問題46 電磁誘導 (東北大+横浜市立大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(4)(5)の別解: エネルギー保存則を用いた解法
- 模範解答は運動方程式と電流の式を連立して単振動の式を導きますが、別解では系全体のエネルギー(力学的エネルギー+磁気エネルギー)が保存することに着目し、保存則から直接、振動の特性や最大値を導きます。
- 設問(2)〜(5)の別解: 微積分を用いた体系的解法(連立微分方程式)
- 回路方程式と運動方程式を連立微分方程式として捉え、数理的に厳密な手順で解を導出します。
- 設問(4)(5)の別解: エネルギー保存則を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- エネルギー保存則: 抵抗がない回路ではエネルギー損失がないため、保存則を用いることで計算の見通しが非常に良くなり、検算としても強力なツールとなります。
- 微積分: 物理現象を「変化の割合(微分)」と「蓄積(積分)」の関係として捉えることで、公式の暗記ではなく、原理からの深い理解を促します。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「自己誘導を含む電磁気的な単振動」です。導体棒の運動による電磁誘導と、コイルの自己誘導が相互に作用し合い、力学的なばねの復元力と合わさって独特な振動現象を引き起こします。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- ローレンツ力: 磁場中を流れる電流には、磁場と電流の双方に垂直な力が働きます。
- 誘導起電力: 磁場中を導体棒が動くと、ローレンツ力により起電力が生じます(\(V = vBl\))。
- 自己誘導: コイルを流れる電流が変化すると、その変化を妨げる向きに起電力が発生します(\(V = -L \displaystyle\frac{\Delta I}{\Delta t}\))。
- 単振動の運動方程式: 物体が \(F = -K(x – x_0)\) の形の力を受けるとき、\(x_0\) を中心とする周期 \(2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\) の単振動を行います。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、導体棒に働く全ての力(重力、弾性力、磁場からの力)を書き出し、合力を求めます。
- (2)(3)では、電気回路としての側面に注目し、キルヒホッフの法則から電流 \(I\) と位置 \(x\) の関係式を導きます。
- (4)(5)では、(1)の力の式に(3)の結果を代入し、運動方程式を単振動の標準形に帰着させて解きます。
問(1)
思考の道筋とポイント
導体棒Pに働く力をすべて列挙し、符号に注意して合力を求めます。
座標軸は鉛直下向きを正(\(x\)軸)にとっています。
まず、問題文と図から力の向きを正確に把握しましょう。
この設問における重要なポイント
- 力の向きの決定:
- 重力: 質量 \(m\) なので鉛直下向き(\(+x\)方向)。
- 弾性力: 自然長から \(d\) 伸びた位置がつり合い位置(原点O)です。位置 \(x\) にあるとき、ばねの伸びは \(d+x\) となります。ばねは縮もうとするので、力は上向き(\(-x\)方向)です。
- 電流が磁場から受ける力(電磁力):
- 電流 \(I\):正の向きは図の矢印(左向き)ですが、問題文の指示と空間配置を考慮すると、これは「手前向き」を意味します。
- 磁場 \(B\):右向き。
- フレミングの左手の法則(中指=手前、人差し指=右)を適用すると、親指は「上」を向きます。つまり、力は上向き(\(-x\)方向)です。
具体的な解説と立式
導体棒Pの位置を \(x\) とします。
鉛直下向きを正の向きとして、Pに働く力 \(F\) を立式します。
1. 重力: \(mg\) (下向きなので正)
2. 弾性力: ばねの伸びは \(d+x\) なので、大きさは \(k(d+x)\)。向きは上向きなので負。
$$
\begin{aligned}
F_{\text{弾性}} &= -k(d+x)
\end{aligned}
$$
3. 電磁力: 電流 \(I\)、磁束密度 \(B\)、長さ \(l\) なので、大きさは \(IBl\)。向きは上向きなので負。
$$
\begin{aligned}
F_{\text{電磁}} &= -IBl
\end{aligned}
$$
これらを合計します。
$$
\begin{aligned}
F &= mg – k(d+x) – IBl \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$
ここで、原点O(\(x=0\))でのつり合いの式を考えます。
\(x=0\) のとき、電流 \(I=0\)(静止して放す前)であり、重力と弾性力がつり合っています。
$$
\begin{aligned}
(\text{下向きの力}) &= (\text{上向きの力}) \\[2.0ex]
mg &= kd \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
この関係式②を用いて、式①を整理します。
使用した物理公式
- フックの法則: \(F = kx\)
- 電流が磁場から受ける力: \(F = IBl\)
式①に式② \(mg = kd\) を代入して整理します。
$$
\begin{aligned}
F &= kd – k(d+x) – IBl \\[2.0ex]
&= kd – kd – kx – IBl \\[2.0ex]
&= -kx – IBl
\end{aligned}
$$
導体棒には「地球が引っ張る力(重力)」、「ばねが戻ろうとする力(弾性力)」、「磁石の世界で電流が受ける力(電磁力)」の3つが働いています。
