問題25 (埼玉大)
【問題の確認】まずは問題文をしっかり読み解こう
この問題は、上端が固定された自然長\(l_0\)のゴムひもに質量\(m\)のおもりをつけ、おもりが固定点Oから鉛直下方距離\(l_0\)にある滑らかな水平面A上で等速円運動をする状況を扱います。ゴムひもの弾性定数は\(k\)で、\(k > mg/l_0\)という条件があります。おもりが水平面から受ける垂直抗力や、円運動の角速度、さらにはおもりが水平面から浮き上がる条件などが問われています。円運動の動力学とフックの法則、力のつり合いがポイントとなります。
- おもりの質量: \(m\)
- ゴムひもの自然長: \(l_0\)
- ゴムひもの上端の固定点Oから水平面Aまでの鉛直距離: \(l_0\)
- ゴムひもの弾性定数: \(k\)
- 条件: \(k > mg/l_0\)
- おもりは水平面A上で等速円運動をする。
- ゴムひもの質量とおもりの大きさは無視できる。
- 重力加速度の大きさ: \(g\)
- (1) ゴムひもが鉛直方向となす角を \(\alpha\)、おもりの角速度を \(\omega\)、ゴムひもの張力を \(T\)、おもりが水平面から受ける垂直抗力を \(N\) として、水平方向および鉛直方向での力のつり合い式を記すこと。
- (2) 角速度 \(\omega\) を \(m, k, \alpha\) で表すこと。
- (3) おもりの角速度 \(\omega\) をゆっくり増していくと、\(\omega\) がある角速度 \(\omega_c\) を超えたとき、おもりは面Aを離れて空中に浮き上がる。このときの角速度 \(\omega_c\) およびそのときのゴムひもの長さ \(l_c\) を求めること。
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
本解説は、模範解答で採用されている「遠心力」を用いた非慣性系での解法を主たる解説としつつ、以下の別解を提示します。
- 提示する別解
- 問(1) 力のつり合い式の別解: 静止系(慣性系)から見た運動方程式を用いる解法
- 主たる解法が、おもりと共に回転する観測者の視点から「遠心力」を含めた力のつり合いを考えるのに対し、別解では床に静止した観測者の視点から、おもりにはたらく「向心力」と加速度の関係を記述する「運動方程式」を立てます。
- 問(1) 力のつり合い式の別解: 静止系(慣性系)から見た運動方程式を用いる解法
- 上記の別解が有益である理由
- 物理モデルの深化: 円運動を「見かけの力(遠心力)を含めた力のつり合い」と、「実在する力(向心力)による加速度運動」という2つの異なる物理モデルで理解することにより、慣性力や向心力の概念の本質的な理解が深まります。
- 解法の選択肢: 問題によっては、向心力を考えた方が直感的に理解しやすい場合もあります。両方の視点を知ることで、状況に応じて最適なアプローチを選択する能力が養われます。
- 異なる視点の学習: 同じ物理現象を異なる視点から記述する訓練は、思考の柔軟性を高め、より複雑な問題への応用力を向上させます。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、立式に至る思考の出発点が異なるだけで、最終的に得られる方程式は完全に一致します。
この問題のテーマは「円錐振り子」に類似した、ゴムひもによる等速円運動です。おもりにはたらく力を正確に分析し、円運動の運動方程式(または力のつり合い)と、ゴムの弾性力に関するフックの法則を組み合わせて解くことが求められます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 等速円運動の動力学: 円運動を維持するためには、円の中心に向かう力(向心力)が必要です。運動方程式は \(ma = F\) の形で、加速度 \(a\) に向心加速度 \(a_c = r\omega^2\) を用います。あるいは、回転系から見て遠心力 \(mr\omega^2\) を考慮した力のつり合いを考えます。
- フックの法則: ゴムひもの張力(弾性力)は、自然の長さからの伸びに比例します (\(T = k \times (\text{伸び})\))。
- 力のつりあい: 物体が静止している、または特定の方向に加速しない場合、その方向の力の成分の総和はゼロになります。
- 幾何学(三角比): 図形的な関係から、円運動の半径やゴムひもの長さを、与えられた長さや角度を用いて表現します。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、おもりにはたらくすべての力を図示し、水平方向と鉛直方向に分解します。
- 問(1)では、円運動の運動方程式(または遠心力を含めた力のつり合い)を水平方向と鉛直方向について立式します。
- 問(2)では、幾何学的な関係からゴムひもの伸びを求め、フックの法則を用いて張力を表し、(1)の式と連立させて角速度\(\omega\)を求めます。
