $$
次に、単振動の周期 \(T\) を求める公式に、質量 \(m = 10 \, \text{kg}\) と求めた \(K\) の値を代入する準備をします。
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{K}} \quad \cdots ③ $$
使用した物理公式
- 復元力: \(F = -Kx\)
- 単振動の周期: \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\)
周期の公式(式③)に、\(m = 10 \, \text{kg}\) と \(K = 40 \, \text{N/m}\) を代入して計算します。
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi\sqrt{\frac{10}{40}} \\[2.0ex]&= 2\pi\sqrt{\frac{1}{4}} \\[2.0ex]&= 2\pi \times \frac{1}{2} \\[2.0ex]&= \pi
\end{aligned}
$$
問題の指示に従い、\(\pi = 3.14\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= 3.14
\end{aligned}
$$
与えられている数値「10kg」「-40x」が有効数字2桁であることから、答えも有効数字2桁に丸めます。
$$ T \approx 3.1 \, [\text{s}] $$
単振動の周期(1往復にかかる時間)は、物体の「質量 \(m\)」と、振動を引き起こす力の「強さの指標 \(K\)」で決まります。その計算には、\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) という便利な公式があります。
この問題では、
- 質量 \(m\) は \(10 \, \text{kg}\) と与えられています。
- 力の強さの指標 \(K\) は、力の式 \(F = -40x\) の中の「40」の部分から読み取ることができます。
あとは、これらの値を公式に入れるだけです。
\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{10}{40}} = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{1}{4}} = 2\pi \times \displaystyle\frac{1}{2} = \pi\)
最後に、問題の指示通り \(\pi\) を \(3.14\) に置き換えて、キリの良いところで丸めると、答えは約 \(3.1\) 秒となります。
⑧ ばね振り子
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「ばね振り子の周期の計算」です。ばね定数とおもりの質量が与えられたときに、そのばね振り子が1往復するのにかかる時間(周期)を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- ばね振り子の周期の公式: 周期 \(T\) は、おもりの質量 \(m\) とばね定数 \(k\) を用いて \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\) と表されること。
- 公式の各文字の意味: \(m\) がおもりの質量、\(k\) がばねの硬さを示すばね定数であることを理解していること。
- 近似計算と有効数字: 問題文で与えられた値と \(\pi\) の近似値を用いて計算し、適切な有効数字で答えること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文から、ばね定数 \(k\) とおもりの質量 \(m\) の値を読み取る。
- ばね振り子の周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\) に、読み取った値を代入する。
- 平方根を含む計算を実行し、\(\pi=3.14\) を用いて最終的な周期の値を求める。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
ばねにおもりをつるして振動させる「ばね振り子」は、単振動の代表的な例です。その周期(1往復にかかる時間)は、おもりの「質量 \(m\)」とばねの「ばね定数 \(k\)」という2つの要素だけで決まります。この関係を表すのが、非常に重要な公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\) です。
この問題は、この公式を知っていれば解ける、典型的な問題です。やるべきことは、問題文から \(m\) と \(k\) の値を正確に読み取り、公式に代入して計算するだけです。
- 質量 \(m\) が大きいほど、おもりは動きにくく(慣性が大きく)なるので、周期は長くなります。
- ばね定数 \(k\) が大きいほど、ばねは硬く、おもりを強く引き戻すので、周期は短くなります。
公式の形は、こうした直感的な理解とも一致しています。
計算の際には、ルートの中の分数を先に計算して簡単な形にしてから、平方根を求めると間違いが少なくなります。
この設問における重要なポイント
- 周期の公式の暗記: ばね振り子の周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\) は、単振動の分野で必須の知識です。
- 値の特定: 問題文から、\(k = 2.5 \, \text{N/m}\)、\(m = 0.40 \, \text{kg}\) を正確に読み取ります。