最初は重力とばねの力がちょうどバランスを取っている場所(原点)にいますが、そこから動くとばねの力が変わり、さらに電気が流れることで磁場からの力も加わります。
計算の結果、重力とばねの初期の伸びによる力は打ち消し合い、残ったのは「位置のずれによるばねの力」と「電流による力」の2つだけになりました。
答えは \(F = -kx – IBl\) です。
\(x\) が正(下)に行くと、復元力 \(-kx\) は上向き(負)に働きます。また、電流 \(I\) が正なら電磁力も上向き(負)に働きます。符号の整合性は取れています。
問(2)
思考の道筋とポイント
導体棒Pとコイルからなる閉回路について、キルヒホッフの法則(回路方程式)を立てます。
導体棒が動くことで「電池」になり、コイルは電流の変化を嫌がって「逆電池」になります。
この設問における重要なポイント
- 誘導起電力: 導体棒が速度 \(v\) で動くとき、ローレンツ力によりキャリアが移動し、起電力が発生します。
- 大きさ: \(V = vBl\)
- 向き: レンツの法則あるいはローレンツ力の向き(\(v\)下向き、\(B\)右向き \(\rightarrow\) 力は手前向き)より、電流 \(I\) の正の向きと同じです。
- 自己誘導起電力: コイルの自己インダクタンスを \(L\) とすると、電流の変化 \(\Delta I\) に対して逆起電力が生じます。
- 大きさ: \(\left| -L \displaystyle\frac{\Delta I}{\Delta t} \right|\)
- 向き: 電流の増加を妨げる向き。回路方程式では起電力として \(-L \displaystyle\frac{\Delta I}{\Delta t}\) を加えるか、電圧降下として右辺に書きます。
具体的な解説と立式
電流 \(I\) の向き(反時計回り、図では左向き矢印)に回路を一周してキルヒホッフの法則を適用します。
抵抗 \(R=0\) であることに注意してください。
$$
\begin{aligned}
(\text{起電力の和}) &= (\text{電圧降下の和}) \\[2.0ex]
vBl + \left( -L \frac{\Delta I}{\Delta t} \right) &= 0 \cdot I
\end{aligned}
$$
あるいは、起電力の総和が0であると考えてもよいです。
$$
\begin{aligned}
vBl – L \frac{\Delta I}{\Delta t} &= 0
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 誘導起電力: \(V = vBl\)
- 自己誘導起電力: \(V = -L \displaystyle\frac{\Delta I}{\Delta t}\)
- キルヒホッフの第二法則
式を整理します。
$$
\begin{aligned}
vBl – L \frac{\Delta I}{\Delta t} &= 0
\end{aligned}
$$
この回路には電池がありませんが、棒が動くことで「発電機」になります。棒が速く動くほど強い電圧(\(vBl\))が発生し、電流を流そうとします。
一方、コイルは「電流の変化を嫌がる」性質があります。電流が増えようとすると、それを押し返す電圧(\(-L \frac{\Delta I}{\Delta t}\))を作ります。
回路に抵抗がないので、この「進めようとする電圧」と「押し返そうとする電圧」が常にバランスして、合計がゼロになります。
式は \(vBl – L \frac{\Delta I}{\Delta t} = 0\) となります。
速度 \(v\) が正(下向き)なら電流を増やそうとし、コイルがそれに抵抗するという物理的状況を表しています。
問(3)
思考の道筋とポイント
問(2)で得られた式は、速度 \(v\) と電流の変化率 \(\frac{\Delta I}{\Delta t}\) の関係式です。
ここから、電流 \(I\) と位置 \(x\) の直接的な関係を導き出します。
「速度は位置の時間変化率である(\(v = \frac{\Delta x}{\Delta t}\))」という基本関係を使います。
この設問における重要なポイント
- 変数の変換: \(v\) を \(\frac{\Delta x}{\Delta t}\) に置き換えることで、式から時間 \(\Delta t\) を消去できます。
- 初期条件の利用: 積分(または和をとる操作)を行うと定数が現れますが、「時刻 \(t=0\) で \(x=-d, I=0\)」という条件を使ってこの定数を決定します。
具体的な解説と立式
問(2)の式を変形します。
$$
\begin{aligned}
L \frac{\Delta I}{\Delta t} &= vBl
\end{aligned}
$$
ここで、速度の定義 \(v = \frac{\Delta x}{\Delta t}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
L \frac{\Delta I}{\Delta t} &= \frac{\Delta x}{\Delta t} Bl
\end{aligned}
$$
両辺に \(\Delta t\) を掛けて(微小変化量同士の関係にして)、\(\Delta I\) について解きます。
$$
\begin{aligned}
L \Delta I &= Bl \Delta x \\[2.0ex]
\Delta I &= \frac{Bl}{L} \Delta x \quad \cdots ③
\end{aligned}
$$
これが前半の答えです。
次に、この式を積分(積算)して \(I\) と \(x\) の関係を求めます。
変化の割合が一定(\(\frac{Bl}{L}\))なので、\(I\) は \(x\) の一次関数になります。
