問題28 円運動 (筑波大+名古屋大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(2)〜(5)の別解1: 慣性系(静止した観測者)からの運動方程式を用いた解法
- 模範解答が「力のつりあい(遠心力)」で解くのに対し、別解1では「運動方程式(向心力)」を用いて解きます。
- 設問(5)の別解2: 微積分を用いた体系的解法(一括解説)
- 運動方程式の微分形から出発し、積分操作によってエネルギー保存則を導出し、さらに張力の式を導く原理的なアプローチをとります。
- 設問(2)〜(5)の別解1: 慣性系(静止した観測者)からの運動方程式を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- 運動方程式の解法: 円運動の現象を、見かけの力(遠心力)に頼らず、ニュートンの運動法則から直接的に理解する力を養います。特に、力の向きと加速度の向きの関係を明確に意識できるようになります。
- 微積分の解法: 「公式の暗記」ではなく、力学の基本原理から全ての物理量が導かれる過程を理解することで、応用問題への対応力を高めます。設問(1)〜(5)の全てを包括する一般解を示します。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「鉛直面内での円運動と幾何学的条件の変化」です。
糸の長さ(回転半径)が途中で変化する状況下で、速さ、張力、そして円運動を維持するための条件を考察します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 力学的エネルギー保存則: 糸の張力は仕事をしないため、重力のみが仕事をする系としてエネルギーが保存されます。
- 円運動の運動方程式(または力のつりあい): 半径方向の力に着目し、円運動を維持するために必要な力(向心力)や張力を計算します。
- 円運動の臨界条件: 糸がたるまずに円運動を続けるためには、張力 \(T \ge 0\) である必要があります。特に最高点での条件が重要です。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、高さの変化に着目し、エネルギー保存則から最下点での速さを求めます。
- (2)では、くぎに当たる直前(半径 \(l\))と直後(半径 \(l/4\))のそれぞれについて、遠心力を考慮した力のつりあいの式を立てて張力を求めます。
- (3)では、水平位置でのエネルギー保存則と力のつりあいを連立させます。
- (4)では、任意の角度における速さと張力の式を導き、張力が \(0\) になる条件を探ります。
- (5)では、最高点を通過するための限界の条件(張力 \(0\))から必要な初速(初期角度)を逆算します。
問(1)
思考の道筋とポイント
小球は重力のみを受けて運動しており、糸の張力は常に運動方向と垂直であるため仕事をしません。したがって、力学的エネルギー保存則が成立します。
初期位置(角度 \(60^\circ\))と最下点Cとの高さの差を正確に求めることがポイントです。
この設問における重要なポイント
- 高さの基準: 最下点Cを高さの基準(\(h=0\))にとると計算しやすくなります。
- 幾何学的関係: 糸の長さ \(l\) と角度 \(60^\circ\) から、初期位置の高さを求めます。
具体的な解説と立式
最下点Cを重力による位置エネルギーの基準(高さ \(0\))とします。
初期位置において、糸は鉛直線と \(60^\circ\) の角をなしています。
点Aから最下点Cまでの距離は \(l\) です。
点Aから初期位置の小球までの鉛直距離は \(l \cos 60^\circ\) です。
したがって、最下点Cから見た初期位置の高さ \(h\) は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
h &= l – l \cos 60^\circ
\end{aligned}
$$
求める最下点での速さを \(v_0\) とします。
「(初期位置の力学的エネルギー) = (最下点の力学的エネルギー)」という保存則の式を立てます。
$$
\begin{aligned}
mg(l – l \cos 60^\circ) &= \frac{1}{2}mv_0^2
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 力学的エネルギー保存則: \(K_1 + U_1 = K_2 + U_2\)
- 位置エネルギー: \(U = mgh\)
立式した式を計算します。
$$
\begin{aligned}
mg l (1 – \cos 60^\circ) &= \frac{1}{2}mv_0^2 \\[2.0ex]
mg l \left( 1 – \frac{1}{2} \right) &= \frac{1}{2}mv_0^2 \\[2.0ex]
mg l \cdot \frac{1}{2} &= \frac{1}{2}mv_0^2 \\[2.0ex]
gl &= v_0^2
\end{aligned}
$$
\(v_0 > 0\) より、
$$
\begin{aligned}
v_0 &= \sqrt{gl}
\end{aligned}
$$
小球が高いところから低いところへ落ちることで、位置エネルギーが運動エネルギーに変わりました。
スタート地点の高さは、一番下から測ると「糸の長さ」から「糸の長さの半分(\(\cos 60^\circ\)分)」を引いた残りになります。
この高さの分だけスピードがついたと考えればOKです。