- 計算の工夫: ルートの中の分数は、分母と分子に同じ数を掛けて整数に直すと計算しやすくなる場合があります。例えば、\(\displaystyle\frac{0.40}{2.5} = \displaystyle\frac{4}{25}\) のように変形すると、平方根が簡単に計算できます。
- 有効数字: 問題文で与えられている数値(2.5, 0.40)がいずれも有効数字2桁なので、最終的な答えも有効数字2桁に丸めます。
具体的な解説と立式
問題文で与えられた物理量を整理します。
- ばね定数: \(k = 2.5 \, \text{N/m}\)
- おもりの質量: \(m = 0.40 \, \text{kg}\)
ばね振り子の周期 \(T\) を求める公式は、
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}} \quad \cdots ① $$
です。この式に、上記の値を代入して周期 \(T\) を計算します。
使用した物理公式
- ばね振り子の周期: \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\)
周期の公式(式①)に、\(m = 0.40\) と \(k = 2.5\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi\sqrt{\frac{0.40}{2.5}}
\end{aligned}
$$
ルートの中の分数を計算しやすくするために、分母と分子を10倍します。
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi\sqrt{\frac{4}{25}} \\[2.0ex]&= 2\pi \times \frac{\sqrt{4}}{\sqrt{25}} \\[2.0ex]&= 2\pi \times \frac{2}{5} \\[2.0ex]&= \frac{4}{5}\pi
\end{aligned}
$$
問題の指示に従い、\(\pi = 3.14\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= \frac{4}{5} \times 3.14 \\[2.0ex]&= 0.8 \times 3.14 \\[2.0ex]&= 2.512
\end{aligned}
$$
与えられている数値が有効数字2桁なので、答えも有効数字2桁に丸めます。
$$ T \approx 2.5 \, [\text{s}] $$
ばねの振り子が1往復する時間(周期)を求める問題です。これには、\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{k}}\) という便利な公式を使います。
- \(m\) はおもりの質量 (\(0.40 \, \text{kg}\))
- \(k\) はばねの硬さ (\(2.5 \, \text{N/m}\))
これらの値を公式に当てはめるだけです。
\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{0.40}{2.5}}\)
ルートの中の小数がやっかいなので、分母と分子を10倍して \(\sqrt{\displaystyle\frac{4}{25}}\) にします。これならルートが外せて \(\displaystyle\frac{2}{5}\) になりますね。
\(T = 2\pi \times \displaystyle\frac{2}{5} = \displaystyle\frac{4}{5}\pi = 0.8 \times \pi\)
最後に \(\pi\) を \(3.14\) にして計算すると、\(0.8 \times 3.14 = 2.512\) となります。
これを四捨五入して、答えは約 \(2.5\) 秒です。
⑨ 単振り子
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振り子の周期の計算」です。糸の長さが与えられたときに、その単振り子が1往復するのにかかる時間(周期)を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振り子の周期の公式: 周期 \(T\) は、糸の長さ \(L\) と重力加速度 \(g\) を用いて \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\) と表されること。
- 周期の性質(等時性): 単振り子の周期は、振れ幅が小さい範囲では、おもりの質量や振幅によらず、糸の長さと重力加速度のみで決まること。
- 重力加速度の値: 物理の問題で特に指定がない場合、重力加速度 \(g\) の値として \(9.8 \, \text{m/s}^2\) を用いるのが一般的です。
- 近似計算: 計算の過程で平方根などを扱うため、適切な近似や有効数字の処理が必要になります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問題文から、糸の長さ \(L\) の値を読み取る。
- 単振り子の周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\) に、読み取った \(L\) の値と、重力加速度 \(g=9.8 \, \text{m/s}^2\) を代入する。
- 平方根を含む計算を実行し、\(\pi=3.14\) を用いて最終的な周期の値を求める。
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