$$
\begin{aligned}
I &= \frac{Bl}{L} x + C \quad (C\text{は定数})
\end{aligned}
$$
初期条件:\(t=0\) のとき、位置は \(x = -d\)、電流は \(I = 0\) です。
これを代入して \(C\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
0 &= \frac{Bl}{L} (-d) + C \\[2.0ex]
C &= \frac{Bld}{L}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 速度の定義: \(v = \displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}\)
求めた \(C\) を元の式に戻します。
$$
\begin{aligned}
I &= \frac{Bl}{L} x + \frac{Bld}{L} \\[2.0ex]
&= \frac{Bl}{L} (x + d)
\end{aligned}
$$
「電流がどれだけ増えるか」は「棒がどれだけ進んだか」に比例することが分かりました。
つまり、棒が動けば動くほど、それに比例して電流が溜まっていくイメージです。
スタート地点(\(x=-d\))で電流はゼロだったので、そこからの移動距離 \(x – (-d) = x+d\) に比例して電流が流れます。
前半:\(\Delta I = \frac{Bl}{L} \Delta x\)
後半:\(I = \frac{Bl}{L} (x + d)\)
\(x = -d\) で \(I=0\) となり、\(x\) が増える(下に行く)と電流 \(I\) も増えるので、物理的に妥当です。
前半: \(\displaystyle \Delta I = \frac{Bl}{L} \Delta x\)
後半: \(\displaystyle I = \frac{Bl}{L} (x + d)\)
思考の道筋とポイント
微小時間 \(\Delta t\) の代わりに微分 \(dt\) を用いると、より数学的にすっきり記述できます。
回路方程式を微分方程式として扱い、直接積分することで関係式を導きます。
この設問における重要なポイント
- 微分方程式の積分: 変数分離や全微分の形にして積分します。
- 保存量の発見: 式変形により、時間変化しない量(保存量)を見つけ出します。
具体的な解説と立式
回路方程式 \(vBl – L \frac{dI}{dt} = 0\) において、\(v = \frac{dx}{dt}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
Bl \frac{dx}{dt} – L \frac{dI}{dt} &= 0 \\[2.0ex]
\frac{d}{dt} (Blx – LI) &= 0
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 微分の線形性: \(\displaystyle\frac{d}{dt}(A – B) = \frac{dA}{dt} – \frac{dB}{dt}\)
これを時間で積分すると、括弧の中身が保存量(定数)になります。
$$
\begin{aligned}
Blx – LI &= \text{定数}
\end{aligned}
$$
初期状態(\(x=-d, I=0\))を代入すると、
$$
\begin{aligned}
Bl(-d) – L(0) &= \text{定数} \\[2.0ex]
\text{定数} &= -Bld
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
Blx – LI &= -Bld \\[2.0ex]
LI &= Blx + Bld \\[2.0ex]
I &= \frac{Bl}{L}(x+d)
\end{aligned}
$$
回路の式を少し変形すると、「\(Blx – LI\)」という量が時間とともに変化しない(一定である)ことが分かります。
最初の状態の値が分かれば、その後のどんな時でもこの関係が成り立ちます。これを使って \(I\) を \(x\) で表しました。
メイン解法と同じ結果が得られました。微分形式を使うことで、微小変化の積み重ねが積分であることを明確に意識できます。
問(4)
思考の道筋とポイント
問(1)で求めた力 \(F\) の式には電流 \(I\) が含まれていました。
問(3)で \(I\) を \(x\) の関数として表せたので、これを代入して \(F\) を \(x\) だけの関数にします。
式を整理して \(F = -K(x – x_0)\) の形になれば、それは単振動の復元力を表しており、\(K\) から周期、\(x_0\) から振動中心が分かります。
この設問における重要なポイント
- 単振動の一般形: 運動方程式 \(ma = F\) において、力が \(F = -K(x – x_0)\) と表されるとき、
- 振動中心: \(x = x_0\) (力がゼロになる位置)
- 周期: \(T = 2\pi \sqrt{\frac{m}{K}}\) (\(K\) は復元力の比例定数)
具体的な解説と立式
問(1)の式 \(F = -kx – IBl\) に、問(3)の式 \(I = \frac{Bl}{L}(x+d)\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
F &= -kx – \left\{ \frac{Bl}{L}(x+d) \right\} Bl
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 単振動の周期: \(T = 2\pi \sqrt{\displaystyle\frac{m}{K}}\)
