「良問の風」攻略ガイド(96〜100問):重要問題の解き方と物理の核心をマスター!

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問題96 (京都府立大)

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(2)の別解: 微積分と波動関数を用いた体系的解法
      • 模範解答が光路差と反射時の位相変化を定性的に組み合わせて干渉条件式を立てるのに対し、別解では光を正弦波(波動関数)として数式化し、重ね合わせの原理に基づいて合成波の振幅を導出します。
      • 三角関数の合成(和積の公式)を行い、振幅が最大となる条件を数学的に導くことで、干渉条件式の起源を明らかにします。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 「なぜ半波長のずれが条件式に影響するのか」を、波の式の符号や位相項として可視化できるため、物理的直感が数式で裏付けられます。
    • 複雑な干渉問題(ニュートンリングやくさび形空気層など)にも応用できる、波動光学の基礎的な力を養います。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる条件式と答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「薄膜による光の干渉」です。屈折率の異なる媒質が層になっている場合、境界面での反射光同士が干渉し、特定の色(波長)が強め合ったり弱め合ったりする現象を扱います。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光の速さと波長の変化: 屈折率 \(n\) の媒質中では、光の速さと波長は \(1/n\) 倍になります。
  2. 光路差(光学距離差): 幾何学的な距離に屈折率を掛けた長さの差を考えます。
  3. 反射による位相の変化:
    • 屈折率が「小さい媒質」から「大きい媒質」への反射(固定端反射相当)では、位相が \(\pi\) ずれます。
    • 屈折率が「大きい媒質」から「小さい媒質」への反射(自由端反射相当)では、位相はずれません。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、屈折率の定義式を用いて、油膜中の光速と波長を求めます。
  2. (2)(3)では、表面と裏面での反射光の光路差と、反射に伴う位相の変化を考慮して「強め合いの条件式」を立て、整数 \(m\) に値を代入して膜厚 \(d\) を求めます。
  3. (4)では、異なる2つの波長に対してそれぞれ条件式を立て、共通して成り立つ最小の膜厚を探します。

問(1)

思考の道筋とポイント
屈折率 \(n\) の定義に基づいて計算します。
屈折率とは、真空(または空気)中に対する「光の進みにくさ」を表す指標であり、媒質中では光速が遅くなり、波長が短くなります。振動数 \(f\) は媒質が変わっても変化しないことに注意します。

この設問における重要なポイント

  • 屈折率の定義: 空気中の光速を \(c\)、波長を \(\lambda\)、媒質中の光速を \(v\)、波長を \(\lambda’\) とすると、屈折率 \(n\) は以下の関係を満たします。
    $$
    \begin{aligned}
    n &= \frac{c}{v} \\[2.0ex]
    &= \frac{\lambda}{\lambda’}
    \end{aligned}
    $$

具体的な解説と立式
油膜の屈折率を \(n = 1.5\)、空気中の光速を \(c = 3.0 \times 10^8\,\text{m}/\text{s}\)、空気中の波長を \(\lambda = 6.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) とします。
求める油膜中の光速を \(v\)、波長を \(\lambda’\) とします。

屈折率の定義より、以下の式が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
v &= \frac{c}{n}
\end{aligned}
$$
$$
\begin{aligned}
\lambda’ &= \frac{\lambda}{n}
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 屈折率の関係式: \(n = \frac{c}{v} = \frac{\lambda}{\lambda’}\)
計算過程

与えられた数値を代入して計算します。

光速 \(v\):
$$
\begin{aligned}
v &= \frac{3.0 \times 10^8}{1.5} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times 10^8\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}
$$
波長 \(\lambda’\):
$$
\begin{aligned}
\lambda’ &= \frac{6.0 \times 10^{-7}}{1.5} \\[2.0ex]
&= 4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

光は、空気中から油膜のような「濃い」物質に入ると、ブレーキがかかってスピードが落ちます。今回は屈折率が \(1.5\) なので、スピードは \(1.5\) 分の \(1\) になります。
また、光の振動のリズム(振動数)は変わらないため、スピードが落ちた分だけ、波の歩幅(波長)も詰まって短くなります。これも同様に \(1.5\) 分の \(1\) になります。

結論と吟味

光速は \(2.0 \times 10^8\,\text{m}/\text{s}\)、波長は \(4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
屈折率 \(n > 1\) なので、元の値より小さくなっており、物理的に妥当です。

解答 (1) 速さ: \(2.0 \times 10^8\,\text{m}/\text{s}\), 波長: \(4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

問(2)

思考の道筋とポイント
薄膜干渉の定番問題です。「光路差」と「反射による位相のずれ」の2点を確認して条件式を作ります。
特に、油膜の上下にある物質(空気と水)の屈折率と比較して、反射のタイプ(固定端か自由端か)を判定することが最重要です。

この設問における重要なポイント

  • 光路差: 膜の厚さを \(d\)、屈折率を \(n\) とすると、往復の幾何学的距離は \(2d\) ですが、光路長(光学距離)としては \(2nd\) となります。
  • 反射の位相変化:
    • 表面(空気 \(n=1.0\) \(\rightarrow\) 油膜 \(n=1.5\)): 小さい方から大きい方への反射なので、位相が \(\pi\) ずれます(固定端反射)。
    • 裏面(油膜 \(n=1.5\) \(\rightarrow\) 水 \(n=1.3\)): 大きい方から小さい方への反射なので、位相はずれません(自由端反射)。
  • 干渉条件: 2つの反射光の間には、反射によって既に \(\pi\)(半波長分)のずれが生じています。したがって、光路差 \(2nd\) が「半波長の奇数倍」であれば、さらに半波長ずれて合計1波長分のずれ(同位相)となり、強め合います。

具体的な解説と立式
膜の厚さを \(d\)、油膜の屈折率を \(n=1.5\)、光の波長を \(\lambda\) とします。
2つの反射光の光路差は \(2nd\) です。
反射による位相のずれを考慮すると、強め合う条件(明るくなる条件)は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
2nd &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda \quad (m = 0, 1, 2, \dots)
\end{aligned}
$$
ここで、\(m\) は干渉の次数を表す非負の整数です。
最小の厚さを求めるため、\(m=0\) を選択します。

使用した物理公式

  • 薄膜干渉の条件式(位相変化あり): \(2nd = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
計算過程

式に \(m=0\) と与えられた数値を代入して \(d\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
2 \times 1.5 \times d &= \left( 0 + \frac{1}{2} \right) \times 6.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
3.0 d &= 3.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
d &= 1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

油膜の表面で跳ね返る光と、裏面で跳ね返る光が重なり合います。
表面での反射では、光の波の山と谷がひっくり返ります(位相が \(\pi\) ずれる)。一方、裏面での反射ではひっくり返りません。
元々ひっくり返っている状態から、さらに往復の距離の分だけ波がずれて、最終的に山と山がぴったり重なる(強め合う)タイミングを探します。
一番薄い膜厚(\(m=0\))では、往復でちょうど半波長分だけ遅れることで、ひっくり返った波が元に戻り、強め合うことになります。