- 問(3)では、「おもりが面から離れる」という条件を「垂直抗力\(N=0\)」と読み替え、(1)と(2)で導出した関係式を用いて、その瞬間の角速度\(\omega_c\)とゴムひもの長さ\(l_c\)を求めます。
問(1)
思考の道筋とポイント
おもりは水平面A上で等速円運動をしています。おもりと共に回転する観測者の立場(非慣性系)から見ると、おもりは静止しているように見え、実際の力に加えて「遠心力」が働いてつり合っていると考えます。遠心力は円運動の中心から遠ざかる向き(水平外向き)に働きます。円運動の半径を\(r\)とします。固定点Oから水平面Aまでの鉛直距離が\(l_0\)であり、ゴムひもが鉛直となす角が\(\alpha\)なので、円運動の半径\(r\)は\(r = l_0 \tan\alpha\)と表すことができます。
この設問における重要なポイント
- おもりと共に回転する非慣性系で考え、遠心力を導入します。
- おもりに働く力は、重力\(mg\)、垂直抗力\(N\)、ゴムひもの張力\(T\)、遠心力\(F_{\text{遠心}}\)です。
- 円運動の半径は\(r = l_0 \tan\alpha\)です。したがって遠心力の大きさは\(F_{\text{遠心}} = mr\omega^2 = m(l_0\tan\alpha)\omega^2\)となります。
- これらの力を水平方向と鉛直方向に分解し、それぞれの方向で力のつり合いの式を立てます。
具体的な解説と立式
おもりと共に回転する観測者から見ると、おもりは静止しており、以下の力が働いてつり合っています。
- 重力: \(mg\) (鉛直下向き)
- 垂直抗力: \(N\) (鉛直上向き)
- ゴムひもの張力: \(T\) (ゴムひもに沿って点Oの向き)
- 遠心力: \(F_{\text{遠心}} = m(l_0\tan\alpha)\omega^2\) (水平外向き)
張力\(T\)を水平成分と鉛直成分に分解します。
- 張力の水平成分: \(T\sin\alpha\) (円運動の中心向き)
- 張力の鉛直成分: \(T\cos\alpha\) (鉛直上向き)
水平方向の力のつり合い:
(中心向きの力)=(外向きの力)
$$
\begin{aligned}
T\sin\alpha &= m(l_0\tan\alpha)\omega^2 \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$
鉛直方向の力のつり合い:
(上向きの力の和)=(下向きの力)
$$
\begin{aligned}
N + T\cos\alpha &= mg \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 力のつり合い(遠心力を考慮)
- 遠心力: \(F_{\text{遠心}} = mr\omega^2\)
- 力の分解
この設問では、力のつり合いの式を立てることが求められており、上記がその解答となります。
おもりがクルクルと円を描いて回っているとき、おもりと一緒に回っている人から見ると、おもりはまるで止まっているかのように見えます。この人にとっては、おもりが外側に引っ張られるような「見かけの力」(これを遠心力といいます)が働いているように感じます。この遠心力と、ゴムひもがおもりを内側に引く力(張力)の水平方向の成分が、ちょうど釣り合っています。これが水平方向の力のつり合いの式です。また、おもりは上下には動いていないので、上向きに働く力(床からの垂直抗力と張力の鉛直方向の成分)と、下向きに働く力(重力)も釣り合っています。これが鉛直方向の力のつり合いの式です。
水平方向の力のつり合い式は\(T\sin\alpha = m(l_0\tan\alpha)\omega^2\)であり、鉛直方向の力のつり合い式は\(N + T\cos\alpha = mg\)です。円運動の半径\(r\)を、幾何学的関係から\(r=l_0\tan\alpha\)と正しく表すことが、正確な立式のための重要なステップです。
思考の道筋とポイント
床で静止している観測者(慣性系)から見ると、おもりは等速円運動をしています。この場合、おもりには円運動を維持するための向心力が必要です。鉛直方向には加速しないので力はつり合っていますが、水平方向には円の中心に向かって常に加速しています(向心加速度)。したがって、水平方向については運動方程式を立てます。
この設問における重要なポイント
- 静止系(床)から見た運動を考えます。遠心力は登場しません。
- 鉛直方向は力がつり合っています。
- 水平方向は、張力の水平成分が「向心力」として働き、向心加速度\(a_c = r\omega^2\)を生み出します。
- 円運動の半径は\(r = l_0 \tan\alpha\)です。
具体的な解説と立式
床で静止している観測者から見ると、おもりには以下の力が働いています。
- 重力: \(mg\) (鉛直下向き)
- 垂直抗力: \(N\) (鉛直上向き)
- ゴムひもの張力: \(T\) (ゴムひもに沿って点Oの向き)
水平方向の運動方程式:
水平方向の力は張力\(T\)の水平成分\(T\sin\alpha\)のみであり、これが向心力として働きます。向心加速度は\(a_c = r\omega^2 = (l_0\tan\alpha)\omega^2\)なので、運動方程式は、
$$
\begin{aligned}
m(l_0\tan\alpha)\omega^2 &= T\sin\alpha
\end{aligned}
$$
鉛直方向の力のつり合い:
鉛直方向には加速しないので、力のつり合いが成り立ちます。
(上向きの力の和)=(下向きの力)
$$
\begin{aligned}
N + T\cos\alpha &= mg
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 円運動の運動方程式: \(ma_c = F_{\text{向心力}}\)
- 向心加速度: \(a_c = r\omega^2\)
- 力のつり合い
この設問では、式を立てることが求められており、上記がその解答となります。
動かない床からおもりを見ると、おもりは円の中心に向かって常に引っ張られ続けることで、まっすぐ進まずに回り続けていることがわかります。この中心に引っ張る力(向心力)は、ゴムひもの張力の水平成分です。「力=質量×加速度」の法則を円運動に当てはめると、「向心力=質量×向心加速度」という式が立てられます。これが水平方向の運動方程式です。上下方向については、おもりは動いていないので、主たる解法と同じく力のつり合いの式を立てます。
静止系から立てた運動方程式と力のつり合い式は、非慣性系から立てた力のつり合い式と全く同じ形になります。これは、遠心力が\(mr\omega^2\)で定義され、向心力が運動方程式\(ma_c\)の\(F\)の部分に相当し、\(a_c=r\omega^2\)であることから、数学的には移項しただけの関係にあるためです。どちらの視点でも正しく立式できれば、同じ結果に至ります。
問(2)
思考の道筋とポイント
ゴムひもの張力\(T\)は、フックの法則\(T = k \times (\text{伸び})\)に従います。まず、現在のゴムひもの長さ\(l\)を求める必要があります。固定点Oから水平面Aまでの鉛直距離が\(l_0\)であり、ゴムひもが鉛直となす角が\(\alpha\)であることから、三角比の関係を用いて現在のゴムひもの長さ\(l\)は\(l = l_0/\cos\alpha\)となります。ゴムひもの自然長も\(l_0\)なので、ゴムひもの伸びは\((l – l_0)\)と表せます。
この張力\(T\)の式を、(1)で立てた水平方向の力のつり合いの式に代入し、角速度\(\omega\)について解きます。
この設問における重要なポイント
- ゴムひもの現在の長さ\(l\)を、幾何学的関係から表します: \(l = l_0/\cos\alpha\)。
- ゴムひもの伸びは\((l-l_0)\)です。
- フックの法則を用いて張力\(T\)を表します: \(T = k(l-l_0)\)。
- (1)で得られた水平方向の力のつり合いの式を利用します。
具体的な解説と立式
ゴムひもの現在の長さを\(l\)とします。幾何学的関係から、
$$
\begin{aligned}
l\cos\alpha &= l_0 \\[2.0ex]
l &= \frac{l_0}{\cos\alpha}
\end{aligned}
$$
ゴムひもの伸び\(\Delta l\)は、
$$
\begin{aligned}
\Delta l &= l – l_0 \\[2.0ex]
&= \frac{l_0}{\cos\alpha} – l_0 \\[2.0ex]
&= l_0 \left(\frac{1}{\cos\alpha} – 1\right)
\end{aligned}
$$
フックの法則より、ゴムひもの張力\(T\)は、
$$
\begin{aligned}
T &= k \Delta l \\[2.0ex]
&= kl_0 \left(\frac{1}{\cos\alpha} – 1\right) \quad \cdots ③
\end{aligned}
$$
この張力\(T\)の表式を、(1)の水平方向の力のつり合いの式①に代入します。
$$
\begin{aligned}
kl_0 \left(\frac{1}{\cos\alpha} – 1\right) \sin\alpha &= m(l_0\tan\alpha)\omega^2
\end{aligned}
$$
ここで、\(\tan\alpha = \displaystyle\frac{\sin\alpha}{\cos\alpha}\)を用いると、
$$
\begin{aligned}
kl_0 \left(\frac{1-\cos\alpha}{\cos\alpha}\right) \sin\alpha &= m l_0 \frac{\sin\alpha}{\cos\alpha} \omega^2 \quad \cdots ④
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- フックの法則: \(F = kx\)
- 幾何学的関係(三角比)