答えは \(\sqrt{gl}\) です。
次元を確認すると、\([\text{L}/\text{T}^2] \cdot [\text{L}] = [\text{L}^2/\text{T}^2]\) のルートなので、速さの次元 \([\text{L}/\text{T}]\) となり正しいです。
また、自由落下の場合の \(v=\sqrt{2gh}\) と比較しても、妥当な形をしています。
問(2)
思考の道筋とポイント
最下点Cを通過する瞬間、小球には重力と張力が働いています。
ここでは「小球と共に動く観測者」の視点に立ち、遠心力を考慮した力のつりあいを考えます。
重要なのは、くぎに当たる「直前」と「直後」で円運動の半径が劇的に変化することです。
- 直前: 中心はA、半径は \(l\)。
- 直後: 中心はB、半径は \(l – \frac{3}{4}l = \frac{1}{4}l\)。
速さ \(v_0\) は瞬間的には変化しませんが、半径が変わることで遠心力が急変し、張力も不連続に変化します。
この設問における重要なポイント
- 遠心力の公式: \(F_{\text{遠心力}} = m\frac{v^2}{r}\)。半径 \(r\) が分母にあるため、半径が小さいほど遠心力は大きくなります。
- 力のつりあい: 半径方向(鉛直方向)について、上向きの力と下向きの力がつりあいます。
具体的な解説と立式
① 直前の張力 \(T_1\)
半径は \(l\)、速さは \(v_0\) です。
小球には以下の力が働いています。
- 上向き: 張力 \(T_1\)
- 下向き: 重力 \(mg\)、遠心力 \(m\frac{v_0^2}{l}\)
力のつりあいの式(上向きの力の和 = 下向きの力の和)を立てます。
$$
\begin{aligned}
T_1 &= mg + m\frac{v_0^2}{l} \quad \cdots ①
\end{aligned}
$$
② 直後の張力 \(T_2\)
半径は \(\frac{1}{4}l\)、速さは \(v_0\)(変化なし)です。
小球には以下の力が働いています。
- 上向き: 張力 \(T_2\)
- 下向き: 重力 \(mg\)、遠心力 \(m\frac{v_0^2}{\frac{1}{4}l}\)
力のつりあいの式(上向きの力の和 = 下向きの力の和)を立てます。
$$
\begin{aligned}
T_2 &= mg + m\frac{v_0^2}{\frac{1}{4}l} \quad \cdots ②
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 遠心力: \(F = m\frac{v^2}{r}\)
- 力のつりあい: \(\sum \vec{F} = 0\)
まず、問(1)の結果 \(v_0^2 = gl\) を用います。
式①より、
$$
\begin{aligned}
T_1 &= mg + m\frac{gl}{l} \\[2.0ex]
&= mg + mg \\[2.0ex]
&= 2mg
\end{aligned}
$$
式②より、
$$
\begin{aligned}
T_2 &= mg + m\frac{gl}{\frac{1}{4}l} \\[2.0ex]
&= mg + 4mg \\[2.0ex]
&= 5mg
\end{aligned}
$$
くぎに糸がひっかかった瞬間、回転の中心が変わり、回転半径が一気に \(1/4\) に縮まりました。
同じスピードでカーブを曲がるとき、カーブがきつい(半径が小さい)ほど、外に放り出されようとする力(遠心力)は強烈になります。
今回は半径が \(1/4\) になったので、遠心力は4倍に跳ね上がりました。
糸はこの強烈な遠心力と重力の両方を支えなければならないため、張力も一気に大きくなります。
\(T_1 = 2mg\)、\(T_2 = 5mg\) です。
半径が小さくなったことで張力が増大しており、物理的直感と一致します。
特に \(T_2\) は \(5mg\) もあり、糸が切れやすくなる瞬間であることがわかります。
思考の道筋とポイント
静止した観測者から見ると、小球は円運動をしており、加速度運動をしています。
加速度の向きは常に円の中心(上向き)です。
「力 = 質量 \(\times\) 加速度」という運動方程式を立てて解きます。
この設問における重要なポイント
- 向心加速度: 半径 \(r\)、速さ \(v\) の円運動の加速度は、中心向きに \(a = \frac{v^2}{r}\) です。
- 運動方程式: 運動方向(中心向き)を正として立式します。
具体的な解説と立式
① 直前の場合
加速度は上向き(中心A向き)に \(\frac{v_0^2}{l}\) です。
力は上向きに \(T_1\)、下向きに \(mg\) です。
運動方程式(\(ma = F_{\text{合力}}\))を、上向きを正として立てます。
$$
\begin{aligned}
m \frac{v_0^2}{l} &= T_1 – mg \quad \cdots ③
\end{aligned}
$$
② 直後の場合
加速度は上向き(中心B向き)に \(\frac{v_0^2}{\frac{1}{4}l}\) です。
力は上向きに \(T_2\)、下向きに \(mg\) です。
同様に運動方程式を立てます。
$$
\begin{aligned}
m \frac{v_0^2}{\frac{1}{4}l} &= T_2 – mg \quad \cdots ④
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 円運動の運動方程式: \(m\frac{v^2}{r} = F_{\text{向心方向}}\)