式を展開して \(x\) について整理します。
$$
\begin{aligned}
F &= -kx – \frac{(Bl)^2}{L}(x+d) \\[2.0ex]
&= -kx – \frac{B^2 l^2}{L}x – \frac{B^2 l^2 d}{L} \\[2.0ex]
&= -\left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) x – \frac{B^2 l^2 d}{L}
\end{aligned}
$$
ここで、\(x\) の係数全体をくくり出して、\(-K(x – x_0)\) の形に変形します。
復元力の定数 \(K\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
K &= k + \frac{B^2 l^2}{L}
\end{aligned}
$$
これを使って式を変形します。
$$
\begin{aligned}
F &= -K \left( x + \frac{1}{K} \cdot \frac{B^2 l^2 d}{L} \right) \\[2.0ex]
&= -K \left( x + \frac{\frac{B^2 l^2 d}{L}}{k + \frac{B^2 l^2}{L}} \right)
\end{aligned}
$$
分母分子に \(L\) を掛けて分数を整理します。
$$
\begin{aligned}
\frac{\frac{B^2 l^2 d}{L}}{k + \frac{B^2 l^2}{L}} &= \frac{B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2}
\end{aligned}
$$
よって、力 \(F\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
F &= -\left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) \left( x + \frac{B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2} \right)
\end{aligned}
$$
これは振動中心 \(x_0\) が負の位置にあることを示しています。
振動中心の座標 \(x_0\) は、括弧の中が \(x – x_0\) となる値なので、
$$
\begin{aligned}
x_0 &= – \frac{B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2}
\end{aligned}
$$
周期 \(T\) は \(K = k + \frac{B^2 l^2}{L} = \frac{kL + B^2 l^2}{L}\) を用いて、
$$
\begin{aligned}
T &= 2\pi \sqrt{\frac{m}{K}} \\[2.0ex]
&= 2\pi \sqrt{\frac{m}{\frac{kL + B^2 l^2}{L}}} \\[2.0ex]
&= 2\pi \sqrt{\frac{mL}{kL + B^2 l^2}}
\end{aligned}
$$
電流の効果を力の式に組み込むと、あたかも「ばねが強くなった」ような式になりました。
元のばね定数 \(k\) に、電気的なばね定数 \(\frac{B^2 l^2}{L}\) が追加された形です。
ばねが強くなったので、振動のテンポ(周期)は速く(短く)なります。
また、振動の中心も、元のつり合い位置(\(x=0\))から少し上にずれます。これは、電流による力が常に上向きに作用する成分を持っているためです。
周期 \(T = 2\pi \sqrt{\frac{mL}{kL + B^2 l^2}}\)、振動中心 \(x_0 = – \frac{B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2}\)。
\(B=0\)(磁場なし)とすると、\(T = 2\pi \sqrt{m/k}\)、\(x_0 = 0\) となり、通常のばね振り子に戻ります。これは物理的に正しい結果です。
周期 \(T\): \(\displaystyle 2\pi \sqrt{\frac{mL}{kL + B^2 l^2}}\)
振動中心 \(x_0\): \(\displaystyle – \frac{B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2}\)
思考の道筋とポイント
この系には抵抗がないため、エネルギー損失がありません。
力学的エネルギー(運動+弾性+重力)と、コイルの磁気エネルギーの総和が保存されます。
この保存則から、ポテンシャルエネルギーの最小点(安定点)を探すことで振動中心を特定できます。
この設問における重要なポイント
- 全エネルギーの保存: \(E = K + U_{\text{弾性}} + U_{\text{重力}} + U_{\text{磁気}} = \text{一定}\)
- 実効的なポテンシャル: 磁気エネルギーも含めたポテンシャル \(U_{\text{全}}\) を定義し、その最小点が振動の中心となります。
具体的な解説と立式
系の全エネルギー \(E\) は以下の通りです。
$$
\begin{aligned}
E &= \frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}k(d+x)^2 – mgx + \frac{1}{2}LI^2
\end{aligned}
$$
ここで、\(I = \frac{Bl}{L}(x+d)\) を代入して \(I\) を消去し、\(x\) だけのポテンシャル関数 \(U(x)\) を作ります。
$$
\begin{aligned}
