「セミナー物理基礎+物理2025」徹底解説!【第 Ⅲ 章 11】基本例題~基本問題272

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基本例題

基本例題36 熱量の保存

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 「熱量変化の総和がゼロ」と考える解法
      • 模範解答が「高温物体が失った熱量」と「低温物体が得た熱量」を等しいと置くのに対し、別解では系に関わる全ての物質の「熱量変化」(温度上昇なら正、下降なら負)を足し合わせるとゼロになる、という式を立てます。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 物理的本質の深化: 熱の移動という現象を、「熱量保存」というより普遍的な法則の観点から捉え直すことができます。
    • 思考の柔軟性向上: どちらの立式方法でも本質は同じであることを理解し、問題に応じて使い分けられるようになります。特に、複数の物体が複雑に熱をやりとりする場合に「総和=0」の考え方が有効なことがあります。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、計算過程や思考の出発点が異なるだけで、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「熱量保存則を用いた比熱の決定」です。異なる温度の物体を接触させたときに、熱の移動が起こり、やがて全体が同じ温度(熱平衡状態)になる現象を扱います。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 熱量保存則: 「断熱された系」では、高温の物体が失った熱量の和と、低温の物体が得た熱量の和が等しくなるという法則を理解していること。
  2. 熱量の計算式: 質量 \(m\)、比熱 \(c\)、温度変化 \(\Delta T\) を用いる式 \(Q=mc\Delta T\) と、熱容量 \(C\) を用いる式 \(Q=C\Delta T\) を正しく使い分けられること。
  3. 熱平衡: 最終的に、熱をやりとりするすべての物体が同じ一定の温度に達することを理解していること。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 高温のアルミニウム球が失った熱量 \(Q_{\text{失}}\) を、求める比熱 \(c\) を使って表します。
  2. 低温の水と、容器・かき混ぜ棒が得た熱量 \(Q_{\text{得}}\) を、それぞれ計算して足し合わせます。
  3. 熱量保存則の式 \(Q_{\text{失}} = Q_{\text{得}}\) を立て、未知数である比熱 \(c\) について解きます。

思考の道筋とポイント
この問題の核心は、熱量保存則を正しく立式することです。問題文の「断熱材で囲んだ」という記述から、外部との熱のやりとりは無視できると判断します。したがって、高温のアルミニウム球が失った熱が、すべて低温の水と容器(かき混ぜ棒を含む)に移動したと考えます。最終的に全体が \(34^{\circ}\text{C}\) という一つの温度に落ち着く(熱平衡に達する)ことから、各物質の温度変化を計算し、熱量の収支を考えます。
この設問における重要なポイント

  • 熱量の計算式を正しく使い分けること。質量と比熱が与えられている水とアルミニウムは \(Q=mc\Delta T\)、熱容量が与えられている容器・かき混ぜ棒は \(Q=C\Delta T\) を使います。
  • 温度変化 \(\Delta T\) の計算では、熱量を正の値として扱うために「高温側の温度 – 低温側の温度」で計算すると分かりやすいです。
  • 単位に注意すること。質量は \(\text{g}\)、比熱は \(\text{J/(g}\cdot\text{K)}\)、熱容量は \(\text{J/K}\) で与えられています。単位系が揃っているため、この問題では単位換算は不要です。また、温度変化 \(\Delta T\) は、摂氏(\(^{\circ}\text{C}\))で計算しても絶対温度(\(\text{K}\))で計算しても同じ値になります。

具体的な解説と立式
求めるアルミニウムの比熱を \(c\,\text{[J/(g}\cdot\text{K)]}\) とします。
熱量保存則は、「高温物体が失った熱量 = 低温物体が得た熱量の和」で表されます。

  • 高温のアルミニウム球が失った熱量 \(Q_{\text{失}}\)
    • 質量 \(m_{\text{Al}} = 2.0 \times 10^2\,\text{g}\)
    • 温度変化: \(100^{\circ}\text{C}\) から \(34^{\circ}\text{C}\) へ低下。
    • \(Q_{\text{失}} = m_{\text{Al}} c (100 – 34)\)
  • 低温の水が得た熱量 \(Q_{\text{水}}\)
    • 質量 \(m_{\text{水}} = 2.5 \times 10^2\,\text{g}\)
    • 比熱 \(c_{\text{水}} = 4.2\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\)
    • 温度変化: \(23^{\circ}\text{C}\) から \(34^{\circ}\text{C}\) へ上昇。
    • \(Q_{\text{水}} = m_{\text{水}} c_{\text{水}} (34 – 23)\)
  • 低温の容器・かき混ぜ棒が得た熱量 \(Q_{\text{容器}}\)
    • 熱容量 \(C_{\text{容器}} = 30\,\text{J/K}\)
    • 温度変化: \(23^{\circ}\text{C}\) から \(34^{\circ}\text{C}\) へ上昇。
    • \(Q_{\text{容器}} = C_{\text{容器}} (34 – 23)\)

熱量保存則より、以下の関係式が成り立ちます。
$$ Q_{\text{失}} = Q_{\text{水}} + Q_{\text{容器}} $$
したがって、
$$ m_{\text{Al}} c (100 – 34) = m_{\text{水}} c_{\text{水}} (34 – 23) + C_{\text{容器}} (34 – 23) \quad \cdots ① $$

使用した物理公式

  • 熱量の式: \(Q = mc\Delta T\)
  • 熱量の式: \(Q = C\Delta T\)
  • 熱量保存則: 高温物体が失った熱量の和 = 低温物体が得た熱量の和
計算過程

まず、水と容器が得た熱量をそれぞれ計算します。

  • 水が得た熱量 \(Q_{\text{水}}\):
    $$
    \begin{aligned}
    Q_{\text{水}} &= (2.5 \times 10^2) \times 4.2 \times (34 – 23) \\[2.0ex]
    &= 250 \times 4.2 \times 11 \\[2.0ex]
    &= 1050 \times 11 \\[2.0ex]
    &= 11550\,\text{J}
    \end{aligned}
    $$
  • 容器・かき混ぜ棒が得た熱量 \(Q_{\text{容器}}\):
    $$
    \begin{aligned}
    Q_{\text{容器}} &= 30 \times (34 – 23) \\[2.0ex]
    &= 30 \times 11 \\[2.0ex]
    &= 330\,\text{J}
    \end{aligned}
    $$

次に、アルミニウム球が失った熱量を、求める比熱 \(c\) を用いて表します。
$$
\begin{aligned}
Q_{\text{失}} &= (2.0 \times 10^2) \times c \times (100 – 34) \\[2.0ex]
&= 200 \times c \times 66 \\[2.0ex]
&= 13200c
\end{aligned}
$$
熱量保存則 \(Q_{\text{失}} = Q_{\text{水}} + Q_{\text{容器}}\) にこれらの値を代入して、\(c\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
13200c &= 11550 + 330 \\[2.0ex]
13200c &= 11880 \\[2.0ex]
c &= \frac{11880}{13200} \\[2.0ex]
c &= \frac{1188}{1320} \\[2.0ex]
c &= 0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