結論と吟味

最小の厚さは \(1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
可視光の波長(数 \(10^{-7}\,\text{m}\) オーダー)と比較して妥当な大きさです。

解答 (2) \(1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)
別解: 微積分と波動関数を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
干渉条件式を暗記するのではなく、光を波の式(波動関数)で表し、それらを足し合わせる(合成する)ことで、強め合う条件を数学的に導出します。
反射による位相のずれを、波の式の初期位相として組み込む点がポイントです。

この設問における重要なポイント

  • 波の基本式: 原点での変位を \(y = A \sin(\omega t)\) とします。
  • 反射波の記述:
    • 表面反射波 \(y_1\): 固定端反射により位相が \(\pi\) 進みます(または反転します)。
    • 裏面反射波 \(y_2\): 自由端反射なので位相変化はありませんが、往復距離 \(2d\) を進む間に位相が遅れます。
  • 合成と最大化: \(y = y_1 + y_2\) を計算し、その振幅が最大になる条件を求めます。

具体的な解説と立式
入射光の角振動数を \(\omega\)、油膜中の波数を \(k’ = \frac{2\pi}{\lambda’}\) とします。
表面で反射した光 \(y_1\) は、固定端反射により位相が \(\pi\) ずれるため、以下のように表せます。
$$
\begin{aligned}
y_1 &= A \sin(\omega t + \pi) \\[2.0ex]
&= -A \sin(\omega t)
\end{aligned}
$$
裏面で反射した光 \(y_2\) は、往復距離 \(2d\) だけ余分に進むため、位相が \(k’ \times 2d\) 遅れます。裏面での反射は自由端反射なので、反射自体の位相変化はありません。
$$
\begin{aligned}
y_2 &= A \sin(\omega t – 2k’d)
\end{aligned}
$$
これらを重ね合わせた合成波 \(y\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
y &= y_1 + y_2 \\[2.0ex]
&= -A \sin(\omega t) + A \sin(\omega t – 2k’d)
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 三角関数の和積の公式: \(\sin A – \sin B = 2 \cos \frac{A+B}{2} \sin \frac{A-B}{2}\)
  • 波数の定義: \(k’ = \frac{2\pi}{\lambda’} = \frac{2\pi n}{\lambda}\)
計算過程

和積の公式を用いて \(y\) を変形します。
$$
\begin{aligned}
y &= A \{ \sin(\omega t – 2k’d) – \sin(\omega t) \} \\[2.0ex]
&= A \cdot 2 \cos \left( \frac{(\omega t – 2k’d) + \omega t}{2} \right) \sin \left( \frac{(\omega t – 2k’d) – \omega t}{2} \right) \\[2.0ex]
&= 2A \cos(\omega t – k’d) \sin(-k’d) \\[2.0ex]
&= -2A \sin(k’d) \cos(\omega t – k’d)
\end{aligned}
$$
この合成波の振幅の大きさは \(|2A \sin(k’d)|\) です。
光が強め合うとは、この振幅が最大(つまり \(2A\))になることです。
そのためには、\(|\sin(k’d)| = 1\) である必要があります。
$$
\begin{aligned}
k’d &= \frac{\pi}{2}, \frac{3\pi}{2}, \frac{5\pi}{2}, \dots \\[2.0ex]
k’d &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \pi \quad (m = 0, 1, 2, \dots)
\end{aligned}
$$
ここで \(k’ = \frac{2\pi n}{\lambda}\) を代入して整理します。
$$
\begin{aligned}
\frac{2\pi n}{\lambda} d &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \pi \\[2.0ex]
\frac{2n d}{\lambda} &= m + \frac{1}{2} \\[2.0ex]
2nd &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda
\end{aligned}
$$
これは、模範解答で用いた干渉条件式と完全に一致します。
最小の厚さは \(m=0\) のときなので、
$$
\begin{aligned}
2nd &= \frac{1}{2}\lambda \\[2.0ex]
d &= \frac{\lambda}{4n} \\[2.0ex]
&= \frac{6.0 \times 10^{-7}}{4 \times 1.5} \\[2.0ex]
&= 1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

光を「波の式」として書き下し、数学的に足し算を行いました。
表面反射の波(マイナスのサイン波)と、裏面反射の波(遅れたサイン波)を足すと、振幅部分に \(\sin(k’d)\) という項が現れます。
この項が \(1\) になるとき、つまり波のズレ具合がちょうどよい角度になったときに、合成された波は最も大きくなります。この計算から、教科書にある「光路差 = 半波長の奇数倍」という条件が自然に導かれます。

結論と吟味

波動関数を用いたアプローチからも、全く同じ条件式と結果が得られました。
この方法は、反射の回数が増えたり、位相の変化が複雑になったりした場合でも、基本原理に立ち返って解くことができる強力な手法です。

解答 (2) \(1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

問(3)

思考の道筋とポイント
問(2)で導いた条件式において、\(m\) の値を変化させるだけです。
「次に強め合う」とは、\(m=0\) の次の次数、つまり \(m=1\) の場合を指します。

この設問における重要なポイント

  • 次数の意味: \(m\) は干渉の次数を表し、\(m\) が大きくなるほど必要な光路差(膜厚)も大きくなります。
  • 条件式の再利用: 問(2)で立てた \(2nd = (m + 1/2)\lambda\) をそのまま使います。

具体的な解説と立式
強め合う条件式は以下の通りです。
$$
\begin{aligned}
2nd &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda
\end{aligned}
$$
最小の厚さが \(m=0\) でしたので、次に強め合う厚さは \(m=1\) に対応します。

使用した物理公式

  • 薄膜干渉の条件式: \(2nd = (m + \frac{1}{2})\lambda\)
計算過程

\(m=1\) を代入して \(d\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
2 \times 1.5 \times d &= \left( 1 + \frac{1}{2} \right) \times 6.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
3.0 d &= \frac{3}{2} \times 6.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
3.0 d &= 9.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
d &= 3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

\(m=0\) のときは、往復で「半波長分」の遅れを作って強め合いました。
次に強め合うのは、さらに1波長分遅らせて、波の山と山を合わせる場合です。つまり、往復で「1.5波長分」の遅れを作る厚さになります。
計算結果も、\(m=0\) のときの \(1.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) のちょうど3倍になっています。

結論と吟味

答えは \(3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
\(m=0\) の結果の3倍となっており、条件式の形 \((m+1/2)\) から見ても、\(1/2\) 対 \(3/2\) なので正しい比率です。

解答 (3) \(3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

問(4)