式③を変形して \(T_1\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
T_1 &= m \frac{v_0^2}{l} + mg
\end{aligned}
$$
これはメイン解法の式①と全く同じ形になり、\(v_0^2=gl\) を代入して \(T_1 = 2mg\) となります。
式④を変形して \(T_2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
T_2 &= m \frac{v_0^2}{\frac{1}{4}l} + mg
\end{aligned}
$$
これもメイン解法の式②と同じ形になり、\(T_2 = 5mg\) となります。
外から見ている人にとっては、小球は急激に上向きに方向転換(加速)させられています。
この「方向転換させる力(向心力)」の役割を果たしているのが、重力に逆らって引っ張り上げる糸の張力と、重力の合力です。
半径が小さくなると、急激な方向転換が必要になるため、必要な力が大きくなり、結果として張力が大きくなります。
メイン解法と同じ結果が得られました。
遠心力(見かけの力)を使わなくても、ニュートンの運動法則から正しく導けることが確認できました。
問(3)
思考の道筋とポイント
点Dは点Bと同じ高さにあります。
まず、点Dでの速さ \(v_D\) をエネルギー保存則から求めます。
次に、点Dにおける力のつりあいを考えます。点Dでは糸は水平になっているため、重力と張力の向きは直交します。
この設問における重要なポイント
- 高さの関係: 点Dは点Bと同じ高さであり、最下点Cからの高さは半径と同じ \(\frac{1}{4}l\) です。
- 力の向き: 点Dでは、張力 \(T_D\) は水平方向(中心向き)、重力 \(mg\) は鉛直下向きに働きます。遠心力は水平方向(外向き)に働きます。
具体的な解説と立式
点Dでの速さを \(v_D\) とします。
最下点C(高さ \(0\)、速さ \(v_0\))と点D(高さ \(\frac{1}{4}l\)、速さ \(v_D\))の間で力学的エネルギー保存則を立てます。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}mv_0^2 &= \frac{1}{2}mv_D^2 + mg \cdot \frac{1}{4}l \quad \cdots ⑤
\end{aligned}
$$
次に、点Dにおける水平方向の力のつりあいを考えます。
小球と共に動く観測者から見ると、以下の力が水平方向に働いています。
- 中心向き(左向き): 張力 \(T_D\)
- 外向き(右向き): 遠心力 \(m\frac{v_D^2}{\frac{1}{4}l}\)
水平方向の力のつりあいの式(左向きの力 = 右向きの力)を立てます。
$$
\begin{aligned}
T_D &= m\frac{v_D^2}{\frac{1}{4}l} \quad \cdots ⑥
\end{aligned}
$$
(※鉛直方向には重力が働いていますが、張力には寄与しません)
使用した物理公式
- 力学的エネルギー保存則
- 遠心力を用いた力のつりあい
まず、式⑤から \(v_D^2\) を求めます。\(v_0^2 = gl\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}m(gl) &= \frac{1}{2}mv_D^2 + \frac{1}{4}mgl \\[2.0ex]
gl &= v_D^2 + \frac{1}{2}gl \\[2.0ex]
v_D^2 &= \frac{1}{2}gl
\end{aligned}
$$
これを式⑥に代入して \(T_D\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
T_D &= m \frac{\frac{1}{2}gl}{\frac{1}{4}l} \\[2.0ex]
&= m \cdot \frac{1}{2}g \cdot 4 \\[2.0ex]
&= 2mg
\end{aligned}
$$
小球が少し登ったので、スピードは落ちました。
横向きの位置(点D)に来たとき、糸が引っ張る力は、そのまま円運動を維持するための力(向心力)として使われます。重力は真下に働くので、糸を引っ張る邪魔も手助けもしません。
計算すると、ちょうど重力の2倍の力で引っ張っていることがわかります。
答えは \(2mg\) です。
最下点直後の \(5mg\) から減少しており、高さが上がって速さが落ちたことと整合します。
思考の道筋とポイント
静止した観測者から見て、点Dにおける水平方向の運動方程式を立てます。
加速度は中心向き(水平左向き)です。
この設問における重要なポイント
- 運動方程式: 水平方向の力は張力のみです。
具体的な解説と立式
点Dでの速さ \(v_D\) はメイン解法と同様にエネルギー保存則から求めます。
水平方向(中心向き)の運動方程式(\(ma = F\))を立てます。
力は張力 \(T_D\) のみです(重力は垂直なので寄与しません)。
$$
\begin{aligned}
m \frac{v_D^2}{\frac{1}{4}l} &= T_D
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 円運動の運動方程式: \(m\frac{v^2}{r} = F_{\text{向心方向}}\)