糸におもりをつるした「単振り子」は、振れ幅が小さいとき、単振動とみなすことができます。その周期(1往復にかかる時間)は、おもりの質量や振幅には関係なく、糸の「長さ \(L\)」と、その場所の「重力加速度 \(g\)」だけで決まります。この関係を表すのが、単振動の分野で非常に重要な公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\) です。
この問題は、この公式に与えられた値を代入して計算する、典型的な問題です。
- 糸の長さ \(L\) が長いほど、振り子はゆっくり揺れるので、周期は長くなります。
- 重力加速度 \(g\) が大きいほど(=引力が強いほど)、振り子は速く引き戻されるので、周期は短くなります。
公式の形は、こうした直感的な理解とも一致しています。
計算のポイントは、ルートの中の \(\sqrt{\displaystyle\frac{5.0}{9.8}}\) の扱いです。一見すると計算が面倒に見えますが、分母と分子を10倍して \(\sqrt{\displaystyle\frac{50}{98}}\) とし、さらに2で割って \(\sqrt{\displaystyle\frac{25}{49}}\) と変形すると、平方根が \(\displaystyle\frac{5}{7}\) ときれいに計算できます。この計算テクニックを知っていると、スムーズに解答にたどり着けます。
この設問における重要なポイント
- 周期の公式の暗記: 単振り子の周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\) は必須の知識です。
- 値の特定: 問題文から \(L = 5.0 \, \text{m}\) を読み取り、重力加速度 \(g\) として \(9.8 \, \text{m/s}^2\) を用いることを判断します。
- 計算テクニック: \(\sqrt{\displaystyle\frac{5.0}{9.8}} = \sqrt{\displaystyle\frac{50}{98}} = \sqrt{\displaystyle\frac{25}{49}} = \displaystyle\frac{5}{7}\) という変形が、この問題の計算を簡単にする鍵です。
- 有効数字: 問題文で与えられている数値(5.0)が有効数字2桁なので、最終的な答えも有効数字2桁に丸めます。
具体的な解説と立式
問題文で与えられた物理量を整理します。
- 糸の長さ: \(L = 5.0 \, \text{m}\)
- 重力加速度: \(g = 9.8 \, \text{m/s}^2\) (標準的な値として使用)
単振り子の周期 \(T\) を求める公式は、
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{L}{g}} \quad \cdots ① $$
です。この式に、上記の値を代入して周期 \(T\) を計算します。
使用した物理公式
- 単振り子の周期: \(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\)
周期の公式(式①)に、\(L = 5.0\) と \(g = 9.8\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi\sqrt{\frac{5.0}{9.8}}
\end{aligned}
$$
ルートの中の分数を計算しやすくするために、分母と分子を10倍し、その後2で割ります。
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi\sqrt{\frac{50}{98}} \\[2.0ex]&= 2\pi\sqrt{\frac{25}{49}} \\[2.0ex]&= 2\pi \times \frac{\sqrt{25}}{\sqrt{49}} \\[2.0ex]&= 2\pi \times \frac{5}{7} \\[2.0ex]&= \frac{10}{7}\pi
\end{aligned}
$$
問題の指示に従い、\(\pi = 3.14\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T &= \frac{10}{7} \times 3.14 \\[2.0ex]&= \frac{31.4}{7} \\[2.0ex]&\approx 4.4857…
\end{aligned}
$$
与えられている数値が有効数字2桁なので、答えも有効数字2桁に丸めます。
$$ T \approx 4.5 \, [\text{s}] $$
振り子が1往復する時間(周期)を求める問題です。これには、\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{L}{g}}\) という便利な公式を使います。
- \(L\) は糸の長さ (\(5.0 \, \text{m}\))
- \(g\) は重力の強さ (\(9.8\))
これらの値を公式に当てはめるだけです。
\(T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{5.0}{9.8}}\)
ルートの中の計算が大変そうですが、分母と分子を10倍して \(\sqrt{\displaystyle\frac{50}{98}}\) にし、さらに2で割ると \(\sqrt{\displaystyle\frac{25}{49}}\) となります。これならルートが外せて \(\displaystyle\frac{5}{7}\) になります。
\(T = 2\pi \times \displaystyle\frac{5}{7}\)
最後に \(\pi\) を \(3.14\) にして計算すると、\(2 \times 3.14 \times 5 \div 7\) で、およそ \(4.48…\) となります。