思考の道筋とポイント
2つの異なる波長に対して、それぞれ異なる条件(強め合い・弱め合い)を満たす共通の膜厚 \(d\) を探します。
それぞれの条件式を立て、未知数である整数 \(m\)(強め合いの次数)と \(l\)(弱め合いの次数)の関係を見つけ出します。

この設問における重要なポイント

  • 波長A (\(\lambda_A = 6.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)): 強め合う条件。
    $$
    \begin{aligned}
    2nd &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda_A
    \end{aligned}
    $$
  • 波長B (\(\lambda_B = 4.5 \times 10^{-7}\,\text{m}\)): 弱め合う条件。
    • 弱め合う条件は、強め合う条件と逆です。
    • 光路差 \(2nd\) が「半波長の偶数倍(=波長の整数倍)」のとき、反射による \(\pi\) のずれと合わせて、トータルで \(\pi\) のずれ(逆位相)となり、弱め合います。
      $$
      \begin{aligned}
      2nd &= l \lambda_B \quad (l = 1, 2, 3, \dots)
      \end{aligned}
      $$
      ※ \(l=0\) は \(d=0\) となり不適なので \(l \ge 1\) です。

具体的な解説と立式
求める膜厚を \(d\) とします。
波長 \(\lambda_A = 6.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) で強め合う条件:
$$
\begin{aligned}
2nd &= \left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda_A \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$
波長 \(\lambda_B = 4.5 \times 10^{-7}\,\text{m}\) で弱め合う条件:
$$
\begin{aligned}
2nd &= l \lambda_B \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
式①と式②の左辺は同じ \(2nd\) なので、右辺同士を等号で結びます。

使用した物理公式

  • 強め合いの条件: \(2nd = (m + 1/2)\lambda\)
  • 弱め合いの条件: \(2nd = l\lambda\)
計算過程

式①と式②より、
$$
\begin{aligned}
\left( m + \frac{1}{2} \right) \lambda_A &= l \lambda_B
\end{aligned}
$$
数値を代入して整理します。
$$
\begin{aligned}
\left( m + 0.5 \right) \times 6.0 \times 10^{-7} &= l \times 4.5 \times 10^{-7}
\end{aligned}
$$
両辺を \(1.5 \times 10^{-7}\) で割ると簡単になります。
$$
\begin{aligned}
(m + 0.5) \times 4 &= l \times 3 \\[2.0ex]
4m + 2 &= 3l \\[2.0ex]
3l – 4m &= 2
\end{aligned}
$$
この不定方程式を満たす最小の正の整数 \(l\) を探します(\(d\) が最小になるのは \(l\) が最小のとき)。

  • \(l=1\) のとき: \(3 – 4m = 2 \rightarrow 4m = 1\) (\(m\)は整数でないので不適)
  • \(l=2\) のとき: \(6 – 4m = 2 \rightarrow 4m = 4 \rightarrow m = 1\) (適する)

よって、\(l=2, m=1\) のときが最小の厚さとなります。
このときの \(d\) を式②を用いて求めます(式①でも可)。
$$
\begin{aligned}
2nd &= 2 \times \lambda_B \\[2.0ex]
2 \times 1.5 \times d &= 2 \times 4.5 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
3.0 d &= 9.0 \times 10^{-7} \\[2.0ex]
d &= 3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

ある厚さの膜に対して、赤い光(波長が長い方)は「強め合い」の条件を満たし、同時に青い光(波長が短い方)は「弱め合い」の条件を満たすような、都合の良い厚さを探すパズルです。
それぞれの条件式を連立させて、「整数 \(m\) と \(l\) がうまく噛み合う最小の数字」を見つけ出しました。
結果として、\(m=1\)(問(3)の状態)と \(l=2\) のときに条件が一致することが分かりました。

結論と吟味

答えは \(3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
これは問(3)の答えと一致しています。つまり、問(3)で求めた「波長 \(6.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) が2回目に強め合う厚さ」は、実は「波長 \(4.5 \times 10^{-7}\,\text{m}\) が2回目に弱め合う厚さ」でもあったということです。

解答 (4) \(3.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?

  • 光路差と位相差の変換
    • 核心: 干渉現象の本質は「波の重ね合わせ」です。2つの光が合流したとき、山と山が重なるか(強め合い)、山と谷が重なるか(弱め合い)は、両者の「位相のずれ」で決まります。この位相のずれを生む主な要因が「光路差(距離の差 \(\times\) 屈折率)」です。
    • 理解のポイント:
      • 光路長(光学距離): 媒質中では波長が縮むため、幾何学的な距離 \(L\) は、真空換算で \(nL\) の長さとして振る舞います。
      • 位相差への換算: 光路差 \(\Delta L\) が波長 \(\lambda\) の何倍かによって位相差が決まります。位相差 \(\delta = 2\pi \times \frac{\Delta L}{\lambda}\) という関係を理解しましょう。
  • 反射による位相の反転(固定端反射 vs 自由端反射)
    • 核心: 光路差だけでなく、反射そのものが位相をずらす場合があります。これが干渉条件式を逆転させる(\(m\) か \(m+1/2\) かが変わる)最大の要因です。
    • 理解のポイント:
      • 屈折率の大小関係: 「疎(小)\(\to\) 密(大)」の反射では位相が \(\pi\) ずれ(固定端)、「密(大)\(\to\) 疎(小)」の反射ではずれません(自由端)。
      • 式の形への影響: 位相が \(\pi\) ずれると、条件式の右辺に \(\frac{1}{2}\lambda\) の項が加わります。2回の反射で両方ずれる(または両方ずれない)場合は、トータルでずれなしとなり、条件式は元に戻ります。

応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点

  • 応用できる類似問題のパターン:
    • くさび形空気層: ガラス板を少し浮かせて隙間を作った問題。膜厚 \(d\) が場所によって変化しますが、基本原理は全く同じです。
    • ニュートンリング: レンズと平面ガラスの隙間による干渉。\(d\) が中心からの距離 \(r\) の関数になりますが、反射の条件(中心が暗くなる理由)はこの問題の応用で理解できます。
    • 反射防止膜(コーティング): メガネやカメラのレンズに使われる技術。この問題の(4)のように、特定の波長の反射光を弱め合う条件を利用しています。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. 屈折率のサンドイッチ構造を確認する: 「上層(空気)」「中層(膜)」「下層(基板)」の3つの屈折率 \(n_1, n_2, n_3\) を書き出し、大小関係をチェックします。
      • \(n_1 < n_2 < n_3\) なら、表面も裏面も固定端反射 \(\to\) 位相のずれはキャンセルされ、条件式は \(2n_2 d = m\lambda\)(強め合い)。
      • \(n_1 < n_2 > n_3\) (今回のケース)なら、表面だけ固定端 \(\to\) 位相が \(\pi\) ずれ、条件式は \(2n_2 d = (m+1/2)\lambda\)(強め合い)。
    2. 光の入射角: 今回は垂直入射ですが、斜めに入射する場合は光路差が \(2nd \cos \theta\) (屈折角 \(\theta\))になることに注意が必要です。
    3. 透過光の干渉: 反射光ではなく、膜を通り抜けた光の干渉を問われることもあります。エネルギー保存則により、反射光が強め合う条件では透過光は弱め合います。

