基礎CHECK
1 単振動の式
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「単振動の式の解釈と物理量の読み取り」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 単振動の変位を表す基本式 \(y = A \sin \omega t\) の理解。
- 振幅 \(A\) の定義:振動の中心からの最大変位。
- 角振動数 \(\omega\) の定義:振動の速さを表す量で、\(2\pi\) を周期 \(T\) で割ったもの (\(\omega = \displaystyle\frac{2\pi}{T}\))。
- 三角関数 \(\sin\) の前の係数が振幅、時刻 \(t\) の前の係数が角振動数に対応することの理解。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 単振動の変位の一般式 \(y = A \sin \omega t\) を書き出す。
- 問題で与えられた式 \(y = 1.5 \sin 2.0t\) と一般式を比較する。
- 対応する係数を読み取り、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を特定する。
思考の道筋とポイント
単振動の運動は、等速円運動を真横から見た影の動きとしてモデル化でき、その動きを時間 \(t\) の関数として表したものが \(y = A \sin \omega t\) や \(y = A \cos \omega t\) といった式になります。この問題は、与えられた具体的な式と、物理的な意味を持つ文字で書かれた一般式を「見比べる」だけで解くことができます。各文字が何を意味しているか(\(A\)が振幅、\(\omega\)が角振動数)を正確に覚えておくことが重要です。
この設問における重要なポイント
- 変位 \(y\) [m]: 振動の中心からの位置。時間とともに変化します。
- 振幅 \(A\) [m]: 変位の最大値。振動の大きさを示します。\( \sin \omega t \) の値は \(-1\) から \(1\) までなので、\(y\) の最大値は \(A\) になります。
- 角振動数 \(\omega\) [rad/s]: 振動の「ペース」を表す量で、1秒あたりに位相が何ラジアン進むかを示します。周期 \(T\) や振動数 \(f\) と \(\omega = 2\pi f = \displaystyle\frac{2\pi}{T}\) の関係があります。
- 位相 \(\omega t\) [rad]: 振動のどの段階にあるかを示す角度です。
具体的な解説と立式
単振動の変位 \(y\) を表す一般式は、振幅を \(A\)、角振動数を \(\omega\) とすると、次のように書けます。
$$
y = A \sin \omega t
$$
一方、問題で与えられた式は、
$$
y = 1.5 \sin 2.0t
$$
です。この2つの式を比較することで、振幅 \(A\) と角振動数 \(\omega\) を特定します。
使用した物理公式
- 単振動の変位の式: \(y = A \sin \omega t\)
この問題は計算というよりも、式の係数を比較する作業になります。
単振動の一般式 \(y = A \sin \omega t\) と、問題で与えられた式 \(y = 1.5 \sin 2.0t\) を見比べます。
1. 振幅 \(A\) の特定
\(\sin\) の前についている係数を比較します。
$$
A = 1.5 \, (\text{m})
$$
2. 角振動数 \(\omega\) の特定
時刻 \(t\) の前についている係数を比較します。
$$
\omega = 2.0 \, (\text{rad/s})
$$
この問題は、物理の公式という「テンプレート」に、具体的な数字を当てはめるパズルのようなものです。
- 単振動の式のテンプレートは「\(y = (\text{振幅}) \times \sin ((\text{角振動数}) \times t)\)」という形をしています。
- 問題の式は「\(y = 1.5 \times \sin (2.0 \times t)\)」となっています。
- この2つを見比べると、「振幅」にあたるのが \(1.5\)、「角振動数」にあたるのが \(2.0\) だと一目でわかります。
- 単位は問題文に書いてある通り、振幅は [m]、角振動数は [rad/s] をつければ完成です。
2 正弦波の式
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「正弦波の式からの物理量の読み取り」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 正弦波の変位を表す基本式 \(y = A \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{T} – \displaystyle\frac{x}{\lambda} \right)\) の理解。