熱いアルミニウム球を熱量計の中の水に入れると、ジュッと音がして、アルミ球は冷め、代わりに水と容器が温まります。このとき、「断熱材」で周りが囲まれているので、熱はどこにも逃げません。つまり、アルミ球が放出した熱エネルギーは、すべて水と容器が吸収したことになります。この「放出された熱量=吸収された熱量」というエネルギーの収支の式を立てることで、アルミニウムがどれくらい温まりにくく冷めにくいか(比熱)を計算することができます。

結論と吟味

アルミニウムの比熱は \(0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\) と求まりました。この値は、水の比熱 \(4.2\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\) と比べてかなり小さいです。これは、アルミニウムが水よりもずっと温まりやすく冷めやすい物質であることを意味しており、一般的な金属の性質と一致するため、物理的に妥当な値であると言えます。

解答 アルミニウムの比熱: \(0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\)
別解: 熱量変化の総和がゼロと考える解法

思考の道筋とポイント
系全体(アルミニウム球、水、容器・かき混ぜ棒)を一つの閉じた世界と見なす方法です。外部との熱のやりとりがないため、この世界の中での熱エネルギーの総量は変化しません。したがって、各物質の「熱量変化 \(\Delta Q\)」をすべて足し合わせると、その合計はゼロになるはずです。ここで、熱量変化は \(\Delta Q = mc\Delta T\) または \(\Delta Q = C\Delta T\) で計算し、温度変化 \(\Delta T\) は常に「変化後の温度 – 変化前の温度」と定義します。この定義により、温度が上昇した物質の \(\Delta Q\) は正、温度が下降した物質の \(\Delta Q\) は負の値として自動的に計算されます。
この設問における重要なポイント

  • 温度変化 \(\Delta T\) を「\(\Delta T = T_{\text{後}} – T_{\text{前}}\)」と一貫して定義すること。
  • この定義に従うと、熱を失うアルミニウム球の熱量変化は負の値になります。
  • 立式は「\(\Delta Q_{\text{Al}} + \Delta Q_{\text{水}} + \Delta Q_{\text{容器}} = 0\)」という形になります。

具体的な解説と立式
各物質の熱量変化を \(\Delta Q\) とします。温度変化 \(\Delta T\) は、変化後の平衡温度 \(34^{\circ}\text{C}\) から変化前の初期温度を引いて計算します。

  • アルミニウム球の熱量変化 \(\Delta Q_{\text{Al}}\)
    • \(\Delta T_{\text{Al}} = 34 – 100 = -66\,\text{K}\)
    • \(\Delta Q_{\text{Al}} = m_{\text{Al}} c \Delta T_{\text{Al}} = (2.0 \times 10^2) \times c \times (34 – 100)\)
  • 水の熱量変化 \(\Delta Q_{\text{水}}\)
    • \(\Delta T_{\text{水}} = 34 – 23 = 11\,\text{K}\)
    • \(\Delta Q_{\text{水}} = m_{\text{水}} c_{\text{水}} \Delta T_{\text{水}} = (2.5 \times 10^2) \times 4.2 \times (34 – 23)\)
  • 容器・かき混ぜ棒の熱量変化 \(\Delta Q_{\text{容器}}\)
    • \(\Delta T_{\text{容器}} = 34 – 23 = 11\,\text{K}\)
    • \(\Delta Q_{\text{容器}} = C_{\text{容器}} \Delta T_{\text{容器}} = 30 \times (34 – 23)\)

熱量保存則より、これらの熱量変化の総和はゼロになります。
$$ \Delta Q_{\text{Al}} + \Delta Q_{\text{水}} + \Delta Q_{\text{容器}} = 0 $$

使用した物理公式

  • 熱量変化の式: \(\Delta Q = mc\Delta T\), \(\Delta Q = C\Delta T\) (ただし \(\Delta T = T_{\text{後}} – T_{\text{前}}\))
  • 熱量保存則: \(\Delta Q_{\text{全}} = 0\)
計算過程

各物質の熱量変化を計算します。

  • \(\Delta Q_{\text{Al}} = 200 \times c \times (-66) = -13200c\)
  • \(\Delta Q_{\text{水}} = 250 \times 4.2 \times 11 = 11550\,\text{J}\)
  • \(\Delta Q_{\text{容器}} = 30 \times 11 = 330\,\text{J}\)

これらの和がゼロになるという式を立てて、\(c\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
(-13200c) + 11550 + 330 &= 0 \\[2.0ex]
-13200c + 11880 &= 0 \\[2.0ex]
13200c &= 11880 \\[2.0ex]
c &= \frac{11880}{13200} \\[2.0ex]
c &= 0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

アルミ球、水、容器の3者の間で、熱エネルギーのやりとりをするゲームを想像してみましょう。外とは壁で仕切られているので、お金(熱)の総額は変わりません。ゲームが終わった後、アルミ球は熱を失ったので収支は「マイナス」、水と容器は熱をもらったので収支は「プラス」になります。全員の収支を合計すると、プラスマイナスゼロになるはずです。この考え方で計算する方法です。

結論と吟味

主たる解法と完全に同じ結果 \(c = 0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\) が得られました。この「総和ゼロ」の方法は、どの物体が熱を失い、どの物体が得るかを最初に考えなくても、機械的に「後の温度 – 前の温度」で計算すれば自動的に符号がついてくれるという利点があります。どちらの考え方でも解けるようにしておくと、思考の幅が広がります。