\(v_D^2 = \frac{1}{2}gl\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
T_D &= m \frac{\frac{1}{2}gl}{\frac{1}{4}l} \\[2.0ex]
&= 2mg
\end{aligned}
$$
外から見ると、小球は左向きに加速(方向転換)しています。
この加速を生み出しているのは、糸が引っ張る力だけです。
重力は下向きなので、横方向の動きには関係ありません。
メイン解法と完全に一致します。
運動方程式の右辺(力)が張力のみになるため、式がシンプルになります。
問(4)
思考の道筋とポイント
点Eにおける速さを \(v_E\) とし、エネルギー保存則と力のつりあいを連立させます。
「糸がゆるむ」とは、張力 \(T\) が \(0\) になる瞬間を指します。
点Eの位置(高さ)を角度 \(\alpha\) を用いて表す幾何学的な考察が必要です。
この設問における重要なポイント
- 点Eの高さ: 点Bを中心とする半径 \(\frac{1}{4}l\) の円周上にあり、水平線BDから角度 \(\alpha\) だけ上がった位置です。最下点Cからの高さは \(\frac{1}{4}l + \frac{1}{4}l \sin \alpha\) となります。
- 力の分解: 重力 \(mg\) を半径方向(外向き成分)と接線方向に分解します。半径方向成分は \(mg \sin \alpha\) です。
- ゆるむ条件: 張力 \(T_E = 0\) と置きます。
具体的な解説と立式
点Eでの速さを \(v_E\) とします。
最下点C(高さ \(0\)、速さ \(v_0\))と点E(高さ \(\frac{1}{4}l(1+\sin\alpha)\))の間で力学的エネルギー保存則を立てます。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}mv_0^2 &= \frac{1}{2}mv_E^2 + mg \left( \frac{1}{4}l + \frac{1}{4}l \sin \alpha \right) \quad \cdots ⑦
\end{aligned}
$$
次に、点Eにおける半径方向の力のつりあいを考えます。
小球と共に動く観測者から見ると、以下の力が働いています。
- 中心向き: 張力 \(T_E\)(ゆるむときは \(0\))
- 外向き: 遠心力 \(m\frac{v_E^2}{\frac{1}{4}l}\)
- 重力の半径方向成分: 重力 \(mg\)(鉛直下向き)を分解します。半径方向と鉛直線のなす角は \(90^\circ – \alpha\) です。重力の半径方向成分(中心向き)は \(mg \cos(90^\circ – \alpha) = mg \sin \alpha\) です。
半径方向の力のつりあいの式(外向きの力 = 内向きの力の和)を立てます。
$$
\begin{aligned}
m\frac{v_E^2}{\frac{1}{4}l} &= 0 + mg \sin \alpha \quad \cdots ⑧
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 力学的エネルギー保存則
- 力の分解とつりあい
式⑧より、\(v_E^2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
m\frac{v_E^2}{\frac{1}{4}l} &= mg \sin \alpha \\[2.0ex]
v_E^2 &= \frac{1}{4}gl \sin \alpha
\end{aligned}
$$
これを式⑦に代入します。また \(v_0^2 = gl\) も代入します。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}m(gl) &= \frac{1}{2}m \left( \frac{1}{4}gl \sin \alpha \right) + mg \cdot \frac{1}{4}l (1 + \sin \alpha)
\end{aligned}
$$
両辺を \(mgl\) で割り、整理します。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2} &= \frac{1}{8} \sin \alpha + \frac{1}{4} (1 + \sin \alpha)
\end{aligned}
$$
両辺を 8 倍します。
$$
\begin{aligned}
4 &= \sin \alpha + 2(1 + \sin \alpha) \\[2.0ex]
4 &= \sin \alpha + 2 + 2 \sin \alpha \\[2.0ex]
4 – 2 &= 3 \sin \alpha \\[2.0ex]
2 &= 3 \sin \alpha \\[2.0ex]
\sin \alpha &= \frac{2}{3}
\end{aligned}
$$
小球がさらに高く登ると、スピードが落ちて遠心力が弱まります。一方で、重力が「中心に向かって引っ張る成分」として働き始めます。
糸がピンと張っていられるのは、遠心力が重力成分よりも強い間だけです。
遠心力が弱まり、重力成分と同じ大きさになってしまった瞬間、糸の張力はゼロになり、糸がたるみます。その瞬間の角度を計算しました。
\(\sin \alpha = 2/3\) です。
\(0 < \sin \alpha < 1\) なので、点Eは確かに最高点より手前に存在し、物理的にあり得る解です。
思考の道筋とポイント
