2限目:y-xグラフとy-tグラフ|波動・最短攻略パック

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講義ノート

【今回のポイント】

  • 波の様子を表すグラフには、\(y-x\)グラフと\(y-t\)グラフの \(2\) 種類が存在する。
  • \(y-x\)グラフは「実際の波の様子」をある瞬間に切り取った図である。
  • \(y-t\)グラフは「ある \(1\) 点の媒質の高さ(変位)」を時間ごとに記録した図である。

【講義解説】

波を表す2種類のグラフ

波の様子を表すグラフには、縦軸に変位 \(y\)、横軸に位置 \(x\) をとった「\(y-x\)グラフ」と、縦軸に変位 \(y\)、横軸に時間 \(t\) をとった「\(y-t\)グラフ」の \(2\) 種類が存在する。

これら \(2\) つのグラフは見た目が似ているが、表している意味は全く異なる。結論から言えば、\(y-x\)グラフは「実際の波の様子」を表し、\(y-t\)グラフは「ある \(1\) 点の高さを記録した様子」を表す。

スポーツ観戦などで観客が行う「ウェーブ」を想像してほしい。
\(y-x\)グラフは、ウェーブが起きているスタンド全体を「パシャッ」と写真に撮ったものである。横軸が位置 \(x\) であるため、どの場所にいる人がどの高さにいるかが一目でわかる。
一方、\(y-t\)グラフは、スタンドにいる「特定の \(1\) 人」に注目し、その人が時間とともに立ったり座ったりする様子をビデオで記録したものである。横軸が時間 \(t\) であるため、その人が何秒後にどの高さにいるかがわかる。

波の y-x図 と y-t図
  • 上のグラフ(y-x図)は、ある時刻における波の全体像(写真)です。
  • 下のグラフ(y-t図)は、赤線で示した位置 \(x_0\) の媒質の時間変化の記録です。
  • y-x図の赤い破線をドラッグ(またはスライダー操作)して、注目する位置 \(x_0\) を変えてみましょう。
波の式: \(\displaystyle y(x,t) = A \sin \left( 2\pi \left( \frac{t}{T} - \frac{x}{\lambda} \right) \right)\)
注目位置 \(x_0\) 100
振幅 \(A\) 40
波長 \(\lambda\) 150
周期 \(T\) (秒) 2.0

\(y-x\)グラフから\(y-t\)グラフへの変換

実際に、\(y-x\)グラフから特定の点の動きを追跡し、\(y-t\)グラフを描いてみよう。

時刻 \(t=0\,\text{s}\) から \(t=5\,\text{s}\) まで、波が少しずつ右へ進んでいく様子を考える。
例えば、位置 \(x=0\) の点(赤色)に注目する。
時刻 \(t=0\,\text{s}\) では高さは \(0\) である。
時刻 \(t=1\,\text{s}\) では波の谷が近づき、高さはマイナスになる。
時刻 \(t=2\,\text{s}\) では再び高さが \(0\) に戻る。
時刻 \(t=3\,\text{s}\) では波の山が来て、高さはプラスになる。

このように、各時刻における \(x=0\) の点の高さを読み取り、横軸を時間 \(t\) としたグラフに点を打ってつなぐと、\(x=0\) における \(y-t\)グラフが完成する。

同様に、\(x=1\)、\(x=2\) など他の位置についても、その点だけの高さを時間ごとに追跡することで、それぞれの場所における固有の \(y-t\)グラフを描くことができる。

 

練習問題の解説

① \(y-x\)グラフから特定の点の\(y-t\)グラフを描く問題(問4)

【問題】
図は、\(x\)軸上を正の向きに速さ \(1.5\,\text{m}/\text{s}\) で進む正弦波の時刻 \(t=0\,\text{s}\) での波形を表す。位置 \(x=3.0\,\text{m}\) での媒質の振動のようすを \(y-t\)図に表せ。

 

【解説】
位置 \(x=3.0\,\text{m}\) の点に注目し、時間経過とともに高さがどう変化するかを追跡する。
まず、時刻 \(t=0\,\text{s}\) のとき、グラフより \(x=3.0\,\text{m}\) の点の高さ(変位)は \(y=0\,\text{m}\) である。

次に、波が速さ \(v=1.5\,\text{m}/\text{s}\) で進むことから、\(1\) 秒後(\(t=1.0\,\text{s}\))の波形を考える。波は \(1\) 秒間に \(1.5\,\text{m}\) 進むため、\(t=0\,\text{s}\) のときに \(x=1.5\,\text{m}\) にあった波の谷(変位 \(y=-2.5\,\text{m}\))が、\(1\) 秒後には \(x=3.0\,\text{m}\) の位置に到達する。
したがって、\(t=1.0\,\text{s}\) のとき、\(x=3.0\,\text{m}\) の変位は \(y=-2.5\,\text{m}\) となる。