解答 アルミニウムの比熱: \(0.90\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
  • 熱量保存則
    • 核心: この問題の根幹は、外部から熱が逃げたり入ってきたりしない「断熱された系」において、熱エネルギーの総量は変わらないという「熱量保存則」を理解し、適用することです。具体的には、高温の物体が失った熱エネルギーが、低温の物体に過不足なく移動するという関係を数式で表現する能力が問われます。
    • 理解のポイント:
      • 熱の移動: 熱は必ず温度の高い物体から低い物体へと移動します。この移動は、すべての物体の温度が等しくなるまで続きます。
      • 熱平衡: 最終的に全体が同じ温度 \(T_{\text{後}}\) に達した状態を「熱平衡状態」と呼びます。この最終温度を基準に、各物体がどれだけ温度変化したかを計算することが出発点となります。
      • 立式の基本形: 熱量保存則の立式には2つの考え方があります。
        1. (高温物体が失った熱量の和)=(低温物体が得た熱量の和): 熱の移動を「受け渡し」として捉える、直感的で分かりやすい方法です。計算する熱量はすべて正の値として扱います。
        2. (系全体の熱量変化の総和)= 0: 各物体の「後の温度 – 前の温度」を機械的に計算し、その結果生じる熱量変化(プラスもマイナスもある)をすべて足し合わせるとゼロになる、というより数学的な方法です。
  • 熱量の計算式(\(Q=mc\Delta T\) と \(Q=C\Delta T\))
    • 核心: 各物体がやりとりした熱量を具体的に計算するためには、物質の性質(質量、比熱、熱容量)と温度変化を結びつける公式を正しく選択し、適用する必要があります。
    • 理解のポイント:
      • 比熱 \(c\): 「物質 \(1\,\text{g}\) の温度を \(1\,\text{K}\) 上昇させるのに必要な熱量」を表す、物質固有の値です。質量 \(m\) が分かっている場合は、\(Q=mc\Delta T\) を用います。
      • 熱容量 \(C\): 「その物体全体の温度を \(1\,\text{K}\) 上昇させるのに必要な熱量」を表します。物体の質量や材質が複雑な場合や、まとめて扱いたい場合に用いられます。熱容量が与えられている場合は、\(Q=C\Delta T\) を用います。この問題の容器のように、質量が不明でも熱容量が与えられていれば熱量を計算できます。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 氷の融解が絡む問題: \(0^{\circ}\text{C}\) の氷を水に入れるなど、状態変化が起こる場合です。この場合、氷が得る熱量は「温度上昇のための熱量(\(mc\Delta T\))」に加えて、「融解のための熱量(融解熱 \(L\) を用いて \(mL\))」も考慮する必要があります。熱量保存の式に、状態変化の項が加わります。
    • 異なる液体を混ぜ合わせる問題: 水と油など、異なる種類の液体を混ぜる場合も考え方は同じです。それぞれの液体の質量、比熱、初期温度を確認し、熱量保存則を立てます。
    • 抵抗器による発熱(ジュール熱): 回路内の抵抗器で発生したジュール熱が、周囲の液体(水など)を温める問題です。この場合、「抵抗器が発生した熱量(\(Pt\) や \(IVt\) など)」が「水や容器が得た熱量」に等しい、という形でエネルギー保存則を適用します。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. まずは「断熱」のキーワードを探す: 問題文に「断熱容器」「断熱材で囲んだ」などの記述があれば、それは「熱量保存則を使いなさい」という合図です。外部との熱のやりとりは無視できます。
    2. 登場人物(物質)をすべてリストアップする: 熱をやりとりする可能性のあるものをすべて洗い出します。この問題では「アルミニウム球」「水」「銅の容器・かき混ぜ棒」の3者です。容器の存在を見落とさないように注意が必要です。
    3. 初期温度と最終温度を整理する: 各物質について、変化前の温度と、変化後の温度(熱平衡温度)がいくつかを図や表にまとめると分かりやすくなります。
    4. 各物質の熱量の計算方法を確認する: 質量と比熱が与えられているか、熱容量が与えられているかを確認し、\(Q=mc\Delta T\) と \(Q=C\Delta T\) のどちらを使うかを判断します。
    5. 状態変化の有無を確認する: 氷が溶ける、水が蒸発するなど、温度変化だけでなく物質の状態が変わる現象がないかを確認します。もしあれば、融解熱や蒸発熱を計算に含める必要があります。
    6. 立式の方針を決める: 「失った熱量 = 得た熱量」でいくか、「熱量変化の総和 = 0」でいくかを決め、式を立てます。どちらでも解けますが、自分がミスしにくい方を選ぶと良いでしょう。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
  • 容器の熱容量を無視してしまう:
    • 誤解: つい、中に入っている水と入れた物体だけの熱のやりとりだと考えてしまい、容器や温度計、かき混ぜ棒の存在を忘れてしまう。
    • 対策: 問題文と図を注意深く確認し、「熱量計」や「容器」も温度が変化する一員であることを常に意識しましょう。特に「熱容量」が与えられている場合は、ほぼ間違いなく計算に含める必要があります。
  • 温度変化 \(\Delta T\) の計算ミス:
    • 誤解: 熱を失う側と得る側で、温度の引き算の順番を混同してしまい、符号を間違える。
    • 対策: 2つの対策があります。
      1. 「失った熱量 = 得た熱量」で立式する場合: 熱量は常に正の値になるように、温度変化は必ず「高温側の温度 – 低温側の温度」で計算する、というルールを徹底します。
      2. 「熱量変化の総和 = 0」で立式する場合: 温度変化 \(\Delta T\) は、常に「変化後の温度 – 変化前の温度」という一つのルールで機械的に計算します。これにより、熱を失った側は \(\Delta T\) が負になり、熱量変化も自動的に負の値として計算されます。
  • 単位の換算ミス:
    • 誤解: 質量の単位が \(\text{kg}\) なのに比熱の単位が \(\text{J/(g}\cdot\text{K)}\) のまま計算するなど、単位系を揃えずに計算してしまう。
    • 対策: 計算を始める前に、必ずすべての物理量の単位を確認する癖をつけましょう。特に、質量(\(\text{g}\) と \(\text{kg}\))、熱量(\(\text{J}\) と \(\text{kJ}\))は間違いやすいポイントです。この問題では幸い単位系が揃っていましたが、常に注意が必要です。
  • 摂氏(\(^{\circ}\text{C}\))と絶対温度(\(\text{K}\))の扱いの誤り:
    • 誤解: 温度変化 \(\Delta T\) の計算で、摂氏からわざわざ絶対温度に変換しようとして混乱する。
    • 対策: 温度「変化」や温度「差」(\(\Delta T\))を計算する場合、摂氏で計算した差と、絶対温度で計算した差は全く同じ値になります(例: \(34^{\circ}\text{C} – 23^{\circ}\text{C} = 11^{\circ}\text{C}\) と \((34+273)\,\text{K} – (23+273)\,\text{K} = 11\,\text{K}\) は同じ)。したがって、\(\Delta T\) の計算では摂氏の値をそのまま使って問題ありません。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
  • (全体)での公式選択(熱量保存則):
    • 選定理由: 問題の状況が「断熱された系内での熱の移動」であり、求めたいのが熱に関連する物理量(比熱)だからです。このような閉じた系でのエネルギーのやりとりを記述する最も基本的な法則が、熱量保存則(エネルギー保存則の熱バージョン)です。
    • 適用根拠: 問題文の「周囲を断熱材で囲んだ熱量計」という記述が、外部との熱の出入りがないことを保証しています。この条件があるからこそ、内部での熱の移動の収支がゼロになる(失った分と得た分が等しい)という熱量保存則を安心して適用できます。
  • (全体)での公式選択(\(Q=mc\Delta T\) と \(Q=C\Delta T\)):
    • 選定理由: 熱量保存則の式を立てるためには、各物体がやりとりした具体的な熱量 \(Q\) を計算する必要があります。熱量を、物質の性質(比熱や熱容量)と温度変化という測定可能な量と結びつけるのが、これらの公式です。
    • 適用根拠:
      • アルミニウムと水に対して \(Q=mc\Delta T\): 問題文で「質量 \(m\)」と「比熱 \(c\)」(水は既知、アルミは未知)が与えられているため、この公式を選択するのが自然です。
      • 容器・かき混ぜ棒に対して \(Q=C\Delta T\): これらについては、個々の質量や比熱は不明ですが、全体としての「熱容量 \(C\)」が与えられています。したがって、この情報を使うために \(Q=C\Delta T\) を選択します。このように、問題文で与えられた情報に応じて、最適な公式を使い分ける思考が重要です。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
  • 式を立ててから数値を代入する:
    • まずは \(m_{\text{Al}} c (T_{\text{Al,前}} – T_{\text{後}}) = m_{\text{水}} c_{\text{水}} (T_{\text{後}} – T_{\text{水,前}}) + C_{\text{容器}} (T_{\text{後}} – T_{\text{水,前}})\) のように、文字式のまま物理法則を記述しましょう。最初から数値を代入すると、式がごちゃごちゃして物理的な意味を見失いがちです。文字式で整理してから最後に数値を代入する方が、検算もしやすくなります。
  • 各項を個別に計算する:
    • 模範解答のように、式を立てた後、右辺の「水が得た熱量」と「容器が得た熱量」をそれぞれ個別に計算し、最後に足し合わせるという手順を踏むと、計算の見通しが良くなり、間違いを減らせます。
  • 大きな数の割り算は丁寧に約分する:
    • \(c = \displaystyle\frac{11880}{13200}\) のような計算が出てきたら、慌てずに約分しましょう。
      1. まず、末尾の \(0\) を消去: \(\displaystyle\frac{1188}{1320}\)
      2. 明らかな約数で割る: 両方偶数なので \(2\) で割る \(\rightarrow \displaystyle\frac{594}{660}\)。さらに \(2\) で割る \(\rightarrow \displaystyle\frac{297}{330}\)。
      3. \(3\) や \(11\) などの倍数でないか確認: \(2+9+7=18\), \(3+3+0=6\) なので両方 \(3\) の倍数 \(\rightarrow \displaystyle\frac{99}{110}\)。
      4. 最後に \(11\) で割る \(\rightarrow \displaystyle\frac{9}{10} = 0.9\)。
    • このように、段階的に簡単な数にしていくことで、計算ミスを防げます。
  • 概算による検算:
    • 計算を始める前や後に、大まかな値で計算してみましょう。
    • 水が得る熱量 \(\approx 250 \times 4 \times (35-25) = 10000\,\text{J}\)。
    • 容器が得る熱量 \(\approx 30 \times 10 = 300\,\text{J}\)。
    • 合計で約 \(10300\,\text{J}\)。
    • アルミが失う熱量 \(\approx 200 \times c \times (100-35) = 200 \times c \times 65 = 13000c\)。
    • \(13000c \approx 10300\) より、\(c \approx \displaystyle\frac{10300}{13000} \approx \frac{10}{13} \approx 0.77\)。
    • 実際の答え \(0.90\) とオーダーが合っており、桁違いのミスはないことが確認できます。
  • 物理的にありえない値でないか吟味する:
    • 計算して求めた比熱 \(c\) が負の値になった場合、熱量の符号の付け方や温度変化の計算でミスをしています。
    • 金属の比熱は、水の比熱 \(4.2\,\text{J/(g}\cdot\text{K)}\) よりも小さいのが一般的です。計算結果が \(4.2\) を超えるような大きな値になった場合は、計算過程を見直した方が良いでしょう。