静止した観測者から見て、半径方向(中心向き)の運動方程式を立てます。
加速度は中心向き、力は重力の分力 \(mg \sin \alpha\) のみ(張力は0)です。
この設問における重要なポイント
- 運動方程式: 中心向きを正とします。
具体的な解説と立式
中心向きを正として運動方程式(\(ma = F\))を立てます。
$$
\begin{aligned}
m \frac{v_E^2}{\frac{1}{4}l} &= mg \sin \alpha
\end{aligned}
$$
これはメイン解法の式⑧と全く同じ形になります。
使用した物理公式
- 円運動の運動方程式: \(m\frac{v^2}{r} = F_{\text{向心方向}}\)
メイン解法と同様に、エネルギー保存則と連立させて計算します。
$$
\begin{aligned}
v_E^2 &= \frac{1}{4}gl \sin \alpha
\end{aligned}
$$
これをエネルギー保存則の式に代入して解くと、
$$
\begin{aligned}
\sin \alpha &= \frac{2}{3}
\end{aligned}
$$
となります。
外から見ると、小球は中心に向かって加速しています。
この加速を生み出す力は、通常は「張力」と「重力の成分」の合計ですが、糸がたるむ瞬間は張力がゼロになります。
つまり、重力の成分だけで必要な加速(向心力)をまかなっている状態です。
メイン解法と同じ結果が得られます。
問(5)
思考の道筋とポイント
小球が点F(最高点)に達するためには、途中で糸がゆるまないことが条件です。
円運動において最も糸がゆるみやすいのは、重力が真下(中心向き)に働き、かつ速さが最も遅くなる「最高点」です。
したがって、「最高点Fにおいて張力 \(T \ge 0\)」であれば、一周回ることができます。
ギリギリの条件(最小の初速)を求めるので、最高点で \(T=0\) となる状況を考えます。
この設問における重要なポイント
- 最高点での条件: 最高点Fで遠心力と重力がつりあう(または重力が向心力の役割を果たす)ときが、通過できる最低速度です。
- 逆算のアプローチ: 最高点での条件から必要な速度 \(v_F\) を求め、そこからエネルギー保存則で初期位置の高さ(角度 \(\theta_0\))へ遡ります。
具体的な解説と立式
最高点Fでの速さを \(v_F\) とします。
点Fにおいて、張力が \(0\) となる限界の力のつりあいを考えます。
- 上向き: 遠心力 \(m\frac{v_F^2}{\frac{1}{4}l}\)
- 下向き: 重力 \(mg\)
つりあいの式(上向き = 下向き):
$$
\begin{aligned}
m\frac{v_F^2}{\frac{1}{4}l} &= mg \quad \cdots ⑨
\end{aligned}
$$
次に、初期位置(角度 \(\theta_0\))と最高点Fの間で力学的エネルギー保存則を立てます。
初期位置の高さ(最下点基準)は \(l – l \cos \theta_0\) です。
最高点Fの高さ(最下点基準)は、半径 \(\frac{1}{4}l\) の円の頂点なので、中心Bの高さ \(\frac{1}{4}l\) に半径 \(\frac{1}{4}l\) を足して \(\frac{1}{2}l\) です。
$$
\begin{aligned}
mg(l – l \cos \theta_0) &= \frac{1}{2}mv_F^2 + mg \cdot \frac{1}{2}l \quad \cdots ⑩
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 遠心力と重力のつりあい(臨界条件)
- 力学的エネルギー保存則
式⑨より、\(v_F^2\) を求めます。
$$
\begin{aligned}
\frac{v_F^2}{\frac{1}{4}l} &= g \\[2.0ex]
v_F^2 &= \frac{1}{4}gl
\end{aligned}
$$
これを式⑩に代入します。
$$
\begin{aligned}
mg l (1 – \cos \theta_0) &= \frac{1}{2}m \left( \frac{1}{4}gl \right) + \frac{1}{2}mgl
\end{aligned}
$$
両辺を \(mgl\) で割って整理します。
$$
\begin{aligned}
1 – \cos \theta_0 &= \frac{1}{8} + \frac{1}{2} \\[2.0ex]
1 – \cos \theta_0 &= \frac{1}{8} + \frac{4}{8} \\[2.0ex]
1 – \cos \theta_0 &= \frac{5}{8} \\[2.0ex]
\cos \theta_0 &= 1 – \frac{5}{8} \\[2.0ex]
\cos \theta_0 &= \frac{3}{8}
\end{aligned}
$$
ジェットコースターのループを一回転させるには、ある程度のスピードが必要です。
一番高いところで逆さまになったとき、落ちてこないためには「遠心力」が「重力」に勝つ(あるいは釣り合う)必要があります。
そのギリギリのスピードを計算し、「そのスピードを出すためには、最初どのくらいの高さからスタートすればよいか?」をエネルギーの計算で逆算しました。
\(\cos \theta_0 = 3/8\) です。
\(0 < 3/8 < 1\) なので解として成立します。