U(x) &= \frac{1}{2}k(d+x)^2 – mgx + \frac{1}{2}L \left\{ \frac{Bl}{L}(x+d) \right\}^2 \\[2.0ex]
&= \frac{1}{2}k(d+x)^2 – mgx + \frac{1}{2} \frac{B^2 l^2}{L} (x+d)^2
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 弾性エネルギー: \(\frac{1}{2}kx^2\)
- 重力ポテンシャル: \(mgh\)
- コイルのエネルギー: \(\frac{1}{2}LI^2\)
ここで \(mg = kd\) を用いて \(-mgx = -kdx\) とします。
$$
\begin{aligned}
U(x) &= \frac{1}{2} \left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) (x+d)^2 – kdx
\end{aligned}
$$
この \(U(x)\) は \(x\) の二次関数(放物線)であり、その底が振動の中心です。
微分して \(U'(x)=0\) となる \(x\) を探します。
$$
\begin{aligned}
\frac{dU}{dx} &= \left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) \cdot 2(x+d) \cdot \frac{1}{2} – kd \\[2.0ex]
&= \left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) (x+d) – kd
\end{aligned}
$$
\(\frac{dU}{dx} = 0\) となる \(x = x_0\) は、
$$
\begin{aligned}
\left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) (x_0+d) &= kd \\[2.0ex]
x_0 + d &= \frac{kd}{k + \frac{B^2 l^2}{L}} \\[2.0ex]
&= \frac{kdL}{kL + B^2 l^2} \\[2.0ex]
x_0 &= \frac{kdL}{kL + B^2 l^2} – d \\[2.0ex]
&= \frac{kdL – d(kL + B^2 l^2)}{kL + B^2 l^2} \\[2.0ex]
&= \frac{- B^2 l^2 d}{kL + B^2 l^2}
\end{aligned}
$$
これはメイン解法と一致します。
また、\(x^2\) の係数が実質的なばね定数 \(K\) の半分に相当するので、
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2} K &= \frac{1}{2} \left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right)
\end{aligned}
$$
より、\(K\) も一致し、周期も同様に求まります。
力学的なエネルギーだけでなく、コイルに蓄えられる磁気エネルギーも合わせて「全体のエネルギー」と考えます。
この合計エネルギーが一番低くなる場所が、振動の底(中心)になります。
計算してみると、やはりメイン解法と同じ場所が中心になることが確認できました。
エネルギー保存則を用いても、全く同じ振動中心と周期が導かれました。これにより、力学系と電気系が結合した振動現象であることがより深く理解できます。
問(5)
思考の道筋とポイント
電流 \(I\) の最大値を求めます。
問(3)の結果 \(I = \frac{Bl}{L}(x+d)\) より、\(I\) は \(x\) の一次関数(傾き正)です。
したがって、\(x\) が最大のとき(一番下まで下がったとき)、電流 \(I\) も最大になります。
単振動の対称性を利用して、最下点 \(x_{\text{最大}}\) を求めます。
この設問における重要なポイント
- 単振動の対称性: 単振動は振動中心 \(x_0\) を中心に、上下に対称に動きます。
- 振幅: スタート地点(初速度0の点)は振動の端点です。
- スタート地点: \(x = -d\)
- 振動中心: \(x = x_0\)
- 振幅 \(A\): \(|x_0 – (-d)| = x_0 + d\)
- もう一方の端点(最下点): \(x_{\text{最大}} = x_0 + A\)
具体的な解説と立式
まず、振幅 \(A\) を求めます。
物体は \(x = -d\) で静かに放されたので、ここが振動の上端です。
$$
\begin{aligned}
A &= x_0 – (-d) \\[2.0ex]
&= x_0 + d
\end{aligned}
$$
最下点 \(x_{\text{最大}}\) は、中心 \(x_0\) からさらに \(A\) だけ下がった位置です。
$$
\begin{aligned}
x_{\text{最大}} &= x_0 + A \\[2.0ex]
&= x_0 + (x_0 + d) \\[2.0ex]
&= 2x_0 + d
\end{aligned}
$$
この \(x_{\text{最大}}\) を電流の式 \(I = \frac{Bl}{L}(x+d)\) に代入して \(I_{\text{最大}}\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
I_{\text{最大}} &= \frac{Bl}{L} (x_{\text{最大}} + d)
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 単振動の性質: 端点間の距離は振幅の2倍