基本例題37 熱機関の熱効率

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(2)の別解: 熱効率の定義から直接、捨てられた熱量を求める解法
      • 模範解答が吸収した熱量 \(Q_1\) を経由して計算するのに対し、別解では仕事 \(W’\) と捨てられた熱量 \(Q_2\) の比が熱効率 \(e\) で決まることを利用して、\(Q_2\) を直接求めます。
    • 設問(3)の別解: 設問(2)の結果を使わず、仕事と熱効率から直接、燃料の質量を求める解法
      • 模範解答が設問(2)で計算した吸収熱量 \(Q_1\) を用いるのに対し、別解では設問(1)で求めた仕事 \(W’\) と熱効率 \(e\) から、必要な燃料の質量を直接計算します。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 物理量の関係性の深化: 仕事 \(W’\)、吸収熱量 \(Q_1\)、放出熱量 \(Q_2\)、熱効率 \(e\) の間の関係式を様々に変形することで、どの物理量からでも他の物理量を計算できるという、法則の柔軟な運用能力が養われます。
    • 思考の柔軟性向上: 設問の依存関係を意識し、前の設問の結果を使わなくても解ける問題を見抜く訓練になります。これにより、検算の手段が増えたり、より効率的な解法を選択したりする力がつきます。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、計算過程や思考の出発点が異なるだけで、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「熱機関の仕事と熱効率」です。熱機関が熱エネルギーを仕事に変換する際の基本的な関係式(仕事率、熱効率、エネルギー保存則)を正しく理解し、適用することが目的です。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 仕事率の定義: 仕事率 \(P\) は単位時間(1秒)あたりの仕事 \(W\) を表す (\(P = W/t\))。単位はワット(\(\text{W}\))で、\(\text{1 W = 1 J/s}\) であることを理解していること。
  2. 熱効率の定義: 熱機関が吸収した熱量 \(Q_1\) のうち、どれだけの割合が仕事 \(W\) に変換されたかを示す (\(e = W/Q_1\))。\(30\%\) なら \(e=0.30\) として計算すること。
  3. 熱力学第一法則(エネルギー保存則): 熱機関では、吸収した熱量 \(Q_1\) が、外部への仕事 \(W\) と、外部へ捨てられた熱量 \(Q_2\) の和に等しい (\(Q_1 = W + Q_2\))。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、仕事率が「1秒あたりの仕事」であることを利用し、与えられた時間(1時間)を秒に直して掛け合わせることで、総仕事量を計算します。
  2. (2)では、(1)で求めた仕事 \(W\) と熱効率 \(e\) から、熱機関が吸収した熱量 \(Q_1\) を逆算します。その後、エネルギー保存則を用いて、仕事にならずに捨てられた熱量 \(Q_2\) を求めます。
  3. (3)では、(2)で求めた吸収熱量 \(Q_1\) を作り出すために必要な重油の質量を、単位質量あたりの発熱量を用いて計算します。

問(1)