要注意!ありがちなミス・誤解とその対策

  • 屈折率のかけ忘れ:
    • 誤解: 光路差を単に \(2d\) としてしまう。
    • 対策: 「膜の中では距離が \(n\) 倍に伸びる」とイメージするか、常に「光路長 \(=\) 屈折率 \(\times\) 距離」と唱えながら立式しましょう。
  • 条件式の \(m\) と \(m+1/2\) の取り違え:
    • 誤解: 「強め合いはいつも \(m\lambda\)」「弱め合いはいつも \((m+1/2)\lambda\)」と丸暗記してしまう。
    • 対策: 丸暗記は危険です。必ず「光路差」と「反射の位相変化」の2要素を組み合わせて、その都度条件式を作りましょう。「反射で \(\pi\) ずれたから、光路差でさらに \(\pi\) ずらせば元通り(強め合い)」というロジックが最強です。
  • 波長の使い分け:
    • 誤解: 膜中の波長 \(\lambda’\) を使うべきところで、空気中の波長 \(\lambda\) を使ってしまう、あるいはその逆。
    • 対策: 公式 \(2nd = m\lambda\) の左辺 \(2nd\) は「真空換算した距離」なので、右辺の \(\lambda\) も「真空(空気)中の波長」を使います。もし膜中の波長 \(\lambda’\) を使うなら、左辺は幾何学的距離 \(2d\) を使い、\(2d = m\lambda’\) となります。どちらかに統一しましょう。通常は \(2nd = m\lambda\) がミスが少なく推奨されます。

なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法

  • 問(1)での公式選択(屈折率の定義):
    • 選定理由: 媒質ごとの光速や波長の変化を扱うための定義そのものです。
    • 適用根拠: \(n = c/v\) は定義式なので、前提条件なしに常に成立します。
  • 問(2)での公式選択(干渉条件式):
    • 選定理由: 膜の厚さと波長の関係を問われているため、干渉条件式が必要です。
    • 適用根拠: 垂直入射であるため光路差は単純に \(2nd\) となり、反射の位相変化(表面あり、裏面なし)を考慮することで、\((m+1/2)\lambda\) の形が確定します。
  • 別解でのアプローチ(波動関数の合成):
    • 選定理由: 条件式の暗記に頼らず、現象を根本から理解するためです。
    • 適用根拠: 光を波として扱う以上、重ね合わせの原理は常に成立します。特に、位相の変化が複雑な場合や、振幅の変化まで考慮したい場合には、この方法が唯一の厳密解法となります。

計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック

  • 次数の確認(\(m=0\) か \(m=1\) か):
    • 「最小の厚さ」を問われたとき、数式上は \(m=0\) が最小ですが、物理的に \(d=0\)(膜がない)が解になるケース(例えば \(2nd = m\lambda\) の場合)では、\(m=1\) が最小の「膜としての厚さ」になります。今回の条件式 \(2nd = (m+1/2)\lambda\) では \(m=0\) でも \(d > 0\) なのでOKです。
  • 単位の指数管理:
    • 光の波長は \(10^{-7}\,\text{m}\) オーダーです。計算中は \(A \times 10^{-7}\) のように指数部を分離して、係数 \(A\) だけを計算し、最後に指数を復帰させるとミスが減ります。
  • 比の利用:
    • 問(3)のように「次の次数」を求める場合、いちいち数値を代入し直すよりも、\(d_1 : d_0 = (1+0.5) : 0.5 = 3 : 1\) のように比率で計算する方が圧倒的に速く、正確です。

問題97 (岡山大)

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(3)〜(5)の別解: 微積分と波動関数を用いた体系的解法
      • 模範解答では、幾何学的に求めた経路差に屈折率を掛けて光路差とし、反射の位相変化を定性的に加味して条件式を立てています。
      • 別解では、光を位置と時間の関数(波動関数)として定義し、経路に沿った位相の積分(位相の蓄積)と反射係数による位相ジャンプを厳密に計算します。これらを合成した波の振幅を最大化する条件として、干渉条件式を導出します。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 「光路差」という概念が、数式上では「位相の積算値」であることを理解できます。
    • 反射による位相の反転(\(\pi\) のずれ)を、波動関数の符号反転(マイナス倍)として自然に扱えるため、条件式の暗記が不要になります。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的な条件式と数値解は模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「薄膜による光の干渉(斜め入射)」です。垂直入射の場合と異なり、光路差の計算に幾何学的な考察が必要になります。また、媒質の屈折率の大小関係によって反射時の位相変化が変わる点も重要なポイントです。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 屈折の法則(スネルの法則): 入射角と屈折角の関係、および波長や光速の変化を記述します。
  2. 光路長(光学距離): 媒質中の距離に屈折率を掛けたもので、位相の進み具合を真空中に換算した長さです。
  3. 反射による位相の変化:
    • 屈折率 小 \(\to\) 大 の反射(固定端反射相当)では、位相が \(\pi\) ずれます。
    • 屈折率 大 \(\to\) 小 の反射(自由端反射相当)では、位相はずれない。
  4. 幾何学的考察: 折り返しや垂線を用いて、複雑な経路差を単純な長さに変換します。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、図形の性質(合同な三角形)を利用して、幾何学的な経路差を \(d\) と \(\phi\) で表します。
  2. (2)では、屈折率の定義から膜中の波長を求めます。
  3. (3)では、2つの反射光の位相差(光路差と反射による変化)を考慮し、強め合う条件式を立てます。
  4. (4)(5)では、具体的な数値を代入して最小の膜厚を計算します。特に(5)では媒質の屈折率が変わることで反射の条件が変化することに注意します。

問(1)

思考の道筋とポイント
図の \(B_1C + CB_2\) という折れ曲がった経路の長さを、厚さ \(d\) と屈折角 \(\phi\) を用いて表します。
直接計算しようとすると \(d/\cos\phi\) などが出てきて複雑になりますが、反射の対称性を利用して「折り返す」ことで、直角三角形の辺の長さとして単純化できます。

この設問における重要なポイント

  • 反射の法則: 入射角と反射角は等しいため、図形的な対称性があります。
  • 補助線の利用: 境界面に対して線対称な点を取ることで、折れ線を直線に伸ばすことができます。

具体的な解説と立式
点 \(B_2\) から薄膜の底面(媒質Gとの境界)に下ろした垂線の足を \(F\) とし、その直線をさらに下へ延長します。
一方、光線 \(A_1 C\) をそのまま直進するように延長します。
この2つの直線の交点を \(E\) とします。