- 力のつり合いの式(問(1)の結果)
式④の両辺から共通の因子である\(l_0\), \(\sin\alpha\), および分母の\(\cos\alpha\)を消去します(\(\alpha \neq 0\))。
$$
\begin{aligned}
k(1-\cos\alpha) &= m\omega^2
\end{aligned}
$$
\(\omega^2\)について解くと、
$$
\begin{aligned}
\omega^2 &= \frac{k}{m}(1-\cos\alpha)
\end{aligned}
$$
角速度\(\omega\)は正の値をとるので、
$$
\begin{aligned}
\omega &= \sqrt{\frac{k}{m}(1-\cos\alpha)} \quad \cdots ⑤
\end{aligned}
$$
まず、ゴムひもがどれだけ伸びているかを計算します。ゴムひもの現在の実際の長さは、つり下げ点Oからの水平面までの高さ\(l_0\)と、ゴムひもが鉛直方向となす角度\(\alpha\)から、三角比を使ってわかります。ゴムひもの自然の長さも\(l_0\)なので、現在の長さと自然の長さの差が「伸び」になります。ゴムひもが引く力(張力\(T\))は、この「伸び」とゴムの硬さ(弾性定数\(k\))を掛けたものとして計算できます。
次に、この張力\(T\)の式を、(1)で立てた水平方向の力のつり合いの式に代入します。そうすると、角速度\(\omega\)だけが未知数として残る式が得られるので、その式を\(\omega\)について解けば、答えが求まります。
おもりの角速度\(\omega\)は\(\omega = \sqrt{\displaystyle\frac{k}{m}(1-\cos\alpha)}\)です。
この式から、ゴムひもが鉛直となす角\(\alpha\)が大きくなる(おもりがより外側に広がる)と、\(\cos\alpha\)は小さくなるため、角速度\(\omega\)も大きくなる傾向があることがわかります。また、ゴムが硬い(\(k\)が大きい)ほど、またおもりが軽い(\(m\)が小さい)ほど、同じ角度\(\alpha\)を保つためにはより大きな角速度が必要になることも読み取れ、物理的に妥当です。
問(3)
思考の道筋とポイント
おもりが水平面Aを離れて空中に浮き上がる瞬間は、おもりが水平面Aから受ける垂直抗力\(N\)がちょうど0になるときです。このときの角度を\(\alpha_c\)、角速度を\(\omega_c\)、ゴムひもの長さを\(l_c\)とします。
まず、(1)の鉛直方向の力のつり合いの式②で\(N=0\)とし、そのときの張力\(T_c\)と角度\(\alpha_c\)の関係を導きます。次に、張力\(T_c\)をフックの法則を用いて角度\(\alpha_c\)で表し、これらを組み合わせて\(\cos\alpha_c\)を求めます。
得られた\(\cos\alpha_c\)の値を用いて、(2)で求めた角速度\(\omega\)の一般式から、臨界角速度\(\omega_c\)を計算します。
最後に、そのときのゴムひもの長さ\(l_c\)を、幾何学的関係\(l_c = l_0/\cos\alpha_c\)から計算します。
この設問における重要なポイント
- おもりが面Aを離れる条件は、垂直抗力\(N=0\)です。
- 鉛直方向の力のつり合いの式(式②)で\(N=0\)とした条件を用います。
- 張力\(T\)はフックの法則(式③の形)で表されます。
- これらの関係から、面を離れる瞬間の角度\(\alpha_c\)における\(\cos\alpha_c\)の値を求めます。
具体的な解説と立式
おもりが水平面Aを離れる瞬間、垂直抗力\(N=0\)となります。このときの角度を\(\alpha_c\)、張力を\(T_c\)とします。
鉛直方向の力のつり合いの式②より、
$$
\begin{aligned}
0 + T_c\cos\alpha_c &= mg \\[2.0ex]
T_c\cos\alpha_c &= mg \quad \cdots ⑥
\end{aligned}
$$
張力\(T_c\)は、フックの法則と幾何学的関係から、
$$
\begin{aligned}
T_c &= kl_0\left(\frac{1}{\cos\alpha_c} – 1\right) \quad \cdots ⑦
\end{aligned}
$$
式⑦を式⑥に代入すると、
$$
\begin{aligned}
kl_0\left(\frac{1}{\cos\alpha_c} – 1\right) \cos\alpha_c &= mg \\[2.0ex]
kl_0(1 – \cos\alpha_c) &= mg \quad \cdots ⑧
\end{aligned}
$$
臨界角速度\(\omega_c\)は、(2)で求めた角速度の一般式⑤に、\(\alpha = \alpha_c\)を代入することで得られます。
$$
\begin{aligned}
\omega_c &= \sqrt{\frac{k}{m}(1-\cos\alpha_c)} \quad \cdots ⑨
