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講義ノート
【今回のポイント】
- 波全体は進行方向に進むが、媒質(水面など)の \(1\) 点は上下に振動するだけである。
- 波を表す \(5\) つの物理量(振幅、波長、速さ、振動数、周期)の意味を正確に理解する。
- 振動数 \(f\) と周期 \(T\) の関係式 \(f = \displaystyle\frac{1}{T}\) を覚える。
- 波の最重要公式である \(v = f\lambda\) の意味を理解し、使いこなせるようにする。
【講義解説】
波の基本的な動き(波全体と \(1\) 点の動きの違い)
波動を学習する上でまず重要なのは、「波は動くもの」というイメージをしっかりと持つことである。紙に描かれた静止画の波を、頭の中で動かせるようにしよう。
結論から言えば、波全体は横に進んでいくように見えるが、ある \(1\) 点に注目すると上下に振動しているだけである。



例えば、海に浮かぶ「浮き輪」を想像してほしい。波が左から右へ進んでくるとき、浮き輪自体は波と一緒に右へ流されていくわけではなく、その場で上に持ち上げられたり、下に下がったりを繰り返すだけである。
このように、波を伝える物質(媒質)の各点は、波の進行方向とは垂直に上下運動(単振動)を行っている。
そして、「波が \(1\) 個通り過ぎると、その場所は \(1\) 回振動する」という原則を必ず覚えておこう。
- 波全体は右へ進んで見えますが、媒質(青い丸)は上下にしか動いていません。波とは「振動が伝わる現象」であり、物質が移動しているわけではないことが分かります。
- 赤い丸(注目する媒質)を観察すると、単振動していることがわかります。
- v = f λ = λ / T の関係が成り立ちます。波長や速さを変えて、媒質の振動のペース(周期)がどう変わるか確かめましょう。
波を表す \(5\) つの物理量
波の性質を表現するために、以下の \(5\) つの物理量を用いる。それぞれの意味を正確に押さえることが重要である。

- ① 振幅 \(A\,\text{[m]}\)
波の振動の中心(真ん中のライン)から、一番高いところ(山)または一番低いところ(谷)までの長さのこと。山から谷までの全体の高さではない点に注意しよう。 - ② 波長 \(\lambda\,\text{[m]}\)
波 \(1\) 個分(山 \(1\) つと谷 \(1\) つのセット)の長さのこと。記号は \(\lambda\)(ラムダ)を用いる。 - ③ 速さ \(v\,\text{[m}/\text{s]}\)
波の波形が進んでいく速さのこと。 - ④ 振動数 \(f\,\text{[Hz]}\)
ある \(1\) 点に注目したとき、「\(1\) 秒間に何回上下に振動するか」を表す回数のこと。単位には \(\text{Hz}\)(ヘルツ)を用いる。 - ⑤ 周期 \(T\,\text{[s]}\)
ある \(1\) 点が「\(1\) 回振動するのにかかる時間」のこと。
ここで、振動数 \(f\) と周期 \(T\) の関係について考えてみよう。
例えば、\(1\) 秒間に \(5\) 回振動する波(\(f = 5\,\text{Hz}\))があるとする。このとき、\(1\) 回振動するのにかかる時間(周期 \(T\))は、\(1\) 秒を \(5\) 等分すればよいので \(\displaystyle\frac{1}{5}\,\text{s}\) となる。
このように、振動数と周期は常に「逆数」の関係にある。したがって、以下の式が成り立つ。
$$
f = \displaystyle\frac{1}{T} \quad \text{(または } T = \displaystyle\frac{1}{f} \text{)}
$$
- v = f λ = λ / T の関係が成り立ちます。波長や振動数を変えて、波の進む速さがどう変わるか確かめましょう。
- 波全体は右へ進んで見えますが、媒質(各点)は上下にしか動いていません。波とは「振動が伝わる現象」です。
波の基本公式(\(v = f\lambda\))
次に、波の速さ \(v\)、振動数 \(f\)、波長 \(\lambda\) の間に成り立つ、波動分野で最も重要な公式を導出する。


速さ \(v\) とは、「\(1\) 秒間に波が進む距離」のことである。
ここで、振動数が \(f\)(\(1\) 秒間に \(f\) 回振動する)の波を考える。これは言い換えると、「\(1\) 秒間に波が \(f\) 個生み出されて進んでいく」ということである。
波 \(1\) 個の長さは波長 \(\lambda\) であるから、波が \(f\) 個連なった全体の長さ(つまり \(1\) 秒間に進んだ距離)は、\(f \times \lambda\) となる。
「\(1\) 秒間に進んだ距離」は「速さ \(v\)」そのものであるため、以下の基本公式が導かれる。
$$
v = f\lambda
$$
波動の問題を解く際は、常にこの公式を意識するようにしよう。
練習問題の解説
① 波の物理量を文字で表す問題(問1)
【問題】
ある時刻における波の形が図のようで、その周期が \(T\) である正弦波がある。
(1) この波の振幅はいくらか。
(2) この波の波長はいくらか。
(3) この波の振動数はいくらか。
(4) この波の速さはいくらか。