思考の道筋とポイント
仕事率 \(70\,\text{kW}\) の意味を正しく理解することが出発点です。これは「\(1\)秒あたりに \(70\,\text{kJ}\) の仕事をする能力がある」ということです。求めたいのは「\(1\)時間あたり」の仕事なので、時間を秒に換算し、仕事率に掛けることで総仕事量を求めます。
この設問における重要なポイント

  • 仕事率の単位 \(\text{W}\) (ワット) は \(\text{J/s}\) (ジュール毎秒) と等しい。
  • 単位の接頭語 \(\text{k}\) (キロ) は \(10^3\) を意味する。つまり \(70\,\text{kW} = 70 \times 10^3\,\text{W}\)。
  • 時間の単位を秒(\(\text{s}\))に統一して計算する。\(1\)時間 \(=\) \(60\)分 \(=\) \(60 \times 60 = 3600\,\text{s}\)。

具体的な解説と立式
ディーゼル機関が \(1\) 時間にする仕事を \(W’\,\text{[J]}\)、仕事率を \(P\,\text{[W]}\)、時間を \(t\,\text{[s]}\) とすると、これらの間には以下の関係があります。
$$ W’ = P \times t $$
問題で与えられた値を代入します。

  • \(P = 70\,\text{kW} = 70 \times 10^3\,\text{W}\)
  • \(t = 1\,\text{時間} = 3600\,\text{s}\)

使用した物理公式

  • 仕事と仕事率の関係: \(W = Pt\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
W’ &= (70 \times 10^3) \times 3600 \\[2.0ex]
&= 70 \times 36 \times 10^5 \\[2.0ex]
&= 2520 \times 10^5 \\[2.0ex]
&= 2.52 \times 10^8\,\text{J}
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、\(2.5 \times 10^8\,\text{J}\) となります。

この設問の平易な説明

「仕事率 \(70\,\text{kW}\)」というのは、このエンジンが持つ「仕事をするパワー」のことです。具体的には「\(1\)秒間に \(70000\,\text{J}\) の仕事ができますよ」という意味です。問題では「\(1\)時間ではどれくらいの仕事ができますか?」と聞かれているので、\(1\)時間が何秒かを計算し(\(3600\)秒)、\(1\)秒あたりの仕事量を単純に \(3600\)倍すれば答えが出ます。

結論と吟味

\(1\)時間にディーゼル機関がする仕事は \(2.5 \times 10^8\,\text{J}\) と求まりました。非常に大きな値ですが、強力なエンジンが \(1\)時間動き続けた結果としては妥当な大きさです。

解答 (1) \(2.5 \times 10^8\,\text{J}\)

問(2)

思考の道筋とポイント
熱効率が \(30\%\) というのは、「燃料を燃やして得た熱エネルギーのうち、\(30\%\) が仕事に変わり、残りの \(70\%\) は排気熱などとして捨てられる」ことを意味します。(1)で仕事に変わったエネルギー量 \(W’\) が分かったので、これを \(30\%\) 分として、元の熱エネルギー \(Q_1\) ( \(100\%\) 分)を逆算します。そして、\(Q_1\) から \(W’\) を引くことで、捨てられた熱量 \(Q_2\) ( \(70\%\) 分)を求めます。
この設問における重要なポイント

  • 熱効率は、吸収した熱エネルギーに対する仕事の割合で、以下の式で表されます。
    $$ e = \frac{\text{仕事に変わったエネルギー}}{\text{吸収した熱エネルギー}} = \frac{W’}{Q_1} $$
  • エネルギー保存則: \((\text{吸収した熱エネルギー}) = (\text{仕事}) + (\text{捨てられた熱エネルギー})\)、すなわち \(Q_1 = W’ + Q_2\)。

具体的な解説と立式
\(1\) 時間あたりに吸収する熱量を \(Q_1\)、捨てられた熱量を \(Q_2\) とします。
熱効率 \(e=0.30\) と(1)で求めた仕事 \(W’ = 2.52 \times 10^8\,\text{J}\) の関係は、
$$ e = \frac{W’}{Q_1} $$
この式から、まず \(Q_1\) を求めます。
次に、エネルギー保存則 \(Q_1 = W’ + Q_2\) を変形して \(Q_2\) を求めます。
$$ Q_2 = Q_1 – W’ $$

使用した物理公式

  • 熱効率: \(e = \displaystyle\frac{W’}{Q_1}\)
  • 熱力学第一法則(エネルギー保存則): \(Q_1 = W’ + Q_2\)
計算過程

まず、吸収した熱量 \(Q_1\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
0.30 &= \frac{2.52 \times 10^8}{Q_1} \\[2.0ex]
Q_1 &= \frac{2.52 \times 10^8}{0.30} \\[2.0ex]
&= 8.4 \times 10^8\,\text{J}
\end{aligned}
$$
次に、この \(Q_1\) と \(W’\) を使って、捨てられた熱量 \(Q_2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
Q_2 &= Q_1 – W’ \\[2.0ex]
&= (8.4 \times 10^8) – (2.52 \times 10^8) \\[2.0ex]
&= (8.4 – 2.52) \times 10^8 \\[2.0ex]
&= 5.88 \times 10^8\,\text{J}
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で答えるため、\(5.9 \times 10^8\,\text{J}\) となります。

この設問の平易な説明

エンジンの効率が \(30\%\) というのは、ガソリン代 \(100\)円のうち、車を動かすのに使われたのが \(30\)円で、残りの \(70\)円はマフラーからの熱などで無駄に捨てられている、というイメージです。(1)で「仕事になった分(\(30\)円に相当)」が \(2.52 \times 10^8\,\text{J}\) だと分かりました。ここから「捨てられた分(\(70\)円に相当)」はいくらかを計算します。まず元のガソリン代(\(100\)円分)を計算し、そこから仕事になった分を引けば、捨てられた分が分かります。

結論と吟味

捨てられた熱量は \(5.9 \times 10^8\,\text{J}\) と求まりました。仕事に変わった量 \(2.5 \times 10^8\,\text{J}\) よりも大きく、熱効率が \(50\%\) 未満であることと矛盾しません。仕事と捨てられた熱の比は \(2.52 : 5.88 \approx 3:7\) となっており、熱効率 \(30\%\) という条件と一致しています。

解答 (2) \(5.9 \times 10^8\,\text{J}\)
別解: 熱効率の定義から直接、捨てられた熱量を求める解法

思考の道筋とポイント
仕事に変換されるエネルギーの割合が熱効率 \(e\) なので、捨てられる熱エネルギーの割合は \((1-e)\) となります。したがって、仕事 \(W’\) と捨てられた熱量 \(Q_2\) の間には、\(W’ : Q_2 = e : (1-e)\) という単純な比例関係が成り立ちます。この関係式を使えば、\(Q_1\) を計算せずに直接 \(Q_2\) を求めることができます。
この設問における重要なポイント