また、問(1)の \(60^\circ\) (\(\cos 60^\circ = 1/2 = 4/8\)) と比較すると、\(3/8 < 4/8\) なので \(\theta_0 > 60^\circ\) となります。つまり、より高い位置(大きな角度)から落とす必要があり、問(4)で途中でゆるんでしまった結果と整合します。
思考の道筋とポイント
最高点Fにおいて、静止した観測者から見て鉛直下向き(中心向き)の運動方程式を立てます。
張力が \(0\) のとき、重力のみが向心力の役割を果たします。
この設問における重要なポイント
- 運動方程式: 鉛直下向きを正とします。
具体的な解説と立式
鉛直下向きを正として運動方程式(\(ma = F\))を立てます。
$$
\begin{aligned}
m \frac{v_F^2}{\frac{1}{4}l} &= mg
\end{aligned}
$$
これはメイン解法の式⑨と同じ形になります。
使用した物理公式
- 円運動の運動方程式: \(m\frac{v^2}{r} = F_{\text{向心方向}}\)
メイン解法と同様に、エネルギー保存則と連立させて計算します。
$$
\begin{aligned}
v_F^2 &= \frac{1}{4}gl
\end{aligned}
$$
これをエネルギー保存則の式に代入して解くと、
$$
\begin{aligned}
\cos \theta_0 &= \frac{3}{8}
\end{aligned}
$$
となります。
外から見ると、最高点では小球は真下に加速しています。
この加速を生み出す力は重力だけです(張力はゼロ)。
重力だけでちょうど必要な円運動の加速が得られるようなスピードを計算しました。
メイン解法と同じ結果が得られます。
思考の道筋とポイント
これまでの設問は、エネルギー保存則と円運動の公式を組み合わせて解いてきましたが、これらは全てニュートンの運動方程式から数学的に導かれるものです。
ここでは、極座標系における運動方程式を出発点とし、積分操作によってエネルギー保存則を導出し、張力の式を得るまでの過程を一貫して解説します。
この設問における重要なポイント
- 極座標の運動方程式: 半径 \(R\) の円運動において、接線方向と法線方向(中心方向)の運動方程式を立てます。
- エネルギー積分の導出: 接線方向の運動方程式を位置で積分することで、エネルギー保存則が導かれます。
具体的な解説と立式
半径 \(R\) の円運動を考えます。鉛直下向きからの角度を \(\theta\) とします。
速度 \(v = R\frac{d\theta}{dt}\) です。
運動方程式の接線成分(\(\theta\)が増加する向き)と法線成分(中心向き)は以下の通りです。
$$
\begin{aligned}
m \frac{d v}{dt} &= -mg \sin \theta \quad \cdots \text{(接線方向)} \\[2.0ex]
m \frac{v^2}{R} &= T – mg \cos \theta \quad \cdots \text{(法線方向)}
\end{aligned}
$$
1. エネルギー保存則の導出
接線方向の式の両辺に \(v = R\frac{d\theta}{dt}\) を掛けます。
左辺は \(\frac{d}{dt}(\frac{1}{2}mv^2)\) となります。
右辺は \(-mg \sin \theta \cdot R \frac{d\theta}{dt} = \frac{d}{dt}(mgR \cos \theta)\) となります。
$$
\begin{aligned}
\frac{d}{dt} \left( \frac{1}{2}mv^2 \right) &= \frac{d}{dt} (mgR \cos \theta) \\[2.0ex]
\frac{d}{dt} \left( \frac{1}{2}mv^2 – mgR \cos \theta \right) &= 0
\end{aligned}
$$
これを積分すると、以下の保存則が得られます(最下点 \(\theta=0\) を高さ基準 \(0\) とするために定数を調整すると、高さ \(h = R – R\cos\theta\) となり、通常の位置エネルギーの式と一致します)。
$$
\begin{aligned}
\frac{1}{2}mv^2 + mgR(1 – \cos \theta) &= \text{一定}
\end{aligned}
$$
使用した物理公式
- 運動方程式(極座標表示)
- 微積分の基本定理
2. 各設問への適用
この一般式を用いると、全ての設問が統一的に解けます。
- 問(1): \(R=l\)。初期角 \(\theta=60^\circ\) (\(v=0\)) と最下点 \(\theta=0\) (\(v=v_0\)) で保存則を適用。
$$
\begin{aligned}
mg l (1 – \cos 60^\circ) &= \frac{1}{2}mv_0^2 \\[2.0ex]
v_0 &= \sqrt{gl}
\end{aligned}
$$ - 問(2): 法線方向の式 \(T = m\frac{v^2}{R} + mg \cos \theta\) を使用。
最下点(\(\theta=0\))では \(\cos 0 = 1\)。
直前(\(R=l\)):
$$
\begin{aligned}
T_1 &= m\frac{gl}{l} + mg \\[2.0ex]
&= 2mg
\end{aligned}
$$
直後(\(R=l/4\)):
$$
\begin{aligned}
T_2 &= m\frac{gl}{l/4} + mg \\[2.0ex]
&= 5mg