これを四捨五入して、答えは約 \(4.5\) 秒です。
⑩ 単振動の力学的エネルギー
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の力学的エネルギーと物理量の関係」です。単振動の振動数と振幅が変化したときに、その力学的エネルギーが何倍になるかを計算します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の力学的エネルギーの公式: \(E = \displaystyle\frac{1}{2}kA^2 = \displaystyle\frac{1}{2}m v_{\text{最大}}^2 = \displaystyle\frac{1}{2}m A^2 \omega^2\) を理解していること。
- 角振動数(\(\omega\))と振動数(\(f\))の関係: \(\omega = 2\pi f\) という関係を理解していること。
- 比例計算: エネルギーがどの物理量の何乗に比例するのかを式から読み取り、変化の倍率を計算できること。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 単振動の力学的エネルギーの公式を、振動数 \(f\) と振幅 \(A\) を用いた形で表す。
- エネルギー \(E\) が、振動数 \(f\) と振幅 \(A\) のそれぞれ何乗に比例するのかを確認する。
- 振動数が6倍、振幅が\(\displaystyle\frac{1}{3}\)倍になったとき、エネルギーがそれぞれ何倍になるかを計算し、それらを掛け合わせる。
—
【設問の解説】
思考の道筋とポイント
単振動の力学的エネルギー \(E\) は、ばね定数を \(k\)、振幅を \(A\) とすると \(E = \displaystyle\frac{1}{2}kA^2\) と表されます。しかし、この問題ではばね定数 \(k\) ではなく、振動数 \(f\) が与えられています。そこで、エネルギーの式を振動数 \(f\) を使った形に書き換える必要があります。
単振動の角振動数 \(\omega\) と比例定数 \(K\)(ばね定数 \(k\) に相当)、質量 \(m\) の間には \(\omega^2 = \displaystyle\frac{K}{m}\) という関係があります。また、角振動数 \(\omega\) と振動数 \(f\) の間には \(\omega = 2\pi f\) という関係があります。
これらを用いると、力学的エネルギーの公式は \(E = \displaystyle\frac{1}{2}K A^2 = \displaystyle\frac{1}{2} (m\omega^2) A^2 = \displaystyle\frac{1}{2} m (2\pi f)^2 A^2 = 2\pi^2 m f^2 A^2\) と変形できます。
この式から、力学的エネルギー \(E\) は、振動数 \(f\) の2乗と振幅 \(A\) の2乗に比例する(\(E \propto f^2 A^2\))ことがわかります。
したがって、振動数が6倍になればエネルギーは \(6^2=36\) 倍に、振幅が \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍になればエネルギーは \((\displaystyle\frac{1}{3})^2 = \displaystyle\frac{1}{9}\) 倍になります。
最終的に、エネルギーが元の何倍になるかは、これらの倍率を掛け合わせることで求められます。
この設問における重要なポイント
- 力学的エネルギーの公式: \(E = \displaystyle\frac{1}{2} m A^2 \omega^2\) を基本形として覚えることが重要です。
- 角振動数と振動数の変換: \(\omega = 2\pi f\) の関係を用いて、問題に応じて使う文字を変換する柔軟性が求められます。
- 比例関係の把握: \(E = 2\pi^2 m f^2 A^2\) の式から、\(E\) は \(f^2\) と \(A^2\) に比例することを読み取ることが核心です。質量 \(m\) は変化しない定数とみなします。
具体的な解説と立式
元の単振動の振動数を \(f\)、振幅を \(A\)、力学的エネルギーを \(E_{\text{元}}\) とします。
変化後の単振動の振動数を \(f’\)、振幅を \(A’\)、力学的エネルギーを \(E_{\text{後}}\) とします。
問題の条件より、
$$ f’ = 6f $$
$$ A’ = \frac{1}{3}A $$
単振動の力学的エネルギーは、質量を \(m\) として、
$$ E = 2\pi^2 m f^2 A^2 $$
と表せます。
したがって、元のエネルギーと変化後のエネルギーはそれぞれ、
$$ E_{\text{元}} = 2\pi^2 m f^2 A^2 \quad \cdots ① $$
$$ E_{\text{後}} = 2\pi^2 m (f’)^2 (A’)^2 \quad \cdots ② $$
となります。
求めるのは、変化後のエネルギーが元の何倍になるか、つまり比 \(\displaystyle\frac{E_{\text{後}}}{E_{\text{元}}}\) です。
使用した物理公式
- 単振動の力学的エネルギー: \(E = \displaystyle\frac{1}{2} m A^2 \omega^2\)
- 角振動数と振動数の関係: \(\omega = 2\pi f\)
式①と②を用いて、エネルギーの比を計算します。
$$
\begin{aligned}
