- まずはザックリ理解したい
- イメージを優先したい
- 苦手を克服したい
このような方向けに解説をしていきます。
【今回わかること】
- 電流の大きさを求める公式2つ
- 2つの公式を作れるようにするための日本語定義
- 図のイメージ
電流の公式① \(\displaystyle I=\frac{q}{t}\)
まずは電流の公式を文字バージョンで見ておきましょう。
\(I\):電流
\(q\):任意の断面を通過した電気量
\(t\):経過時間
もちろん文字で公式を覚えることは大切ですが、日本語で覚えることでもう1つの文字公式を瞬時に作れるようになります!
その公式を作るために、電流の定義を日本語で理解し、図を見ながらイメージを固めていきましょう。
電流の公式(日本語バージョン)
電流の公式の覚え方で1番おすすめな日本語バージョンを紹介します!
電流の公式① \(\displaystyle I=\frac{q}{t}\) が公式(日本語バージョン)通りになっていることをチェックしてみます。
分子の \(q\) は「通過した電気量」を表しています。
しかし \(q\) だけでは、何秒かけて通過した量なのかわかりません。
そこで「経過した時間 \(t\) 」であることで1秒分を調べることができます。
つまり \(\displaystyle \frac{q}{t}\) = ある断面を1秒間に通過した電気量ということになります。
電流の公式② \(I=envS\)
導線を通る電子を主役にして、ある断面を1秒間に通過する電気量を調べてみましょう。
いきなり文字で式を作る前に、具体的な数字で考えてみます。
まずヨーイスタート!のときに、下図のような状況だとします。
1秒後に電子が少し右に進んだ様子を図にしてみます。
青く色が付いてる部分(ある断面)を3個の電子が通過しました。
電子1個の電気量は\(-1.6×10^{-19}\) [C] (これを電気素量と呼びます)と決まっているので、ある断面を1秒間に通過した電気量がわかります。
電子が1個につき \(-1.6×10^{-19}\) [C] の電気量が通過することになる。
今回は3個通過したので、ある断面を1秒間に通過した電気量は\(-1.6×10^{-19}×3\) [C]となります。
あとはマイナスを取れば電流 \(I\) の大きさ完成です。
電流の単位は [A] と書いてアンペアと読みます。
今回の図では電子が右に動いているので、電流の向きは左向きです。
ではもう少し具体的な数字を使って、公式を作る準備に入ります!
このような設定で、電子は右に動くとします。
1秒間に青い断面を通過できる電子はどれだけあるでしょうか?
電子1個1個が3[m/s]の速さで動くので、断面の3[m]うしろにいる電子は1秒後にギリギリ断面を通過できます。
今回の図では9個の電子が通過できるので、ある断面を1秒間に通過した電気量は\(-1.6×10^{-19}×9\) [C]となり、マイナスを取れば電流の大きさ完成です。
今度は具体的な数字を文字に変えて、いよいよ公式②を作っていきます!
目標通過点に到達できる電子は、目標通過点から \(v\) だけうしろにいる電子までです。
体積1[m3]の中に \(n\) 個の電子がいるので、体積 \(vS\) の中には\(n×vS\) 個の電子がいることがわかります。
電子1個の電気量が \(-e\) なので、ある断面を1秒間に通過した電気量は \(-e×n×vS\) [C] です。
あとはマイナスを取ってあげれば電流の大きさを求める公式の完成です!
まとめ
- 電流は「ある断面を1秒間に通過した電気量」
- 文字で表すなら
① \(\displaystyle I=\frac{q}{t}\)
②\(I=envS\) - 図を覚えて、いつでも公式を作れるようにしておくのがおすすめ