式に \(x_{\text{最大}} = 2x_0 + d\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
I_{\text{最大}} &= \frac{Bl}{L} \{ (2x_0 + d) + d \} \\[2.0ex]
&= \frac{Bl}{L} (2x_0 + 2d) \\[2.0ex]
&= \frac{2Bl}{L} (x_0 + d)
\end{aligned}
$$
ここで、\(x_0 + d\) の値を計算しておきます。問(4)の計算過程より、
$$
\begin{aligned}
x_0 + d &= \frac{kdL}{kL + B^2 l^2}
\end{aligned}
$$
でした。これを代入します。
$$
\begin{aligned}
I_{\text{最大}} &= \frac{2Bl}{L} \cdot \frac{kdL}{kL + B^2 l^2} \\[2.0ex]
&= \frac{2Blkd}{kL + B^2 l^2}
\end{aligned}
$$
電流は「どれだけ下がったか」で決まります。一番下まで行ったときが最大です。
単振動では「中心から上端までの距離」と「中心から下端までの距離」は同じです。
これを使って一番下の位置を計算し、それを電流の式に入れれば最大電流が出ます。
答えは \(I_{\text{最大}} = \frac{2Blkd}{kL + B^2 l^2}\) です。
次元を確認すると、分子は \([T][L][M/T^2][L] = [M L^2 / T]\) のような複雑な形になりますが、\(kL\) と \(B^2 l^2\) は同じ次元(力の比例定数×インダクタンス)を持つため、分母分子で整合します。
また、\(d=0\) なら電流は流れない(振動しない)ので0となり、正しいです。
思考の道筋とポイント
設問(2)から(5)までの流れを、微分方程式を用いて一気に解くアプローチです。
物理現象を「運動方程式」と「回路方程式」という2つの微分方程式の連立系として捉えます。
この設問における重要なポイント
- 連立微分方程式: 力学系と電気系が相互作用する系を記述します。
- 一括解法: 個別の設問を解くのではなく、系の一般解を求めることで全ての答えを導きます。
具体的な解説と立式
1. 運動方程式:
$$
\begin{aligned}
m \frac{d^2x}{dt^2} &= mg – k(d+x) – IBl \quad \cdots \text{(i)}
\end{aligned}
$$
2. 回路方程式:
$$
\begin{aligned}
Bl \frac{dx}{dt} – L \frac{dI}{dt} &= 0 \quad \cdots \text{(ii)}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- ニュートンの運動方程式: \(F = ma\)
- キルヒホッフの法則(微分形)
式(ii)を \(t\) で積分します(初期条件 \(t=0, x=-d, I=0\))。
$$
\begin{aligned}
\int Bl \frac{dx}{dt} dt &= \int L \frac{dI}{dt} dt \\[2.0ex]
Blx &= LI + C
\end{aligned}
$$
初期条件を代入して \(C\) を決定します。
$$
\begin{aligned}
Bl(-d) &= L(0) + C \\[2.0ex]
C &= -Bld
\end{aligned}
$$
よって、
$$
\begin{aligned}
LI &= Bl(x+d) \\[2.0ex]
I &= \frac{Bl}{L}(x+d) \quad \cdots \text{(iii)}
\end{aligned}
$$
これが問(3)の答えです。
次に、式(iii)を式(i)に代入して \(I\) を消去します。
$$
\begin{aligned}
m \frac{d^2x}{dt^2} &= mg – k(d+x) – \frac{Bl}{L}(x+d) \cdot Bl \\[2.0ex]
&= kd – k(d+x) – \frac{B^2 l^2}{L}(x+d) \quad (\text{つり合い } mg=kd \text{ より}) \\[2.0ex]
&= -kx – \frac{B^2 l^2}{L}x – \frac{B^2 l^2 d}{L} \\[2.0ex]
&= – \left( k + \frac{B^2 l^2}{L} \right) x – \frac{B^2 l^2 d}{L}
\end{aligned}
$$
これは単振動の方程式 \(m \ddot{x} = -K(x – x_0)\) の形です。
ここから問(4)の周期と中心が得られます。
最後に、エネルギー積分(第一積分)を行います。
運動方程式(i)の両辺に速度 \(v = \frac{dx}{dt}\) を掛け、回路方程式(ii)の両辺に電流 \(I\) を掛けて足し合わせると、全エネルギーの保存則が導かれます。
$$
\begin{aligned}
\frac{d}{dt} \left( \frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}k(d+x)^2 – mgx + \frac{1}{2}LI^2 \right) &= 0
\end{aligned}
$$
この保存則を用いれば、問(5)の最大値問題もエネルギーの観点から解くことができます。
力学の式と電気の式を連立させて解くことで、この現象の全てを記述する方程式が得られました。
この方程式を解く過程で、電流と位置の関係や、振動の周期などが自然に導き出されます。
また、式を操作することでエネルギー保存則も自動的に現れることが確認できました。
微分方程式を体系的に解くことで、全ての設問の答えが一貫したロジックで導かれました。
