無料でしっかり基礎固め!高校物理 問題演習「電圧降下法と内部抵抗・誤差」【高校物理対応】

今回の問題

electromagnetic#35

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「電圧降下法における内部抵抗の影響と近似条件」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  • 電流計・電圧計の内部抵抗: 電流計は内部抵抗 \(r_A\) を持つ抵抗器、電圧計は内部抵抗 \(r_V\) を持つ抵抗器としてモデル化します。この現実の測定器を回路に組み込んで考えることが、この問題の出発点です。
  • キルヒホッフの法則: 2つの異なる回路(図1と図2)が与えられており、それぞれについて電圧則(第2法則)と電流則(第1法則)を適用して連立方程式を立てる必要があります。
  • 連立方程式の解法: 未知数が \(V, r_A, R, r_V\) の4つあり、図1と図2の回路から立てられる独立した関係式も4つあるため、これらを解くことで全ての値を決定できます。
  • 近似の条件: 測定器の内部抵抗の影響を無視できる条件、すなわち「理想的な測定」に近づくための条件を物理的に考察します。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. まず、図1と図2の回路について、キルヒホッフの法則を用いて関係式を立てます。
  2. 図1の回路:
    • 電圧計が測定する \(V_1 = 3.0 \, \text{V}\) は、電池の電圧 \(V\) と等しい。これにより(1)が解けます。
    • 電圧計は、抵抗 \(R\) と電流計 \(r_A\) の直列部分にかかる電圧を測定しています。この関係から式を立てます。
  3. 図2の回路:
    • 電流計が測定する \(I_2 = 15.0 \, \text{mA}\) は、抵抗 \(R\) を流れる電流と電圧計 \(r_V\) を流れる電流の和です。
    • 電圧計が測定する \(V_2 = 2.7 \, \text{V}\) は、抵抗 \(R\) にかかる電圧であり、同時に電圧計 \(r_V\) にかかる電圧でもあります。
    • 電池の電圧 \(V\) は、電流計 \(r_A\) での電圧降下と、並列部分(\(R\) と \(r_V\))での電圧降下の和に等しいです。
  4. これらの式を連立方程式として解き、(2) \(r_A\), (3) \(R\), (4) \(r_V\) を求めます。
  5. (5), (6)では、内部抵抗の影響を無視した場合(理想的な測定器とみなした場合)の抵抗値を計算します。
  6. (7)では、(5), (6)の計算値が(3)の真の値と一致するための条件を、数式を基に考察します。

問(1)

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