さらに \(1\) 秒後(\(t=2.0\,\text{s}\))には、波はさらに \(1.5\,\text{m}\) 進む。\(t=0\,\text{s}\) のときに \(x=0\,\text{m}\) にあった変位 \(y=0\,\text{m}\) の部分が、\(2\) 秒後には \(x=3.0\,\text{m}\) に到達する。
したがって、\(t=2.0\,\text{s}\) のとき、変位は \(y=0\,\text{m}\) に戻る。

このように、波を少しずつ進めて特定の点の高さを読み取り、\(t=0, 1.0, 2.0, \dots\) の点をプロットしてなめらかにつなぐことで、目的の \(y-t\)グラフが得られる。

 

② 波の速さが異なる場合の\(y-t\)グラフの作図(問5)

【問題】
次の \(y-x\)図は、\(x\)軸上を正の向きに進む正弦波の、時刻 \(t=0\,\text{s}\) での波形を表す。\(x=4.0\,\text{m}\) における媒質の変位の時間変化を \(y-t\)図に表せ。波の速さは \(v=0.50\,\text{m}/\text{s}\) である。

 

【解説】
今度は位置 \(x=4.0\,\text{m}\) の点に注目する。
時刻 \(t=0\,\text{s}\) のとき、グラフより \(x=4.0\,\text{m}\) の変位は \(y=0\,\text{m}\) である。

波の速さは \(v=0.50\,\text{m}/\text{s}\) であるため、波は \(1\) 秒間に \(0.50\,\text{m}\) 進む。グラフの目盛りが \(1.0\,\text{m}\) 刻みであるため、\(2\) 秒間で \(1.0\,\text{m}\) 進むと考えた方が作図しやすい。
\(2\) 秒後(\(t=2.0\,\text{s}\))、波は右へ \(1.0\,\text{m}\) 進む。\(t=0\,\text{s}\) のときに \(x=3.0\,\text{m}\) にあった波の谷(変位 \(y=-5.0\,\text{m}\))が、\(x=4.0\,\text{m}\) の位置に到達する。
したがって、\(t=2.0\,\text{s}\) のとき、変位は \(y=-5.0\,\text{m}\) となる。

さらに \(2\) 秒後(\(t=4.0\,\text{s}\))、波はさらに \(1.0\,\text{m}\) 進む。\(t=0\,\text{s}\) のときに \(x=2.0\,\text{m}\) にあった変位 \(y=0\,\text{m}\) の部分が到達し、変位は \(y=0\,\text{m}\) に戻る。

これらの点を \(y-t\)グラフ上にプロットし、なめらかな曲線で結ぶことで解答となる。


【重要公式まとめ】

波を表す \(2\) 種類のグラフ
今回は新しい公式の導入はないが、\(2\) つのグラフの性質の違いを確実に押さえておくことが重要である。

  • \(y-x\)グラフ:実際の波の様子(写真)
  • \(y-t\)グラフ:ある \(1\) 点の高さの記録(ビデオ)
💡 2つのグラフで混乱していませんか?AIチューターに聞いてみましょう!

以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。テスト本番でも迷わないためのコツを教えてくれます。

「『 \(y-x\) グラフ』と『 \(y-t\) グラフ』の違いについて、ウェーブの例え(写真とビデオ)でなんとなくイメージはできましたが、自分で問題を解くときに横軸を見落として混乱してしまいそうです。これら2つのグラフを絶対に見間違えないためのコツや、問題文を読むときの注意点があれば教えてください。」
📝 定着度チェッククイズ(全3問)

タップ(クリック)すると答えが表示されます。

Q1. ある瞬間に波全体を「写真」のように切り取って横から見た様子を表しているのは、\(y-x\) グラフと \(y-t\) グラフのどちらでしょうか?
【正解】 \(y-x\) グラフ

横軸に位置 \(x\) をとる \(y-x\) グラフは、実際の波の形そのものを表しています。一方、横軸に時間 \(t\) をとる \(y-t\) グラフは、波全体ではなく「特定の \(1\) 点」の動きを記録したものです。

Q2. \(y-t\) グラフの縦軸の「 \(y\) 」は、何を表しているでしょうか?
【正解】 ある \(1\) 点の媒質の高さ(変位)

\(y-t\) グラフは、「特定の \(1\) 点」に注目し、その点が時間経過とともにどれくらい上下に動いたかを記録したものです。波全体の形を表しているわけではないことに注意しましょう。

Q3. \(y-x\) グラフを見ながら、ある特定の点(例えば \(x=3.0\,\text{m}\) )の「 \(2\) 秒後の高さ」を知りたい場合、波形全体をどのように動かして考えればよいでしょうか?
【正解】 波が進む向きに、「波の速さ \(v\) \(\times\) \(2\) 秒」の距離だけ波形をずらす

波が右へ進むなら、元の波形を右へ少しずつずらしながら、注目している点( \(x=3.0\,\text{m}\) の位置)にどのような高さ(山や谷)がやってくるかを読み取るのがポイントです。

 

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