問(Q)
思考の道筋とポイント
コイルを2つに分割した場合の合成インダクタンスを考えます。
(ア)は直列接続、(イ)は並列接続です。
抵抗の合成とはルールが異なる(あるいは同じ)かを確認します。
この設問における重要なポイント
- 直列接続: 電流変化が共通、起電力が和になります。
- 並列接続: 起電力が共通、電流変化が和になります。
具体的な解説と立式
(ア) 直列接続
2つのコイルを直列につなぐと、共通の電流変化 \(\frac{\Delta I}{\Delta t}\) に対して、それぞれのコイルで逆起電力 \(V_1 = -L_1 \frac{\Delta I}{\Delta t}\), \(V_2 = -L_2 \frac{\Delta I}{\Delta t}\) が発生します。
全体の起電力 \(V\) はその和になります。
$$
\begin{aligned}
V &= V_1 + V_2 \\[2.0ex]
-L_{\text{合成}} \frac{\Delta I}{\Delta t} &= -L_1 \frac{\Delta I}{\Delta t} – L_2 \frac{\Delta I}{\Delta t}
\end{aligned}
$$
(イ) 並列接続
2つのコイルを並列につなぐと、両端の電圧(誘導起電力)\(V\) が共通になります。
電流の変化率 \(\frac{\Delta I}{\Delta t}\) は、各コイルの変化率の和になります(キルヒホッフの第一法則の微分形)。
$$
\begin{aligned}
\frac{\Delta I}{\Delta t} &= \frac{\Delta I_1}{\Delta t} + \frac{\Delta I_2}{\Delta t}
\end{aligned}
$$
各コイルについて \(V = -L \frac{\Delta I}{\Delta t}\) より \(\frac{\Delta I}{\Delta t} = -\frac{V}{L}\) なので、
$$
\begin{aligned}
-\frac{V}{L_{\text{合成}}} &= -\frac{V}{L_1} – \frac{V}{L_2}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 自己誘導の式: \(V = -L \displaystyle\frac{\Delta I}{\Delta t}\)
- キルヒホッフの法則
(ア) 直列接続
$$
\begin{aligned}
L_{\text{合成}} &= L_1 + L_2
\end{aligned}
$$
よって、\(L\) を \(L_1 + L_2\) に置き換えます。
(イ) 並列接続
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{L_{\text{合成}}} &= \frac{1}{L_1} + \frac{1}{L_2} \\[2.0ex]
L_{\text{合成}} &= \frac{L_1 L_2}{L_1 + L_2}
\end{aligned}
$$
よって、\(L\) を \(\frac{L_1 L_2}{L_1 + L_2}\) に置き換えます。
コイルをつなぐとき、直列だと「変化を妨げる能力」が足し算されて強くなります。
並列だと、電流の通り道が増えるので「変化を妨げる能力」は弱くなります(合成インダクタンスが小さくなる)。
これは抵抗の合成と同じルールです。
コイルの合成則は、抵抗の合成則と同じ形になります(直列は和、並列は逆数の和)。
ばね定数やコンデンサーとは逆の対応になるので注意が必要です。
(ア) \(L\) を \(L_1 + L_2\) に置き換える
(イ) \(L\) を \(\displaystyle \frac{L_1 L_2}{L_1 + L_2}\) に置き換える
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 電磁誘導と自己誘導の相互作用
- 核心: 導体棒の運動による誘導起電力と、コイルの自己誘導による逆起電力が釣り合うことで、電流と位置の間に比例関係が生じます。
- 理解のポイント:
- 導体棒は「速度に応じた電池」、コイルは「電流変化に応じた抵抗勢力」として振る舞います。
- 抵抗がない回路では、キルヒホッフの法則により、これら2つの起電力の和が常にゼロになります。
- 電磁気力が関与する単振動
- 核心: 電流が位置に比例するため、電流が磁場から受ける力(\(IBl\))も位置に比例する復元力として働き、ばね定数が見かけ上増加します。
- 理解のポイント:
- 通常のばね振り子に、電気的な復元力が加わった「強化されたばね」として解釈できます。
- 力の式を整理して \(F = -K(x – x_0)\) の形に帰着させることが、単振動解析のゴールです。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- コンデンサーを含む回路: コイルの代わりにコンデンサーがつながっている場合、\(I = \frac{dq}{dt}\) と \(Q=CV\) を用いて同様に微分方程式を立てます。
- レールが傾いている場合: 重力の成分が変わるだけで、運動方程式と回路方程式を連立させる手順は全く同じです。
- 初見の問題での着眼点:
- 回路方程式の積分: 「\(v\) と \(\frac{\Delta I}{\Delta t}\)」の関係式が出たら、すぐに積分して「\(x\) と \(I\)」の関係式に変換できないか疑います。
- 力の依存性: 力 \(F\) が位置 \(x\) だけでなく速度 \(v\) や電流 \(I\) に依存する場合、それらを \(x\) で表すことで単振動の形に持ち込めるか確認します。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 起電力の向きと符号のミス:
- 誤解: レンツの法則を適用する際、磁束の変化の向きを逆に捉えてしまい、誘導起電力の符号を間違える。
- 対策: 「磁束が増えるのを妨げる」という定性的なチェックと、ローレンツ力 \(q(\vec{v} \times \vec{B})\) による厳密な向きの確認を併用します。
- 振動中心のずれの見落とし:
- 誤解: 単振動の中心は常に原点(\(x=0\))や自然長の位置であると思い込む。
- 対策: 必ず力のつり合いの位置(\(F=0\) となる \(x\))を計算し、そこを \(x_0\) として \(F = -K(x – x_0)\) の形に変形する習慣をつけます。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 微積分を用いた連立解法(別解):
- 選定理由: 個別の設問(電流の式、周期、最大値)をバラバラに解くのではなく、現象全体を支配する方程式から一貫して導くことで、物理的な見通しが良くなるため。
- 適用根拠: ニュートンの運動方程式とキルヒホッフの法則は、瞬間の状態を記述する微分方程式であり、これを連立させて解くことが物理学の王道アプローチであるため。
- エネルギー保存則(別解):
- 選定理由: 抵抗がない系ではエネルギー散逸がないため、複雑な運動方程式を解かずに、状態(位置と電流)だけで最大値などを即座に求められるため。
- 適用根拠: 非保存力(抵抗によるジュール熱など)が仕事をしない系であること。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 次元解析(単位チェック):
- 意識: 複雑な文字式の計算では、答えの次元が合っているか常に疑います。
- 実践: 例えば周期 \(T\) のルートの中身 \(\frac{mL}{kL + B^2 l^2}\) において、分母の \(kL\) と \(B^2 l^2\) が同じ次元(力の定数×インダクタンス)であることを確認します。
- 極限的なケースでの検算:
- 意識: パラメータを0や無限大にしたとき、既知の単純な系に戻るか確認します。
- 実践: \(B=0\) (磁場なし)としたとき、周期が \(2\pi\sqrt{m/k}\) (ただのばね振り子)に戻ることを確認します。
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問題47 過渡現象・交流 (センター試験+九州大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(1)〜(4)の別解: 微積分を用いた体系的解法(RC回路の過渡現象)
- 回路方程式を微分方程式として立式し、電流や電荷の時間変化を関数として厳密に導出します。これにより、「直後は導線」「十分時間が経てば断線」といった定性的な振る舞いが数式から自然に導かれることを示します。
- 設問(5)(6)(Q)の別解: 微積分を用いた体系的解法(LC回路の電気振動)
- 回路方程式を単振動の微分方程式(\( \ddot{q} + \omega^2 q = 0 \))に帰着させ、一般解を求めます。初期条件(電荷と電流の初期値)の違いによって、設問(5)と(6)の現象が同じ数理モデルで説明できることを一括して解説します。
- 設問(1)〜(4)の別解: 微積分を用いた体系的解法(RC回路の過渡現象)
- 上記の別解が有益である理由
- RC回路: 「コンデンサーの振る舞い」を暗記するのではなく、電荷の蓄積プロセスとして理解できます。
- LC回路: 設問ごとに個別に考えるのではなく、初期条件が異なるだけの同一の物理現象(単振動)として統一的に理解することで、応用力が飛躍的に向上します。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「回路のスイッチ操作に伴う過渡現象と電気振動」です。
前半はコンデンサーを含むRC回路の充電・放電過程、後半はコイルとコンデンサーによるLC共振回路(電気振動)を扱います。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- コンデンサーの過渡特性:
- スイッチを入れた直後(電荷なし) \(\rightarrow\) 電位差0 \(\rightarrow\) 導線とみなせる。
- 十分時間が経過(充電完了) \(\rightarrow\) 電流0 \(\rightarrow\) 断線とみなせる。
- コイルの定常特性:
- 直流回路で十分時間が経過 \(\rightarrow\) 誘導起電力0 \(\rightarrow\) 導線とみなせる。
- 電気振動(LC回路):
- コイルとコンデンサーだけの閉回路では、エネルギーが電場と磁場の間を行き来し、電荷や電流が単振動(サイン・コサイン波)の形で変化します。
- エネルギー保存則:
- 抵抗で消費される熱量や、振動回路における最大値の計算に用います。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)〜(4)では、コンデンサーの状態(電荷の有無)と回路の接続状況(直列・並列)を整理し、キルヒホッフの法則やオームの法則を適用します。
- (5)〜(Q)では、初期状態(スタート時の電荷と電流)を正確に把握し、単振動のアナロジー(ばね振り子)やエネルギー保存則を用いて解析します。
問(1)
ここから先が、他の受験生と差がつく重要パートです。
「解法に至る思考プロセス」を
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なぜその公式を使うのか?どうしてその着眼点を持てるのか?
市販の解説では省略されてしまう「行間の思考」を、泥臭く解説しています。
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