三角形 \(\triangle CB_2F\) と \(\triangle CEF\) に着目します。

  • \(B_2F = EF = d\) (対称点として \(E\) を取ったため)
  • \(\angle B_2FC = \angle EFC = 90^\circ\)
  • 辺 \(CF\) は共通

したがって、二辺挟角相等より \(\triangle CB_2F \equiv \triangle CEF\) です。
対応する辺の長さは等しいので、以下の関係が成り立ちます。
$$
\begin{aligned}
CB_2 &= CE
\end{aligned}
$$
求めたい経路の長さ \(L_{\text{geo}}\) は、
$$
\begin{aligned}
L_{\text{geo}} &= B_1C + CB_2 \\[2.0ex]
&= B_1C + CE \\[2.0ex]
&= B_1E
\end{aligned}
$$
となり、直線 \(B_1E\) の長さに等しくなります。

次に、\(\triangle B_1B_2E\) に着目します。
波面 \(A_1A_2\) と波面 \(B_1B_2\) は光線に対して垂直なので、\(\angle A_1B_1B_2 = 90^\circ\) です。
また、幾何学的な角度の関係から、\(\angle B_2EB_1 = \phi\) (屈折角)となります(錯角と同位角の関係)。
直角三角形 \(\triangle B_1B_2E\) において、斜辺は \(B_2E = B_2F + FE = d + d = 2d\) です。
したがって、\(B_1E\) の長さは以下のように表せます。
$$
\begin{aligned}
B_1E &= B_2E \cos \phi \\[2.0ex]
&= 2d \cos \phi
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 反射の法則(入射角=反射角)
  • 三角比の定義: \(\cos \theta = \frac{\text{底辺}}{\text{斜辺}}\)
計算過程

解説の通り、計算は以下のステップで完了します。
$$
\begin{aligned}
B_1C + CB_2 &= 2d \cos \phi
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

光が折れ曲がって進む距離を計算するのは面倒です。そこで、鏡に映った世界を考えるように、図形をひっくり返して(折り返して)考えました。
すると、「行って帰ってくる」距離が、一直線の距離として扱えるようになります。
できた直角三角形の斜辺が「膜の厚さの2倍(\(2d\)」、角度が「屈折角(\(\phi\)」なので、コサインを使えば求めたい長さが一発で求まります。

結論と吟味

答えは \(2d \cos \phi\) です。
\(\phi = 0\)(垂直入射)のとき \(\cos 0 = 1\) なので \(2d\) となり、往復距離と一致します。
\(\phi\) が大きくなると(斜めになるほど)、\(B_1\) の位置が下がるため、この距離成分は短くなります(直感とは逆かもしれませんが、波面 \(B_1 B_2\) までの距離差であることに注意が必要です)。

解答 (1) \(2d \cos \phi\)

問(2)

思考の道筋とポイント
屈折率の定義そのものを問う問題です。
屈折率 \(n\) の媒質中では、光の速さが \(1/n\) 倍になり、振動数が変わらないため、波長も \(1/n\) 倍になります。

この設問における重要なポイント

  • 屈折率の定義: \(n = \frac{\lambda}{\lambda’}\) (\(\lambda\): 真空中の波長, \(\lambda’\): 媒質中の波長)

具体的な解説と立式
空気中の波長を \(\lambda\)、薄膜(屈折率 \(n\))中の波長を \(\lambda’\) とします。
屈折率の定義より、
$$
\begin{aligned}
n &= \frac{\lambda}{\lambda’}
\end{aligned}
$$
これを \(\lambda’\) について解きます。

使用した物理公式

  • 屈折率と波長の関係: \(\lambda’ = \frac{\lambda}{n}\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
\lambda’ &= \frac{\lambda}{n}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

水の中やガラスの中で光が遅くなるのと同じで、波の「歩幅(波長)」も縮まります。
屈折率 \(n\) は「どれくらい縮むか」を表す値なので、波長は \(n\) 分の \(1\) になります。

結論と吟味

答えは \(\frac{\lambda}{n}\) です。
\(n > 1\) なので波長は短くなります。

解答 (2) \(\displaystyle \frac{\lambda}{n}\)

問(3)

思考の道筋とポイント
干渉条件を導くために、2つの光の「光路差(光学距離差)」と「反射による位相のずれ」を確認します。
特に、媒質の屈折率の大小関係(\(1 < n < n_G\))から、反射の種類(固定端か自由端か)を判定することが最重要です。

この設問における重要なポイント

  • 光路差: 幾何学的な距離差(問1の結果)に屈折率 \(n\) を掛けたものです。
    $$
    \begin{aligned}
    \text{光路差} &= n \times (2d \cos \phi) \\[2.0ex]
    &= 2nd \cos \phi
    \end{aligned}
    $$
  • 反射の位相変化:
    • 点 \(B_2\) での反射(光2): 空気(\(1\)) \(\to\) 薄膜(\(n\))。\(1 < n\) なので、位相が \(\pi\) ずれます(固定端反射)。
    • 点 \(C\) での反射(光1): 薄膜(\(n\)) \(\to\) 媒質G(\(n_G\))。条件より \(n < n_G\) なので、ここでも位相が \(\pi\) ずれます(固定端反射)。
  • トータルの位相差: 両方の反射で \(\pi\) ずつずれるため、相対的な位相のずれは \(0\)(キャンセルされる)となります。したがって、光路差が波長の整数倍であれば強め合います。

具体的な解説と立式
2つの光(\(A_2 \to B_2 \to D\) の経路と \(A_1 \to C \to B_2 \to D\) の経路)の干渉を考えます。
点 \(B_2\) で合流するまでの光路差 \(\Delta L\) は、
$$
\begin{aligned}
\Delta L &= n \times (B_1C + CB_2) \\[2.0ex]
&= 2nd \cos \phi
\end{aligned}
$$
反射による位相変化は、表面(\(B_2\))と裏面(\(C\))の両方で \(\pi\) ずれるため、互いに打ち消し合います。
よって、強め合う条件は「光路差が波長 \(\lambda\) の整数倍」となります。
正の整数 \(m\) を用いて、
$$
\begin{aligned}
2nd \cos \phi &= m \lambda
\end{aligned}
$$
※問題文の誘導により、右辺は \(m \lambda\) ですが、薄膜中の波長 \(\lambda’\) を用いて \(2d \cos \phi = m \lambda’\) と書いても物理的には同じ意味です。ここでは \(\lambda\) を用います。

使用した物理公式

  • 光路長: \(L_{\text{opt}} = n L_{\text{geo}}\)
  • 干渉条件(同位相): \(\Delta L = m \lambda\)
計算過程

解説の通り、条件式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
2nd \cos \phi &= m \lambda
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