\frac{E_{\text{後}}}{E_{\text{元}}} &= \frac{2\pi^2 m (f’)^2 (A’)^2}{2\pi^2 m f^2 A^2} \\[2.0ex]&= \frac{(6f)^2 (\frac{1}{3}A)^2}{f^2 A^2} \\[2.0ex]&= \frac{36f^2 \times \frac{1}{9}A^2}{f^2 A^2} \\[2.0ex]&= 36 \times \frac{1}{9} \\[2.0ex]&= 4
\end{aligned}
$$
したがって、力学的エネルギーは元の4倍になります。
単振動のエネルギーがどう変わるかを知るには、2つのルールを覚えておくと便利です。
ルール1: エネルギーは「振動数の2乗」に比例する。
ルール2: エネルギーは「振幅の2乗」に比例する。
この問題では、
- 振動数が「6倍」になったので、ルール1によりエネルギーは \(6^2 = 36\) 倍になります。
- 振幅が「\(\displaystyle\frac{1}{3}\)倍」になったので、ルール2によりエネルギーは \((\displaystyle\frac{1}{3})^2 = \displaystyle\frac{1}{9}\) 倍になります。
両方の変化が同時に起こるので、最終的なエネルギーの変化はこれらの倍率を掛け合わせます。
\(36 \times \displaystyle\frac{1}{9} = 4\)
よって、エネルギーは元の4倍になります。
例題
例題16 ばね振り子
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「鉛直ばね振り子の単振動」です。ばねにつるされたおもりのつり合いと、つり合いの位置を中心とした振動について、基本的な物理法則の理解が問われます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 力のつり合いとフックの法則: おもりが静止している状態では、重力とばねの弾性力がつり合っています。弾性力はフックの法則 \(F=kx\) に従います。
- 単振動と復元力: つり合いの位置からの変位に比例し、常に中心を向く力(復元力)がはたらくとき、物体は単振動をします。鉛直ばね振り子では、重力と弾性力の合力が復元力となります。
- 単振動の基本量: 振動の中心(力のつり合いの位置)、振幅(中心から端までの距離)、周期(1往復にかかる時間)、角振動数を正しく理解することが重要です。
- 単振動の運動方程式: 単振動する物体の運動は、運動方程式 \(ma = -Kx\) で記述されます。ここで\(K\)は復元力の比例定数(ばね定数に等しい)です。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、おもりが静止して「つり合っている」状態に着目し、力のつり合いの式からばね定数\(k\)を求めます。
- (2)では、つり合いの位置からずれたときにはたらく力の合力を計算し、それが復元力(\(F=-kx\))の形になることを示します。
- (3)では、周期の公式 \(T=2\pi\sqrt{m/k}\) を用いて周期を計算し、振動の開始点と中心点の距離から振幅を求めます。
- (4),(5)では、単振動の運動方程式や、位置・速度・加速度の関係式を用いて、特定の位置における加速度や速さを計算します。
問(1)
思考の道筋とポイント
ばね定数\(k\)を求める問題です。ばね定数はフックの法則 \(F=kx\) に含まれる比例定数であり、ばねの伸びと弾性力が分かれば計算できます。問題文の「伸びてつり合った」という記述から、おもりにはたらく「重力」と「弾性力」がつり合っていることがわかります。この力のつり合いの式を立てることで、ばね定数を求めます。
この設問における重要なポイント
- 力のつり合い:重力と弾性力が等しい。
- フックの法則:弾性力 \(F_e = k \times (\text{伸び})\)。
具体的な解説と立式
おもりにはたらく力は、鉛直下向きの重力\(mg\)と、鉛直上向きの弾性力\(F_e\)です。
つり合いの位置でのばねの伸びは \(d = 0.050\,\text{m}\) なので、このときの弾性力はフックの法則より \(F_e = k \times d\) となります。
力のつり合いより、これらの力の大きさは等しいので、
$$ k \times d – mg = 0 $$
使用した物理公式
- 力のつり合い
- フックの法則: \(F=kx\)
つり合いの式を\(k\)について解きます。
$$
\begin{aligned}
k \times 0.050 &= 0.10 \times 9.8 \\[2.0ex]0.050k &= 0.98 \\[2.0ex]k &= \frac{0.98}{0.050} \\[2.0ex]k &= 19.6
\end{aligned}
$$
有効数字を考慮すると、約\(20\,\text{N/m}\)となります。計算には\(19.6\)を用います。
おもりがぶら下がって静止しているとき、ばねがおもりを上に引く力と、地球がおもりを下に引く重力がちょうど同じ大きさになっています。重力は「質量×重力加速度」で計算できます。ばねの力は「ばね定数×伸び」です。この関係から、ばねの硬さ(ばね定数)を逆算します。
このばねのばね定数は \(19.6\,\text{N/m}\)(約\(20\,\text{N/m}\))です。計算は基本的なつり合いの式から導かれ、妥当です。
問(2)
思考の道筋とポイント
つり合いの位置を基準(原点)として、そこからさらに\(x\)だけ下方にずれたときのおもりにはたらく力の合力\(F\)を求める問題です。座標軸の向き(鉛直下向きが正)に注意して、重力と弾性力の合力を計算します。
この設問における重要なポイント
- 振動の中心は「力のつり合いの位置」である。