【解説】
(1) 振幅は、中心から山までの高さなので、図より \(A\) である。
(2) 波長は、波 \(1\) 個分の長さである。図を見ると、原点から距離 \(d\) の位置までで波の半分(山のみ)が描かれている。したがって、波 \(1\) 個分の長さはその \(2\) 倍となり、答えは \(2d\) である。
(3) 振動数 \(f\) は周期 \(T\) の逆数であるため、答えは \(\displaystyle\frac{1}{T}\) となる。
(4) 波の基本公式 \(v = f\lambda\) に、(2)と(3)で求めた値を代入する。
$$
\begin{aligned}
v &= f\lambda \\[2.0ex]
&= \displaystyle\frac{1}{T} \times 2d \\[2.0ex]
&= \displaystyle\frac{2d}{T}
\end{aligned}
$$
したがって、答えは \(\displaystyle\frac{2d}{T}\) となる。
② 時間経過後の波形を描く問題(問2)
【問題】
図は、\(x\) 軸上を正の向きに速さ \(0.10\,\text{m}/\text{s}\) で進む正弦波の時刻 \(t=0\,\text{s}\) での波形を表す。時刻 \(t=5.0\,\text{s}\) での波形を図にかきこめ。

【解説】
まずは、\(5.0\,\text{s}\) 間に波がどれだけの距離を進むかを計算する。
$$
\begin{aligned}
\text{進む距離} &= \text{速さ} \times \text{時間} \\[2.0ex]
&= 0.10 \times 5.0 \\[2.0ex]
&= 0.50\,\text{m}
\end{aligned}
$$
波全体が右(正の向き)へ \(0.50\,\text{m}\) 進むことがわかった。
図のグラフの目盛りを見ると、山の頂点(\(x=0.5\))が \(0.50\,\text{m}\) 右へ移動すると \(x=1.0\) の位置にくる。このように、元の波形を全体的に右へ \(0.50\,\text{m}\) ずらして描けばよい。

③ 波の速さと周期を計算する問題(問3)
【問題】
図のように、実線の波形が移動し、\(0.20\) 秒後には破線の波形になった。この間に山 \(\text{P}\) は \(\text{P}’\) まで進んだ。この波の速さ \(v\) は何 \(\text{m}/\text{s}\) か。また、周期 \(T\) は何秒か。

【解説】
まず、波の速さ \(v\) を求める。山 \(\text{P}\)(\(x=0.30\))が \(\text{P}’\)(\(x=0.60\))まで移動したため、進んだ距離は \(0.60 – 0.30 = 0.30\,\text{m}\) である。これに \(0.20\,\text{s}\) かかっているので、速さは以下のようになる。
$$
\begin{aligned}
v &= \displaystyle\frac{0.30}{0.20} \\[2.0ex]
&= 1.5\,\text{m}/\text{s}
\end{aligned}
$$
次に、周期 \(T\) を求める。図の実線から、波 \(1\) 個分の長さ(波長 \(\lambda\))を読み取ると、原点から \(x=1.2\)(\(0.60\) の \(2\) 倍)までが波 \(1\) 個分であるため、\(\lambda = 1.2\,\text{m}\) とわかる。
波の基本公式 \(v = f\lambda\) を用いて振動数 \(f\) を求める。
$$
\begin{aligned}
v &= f\lambda \\[2.0ex]
1.5 &= f \times 1.2 \\[2.0ex]
f &= \displaystyle\frac{1.5}{1.2} \\[2.0ex]
&= \displaystyle\frac{5}{4}\,\text{Hz}
\end{aligned}
$$
周期 \(T\) は振動数 \(f\) の逆数であるため、
$$
\begin{aligned}
T &= \displaystyle\frac{1}{f} \\[2.0ex]
&= \displaystyle\frac{4}{5} \\[2.0ex]
&= 0.80\,\text{s}
\end{aligned}
$$
したがって、速さは \(1.5\,\text{m}/\text{s}\)、周期は \(0.80\,\text{s}\) となる。
【重要公式まとめ】
$$
f = \displaystyle\frac{1}{T}
$$
(\(f\):振動数 \([\text{Hz}]\)、\(T\):周期 \([\text{s}]\))
$$
v = f\lambda
$$
(\(v\):波の速さ \([\text{m}/\text{s}]\)、\(f\):振動数 \([\text{Hz}]\)、\(\lambda\):波長 \([\text{m}]\))
以下のテキストをコピーして、「まことAI」にそのまま貼り付けてみてください。別の角度からわかりやすく解説してくれます。
タップ(クリック)すると答えが表示されます。
Q1. 波が左から右へ進んでいくとき、波を伝える物質(媒質)自体も左から右へ移動していく。○か×か?
波全体は進行方向に進んで見えますが、媒質(水面など)の各点は波と一緒に移動せず、その場で上下に振動しているだけです。
Q2. ある \(1\) 点が「 \(1\) 秒間に何回上下に振動するか」を表す物理量を何と呼ぶでしょうか?
単位は \(\text{Hz}\)(ヘルツ)を使います。ちなみに、\(1\) 回振動するのにかかる時間は「周期 \(T\)」と呼び、\(f = \displaystyle\frac{1}{T}\) の関係があります。
Q3. 波の速さ \(v\) を求めるための最も重要な基本公式は「 \(v = \) ?」 空欄に入る数式を答えてください。
\(1\) 秒間に生み出される波の数(振動数 \(f\))と、波 \(1\) 個の長さ(波長 \(\lambda\))を掛け合わせることで、\(1\) 秒間に波が進む距離(=速さ \(v\))が計算できます。
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ごめん、やっぱりイメージできない!救急車の例え話で説明してみて! → 自分の好きなスポーツや身近な現象に例えてもらう!
要するに、波長が短くなるってことだよね? → 自分の言葉でまとめ直して、合っているか確認してもらう!
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