2つの光のレースを考えます。
片方は膜の中を通って遠回りをします。その距離のハンデ(光路差)は \(2nd \cos \phi\) です。
また、反射するときに波がひっくり返るかどうかも重要です。今回は、表面でも裏面でも「硬い壁に当たった」ように波がひっくり返ります(固定端反射)。
両方ともひっくり返るので、結局「ひっくり返り具合」の差はありません。
だから、単純に距離のハンデが「波長の整数倍」であれば、波の山と山が揃って強め合います。

結論と吟味

条件式は \(2nd \cos \phi = m \lambda\) です。
両面とも固定端反射であるため、条件式に \(1/2\) の項が入らない形になります。

解答 (3) \(2nd \cos \phi = m \lambda\)

問(4)

思考の道筋とポイント
問(3)で求めた条件式に具体的な数値を代入して、最小の厚さ \(d\) を求めます。
「最小の厚さ」に対応する整数 \(m\) を適切に選ぶ必要があります。

この設問における重要なポイント

  • 数値代入: \(\lambda = 6.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\), \(\phi = 60^\circ\), \(n = 1.5\)。
  • \(m\) の選択: \(m\) は正の整数なので、\(m=1, 2, 3, \dots\) です。\(d\) が最小になるのは \(m\) が最小のとき、つまり \(m=1\) です。

具体的な解説と立式
条件式 \(2nd \cos \phi = m \lambda\) を \(d\) について解きます。
$$
\begin{aligned}
d &= \frac{m \lambda}{2n \cos \phi}
\end{aligned}
$$
最小の厚さを求めるため、\(m=1\) を代入します。

使用した物理公式

  • 三角比: \(\cos 60^\circ = 0.5\)
計算過程

数値を代入して計算します。
$$
\begin{aligned}
d &= \frac{1 \times 6.0 \times 10^{-7}}{2 \times 1.5 \times \cos 60^\circ} \\[2.0ex]
&= \frac{6.0 \times 10^{-7}}{3.0 \times 0.5} \\[2.0ex]
&= \frac{6.0 \times 10^{-7}}{1.5} \\[2.0ex]
&= 4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

作った式に数字を入れるだけです。
\(m\) は「何番目の強め合いか」を表す数字ですが、一番薄い膜を知りたいので、一番最初の \(1\) を入れます。
計算ミスに注意して、\(4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) を導きます。

結論と吟味

答えは \(4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
可視光の波長と同程度のオーダーであり、薄膜の厚さとして妥当です。

解答 (4) \(4.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

問(5)

思考の道筋とポイント
媒質Gの屈折率が \(n_G = 1.4\) に変わりました。
これにより、裏面での反射の条件(屈折率の大小関係)が逆転し、位相変化の有無が変わります。
条件式を作り直し、再度計算します。

この設問における重要なポイント

  • 屈折率の関係: 空気(\(1\)) < 薄膜(\(1.5\)) > 媒質G(\(1.4\))。
  • 反射の位相変化:
    • 表面(\(1 \to 1.5\)): 固定端反射(位相 \(\pi\) ずれる)。
    • 裏面(\(1.5 \to 1.4\)): 大 \(\to\) 小 なので、自由端反射(位相はずれない)
  • トータルの位相差: 片方だけ \(\pi\) ずれるため、相対的に \(\pi\)(半波長分)のずれが生じます。
  • 干渉条件: 光路差が「半波長の奇数倍」のときに強め合います。
    $$
    \begin{aligned}
    2nd \cos \phi &= \left( m – \frac{1}{2} \right) \lambda \quad (m=1, 2, \dots)
    \end{aligned}
    $$
    ※ \(m\) を正の整数とするため、\((m – 1/2)\) とします。もし \(m=0\) から始めるなら \((m + 1/2)\) ですが、問題文の「正の整数 \(m\)」に従い、かつ最小値を考えるため \(m=1\) を採用します。

具体的な解説と立式
強め合う条件式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
2nd \cos \phi &= \left( m – \frac{1}{2} \right) \lambda
\end{aligned}
$$
これを \(d\) について解き、\(m=1\) を代入して最小の厚さを求めます。
$$
\begin{aligned}
d &= \frac{(m – 0.5) \lambda}{2n \cos \phi}
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 干渉条件(位相変化あり): \(\Delta L = (m – 1/2)\lambda\)
計算過程

\(m=1\) と数値を代入します。
$$
\begin{aligned}
d &= \frac{(1 – 0.5) \times 6.0 \times 10^{-7}}{2 \times 1.5 \times \cos 60^\circ} \\[2.0ex]
&= \frac{0.5 \times 6.0 \times 10^{-7}}{3.0 \times 0.5} \\[2.0ex]
&= \frac{3.0 \times 10^{-7}}{1.5} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times 10^{-7}\,\text{m}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

下の物質が変わったことで、裏面での反射のルールが変わりました。今度は「柔らかい壁」に当たったように、波がひっくり返らずに跳ね返ります。
表面ではひっくり返り、裏面ではひっくり返らないので、2つの波は最初から「逆向き」の状態です。
この逆向きの状態を元に戻して強め合うには、距離のハンデ(光路差)で「半波長分」だけずらせばOKです。
計算すると、必要な厚さはさっきの半分で済みます。

結論と吟味

答えは \(2.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\) です。
問(4)の結果の半分になっています。これは、必要な光路差が \(1\lambda\) から \(0.5\lambda\) になったためであり、物理的に正しい結果です。

解答 (5) \(2.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)
別解: 微積分と波動関数を用いた体系的解法

思考の道筋とポイント
干渉条件式を幾何学的なパズルとして解くのではなく、光を「波の式(波動関数)」として定義し、その位相の変化を積分計算によって追跡することで導出します。
これにより、光路差 \(2nd \cos \phi\) の意味や、反射による位相変化が数式上でどのように作用するかを根本から理解します。

この設問における重要なポイント

  • 波動関数の定義: 光を \(y = A \sin(\Phi)\) と表します。位相 \(\Phi\) は、時間項 \(\omega t\) と空間項(経路に沿った位相の蓄積)から成ります。
  • 位相の積分: 距離 \(x\) 進むごとの位相変化は、波数 \(k = \frac{2\pi n}{\lambda}\) を用いて \(\int k \, dx\) で表されます。
  • 反射係数: 固定端反射は振幅を \(-1\) 倍(位相 \(+\pi\))、自由端反射は \(+1\) 倍(位相変化なし)として扱います。

具体的な解説と立式
1. 位相差の計算
点 \(B_2\) で合流する2つの光(光1と光2)の位相差を計算します。
位相の基準として、入射波面 \(A_1 A_2\) 上での位相を \(\Phi_0 = \omega t\) とします。