\end{aligned}
$$ - 問(4): \(R=l/4\)。点Eの角度は最下点から測ると \(\theta = 90^\circ + \alpha\) です。
\(\cos(90^\circ+\alpha) = -\sin\alpha\) となるため、法線方向の式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
m\frac{v_E^2}{R} &= T – mg(-\sin\alpha) \\[2.0ex]
&= T + mg\sin\alpha
\end{aligned}
$$
\(T=0\) とすると \(m\frac{v_E^2}{R} = mg\sin\alpha\) となり、メイン解法の式⑧と一致します。 - 問(5): \(R=l/4\)。最高点は \(\theta = 180^\circ\) です。
\(\cos 180^\circ = -1\) なので、法線方向の式は以下のようになります。
$$
\begin{aligned}
m\frac{v_F^2}{R} &= T – mg(-1) \\[2.0ex]
&= T + mg
\end{aligned}
$$
\(T=0\) のとき \(m\frac{v_F^2}{R} = mg\) となり、メイン解法の式⑨と一致します。
物理の公式はバラバラに存在するのではなく、すべて「運動方程式」という一つの根源から生まれています。
ここでは、運動方程式を積分することでエネルギー保存則を作り出し、そのまま運動方程式を変形することで張力の式を導きました。
一つの原理から全ての問題が解けることを見ることで、物理の体系的な美しさを確認しました。
運動方程式から出発することで、エネルギー保存則と力のつりあいの式が自然に導かれ、全ての設問が矛盾なく説明できることが確認できました。
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 回転半径の変化と遠心力の急変
- 核心: 円運動の半径 \(r\) が変化すると、速さ \(v\) が同じでも遠心力 \(F = m\frac{v^2}{r}\) は大きく変化します。半径が小さくなると遠心力は増大し、それを支える張力も跳ね上がります。
- 理解のポイント:
- 不連続性: くぎにひっかかる前後で、エネルギー(速さ)は連続的に変化しますが、力(張力)は不連続に変化するという現象を深く理解しましょう。
- 力の大きさ: 半径が \(1/4\) になると、遠心力は4倍になります。これが張力増大の直接的な原因です。
- 円運動を維持するための条件(臨界条件)
- 核心: 糸がたるまずに円運動を続ける条件は、軌道上の全ての点で張力 \(T \ge 0\) となることです。特に、重力が向心力方向(中心方向)に働く「最高点」や「水平より上の点」が最も厳しい条件となります。
- 理解のポイント:
- 翻訳: 「ギリギリ通過する」という言葉を、「張力が一瞬ゼロになる(\(T=0\))」という数式条件に翻訳して立式します。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- ジェットコースター(宙返り): 糸ではなくレールからの垂直抗力 \(N\) に変わるだけで、\(N \ge 0\) という条件は全く同じです。最高点で落ちないための条件として頻出です。
- 振り子の糸が切れる問題: 最下点で張力が最大になるため、そこで耐えられる限界を超えないかをチェックします。今回の問(2)のように \(T = mg + m\frac{v^2}{r}\) で計算します。
- 球面上の滑り落ち: 物体が球面上を滑り落ちて離れる条件も、垂直抗力 \(N=0\) と置くことで同様に解けます。
- 初見の問題での着眼点:
- 中心と半径の特定: 運動の各段階で「どこが中心か?」「半径はいくらか?」を常に意識し、図に書き込みます。特に中心が変わる問題では要注意です。
- 角度の定義: 鉛直下向きからの角度 \(\theta\) なのか、水平からの角度 \(\alpha\) なのかによって、重力の成分(\(\sin\) か \(\cos\) か)が変わります。図を描いて慎重に分解しましょう。
- 解法の選択:
- 「速さ」や「高さ」が絡むなら \(\rightarrow\) エネルギー保存則
- 「力」や「張力」が絡むなら \(\rightarrow\) 運動方程式(またはつりあい)
- 通常はこの2つをセットで連立させます。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 重力成分の分解ミス:
- 誤解: 常に「半径方向は \(\cos\)」と機械的に暗記していると、角度の取り方(水平基準など)が変わったときに間違えます。
- 対策: 必ず図を描き、直角三角形を見つけて、\(\theta\) がどこにあるかを確認してから \(\sin/\cos\) を決めましょう。問(4)のように水平基準の角 \(\alpha\) の場合、半径方向成分は \(\sin \alpha\) になります。
- 遠心力の半径の取り違え:
- 誤解: くぎにひっかかった後も、元の半径 \(l\) を使って計算してしまう。
- 対策: 「今、物体はどの点を中心に回っているか?」を指差し確認します。くぎの位置Bが中心なら、半径は \(l\) ではなく \(l/4\) です。
- 張力の向きの誤解:
- 誤解: 張力は常に重力と反対向きだと思い込む。
- 対策: 張力は常に「糸が物体を引く向き(中心向き)」です。点D(水平位置)では重力と直交し、点F(最高点)では重力と同じ向きになります。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 遠心力(慣性系) vs 運動方程式(静止系):