- 合力を計算する際、ばねの「自然長からの伸び」を正しく考える。
- 力のつり合いの条件式を利用して、式を簡潔にする。
具体的な解説と立式
つり合いの位置から\(x\)だけ下方に変位したとき、ばねの自然長からの伸びは \((0.050 + x)\) となります。
おもりにはたらく力は、
- 重力: \(mg\)(下向き、正)
- 弾性力: \(k(0.050+x)\)(上向き、負)
したがって、合力\(F\)は、
$$ F = mg – k(0.050+x) $$
ここで、(1)で求めた力のつり合いの条件 \(mg = k \times 0.050\) を利用して式を整理します。
この形の力がはたらく運動を「単振動」と呼びます。
使用した物理公式
- フックの法則
- 復元力: \(F=-Kx\)
$$
\begin{aligned}
F &= mg – k(0.050+x) \\[2.0ex]&= mg – k \times 0.050 – kx
\end{aligned}
$$
ここで \(mg – k \times 0.050 = 0\) なので、
$$ F = -kx $$
\(k=19.6\,\text{N/m}\)を代入すると、
$$ F = -19.6x $$
つり合いの位置は、重力と弾性力がキャンセルされて「見かけ上、力がはたらいていない」点と考えることができます。そこから\(x\)だけずらすと、ばねがさらに\(x\)だけ伸びる(または縮む)ため、その分の弾性力の変化だけが「追加の力」としておもりにはたらきます。この追加の力が、おもりをつり合いの位置に戻そうとする「復元力」となり、単振動を引き起こします。
合力は \(F = -19.6x \, [\text{N}]\)。この力は変位\(x\)に比例し、向きが常に逆(中心向き)であるため「復元力」と呼ばれます。復元力がはたらく物体の運動は「単振動」です。
問(3)
思考の道筋とポイント
単振動の周期\(T\)と振幅\(A\)を求めます。周期は、質量\(m\)とばね定数\(k\)が分かっていれば公式から計算できます。振幅は、振動の中心と端点の距離です。問題の状況から、どこが中心でどこが端点になるかを正確に把握することが重要です。
この設問における重要なポイント
- 周期の公式: \(T = 2\pi\sqrt{m/k}\)
- 振動の中心:力のつり合いの位置。
- 振動の端(スタート地点):「自然の長さにしておもりを支え、静かに手をはなした」ので、自然長の位置。
- 振幅:振動の中心と端の間の距離。
具体的な解説と立式
周期\(T\):
周期の公式に、\(m=0.10\,\text{kg}\), \(k=19.6\,\text{N/m}\), \(\pi=3.14\) を代入します。
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}} $$
振幅\(A\):
振動の中心は「つり合いの位置」(自然長から0.050m下)です。
振動の端は、手をはなした「自然長の位置」です。
したがって、振幅\(A\)は、この2点間の距離になります。
$$ A = 0.050 \, [\text{m}] $$
使用した物理公式
- 単振動の周期: \(T=2\pi\sqrt{m/k}\)
周期\(T\)の計算:
$$
\begin{aligned}
T &= 2 \times 3.14 \times \sqrt{\frac{0.10}{19.6}} \\[2.0ex]&= 6.28 \times \sqrt{\frac{1}{196}} \\[2.0ex]&= 6.28 \times \frac{1}{14} \\[2.0ex]&\approx 0.4485… \approx 0.45 \, [\text{s}]\end{aligned}
$$
周期は約\(0.45\,\text{s}\)、振幅は\(0.050\,\text{m}\)です。手を離した位置がそのまま振幅になるのではなく、中心からの距離が振幅になる点を正しく理解できているかがポイントです。
問(4)
思考の道筋とポイント
特定の位置における加速度の大きさを求めます。単振動の加速度は、運動方程式 \(ma=-kx\) または関係式 \(a=-\omega^2 x\) から計算できます。どちらを使うにしても、与えられた位置が振動の中心からどれだけ変位しているか(\(x\))を正しく求める必要があります。
この設問における重要なポイント
- 単振動の運動方程式: \(ma=-kx\)
- 変位\(x\)は、つり合いの位置を原点とした座標である。
- 座標軸の向き(鉛直下向きが正)に注意する。
具体的な解説と立式
ばねが自然長から0.020m伸びた位置での加速度を求めます。
振動の中心は、自然長から0.050m伸びた位置です。
鉛直下向きを正とすると、この位置の変位\(x\)は、
$$ x = 0.020 – 0.050 = -0.030 \, [\text{m}] $$
運動方程式 \(ma = -kx\) より、加速度\(a\)は、
$$ a = -\frac{k}{m}x $$
使用した物理公式
- 単振動の運動方程式: \(ma=-kx\)
$$
\begin{aligned}
a &= -\frac{19.6}{0.10} \times (-0.030) \\[2.0ex]&= -196 \times (-0.030) \\[2.0ex]&= 5.88
\end{aligned}
$$
有効数字2桁に丸めて、\(a \approx 5.9 \, [\text{m/s}^2]\) となります。
加速度の大きさは \(5.9\,\text{m/s}^2\) です。変位が負(中心より上)のとき、復元力は正(下向き)にはたらくため、加速度も正(下向き)となり、物理的に妥当です。
問(5)
思考の道筋とポイント