  • 仕事になる割合: \(e\)
  • 捨てられる割合: \(1-e\)
  • 仕事と捨てられる熱の比: \(W’ : Q_2 = e : (1-e)\)

具体的な解説と立式
熱効率 \(e = \displaystyle\frac{W’}{Q_1}\) とエネルギー保存則 \(Q_1 = W’ + Q_2\) から、\(Q_1\) を消去します。
$$ e = \frac{W’}{W’ + Q_2} $$
この式を \(Q_2\) について解きます。
$$
\begin{aligned}
e(W’ + Q_2) &= W’ \\[2.0ex]
eW’ + eQ_2 &= W’ \\[2.0ex]
eQ_2 &= W’ – eW’ \\[2.0ex]
eQ_2 &= W'(1-e) \\[2.0ex]
Q_2 &= W’ \frac{1-e}{e}
\end{aligned}
$$

使用した物理公式

  • 熱効率: \(e = \displaystyle\frac{W’}{Q_1}\)
  • 熱力学第一法則(エネルギー保存則): \(Q_1 = W’ + Q_2\)
計算過程

\(W’ = 2.52 \times 10^8\,\text{J}\)、\(e=0.30\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
Q_2 &= (2.52 \times 10^8) \times \frac{1-0.30}{0.30} \\[2.0ex]
&= (2.52 \times 10^8) \times \frac{0.70}{0.30} \\[2.0ex]
&= (2.52 \times 10^8) \times \frac{7}{3} \\[2.0ex]
&= (0.84 \times 10^8) \times 7 \\[2.0ex]
&= 5.88 \times 10^8\,\text{J}
\end{aligned}
$$
有効数字2桁で \(5.9 \times 10^8\,\text{J}\) となります。

この設問の平易な説明

効率 \(30\%\) ということは、仕事になったのが「\(3\)割」、捨てられたのが「\(7\)割」ということです。つまり、捨てられた熱量は、仕事になった量の「\(7 \div 3\) 倍」になります。この関係を使って、(1)で求めた仕事の量を \(7/3\) 倍すれば、一発で答えが出ます。

結論と吟味

主たる解法と完全に同じ結果が得られました。この方法は、途中で \(Q_1\) を計算する手間が省けるため、より直接的で計算が速い場合があります。

解答 (2) \(5.9 \times 10^8\,\text{J}\)

問(3)

思考の道筋とポイント
(2)で、このディーゼル機関が \(1\) 時間に必要とする熱エネルギー \(Q_1\) が \(8.4 \times 10^8\,\text{J}\) であることが分かりました。一方、燃料の重油は \(1.0\,\text{kg}\) あたり \(4.2 \times 10^7\,\text{J}\) の熱を発生させることができます。したがって、必要な総熱量を、単位質量あたりの発熱量で割ることで、必要な重油の質量を求めることができます。
この設問における重要なポイント

  • \((\text{総発熱量}) = (\text{消費した質量}) \times (\text{単位質量あたりの発熱量})\)

具体的な解説と立式
\(1\) 時間に消費される重油の質量を \(m\,\text{[kg]}\) とします。
重油 \(1.0\,\text{kg}\) あたりの発熱量を \(q = 4.2 \times 10^7\,\text{J/kg}\) とすると、\(1\) 時間あたりの総発熱量 \(Q_1\) は、
$$ Q_1 = m \times q $$
この式を \(m\) について解きます。
$$ m = \frac{Q_1}{q} $$

使用した物理公式

  • (特になし。発熱量の定義に基づきます)
計算過程

(2)の計算過程で求めた \(Q_1 = 8.4 \times 10^8\,\text{J}\) と、\(q = 4.2 \times 10^7\,\text{J/kg}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
m &= \frac{8.4 \times 10^8}{4.2 \times 10^7} \\[2.0ex]
&= \left(\frac{8.4}{4.2}\right) \times 10^{8-7} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times 10^1 \\[2.0ex]
&= 20\,\text{kg}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

(2)で、このエンジンを \(1\) 時間動かすには、合計で \(8.4 \times 10^8\,\text{J}\) の熱エネルギーが必要だと分かりました。燃料の重油は、\(1\,\text{kg}\) 燃やすと \(4.2 \times 10^7\,\text{J}\) の熱を出します。では、合計の熱量をまかなうには、重油が何kg必要でしょうか?これは単純な割り算で、「必要な熱の総量 ÷ 重油1kgが出す熱量」で計算できます。

結論と吟味

消費された重油は \(20\,\text{kg}\) と求まりました。ディーゼル機関を \(1\) 時間フルパワーで動かした場合の燃料消費量として、現実的な範囲の値です。

解答 (3) \(20\,\text{kg}\)
別解: 設問(2)の結果を使わず、仕事と熱効率から直接、燃料の質量を求める解法

思考の道筋とポイント
(1)で求めた仕事 \(W’\) は、消費した燃料(質量 \(m\))が発生させた総熱量 \(Q_1\) のうち、熱効率 \(e\) の分だけが変換されたものです。つまり、\(W’ = Q_1 \times e\) という関係が成り立ちます。そして、\(Q_1\) は \(m \times (\text{単位発熱量})\) で表せます。これらを一つの式にまとめることで、(2)の結果を使わずに直接 \(m\) を求めることができます。
この設問における重要なポイント

  • 仕事 \(W’\) は、総発熱量 \(Q_1\) に熱効率 \(e\) を掛けたもの。
  • \(W’ = e \times Q_1 = e \times m \times q\)

具体的な解説と立式
仕事 \(W’\)、熱効率 \(e\)、消費質量 \(m\)、単位発熱量 \(q\) の間には、以下の関係式が成り立ちます。
$$ W’ = e \times (m \times q) $$
この式を \(m\) について解きます。
$$ m = \frac{W’}{e \times q} $$

使用した物理公式

  • 熱効率: \(e = \displaystyle\frac{W’}{Q_1}\)
計算過程

\(W’ = 2.52 \times 10^8\,\text{J}\)、\(e=0.30\)、\(q = 4.2 \times 10^7\,\text{J/kg}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
m &= \frac{2.52 \times 10^8}{0.30 \times (4.2 \times 10^7)} \\[2.0ex]
&= \frac{2.52 \times 10^8}{1.26 \times 10^7} \\[2.0ex]
&= \left(\frac{2.52}{1.26}\right) \times 10^{8-7} \\[2.0ex]
&= 2.0 \times 10^1 \\[2.0ex]
&= 20\,\text{kg}
\end{aligned}
$$

この設問の平易な説明

\(1\) 時間にした仕事の量((1)で計算済み)は、燃やした重油の総エネルギーに効率の \(30\%\) を掛けたものです。この関係式を逆算して、「燃やした重油の量」を直接求める方法です。途中で「吸収した熱の総量」を計算する必要がないので、(2)を解いていなくても(3)を解くことができます。