  • 光2(表面反射光)の経路: \(A_2 \to B_2 \to D\)
    • 区間 \(A_2 \to B_2\): 距離 \(A_2 B_2\)、媒質は空気(\(n=1\))。
      位相変化は \(-k_0 \times A_2 B_2\) です(ここで \(k_0 = \frac{2\pi}{\lambda}\))。
    • 点 \(B_2\) での反射: 空気(\(1\)) \(\to\) 薄膜(\(n\))。\(1 < n\) なので固定端反射。
      位相変化は \(+\pi\) です。
    • 点 \(B_2\) で反射した直後の位相 \(\Phi_2\):
      $$
      \begin{aligned}
      \Phi_2 &= \omega t – k_0 A_2 B_2 + \pi
      \end{aligned}
      $$
  • 光1(裏面反射光)の経路: \(A_1 \to B_1 \to C \to B_2 \to D\)
    • 区間 \(A_1 \to B_1\): 距離 \(A_1 B_1\)、媒質は薄膜(\(n\))。
      位相変化は \(-k \times A_1 B_1\) です(ここで \(k = \frac{2\pi n}{\lambda} = n k_0\))。
    • 区間 \(B_1 \to C \to B_2\): 距離 \(B_1 C + C B_2\)、媒質は薄膜(\(n\))。
      位相変化は \(-k (B_1 C + C B_2)\) です。
    • 点 \(C\) での反射: 薄膜(\(n\)) \(\to\) 媒質G(\(n_G\))。
      • 問(3)の場合 (\(n < n_G\)): 固定端反射なので \(+\pi\)。
      • 問(5)の場合 (\(n > n_G\)): 自由端反射なので \(0\)。
    • 点 \(B_2\) に到達した直後の位相 \(\Phi_1\):
      $$
      \begin{aligned}
      \Phi_1 &= \omega t – k A_1 B_1 – k (B_1 C + C B_2) + \delta_C
      \end{aligned}
      $$
      (\(\delta_C\) は \(C\) での反射による位相変化)

2. 幾何学的条件の適用
ここで、波面 \(A_1 A_2\) と波面 \(B_1 B_2\) の関係を用います。
ホイヘンスの原理より、波面 \(A_1 A_2\) から波面 \(B_1 B_2\) までの光学的距離(位相の進み)は等しいはずです。
すなわち、空気中を進む \(A_2 \to B_2\) の位相変化と、薄膜中を進む \(A_1 \to B_1\) の位相変化は等しくなります。
$$
\begin{aligned}
k_0 A_2 B_2 &= k A_1 B_1
\end{aligned}
$$
この関係式を用いると、位相差の計算において \(A_2 B_2\) と \(A_1 B_1\) の項が相殺されます。

3. 位相差と干渉条件の導出
2つの光の位相差 \(\Delta \Phi = \Phi_2 – \Phi_1\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
\Delta \Phi &= (\omega t – k_0 A_2 B_2 + \pi) – (\omega t – k A_1 B_1 – k (B_1 C + C B_2) + \delta_C) \\[2.0ex]
&= (k A_1 B_1 – k_0 A_2 B_2) + k (B_1 C + C B_2) + (\pi – \delta_C)
\end{aligned}
$$
先ほどの関係式 \(k A_1 B_1 – k_0 A_2 B_2 = 0\) より、第1項は消えます。
また、問(1)より \(B_1 C + C B_2 = 2d \cos \phi\) なので、
$$
\begin{aligned}
\Delta \Phi &= \frac{2\pi n}{\lambda} (2d \cos \phi) + (\pi – \delta_C)
\end{aligned}
$$
強め合う条件は、位相差が \(2\pi\) の整数倍(\(2m\pi\))になることです。

  • 問(3)の場合 (\(n < n_G\)):
    \(\delta_C = \pi\) なので、位相項は \(\pi – \pi = 0\) となります。
    $$
    \begin{aligned}
    \frac{2\pi n}{\lambda} (2d \cos \phi) &= 2m\pi \\[2.0ex]
    \frac{2n d \cos \phi}{\lambda} &= m \\[2.0ex]
    2nd \cos \phi &= m \lambda
    \end{aligned}
    $$
  • 問(5)の場合 (\(n > n_G\)):
    \(\delta_C = 0\) なので、位相項は \(\pi – 0 = \pi\) となります。
    $$
    \begin{aligned}
    \frac{2\pi n}{\lambda} (2d \cos \phi) + \pi &= 2m’\pi \quad (m’ \text{は整数}) \\[2.0ex]
    \frac{2\pi n}{\lambda} (2d \cos \phi) &= (2m’ – 1)\pi \\[2.0ex]
    \frac{2n d \cos \phi}{\lambda} &= m’ – \frac{1}{2} \\[2.0ex]
    2nd \cos \phi &= \left( m’ – \frac{1}{2} \right) \lambda
    \end{aligned}
    $$
    ここで \(m’ = m\) とすれば、問(5)の条件式が得られます。

使用した物理公式

  • 位相差と光路差: \(\Delta \Phi = \frac{2\pi}{\lambda} \Delta L\)
  • 波数の関係: \(k = n k_0\)
計算過程

上記解説の通り、位相差 \(\Delta \Phi\) を \(2m\pi\) と置くことで、幾何学的な条件式が自然に導出されます。
問(5)の計算:
$$
\begin{aligned}
2nd \cos \phi &= \left( 1 – \frac{1}{2} \right) \lambda \\[2.0ex]
d &= \frac{0.5 \lambda}{2n \cos \phi}
\end{aligned}
$$
これはメイン解法の計算と完全に一致します。

この設問の平易な説明

光を「波の式」で表し、その位相(波のタイミング)が経路によってどれだけずれるかを計算しました。
反射で波がひっくり返ることを「位相が \(\pi\) ずれる(マイナスになる)」として式に組み込むことで、条件式を丸暗記せずとも、計算だけで正しい式を作ることができます。
特に、波面 \(A_1 A_2\) と \(B_1 B_2\) の関係を使うことで、複雑な経路の計算がきれいに相殺される様子が見て取れます。

結論と吟味

波動関数を用いたアプローチからも、全く同じ条件式と数値解が得られました。
この方法は、反射回数が増えたり、多層膜になったりした場合でも、位相を足し合わせていくだけで解けるため、非常に汎用性が高いです。

解答 (5) \(2.0 \times 10^{-7}\,\text{m}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?