特定の位置における速さを求めます。与えられた位置は「自然長から0.050m伸びたとき」、すなわち「力のつり合いの位置」です。この位置は単振動の中心であり、速さが最大になる点です。
この設問における重要なポイント
- 振動の中心では、速さが最大になる。
- 最大速度の公式: \(v_{\text{max}} = A\omega\)
- 角振動数 \(\omega = \sqrt{k/m}\) または \(\omega = 2\pi/T\)。
具体的な解説と立式
求める位置は振動の中心なので、速さは最大値 \(v_{\text{max}}\) をとります。
$$ v_{\text{max}} = A\omega $$
ここで、振幅\(A\)は(3)で求めた \(A=0.050\,\text{m}\) です。
角振動数\(\omega\)は、
$$ \omega = \sqrt{\frac{k}{m}} $$
使用した物理公式
- 単振動の最大速度: \(v_{\text{max}} = A\omega\)
- 角振動数: \(\omega = \sqrt{k/m}\)
まず角振動数\(\omega\)を計算します。
$$
\begin{aligned}
\omega &= \sqrt{\frac{19.6}{0.10}} = \sqrt{196} = 14 \, [\text{rad/s}]\end{aligned}
$$
次に、最大速度を計算します。
$$
\begin{aligned}
v &= v_{\text{max}} = A\omega \\[2.0ex]&= 0.050 \times 14 \\[2.0ex]&= 0.70 \, [\text{m/s}]\end{aligned}
$$
つり合いの位置での速さは \(0.70\,\text{m/s}\) です。単振動の中心で速さが最大になるという性質を理解していれば、公式を用いてスムーズに計算できます。
思考の道筋とポイント
(5)は、力学的エネルギー保存則を使っても解くことができます。振動の開始点(自然長の位置)と、速さを求めたい点(つり合いの位置)とで、力学的エネルギー(運動エネルギー、重力による位置エネルギー、弾性エネルギー)の和が等しいという式を立てます。
この設問における重要なポイント
- 保存力(重力、弾性力)のみが仕事をする場合、力学的エネルギーは保存される。
- 位置エネルギーの基準点を明確に設定する。
具体的な解説と立式
自然長の位置を重力による位置エネルギーの基準点(\(h=0\))とします。
- 始点(自然長の位置)
- 速さ: \(v_1 = 0\) (静かに手をはなす)
- 高さ: \(h_1 = 0\)
- ばねの伸び: \(x_1 = 0\)
- エネルギー: \(E_1 = \frac{1}{2}mv_1^2 + mgh_1 + \frac{1}{2}kx_1^2 = 0\)
- 終点(つり合いの位置)
- 速さ: \(v_2 = v\) (求めたい速さ)
- 高さ: \(h_2 = -0.050\)
- ばねの伸び: \(x_2 = 0.050\)
- エネルギー: \(E_2 = \frac{1}{2}mv^2 + mg(-0.050) + \frac{1}{2}k(0.050)^2\)
力学的エネルギー保存則 \(E_1 = E_2\) より、
$$ 0 = \frac{1}{2}mv^2 – mg(0.050) + \frac{1}{2}k(0.050)^2 $$
ここで、つり合いの条件 \(mg = k \times 0.050\) を利用すると、
$$ 0 = \frac{1}{2}mv^2 – (k \times 0.050) \times 0.050 + \frac{1}{2}k(0.050)^2 $$
$$ 0 = \frac{1}{2}mv^2 – \frac{1}{2}k(0.050)^2 $$
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}mv^2 &= \frac{1}{2}k(0.050)^2 \\[2.0ex]v^2 &= \frac{k}{m}(0.050)^2 \\[2.0ex]v &= \sqrt{\frac{k}{m}} \times 0.050 \\[2.0ex]&= \omega A
\end{aligned}
$$
この後の計算はメインの解法と全く同じになり、\(v = 0.70\,\text{m/s}\) が得られます。
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最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 鉛直ばね振り子における「単振動」の成立
- 核心: 鉛直ばね振り子では、重力と弾性力の「合力」が、つり合いの位置からの変位に比例する「復元力」(\(F=-kx\))となること。この理解が全ての土台となります。
- 理解のポイント:
- 振動の中心は「自然長の位置」ではなく、「力のつり合いの位置」である。
- 重力は、振動の中心の位置をずらす役割を果たすだけで、振動の周期には直接影響しません。周期は水平ばね振り子と同じ \(T=2\pi\sqrt{m/k}\) となります。
- 単振動の運動方程式と基本公式
- 核心: 単振動の運動は、運動方程式 \(ma=-kx\) で記述され、そこから導かれる周期、角振動数、位置、速度、加速度の関係式を自在に使いこなせること。
- 理解のポイント:
- \(a = -\omega^2 x\): 加速度は変位に比例し、向きは逆。
- \(v_{\text{max}} = A\omega\): 速さは中心で最大、端でゼロ。
- \(a_{\text{max}} = A\omega^2\): 加速度の大きさは両端で最大、中心でゼロ。