結論と吟味

主たる解法と完全に同じ結果が得られました。この方法は、設問(2)を解く必要がないため、(3)だけを問われた場合に特に有効です。

解答 (3) \(20\,\text{kg}\)

【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座

最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
  • 仕事率、熱効率、エネルギー保存則の三位一体の理解
    • 核心: この問題は、熱機関を理解するための3つの重要な概念、「仕事率(パワー)」「熱効率(性能)」「エネルギー保存則(収支)」が、互いにどのように関連しているかを問うています。これら3つの関係式を自在に使いこなし、未知の量を計算する能力が核心となります。
    • 理解のポイント:
      • 仕事率 \(P = W/t\): 熱機関の「能力」を表します。単位時間あたりにどれだけの仕事ができるかを示します。この問題では、まずこの式を使って、特定の時間(1時間)における総仕事量 \(W\) を確定させることが全ての計算の出発点となります。
      • 熱効率 \(e = W/Q_1\): 熱機関の「賢さ」や「無駄のなさ」を表します。燃料から得た熱エネルギー \(Q_1\) のうち、どれだけの割合を有効な仕事 \(W\) に変換できたかを示します。
      • 熱力学第一法則 \(Q_1 = W + Q_2\): 熱機関における「エネルギーの収支」を表す絶対的な法則です。投入したエネルギー(\(Q_1\))は、有効活用された分(\(W\))と、捨てられた分(\(Q_2\))の合計に必ず等しくなります。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
  • 応用できる類似問題のパターン:
    • 冷凍庫・ヒートポンプ(逆サイクル): 熱機関の働きを逆にした装置です。外部から仕事を「される」ことで、低温の場所から熱を奪い(\(Q_2\))、高温の場所へ熱を放出(\(Q_1\))します。熱効率の代わりに「成績係数(COP)」という指標が使われますが、エネルギー保存則 \(Q_1 = W + Q_2\) が成り立つ点は同じです。
    • 熱サイクル(P-Vグラフ)問題: シリンダー内の気体が状態変化を繰り返すサイクルを考え、その熱効率を求める問題です。サイクルが1周する間に気体が外部にする仕事 \(W\) はP-Vグラフの囲む面積、吸収する熱量 \(Q_1\) は各過程での熱の出入りを計算して求めます。本質的には同じく \(e=W/Q_1\) を計算する問題です。
    • 自動車の燃費計算: この問題のように、エンジンの仕事率(馬力)、熱効率、燃料の単位発熱量から、一定距離を走行するのに必要な燃料の量を計算する、より実用的な問題にも応用されます。
  • 初見の問題での着眼点:
    1. まずは仕事率か仕事かを見極める: 単位が \(\text{W}\) や \(\text{kW}\) であれば、それは「1秒あたりの仕事量」である仕事率です。単位が \(\text{J}\) や \(\text{kJ}\) であれば、それは「総仕事量」です。この区別が第一歩です。
    2. エネルギーの流れを図でイメージする: 高温熱源から熱 \(Q_1\) が熱機関に入り、そこから仕事 \(W\) と廃熱 \(Q_2\) が出ていく、という簡単な模式図を描くと、\(Q_1, W, Q_2\) の関係(\(Q_1 = W + Q_2\))を視覚的に理解でき、立式ミスを防げます。
    3. 時間単位を「秒」に統一する: 仕事率の単位 \(\text{W}\) が \(\text{J/s}\) を基本としているため、問題文で「分」や「時間」が使われている場合は、計算を始める前に必ず「秒」に換算する癖をつけましょう。
    4. 熱効率の \( \% \) 表示を小数に直す: \(30\%\) は \(0.30\) として計算します。計算時に \(30\) をそのまま使わないように注意が必要です。
    5. どの公式から手をつけるか考える: \(W=Pt\), \(e=W/Q_1\), \(Q_1=W+Q_2\) の3つの基本式を書き出し、問題で与えられている既知の量と、求めたい未知の量を見比べて、どの式を使えば解けるかの道筋を立てます。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
  • 仕事率と仕事の混同:
    • 誤解: 仕事率 \(70\,\text{kW}\) を、そのまま総仕事量 \(W’\) として熱効率の式 \(e=W’/Q_1\) に代入してしまう。
    • 対策: 単位を常に意識することが最も有効です。仕事率(\(\text{W}\) or \(\text{J/s}\))は「速さ」、仕事(\(\text{J}\))は「道のり」のようなものです。「時速 \(70\,\text{km}\) で \(1\) 時間走ったときの道のりは?」と聞かれているのに、答えを \(70\,\text{km/h}\) としないのと同じです。必ず時間を掛けて総量を計算する必要があります。
  • 熱効率の式の分子・分母を逆にしてしまう:
    • 誤解: \(e = Q_1/W’\) のように、式の形をうろ覚えで使ってしまう。
    • 対策: 熱効率の「意味」を言葉で覚えましょう。「投入したエネルギー(\(Q_1\))のうち、どれだけが有効な仕事(\(W’\))になったかの割合」です。この言葉通りなら、分母が「もとにする量」である \(Q_1\)、分子が「比べられる量」である \(W’\) となり、\(e=W’/Q_1\) と間違えようがありません。また、効率が \(1\) (=\(100\%\))を超えることはありえないので、もし計算結果が \(1\) を超えたら、分子と分母が逆だと気づくことができます。
  • エネルギー保存則の足し算のミス:
    • 誤解: \(W’ = Q_1 + Q_2\) のように、どの量が一番大きいかを考えずに足し算してしまう。
    • 対策: エネルギーの流れの図をイメージしましょう。外部から供給される熱 \(Q_1\) が最も大きく、それが仕事 \(W’\) と捨てられる熱 \(Q_2\) に「分配される」のですから、\(Q_1 = W’ + Q_2\) 以外の形はありえません。
  • 単位の接頭語(k: キロ)の計算ミス:
    • 誤解: \(70\,\text{kW}\) を \(70\,\text{W}\) として計算してしまったり、\(10^3\) の計算を忘れたりする。
    • 対策: 計算を始める前に、すべての数値を基本単位(\(\text{W}\), \(\text{J}\))に直し、\(70 \times 10^3\) のような指数表記で統一する癖をつけると、こうしたミスを防げます。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
  • (1)での公式選択(\(W’ = Pt\)):
    • 選定理由: 求めたいのは「(総)仕事 \(W’\)」。与えられているのは「仕事率 \(P\)」と「時間 \(t\)」。これら3つの物理量を直接結びつけるのは、仕事率の定義式 \(P=W’/t\) を変形した \(W’=Pt\) 以外にありません。
    • 適用根拠: 仕事率が一定であるという条件下では、総仕事量は時間に単純比例します。この問題ではディーゼル機関が一定の仕事率で動き続けると解釈できるため、この公式を適用するのが最も直接的かつ論理的です。
  • (2)での公式選択(\(e=W’/Q_1\) と \(Q_1=W’+Q_2\)):
    • 選定理由: 求めたいのは「捨てた熱 \(Q_2\)」。しかし、既知の量である仕事 \(W’\) と熱効率 \(e\) から直接 \(Q_2\) を求める公式は基本形にはありません。そこで、これらの物理量をつなぐ「仲介役」として「吸収した熱 \(Q_1\)」を登場させる必要があります。
    • 適用根拠:
      1. まず、既知の \(W’\) と \(e\) から仲介役の \(Q_1\) を求めるために、これら3つを含む熱効率の定義式 \(e=W’/Q_1\) を選択します。
      2. 次に、\(Q_1\) と \(W’\) が分かったので、求めたい \(Q_2\) を計算するために、これら3つのエネルギー収支を表す熱力学第一法則 \(Q_1=W’+Q_2\) を選択します。このように、ゴールから逆算して必要なステップと公式を論理的に選択する思考が重要です。
  • (3)での公式選択(\(Q_1 = m \times q\)):
    • 選定理由: 求めたいのは「質量 \(m\)」。(2)の過程で「必要な総熱量 \(Q_1\)」が分かり、問題文には「単位質量あたりの発熱量 \(q\)」が与えられています。これら3つの関係は、まさに発熱量の定義そのものです。
    • 適用根拠: 消費される燃料の質量 \(m\) と、それによって発生する総熱量 \(Q_1\) は、比例関係にあります。その比例定数が単位質量あたりの発熱量 \(q\) です。この基本的な比例関係を数式にした \(Q_1 = m \times q\) を適用するのは、ごく自然な思考の流れです。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
  • 指数計算を徹底する:
    • \(70\,\text{kW} = 7.0 \times 10^4\,\text{W}\)、\(3600\,\text{s} = 3.6 \times 10^3\,\text{s}\) のように、大きな数はすべて「\(A \times 10^n\)」の形(科学的記数法)に直してから計算する癖をつけましょう。これにより、0の数を数え間違えるといったケアレスミスが劇的に減ります。
    • 掛け算は「係数同士を掛け、指数同士を足す」、割り算は「係数同士を割り、指数同士を引く」というルールを機械的に適用します。
  • 有効数字の処理は計算の最後に:
    • 計算途中では、\(2.52 \times 10^8\) のように、問題文の有効数字(2桁)より1桁多く残して計算を進めましょう。最後に答えを出す段階で、指定された有効数字に合わせて四捨五入します。これにより、計算途中での丸め誤差が最終結果に影響するのを防げます。
  • 概算による検算:
    • 計算結果が出た後、大まかな数で検算してみましょう。
    • (2) 仕事が3割なので、捨てられる熱は7割。捨てられる熱は仕事の \(7/3 \approx 2.3\) 倍。\(2.5 \times 10^8 \times 2.3 \approx 5.75 \times 10^8\,\text{J}\)。答えの \(5.9 \times 10^8\,\text{J}\) と近い値であり、桁違いのミスはないと確認できます。
    • (3) 必要な熱 \(Q_1\) は仕事の \(10/3 \approx 3.3\) 倍。\(Q_1 \approx 2.5 \times 10^8 \times 3.3 \approx 8.3 \times 10^8\,\text{J}\)。燃料の発熱量は \(q \approx 4 \times 10^7\,\text{J/kg}\)。必要な質量 \(m = Q_1/q \approx (8.3 \times 10^8) / (4 \times 10^7) \approx 20\,\text{kg}\)。答えと一致します。
  • 設問間の関係を利用した検算:
    • (3)の別解のように、(1)の結果だけを使って(3)を解いてみることができます。その答えが、(1)と(2)の結果を使った主たる解法の答えと一致すれば、(1), (2), (3)すべての計算が正しく行われた可能性が非常に高いと言えます。
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基本問題