  • 斜め入射における光路差の幾何学的導出
    • 核心: 垂直入射では単純に \(2nd\) だった光路差が、斜め入射では \(2nd \cos \phi\) に変化します。この \(\cos \phi\) がどこから来るのか、図形的な意味(折り返しによる直角三角形の形成)を理解することが最重要です。
    • 理解のポイント:
      • 折り返しのテクニック: 反射の法則(入射角=反射角)を利用して、折れ曲がった光路を直線に伸ばし、直角三角形の辺として扱う手法をマスターしましょう。
      • 波面の概念: 干渉とは「ある地点での波の重ね合わせ」ですが、それを考えるために「波面(同位相の面)」を基準にして、そこからの距離差を考えるという視点が不可欠です。
  • 屈折率の大小関係と反射の位相変化
    • 核心: 膜の上下の媒質の屈折率によって、反射時の位相変化(\(\pi\) ずれるか、ずれないか)が決まります。これが干渉条件式の形(\(m\lambda\) か \((m+1/2)\lambda\) か)を決定づけます。
    • 理解のポイント:
      • 固定端反射: 小 \(\to\) 大 の反射。位相が \(\pi\) ずれる。
      • 自由端反射: 大 \(\to\) 小 の反射。位相はずれない。
      • サンドイッチ構造の確認: \(n_{\text{上}} < n_{\text{膜}} < n_{\text{下}}\) なら両面固定端(ずれなし)、\(n_{\text{上}} < n_{\text{膜}} > n_{\text{下}}\) なら片面固定端(ずれあり)というパターン認識を持ちましょう。

応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点

  • 応用できる類似問題のパターン:
    • マイケルソン干渉計: ハーフミラーで光を分割し、鏡で反射させて干渉させる装置。光路差の計算原理は薄膜干渉と同じです。
    • ニュートンリング(斜め観察): 通常は上から垂直に見ますが、斜めから見るとリングの間隔が変わります。このときの光路差の変化は \(2d \cos \phi\) で説明できます。
    • 多層膜干渉: 膜が何層にも重なっている場合。各境界面での反射と透過を考慮しますが、基本単位はこの問題のような「1層での干渉」の積み重ねです。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. 入射角と屈折角の区別: 問題文で与えられているのが入射角 \(i\) なのか屈折角 \(\phi\) なのかを必ず確認してください。公式 \(2nd \cos \phi\) の \(\phi\) は「膜の中の角度(屈折角)」です。もし入射角 \(i\) が与えられたら、スネルの法則 \(1 \cdot \sin i = n \cdot \sin \phi\) で \(\phi\) を求める(または \(\cos \phi\) を \(\sin i\) で表す)必要があります。
    2. 「強め合い」か「弱め合い」か: 問題文が求めているのが「明るくなる(強め合い)」条件か「暗くなる(弱め合い)」条件かを確認し、条件式の \(m\) と \(m+1/2\) を適切に使い分けましょう。
    3. 反射回数: 通常は1回の往復ですが、膜の中で複数回反射するケースもあります。その場合は光路差が \(2nd \cos \phi \times (\text{回数})\) になります。

要注意!ありがちなミス・誤解とその対策

  • 光路差の公式の誤用:
    • 誤解: 斜め入射でも \(2nd\) を使ってしまう、あるいは \(2nd \sin \phi\) や \(2nd / \cos \phi\) などと間違える。
    • 対策: 幾何学的な導出(問1)を一度自分で手を動かして再現し、直角三角形の斜辺が \(2d\) で、底辺が \(2d \cos \phi\) になる図を脳裏に焼き付けましょう。
  • 屈折率 \(n\) の掛け忘れ:
    • 誤解: 幾何学的距離 \(2d \cos \phi\) をそのまま光路差としてしまう。
    • 対策: 「膜の中は距離が \(n\) 倍に伸びる」という感覚を常に持ちましょう。式を書くときは必ず \(n \times (\text{距離})\) の形を確認してください。
  • \(m\) の範囲と定義:
    • 誤解: \(m=0\) が常に許されると思い込む、あるいは \(m\) が正の整数(\(1, 2, \dots\))と指定されているのに \(0\) を代入してしまう。
    • 対策: 問題文の定義(「正の整数 \(m\)」など)を最優先します。また、物理的に \(d=0\) があり得ない場合(膜が存在しない)は、\(m\) の最小値が \(0\) か \(1\) かを慎重に判断してください。

なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法

  • 問(1)での公式選択(幾何学的考察):
    • 選定理由: 光路差を計算するための基礎となる幾何学的距離を求めるためです。
    • 適用根拠: 反射の法則と三角形の合同条件により、折れ線を直線に変換できることは幾何学的に証明可能です。
  • 問(3)(5)での公式選択(干渉条件式):
    • 選定理由: 膜厚 \(d\) と波長 \(\lambda\) の関係を導くためです。
    • 適用根拠: 光路差 \(2nd \cos \phi\) と反射による位相変化(\(\pi\) の有無)を組み合わせることで、強め合い・弱め合いの条件式が一意に定まります。

計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック

  • 三角関数の値の確認:
    • \(\cos 60^\circ = 0.5\) や \(\sin 30^\circ = 0.5\) など、基本的な三角比の値は瞬時に出せるようにしておきましょう。また、\(\cos 0^\circ = 1\) (垂直入射)で検算する癖をつけるとミスが減ります。
  • 指数の処理:
    • 波長は \(10^{-7}\) オーダーです。計算中は \(A \times 10^{-7}\) の形を崩さず、係数 \(A\) の計算に集中しましょう。最後に指数を合わせることで、桁の間違いを防げます。
  • 条件式の変形:
    • \(2nd \cos \phi = (m – 1/2)\lambda\) を \(d = \dots\) に変形する際、分母分子を取り違えないように注意しましょう。特に \(2n \cos \phi\) で割る操作を丁寧に行ってください。
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問題98 (弘前大)

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(2)の別解: 位相差関数の微分を用いた体系的解法
      • 模範解答が隣り合う明線の条件式の差分から間隔を求めるのに対し、別解では位置 \(x\) における光の位相差を関数として定義し、その空間微分(変化率)から縞の周期(間隔)を数学的に導出します。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 干渉縞の間隔が「位相差の変化の速さ」によって決まることを理解できます。これは、ヤングの実験やニュートンリングなど、他の干渉問題にも共通して適用できる普遍的な視点です。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「くさび形空気層による光の干渉」です。薄膜干渉の一種であり、光の波動性(干渉条件)と幾何学的な条件(厚さの変化)を組み合わせて考える力が問われます。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 光の干渉条件: 2つの光の経路差(光路差)と位相の変化によって、強め合うか弱め合うかが決まります。
  2. 反射による位相の反転: 屈折率が小さい媒質から大きい媒質へ入射して反射する場合(固定端反射相当)、位相が \(\pi\)(半波長分)ずれます。逆の場合はずれません。
  3. 幾何学的関係: 空気層の厚さは位置によって直線的に変化します。三角形の相似を用いて厚さを表すことがポイントです。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、経路差が \(0\) となる地点での、反射による位相のズレに着目して明暗を判定します。
  2. (2)では、干渉条件式を立て、隣り合う明線の次数 \(m\) の差から縞間隔 \(\Delta x\) と厚さ \(D\) の関係式を導きます。
  3. (3)(4)では、条件の変化(反射回数や媒質の屈折率)が干渉条件式にどう影響するかを考えます。

問(1)

ここから先が、他の受験生と差がつく重要パートです。

「解法に至る思考プロセス」
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なぜその公式を使うのか?どうしてその着眼点を持てるのか?
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