\end{aligned}
$$
そのときのゴムひもの長さ\(l_c\)は、幾何学的関係から、
$$
\begin{aligned}
l_c &= \frac{l_0}{\cos\alpha_c} \quad \cdots ⑩
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 力のつり合い(鉛直方向、\(N=0\))
- フックの法則
- 幾何学的関係(三角比)
まず、式⑧から\(1-\cos\alpha_c\)の形を求めます。
$$
\begin{aligned}
1 – \cos\alpha_c &= \frac{mg}{kl_0}
\end{aligned}
$$
これを式⑨に代入して\(\omega_c\)を求めます。
$$
\begin{aligned}
\omega_c &= \sqrt{\frac{k}{m} \left(\frac{mg}{kl_0}\right)} \\[2.0ex]
&= \sqrt{\frac{g}{l_0}} \quad \cdots ⑫
\end{aligned}
$$
次に、\(\cos\alpha_c\)を求めます。
$$
\begin{aligned}
\cos\alpha_c &= 1 – \frac{mg}{kl_0} \quad \cdots ⑪
\end{aligned}
$$
これを式⑩に代入して、ゴムひもの長さ\(l_c\)を求めます。
$$
\begin{aligned}
l_c &= \frac{l_0}{1 – \frac{mg}{kl_0}} \\[2.0ex]
&= \frac{l_0}{\frac{kl_0 – mg}{kl_0}} \\[2.0ex]
&= \frac{kl_0^2}{kl_0 – mg} \quad \cdots ⑬
\end{aligned}
$$
おもりが床からちょうど浮き上がる瞬間は、床がおもりを押す力(垂直抗力\(N\))がゼロになるときです。この条件を、(1)で立てた上下方向の力のつり合いの式に入れます。そうすると、そのときのゴムひもの力(張力\(T_c\))と、ゴムひもが鉛直方向となす角度\(\alpha_c\)の関係がわかります。一方、ゴムひもの張力\(T_c\)は、ゴムの伸びと硬さ(弾性定数\(k\))で決まるので(フックの法則)、これも角度\(\alpha_c\)を使って表すことができます。これら2つの張力に関する式を組み合わせると、浮き上がる瞬間の角度\(\alpha_c\)が求まります。
この角度の値を、(2)で求めた角速度\(\omega\)の一般的な式に代入すれば、浮き上がる瞬間の特別な角速度\(\omega_c\)が計算できます。
最後に、そのときのゴムひもの実際の長さ\(l_c\)は、つり下げ点Oからの水平面までの高さ\(l_0\)と、浮き上がる瞬間の角度\(\alpha_c\)から三角比を使って計算します。
おもりが面Aを離れて空中に浮き上がるときの角速度は\(\omega_c = \sqrt{\displaystyle\frac{g}{l_0}}\)です。
また、そのときのゴムひもの長さは\(l_c = \displaystyle\frac{kl_0^2}{kl_0 – mg}\)です。
問題文の条件\(k > mg/l_0\)、すなわち\(kl_0 > mg\)は、ここで重要な意味を持ちます。この条件があるために、\(\cos\alpha_c = 1 – \frac{mg}{kl_0}\)の値が\(0 < \cos\alpha_c < 1\)の範囲に収まることが保証され、物理的に意味のある角度\(\alpha_c\)が存在し、おもりが実際に浮き上がることが可能になります。また、\(l_c\)の式の分母\(kl_0 – mg\)が正になるため、\(l_c\)も正の妥当な値をとります。
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 等速円運動の動力学とフックの法則の融合:
- 核心: この問題は、等速円運動を記述する物理法則と、ゴムひものような弾性体の性質を記述するフックの法則という、2つの異なる物理法則を組み合わせて解く能力を問うています。
- 理解のポイント:
- 円運動の力の分析: おもりにはたらく力をすべて図示し、円運動の中心方向(水平方向)とそれに垂直な方向(鉛直方向)に分解することが第一歩です。水平方向の力の合力が向心力となり、円運動を維持させます。鉛直方向の力はつり合っています(浮き上がるまでは)。
- 回転系(非慣性系)の視点: 問題文が「力のつり合い式」を求めていることから、おもりと共に回転する観測者の視点に立ち、見かけの力である「遠心力」を導入すると、静力学的な力のつり合いの問題としてシンプルに扱えます。