- \(\omega = \sqrt{k/m}\): 角振動数は、物体の質量とばねの硬さだけで決まる。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 斜面上でのばね振り子: 重力の斜面方向の成分と弾性力がつり合う位置が振動の中心となる。考え方は鉛直ばね振り子と全く同じです。
- U字管内の液体振動: U字管に入れた液体を少しずらして離すと、液面の高さの差によって生じる復元力で単振動します。
- 浮力の単振動: 水に浮かべた物体を少し押し込んで離すと、浮力と重力の合力が復元力となって単振動します。
- 初見の問題での着眼点:
- 振動の中心を探す: まず、物体にはたらく力がすべてつり合う「力のつり合いの位置」を特定します。ここが単振動の中心(原点)になります。
- 復元力の比例定数を求める: つり合いの位置から\(x\)だけずらしたときにはたらく合力を計算し、\(F=-Kx\) の形に変形します。この比例定数\(K\)が、周期などを計算する上で実質的な「ばね定数」の役割を果たします。(鉛直ばね振り子では \(K=k\) となります)
- 振幅を決定する: 振動の開始点(手を離した点など)と、(1)で求めた振動の中心との距離が振幅\(A\)になります。
- 基本公式を適用する: 周期、角振動数、特定の位置での速さや加速度などは、\(m, K, A\) が分かれば、あとは公式に代入するだけです。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 振動の中心の勘違い:
- 誤解: ばねの自然長の位置を振動の中心だと考えてしまう。
- 対策: 「単振動の中心は、力がつり合う点」と徹底して覚えます。鉛直ばね振り子では、重力があるので、必ず自然長より伸びた位置がつり合い点(=振動の中心)になります。
- 振幅の勘違い:
- 誤解: ばねの最大の伸びを振幅だと考えてしまう。
- 対策: 振幅は「振動の中心から端までの距離」です。この問題では、端(自然長)と中心(つり合いの位置)の距離が振幅\(A=0.050\,\text{m}\)となります。
- 変位\(x\)の基準点のミス:
- 誤解: (4)で、自然長からの伸び\(0.020\,\text{m}\)を、そのまま加速度の公式の\(x\)に代入してしまう。
- 対策: 単振動の公式で使われる変位\(x\)は、必ず「振動の中心(つり合いの位置)」を原点とした座標です。常に「中心からどれだけずれているか」を計算する必要があります。
- 力学的エネルギー保存則での位置エネルギーの混同:
- 誤解: 弾性エネルギー \((1/2)kx^2\) の\(x\)に、重力による位置エネルギーの基準点からの高さを使ってしまう。
- 対策: 弾性エネルギーの\(x\)は「ばねの自然長からの伸び(または縮み)」、重力による位置エネルギーの\(h\)は「自分で設定した基準点からの高さ」と、それぞれの変数の定義を明確に区別します。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 力のつり合いの式 (\(kd=mg\)):
- 選定理由: (1)では、ばね定数\(k\)を求める必要があります。\(k\)はフックの法則に含まれますが、弾性力が未知です。しかし、「つり合っている」という情報から、弾性力が重力と等しいことがわかるため、この式を立てるのが最も直接的です。
- 適用根拠: 物体が静止している(加速度が0)という状態は、ニュートンの運動方程式 \(ma=F_{\text{合力}}\) において、\(F_{\text{合力}}=0\) であることを意味します。
- 単振動の周期の公式 (\(T=2\pi\sqrt{m/k}\)):
- 選定理由: (2)で運動が単振動であることが確認でき、その周期を求めるため、この公式を選択します。
- 適用根拠: この公式は、運動方程式 \(ma=-kx\) という微分方程式を解くことによって厳密に導出されます。高校物理では、この結果を公式として利用します。重要なのは、復元力の比例定数が\(k\)である単振動の周期は、振幅の大小によらず、質量\(m\)と\(k\)のみで決まるという点です。
- 力学的エネルギー保存則(別解):
- 選定理由: (5)のように、ある点から別の点への移動における速さを問う問題では、力学的エネルギー保存則が有効な選択肢となります。
- 適用根拠: この運動では、物体にはたらいて仕事をする力は「重力」と「弾性力」のみです。これらは両方とも「保存力」であるため、物体の運動エネルギーと、重力および弾性力による位置エネルギーの和(=力学的エネルギー)は、運動のどの瞬間においても一定に保たれます。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 単位の統一: 計算を始める前に、すべての量をSI基本単位(m, kg, s)に直します。この問題ではすでにそうなっていますが、cmなどが混じっている場合は注意が必要です。
- 有効数字の扱い: 問題文で与えられた数値(0.10kg, 0.050mなど)は有効数字2桁です。計算途中では3〜4桁程度保持し、最終的な答えを2桁または3桁に丸めるのが一般的です(この解答では2桁に統一)。\(\pi=3.14\) のように指定がある場合はそれに従います。
- 平方根の計算: \(\sqrt{196}\) のような計算は、\(14^2=196\) を知っていれば瞬時に計算できます。主要な平方数は覚えておくと便利です。
- 座標軸の意識: 鉛直下向きを正とするなど、自分で座標軸を設定した場合は、その向きを常に意識します。変位、速度、加速度の符号が、その座標軸の向きと合っているかを確認する癖をつけましょう。
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