- 選定理由: 模範解答やメイン解説では「遠心力」を用いました。これは「力のつりあい」という静力学的な直感が働きやすく、立式ミスが少ないためです。一方、別解の「運動方程式」は、加速度の向きを正しく認識する必要があり少しハードルが高いですが、物理現象の本質(力によって運動が変化する)を理解するのに最適です。
- 適用根拠: どちらの立場(観測者)に立っても物理法則は成立します。自分がミスなく立式できる方を選べば良いですが、両方使えると検算になります。
- 微積分を用いた解法:
- 選定理由: 公式を忘れてしまった場合や、より複雑な運動(空気抵抗がある場合など)に応用したい場合に、原理から立ち返って解くための強力なツールです。
- 適用根拠: ニュートンの運動方程式は力学の全ての出発点であり、ここから数学的操作だけでエネルギー保存則や円運動の式が導かれるため、最も論理的な整合性が高い解法です。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 次元確認(ディメンションチェック):
- 答えが出たら、単位(次元)を確認しましょう。
- 張力 \(T\) の答えが \(5mg\) なら、力の次元 \([\text{ML}/\text{T}^2]\) で正しいです。もし \(5mgl\) となっていたらエネルギーの次元になってしまい間違いです。
- \(\sin \alpha\) や \(\cos \theta\) は無次元の数値(比率)になるはずです。
- 極限的なケースでの検算:
- もし \(l\) が変化しなかったら? 問(2)で半径が変わらなければ(くぎがない)、\(T_2\) は \(T_1\) と同じになるはずです。式で \(l/4 \to l\) とすれば一致します。
- もし \(\theta=0\)(最初から最下点)なら? 高さの差がなくなり \(v_0=0\) になるはずです。式 \(v_0 = \sqrt{gl(1-\cos 0)} = 0\) はこれを満たします。
- 比の計算の活用:
- \(v_0^2 = gl\) のような塊をそのまま代入することで、計算ミスを減らせます。\(v_0\) をルートのまま代入して2乗する手間を省きましょう。
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問題29 円運動 (東京大)
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
- 提示する別解
- 設問(1)〜(5)の別解1: 慣性系(静止した観測者)からの運動方程式を用いた解法
- 模範解答が「力のつりあい(遠心力)」で解くのに対し、別解1では「運動方程式(向心力)」を用いて解きます。
- 設問(5)の別解2: 微積分を用いた体系的解法(一括解説)
- 運動方程式の微分形から出発し、積分操作によってエネルギー保存則を導出し、さらに垂直抗力の式を導く原理的なアプローチをとります。
- 設問(1)〜(5)の別解1: 慣性系(静止した観測者)からの運動方程式を用いた解法
- 上記の別解が有益である理由
- 運動方程式の解法: 円運動の現象を、見かけの力(遠心力)に頼らず、ニュートンの運動法則から直接的に理解する力を養います。特に、力の向きと加速度の向きの関係を明確に意識できるようになります。
- 微積分の解法: 「公式の暗記」ではなく、力学の基本原理から全ての物理量が導かれる過程を理解することで、応用問題への対応力を高めます。設問(1)〜(5)の全てを包括する一般解を示します。
- 結果への影響
- いずれのアプローチを用いても、最終的に得られる答えは模範解答と完全に一致します。
この問題のテーマは「鉛直面内の円運動と拘束条件からの離脱」です。
ジェットコースターのような軌道を滑走する小球が、どのような条件でレールから浮き上がったり、あるいは離れずに運動を続けられるかを考察します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 力学的エネルギー保存則: 摩擦がないため、重力のみが仕事をする系としてエネルギーが保存されます。
- 円運動の運動方程式(または力のつりあい): 半径方向の力に着目し、垂直抗力 \(N\) を計算します。
- 拘束からの離脱条件: レールから離れる(浮き上がる)瞬間は、垂直抗力が \(N=0\) となります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- (1)では、エネルギー保存則と力のつりあいから垂直抗力 \(N\) の式を導き、それが最大となる位置を特定します。
- (2)では、レールから浮き上がる(\(N=0\) となる)条件を、最も浮き上がりやすい点(点F)で検討します。
- (3)では、レールから飛び出した後の放物運動(斜方投射)を考察し、幾何学的条件と結びつけます。
- (4)では、浮き上がらずに最高点まで到達するための条件を、エネルギーと抗力の両面から絞り込みます。
- (5)では、任意の点での離脱条件を一般化して求めます。
問(1)
ここから先が、他の受験生と差がつく重要パートです。
「解法に至る思考プロセス」を
全て言語化した、超詳細解説。
なぜその公式を使うのか?どうしてその着眼点を持てるのか?
市販の解説では省略されてしまう「行間の思考」を、泥臭く解説しています。
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