- フックの法則の適用: ゴムひもの張力は一定ではなく、その「伸び」に比例して変化します。幾何学的な関係からゴムひもの現在の長さを求め、自然長との差(伸び)を計算し、フックの法則(\(T=k \times \text{伸び}\))を適用して張力を数式で表現することが、問題を解くための鍵となります。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 円錐振り子: 糸の長さが一定の円錐振り子は、本問のゴムひもがばねやゴムに置き換わったバージョンの基本形です。張力が伸びによらないため、計算がより単純になります。
- 回転する容器内の物体: 回転するお椀型の容器の内面に置かれた物体が、滑り落ちずに共に回転する条件を問う問題。垂直抗力の水平成分が向心力となります。
- ばね振り子の円運動: 自然長のあるばねにおもりを付けて水平面上で回転させる問題。本問とほぼ同じ構造ですが、固定点の高さなどの幾何学的条件が変わります。
- 初見の問題での着眼点:
- 幾何学的関係の把握: まず図をよく見て、円運動の半径、ひもの長さ、固定点の高さ、角度などの間の三角比の関係を正確に把握することが不可欠です。多くの場合、これらが未知数を減らすための重要な関係式になります。
- 力の分解の軸設定: 円運動の問題では、水平方向(向心力/遠心力の方向)と鉛直方向の2つの軸で力を分解するのが定石です。この軸設定により、運動方程式(または力のつり合い式)がシンプルになります。
- 変化する条件を見抜く: 問(3)のように、「浮き上がる」「滑り出す」といった運動の状態が変化する瞬間を問う問題では、その臨界条件が何かを物理的に解釈することが鍵となります。本問では「浮き上がる \(\iff\) 垂直抗力\(N=0\)」という読み替えが決定的に重要です。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- ゴムひもの「長さ」と「伸び」の混同:
- 誤解: フックの法則\(T=kx\)の\(x\)に、ゴムひもの全長\(l\)を代入してしまう。
- 対策: フックの法則の\(x\)は、常に「自然の長さからの変化量(伸びまたは縮み)」です。必ず、現在の長さ\(l\)と自然長\(l_0\)を区別し、伸び\(\Delta l = l – l_0\)を計算してからフックの法則を適用する、という手順を徹底しましょう。
- 円運動の半径の誤認:
- 誤解: 円運動の半径\(r\)を、ゴムひもの長さ\(l\)と混同してしまう。
- 対策: 円運動の半径は、回転軸からの距離です。この問題では、回転軸は固定点Oを通る鉛直線なので、半径は\(r = l\sin\alpha\)または\(r=l_0\tan\alpha\)となります。必ず図を描いて、どの長さが半径に相当するのかを視覚的に確認しましょう。
- 力の分解ミス:
- 誤解: 張力\(T\)の水平成分を\(T\cos\alpha\)、鉛直成分を\(T\sin\alpha\)のように、三角関数を取り違える。
- 対策: 角度\(\alpha\)がどの角なのかを明確にし、「角\(\alpha\)を挟む辺が\(\cos\alpha\)」のように、三角比の定義に忠実に分解する習慣をつけましょう。自信がなければ、力のベクトルを対角線とする長方形を描いて確認するのが確実です。
- 問題文の条件の見落とし:
- 誤解: \(k > mg/l_0\)のような条件式を無視して計算を進めてしまう。
- 対策: 問題文で与えられる条件式は、多くの場合、解が存在するための物理的な条件や、計算結果の妥当性を吟味するためのヒントになっています。解き終わった後に、自分の答えがその条件を満たしているか、あるいはその条件がなぜ必要だったのかを振り返ることで、物理的な洞察が深まります。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 遠心力を考慮した力のつり合い:
- 選定理由: 問題文が「力のつり合い式を記せ」と明示しているため、このアプローチが最も素直です。回転系に視点を移すことで、動的な円運動の問題を、静的な力のつり合いの問題として扱うことができ、思考が単純化されます。
- 適用根拠: おもりは等速円運動をしており、おもりと共に回転する観測者から見れば静止しています。この非慣性系で物理法則を成り立たせるために、見かけの力である遠心力を導入し、力のつり合いを考えます。
- フックの法則 (\(T = k(l-l_0)\)):
- 選定理由: 問題に「弾性定数\(k\)のゴムひも」が登場し、その張力を定量的に扱う必要があるため、必須の法則です。
- 適用根拠: ゴムひもの張力\(T\)は、角速度\(\omega\)や角度\(\alpha\)によって変化する未知数です。この\(T\)を、幾何学的に決まる「伸び」と定数\(k\)で表現することで、未知数を減らし、方程式を解くことが可能になります。
- 垂直抗力\(N=0\)(面から離れる条件):
- 選定理由: 「浮き上がる」という物理現象を、数式で扱える条件に変換するためです。
- 適用根拠: 垂直抗力は、面が物体を押す力です。物体が面に接触している限り\(N \ge 0\)であり、面から離れるまさにその瞬間、この押す力は0になります。したがって、「浮き上がる瞬間の条件 \(\iff N=0\)」という論理的な置き換えが成り立ちます。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 三角関数の扱いの習熟:
- 特に注意すべき点: この問題では、\(\sin\alpha, \cos\alpha, \tan\alpha\)が頻繁に登場し、相互に変換しながら計算を進める必要があります。特に、問(2)の計算過程で式を整理する際に、\(\tan\alpha = \sin\alpha/\cos\alpha\)をうまく利用して約分する部分がポイントです。
- 日頃の練習: 三角関数の基本的な公式(\(\sin^2\alpha+\cos^2\alpha=1\), \(\tan\alpha=\sin\alpha/\cos\alpha\)など)をスムーズに使えるようにしておくことが重要です。式変形の際には、どの公式を使えば最も簡潔になるかを見通す練習をしましょう。
- 文字式の整理:
- 特に注意すべき点: \(m, k, l_0, g, \alpha, \omega\)など多くの文字が登場します。特に分数が絡む計算では、通分や約分のミスが起こりやすいです。
- 日頃の練習: 途中式を省略せず、特に分数の計算は丁寧に行いましょう。問(3)の\(l_c\)の計算のように、分母が分数になる場合は、分母分子に同じ値を掛けるなどして、慎重に整理する癖をつけましょう。
- 物理的な意味を考えながら計算する:
- 特に注意すべき点: 計算の途中で得られた式が、どのような物理的意味を持つかを意識すると、ミスに気づきやすくなります。例えば、問(3)で\(1-\cos\alpha_c = mg/kl_0\)という式が出てきますが、これは「浮き上がる瞬間には、ゴムひもの張力の鉛直成分が重力とつりあう」という物理法則を、フックの法則を使って書き換えたものに他なりません。
- 日頃の練習: 数式だけを追うのではなく、「この項は張力を表している」「この式は力のつり合いを表している」というように、数式の物理的な意味を常に意識しながら解き進める習慣をつけましょう。
解きっぱなしはNG!解答の妥当性を吟味する習慣をつけよう
- 得られた答えの物理的妥当性の検討:
- (2) 角速度\(\omega\): \(\omega = \sqrt{\frac{k}{m}(1-\cos\alpha)}\)。
- 吟味の視点: \(\alpha\)が大きくなる(回転が速くなる)と\(\cos\alpha\)は小さくなり、\(\omega\)は大きくなります。これは直感と一致します。また、ゴムが硬い(\(k\)大)ほど、おもりが軽い(\(m\)小)ほど、同じ角度を保つのに速い回転が必要になるというのも妥当です。
- (3) 臨界角速度\(\omega_c\): \(\omega_c = \sqrt{\frac{g}{l_0}}\)。
- 吟味の視点: この式は、長さ\(l_0\)の糸でできた振り子の単振動の角振動数と同じ形をしています。これは、浮き上がった後の微小振動(あるいは円運動)が、重力と慣性力(遠心力)のバランスで決まることを示唆しており、興味深い結果です。また、この値がゴムの硬さ\(k\)やおもりの質量\(m\)によらないという点も重要な特徴です。
- (3) ゴムひもの長さ\(l_c\): \(l_c = \frac{kl_0^2}{kl_0 – mg}\)。
- 吟味の視点: 問題文の条件\(kl_0 > mg\)より、分母は正となり、\(l_c\)は正の値をとります。もし\(k\)が非常に大きい(硬いゴム)なら、分母・分子を\(k\)で割ると\(l_c \approx \frac{l_0^2}{l_0} = l_0\)となり、ほとんど伸びないという直感に合います。もし\(kl_0\)が\(mg\)に非常に近い(ぎりぎり浮き上がれる条件)なら、分母が0に近づき、\(l_c\)は非常に大きくなります。これも物理的に妥当な振る舞いです。
- (2) 角速度\(\omega\): \(\omega = \sqrt{\frac{k}{m}(1-\cos\alpha)}\)。
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問題26 (大分大)
【問題の確認】まずは問題文をしっかり読み解こう
この問題は、鉛直より角度 \(\theta\) だけ傾いた状態で支点Oに固定された細い棒に沿って自由に動ける小ビーズ球Pの運動を扱います。棒が滑らかな場合と摩擦がある場合それぞれについて、棒を鉛直軸OAのまわりに回転させたときのPの運動や、Pが滑らずに静止していられる条件などを考察します。慣性力(特に遠心力)の考え方や、静止摩擦力が関わる力のつり合いが重要なポイントとなります。
- 小ビーズ球Pの質量: \(m\)
- 棒の傾斜: 鉛直より角度 \(\theta\) (\(0^\circ < \theta < 90^\circ\)) で支点Oに固定。
- 重力加速度の大きさ: \(g\)
- (1) 棒は滑らか。Pは支点Oから高さ \(h_0\) の水平面内で円運動。
- (2) 棒は摩擦あり。静止摩擦係数は \(\mu\)。
- 回転なしの場合のPの静止条件。