267 比熱と熱容量

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

【相違点に関する注記】
  1. 提示する別解
    • 設問(2)の別解: 各物質の熱量を個別に計算して足し合わせる解法
      • 模範解答が「全体の熱容量」を先に計算するのに対し、別解では鉄を温める熱量と水を温める熱量をそれぞれ個別に計算し、最後にそれらを足し合わせることで全体の熱量を求めます。
    • 設問(3)の別解: 全体の熱容量を使わずに直接立式する解法
      • 模範解答が(2)で求めた「全体の熱容量」を利用するのに対し、別解では与えられた熱量が鉄と水に分配されるという関係から、温度上昇を未知数として直接方程式を立てて解きます。
  2. 上記の別解が有益である理由
    • 物理的本質の深化: 「全体の熱容量」という概念が、結局は「各部分が必要とする熱量の和」に由来することを、異なる計算手順を通して直感的に理解できます。
    • 思考の柔軟性向上: 問題に応じて、合成された物理量(全体の熱容量)で考える方法と、個々の要素の和で考える方法を使い分ける訓練になります。
  3. 結果への影響
    • いずれのアプローチを用いても、計算過程や思考の出発点が異なるだけで、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。

この問題のテーマは「比熱と熱容量の基本計算」です。物質が熱を蓄える能力を示す「比熱」と「熱容量」という2つの重要な物理量の定義を理解し、それらを用いて基本的な熱量の計算ができるようになることが目的です。

問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 比熱の定義: 物質 \(1\,\text{g}\) の温度を \(1\,\text{K}\) 上昇させるのに必要な熱量のこと。
  2. 熱容量の定義: ある物体全体の温度を \(1\,\text{K}\) 上昇させるのに必要な熱量のこと。
  3. 比熱と熱容量の関係式: 質量 \(m\)、比熱 \(c\) の物体の熱容量 \(C\) は、\(C=mc\) で計算できること。
  4. 合成物体の熱容量: 複数の物体をひとまとめにした系全体の熱容量は、各物体の熱容量の和に等しいこと。
  5. 熱量の計算式: 熱容量 \(C\) の物体の温度を \(\Delta T\) だけ変化させるのに必要な熱量 \(Q\) は、\(Q=C\Delta T\) で計算できること。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. (1)では、鉄の質量と比熱が与えられているので、公式 \(C=mc\) を使って鉄の容器の熱容量を計算します。
  2. (2)では、まず水の熱容量を(1)と同様に計算します。次に、鉄の容器と水を合わせた「全体」の熱容量を、それぞれの熱容量の和として求めます。\(1\,\text{K}\) 上昇させるのに必要な熱量は、この全体の熱容量の値そのものになります。
  3. (3)では、(2)で求めた全体の熱容量を使い、熱量の公式 \(Q=C\Delta T\) に与えられた熱量 \(Q\) を代入して、温度上昇 \(\Delta T\) を計算します。

問(1)

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