- 振幅 \(A\)、周期 \(T\)、波長 \(\lambda\) の定義。
- 式の各部分がどの物理量に対応しているかの理解。
- 与えられた式と一般式を比較して、物理量を特定するスキル。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- 正弦波の変位を表す一般式を書き出す。
- 問題で与えられた具体的な式と一般式を比較する。
- 対応する係数や分母の値を読み取り、振幅 \(A\)、周期 \(T\)、波長 \(\lambda\) を特定する。
思考の道筋とポイント
この問題は、ある位置\(x\)、ある時刻\(t\)における媒質の変位\(y\)を表す「波の式」から、その波の基本的な性質(振幅、周期、波長)を読み取る問題です。単振動の式と同様に、物理的な意味を持つ文字で書かれた一般式と、具体的な数値が入った式を「見比べる」ことで解くことができます。どの部分がどの物理量に対応するのかを正確に記憶しているかが鍵となります。
この設問における重要なポイント
- 正弦波の式: 波の変位\(y\)は、位置\(x\)と時刻\(t\)の関数として、一般的に次のように表されます。
$$ y = A \sin 2\pi \left( \frac{t}{T} – \frac{x}{\lambda} \right) $$ - 各文字の意味:
- \(A\): 振幅。振動の最大変位。
- \(T\): 周期。媒質が1回振動するのにかかる時間。
- \(\lambda\): 波長。波1つ分の長さ。
- 式の構造:
- \(\sin\)の前の係数が振幅\(A\)。
- \(t\)の分母が周期\(T\)。
- \(x\)の分母が波長\(\lambda\)。
この対応関係を覚えておくことが、このタイプの問題を解くための最も直接的な方法です。
具体的な解説と立式
正弦波の変位\(y\)を表す一般式は、振幅を\(A\)、周期を\(T\)、波長を\(\lambda\)とすると、次のように書けます。
$$
y = A \sin 2\pi \left( \frac{t}{T} – \frac{x}{\lambda} \right)
$$
一方、問題で与えられた式は、
$$
y = 2.0 \sin 2\pi \left( \frac{t}{1.2} – \frac{x}{0.80} \right)
$$
です。この2つの式を比較することで、振幅\(A\)、周期\(T\)、波長\(\lambda\)を特定します。
使用した物理公式
- 正弦波の変位の式: \(y = A \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{T} – \displaystyle\frac{x}{\lambda} \right)\)
この問題は計算というよりも、式の係数や分母を比較する作業になります。
一般式 \(y = A \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{T} – \displaystyle\frac{x}{\lambda} \right)\) と、問題の式 \(y = 2.0 \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{1.2} – \displaystyle\frac{x}{0.80} \right)\) を見比べます。
1. 振幅 \(A\) の特定
\(\sin\) の前の係数を比較します。
$$
A = 2.0 \, (\text{m})
$$
2. 周期 \(T\) の特定
\(t\) の分母の値を比較します。
$$
T = 1.2 \, (\text{s})
$$
3. 波長 \(\lambda\) の特定
\(x\) の分母の値を比較します。
$$
\lambda = 0.80 \, (\text{m})
$$
この問題は、公式という「穴埋めプリント」に数字を当てはめるようなものです。
- 波の式のテンプレートは「\(y = A \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{T} – \displaystyle\frac{x}{\lambda} \right)\)」という形をしています。
- 問題の式は「\(y = 2.0 \sin 2\pi \left( \displaystyle\frac{t}{1.2} – \displaystyle\frac{x}{0.80} \right)\)」です。
- この2つの式の同じ場所にある文字と数字を見つけるだけで答えがわかります。
- \(A\) の場所には \(2.0\) があるので、振幅は \(2.0 \, \text{m}\) です。
- \(T\) の場所には \(1.2\) があるので、周期は \(1.2 \, \text{s}\) です。
- \(\lambda\) の場所には \(0.80\) があるので、波長は \(0.80 \, \text{m}\) です。
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