- \(\theta=45^\circ\) で回転。ある高さ\(h\)でPが落ちない/上がっていかない条件。
- (1) 滑らかな棒の場合、PがOから高さ \(h_0\) で円運動するときの角速度 \(\omega_0\)(空欄 ア)。
- (2) 摩擦のある棒の場合:
- 回転していないとき、Pが滑らずにいられるための \(\theta\) の条件(空欄 イ)。
- \(\theta=45^\circ\)、PがOからのある鉛直高さ\(h\)を保つとき:
- Pが落ちないための \(\omega\) の下限(空欄 ウ)。
- Pが上がっていかないための \(\omega\) の上限(空欄 エ)。
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
本解説は、模範解答で採用されている「遠心力」を用いた非慣性系での解法を主たる解説としつつ、以下の別解を提示します。
- 提示する別解
- 問(1) 角速度\(\omega_0\)の別解: 静止系(慣性系)から見た運動方程式を用いる解法
- 主たる解法が、おもりと共に回転する観測者の視点から「遠心力」を含めた力のつり合いを考えるのに対し、別解では床に静止した観測者の視点から、おもりにはたらく「向心力」と加速度の関係を記述する「運動方程式」を立てます。
- 問(2) イ の条件式の別解: 水平・鉛直方向で力のつり合いを考える解法
- 主たる解法が、力を「棒に沿った方向」と「棒に垂直な方向」という物理的に直感的な軸で分解するのに対し、別解では「水平方向」と「鉛直方向」という数学的な軸で分解し、力のつり合いを考えます。
- 問(2) ウ, エ の角速度の範囲の別解: 静止系(慣性系)から見た運動方程式を用いる解法
- 主たる解法が、回転系で「遠心力」と「最大静止摩擦力」を含めた力のつり合いを考えるのに対し、別解では静止系から見て、「向心力」と「最大静止摩擦力」の関係を運動方程式として立式します。
- 問(1) 角速度\(\omega_0\)の別解: 静止系(慣性系)から見た運動方程式を用いる解法
- 上記の別解が有益である理由
- 物理モデルの深化: 円運動を「遠心力を含めた力のつり合い」と「向心力による加速度運動」という2つのモデルで理解することや、力の分解の軸の取り方で立式がどう変わるかを学ぶことで、力学の基本法則への理解が深まります。
- 解法の選択肢: 問題の状況に応じて、物理的に直感的な軸(棒の方向)で考えるか、数学的に単純な軸(水平・鉛直)で考えるか、あるいは慣性系と非慣性系のどちらで考えるか、といった戦略的な選択能力が養われます。
- 思考の柔軟性: 同じ問題に対して、複数の視点からのアプローチを学ぶことで、思考の柔軟性が養われ、より複雑な問題への応用力が向上します。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、計算過程や思考の出発点が異なるだけで、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題の中心となるのは、「等速円運動における力のつり合い(非慣性系での遠心力を考慮)」および「静止摩擦力が関わる力のつり合い」です。(1)では滑らかな棒なので遠心力と重力、垂直抗力のつり合いを考えます。(2)では摩擦力が加わり、Pが滑り落ちる限界と滑り上がる限界の条件を、最大静止摩擦力を考慮して求めることになります。Pと共に回転する観測者の立場から見ると、力のつり合いとして扱いやすくなります。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 等速円運動の動力学: 回転系から見て遠心力\(mr\omega^2\)を考慮した力のつり合いを考えるか、静止系から見て向心力による運動方程式\(m(r\omega^2) = F\)を立てます。
- 力の分解: 力を問題の状況に応じた適切な方向(この問題では、棒に沿った方向と棒に垂直な方向、あるいは水平・鉛直方向)に分解して考えます。
- 静止摩擦力: 物体が滑り出さない限界では、静止摩擦力は最大値\(\mu N\)をとります。力のつり合いを考える際には、摩擦力がどちらの向きにはたらくかを正しく判断する必要があります。
- 幾何学(三角比): 図形的な関係から、円運動の半径を、与えられた高さや角度を用いて表現します。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 問(1)では、滑らかな棒の上での円運動を考えます。Pと共に回転する観測者の視点から、遠心力、重力、垂直抗力の3つの力のつり合いを考えます。
- 問(2)の最初の設問(イ)では、回転していない静止状態で、重力、垂直抗力、静止摩擦力のつり合いを考え、Pが滑り落ちない条件を求めます。
- 問(2)の後半の設問(ウ、エ)では、摩擦のある棒が回転する状況を考えます。Pが滑り落ちる限界(摩擦力が上向き最大)と、滑り上がる限界(摩擦力が下向き最大)のそれぞれの状況で、遠心力を含めた力のつり合いの式を立て、角速度\(\omega\)の範囲を求めます。