251 音波の屈折
【問題の確認】まずは問題文をしっかり読み解こう
この問題は、大気中の温度分布が音の伝わり方にどのような影響を与えるかを問う問題です。日常生活で経験する「夜は遠くの音がよく聞こえる」という現象を、物理的に解明することがテーマです。
この問題の核心は、「音速と温度の関係」と「波の屈折」という2つの基本的な物理法則を正しく理解し、それらを結びつけて現象を説明することです。
- 状況: 晴れた冬の夜間
- 音源: 点S
- 参考図: 音速がどの方向にも一定であると仮定した場合の波面(同心円の破線)
- (1) 文章中の空欄①、②、③を埋める。
- (2) 晴れた冬の夜間における、点Sからの音波の進行方向(射線)と波面を作図する。
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「大気中の温度分布による音波の屈折」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 音速と温度の関係: 空気の温度が高いほど、音速は速くなります。
- 放射冷却: 晴れた夜間に、地表から熱が放射されて地表付近の温度が上空より低くなる現象です。
- 波の屈折(ホイヘンスの原理): 波の速さが場所によって異なる媒質中を進むとき、波の進行方向が曲がる現象です。波は速さの遅い方へ曲がる性質があります。
- 波面と射線の関係: 波の進行方向を示す線(射線)は、常に波の面(波面)に垂直です。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、(1)では「晴れた冬の夜」という条件から地表と上空の温度差を考え、それが音速にどう影響するかを考察します。そして、音速の違いによって生じる現象(屈折)を特定し、空欄を埋めます。
- 次に、(2)では(1)で明らかになった音速の分布(地表付近で遅く、上空で速い)を元に、ホイヘンスの原理を考えながら、実際の波面と射線を作図します。
問(1)
思考の道筋とポイント
空欄を埋めるためには、まず「晴れた冬の夜」という気象条件が、空気の温度分布にどのような影響を与えるかを理解することが第一歩です。次に、温度と音速の関係、そして音速が場所によって違う場合に波に何が起こるか(屈折)を順に考えていきます。
この設問における重要なポイント
- 放射冷却: 晴れた夜は、地面を覆う雲がないため、地表から宇宙空間へ熱が赤外線としてどんどん放出されます。これにより、地表が直接冷やされ、地表付近の空気の温度は上空よりも低くなります。
- 音速と温度の関係: 空気の音速\(v\)は、絶対温度\(T\)の平方根に比例します(\(v \propto \sqrt{T}\))。簡単に言えば、温度が高いほど音速は速く、温度が低いほど音速は遅くなります。
- 屈折の方向: 波は、進行速度が遅い媒質の方向へ曲がる性質があります。
具体的な解説と立式
① 晴れた冬の夜には、地表から熱が逃げる「放射冷却」という現象が起こります。これにより、地表付近の空気は上空の空気よりも冷やされます。したがって、地表に近いほど気温は上空より低くなります。
② 空気の音速は、温度が高いほど速くなります。①より、地表に近いほど気温が低いため、音速は上空より小さくなります。
③ 音波は、速さが異なる領域を進むときに、その進行方向を変える「屈折」という現象を起こします。特に、波は速さの遅い方へ曲がる性質があります。この場合、地表付近の方が音速が遅いので、音波は下方(地表側)へ屈折します。
使用した物理公式
- 音速と温度の関係: \(v \propto \sqrt{T}\) (\(T\)は絶対温度)
この設問は定性的な理解を問うものであり、具体的な計算はありません。
夜、地面は布団代わりの雲がないと、どんどん熱が逃げて冷たくなります(放射冷却)。空気もそれに合わせて地面の近くが一番冷たくなります。音は、冷たい空気の中では進むのが遅くなります。大勢で手をつないで行進しているとき、列の片側の人だけ歩くのが遅くなると、列全体がその遅い人のほうへ曲がっていきますよね。それと同じで、音も進むのが遅い地面のほうへ曲がっていくのです。
したがって、空欄は順に ①低く、②小さく、③屈折 となります。
この現象により、本来なら上空へ拡散してしまう音のエネルギーが、地面のほうへ押し戻される形になります。そして、地面で反射した音は再び上空へ向かいますが、また屈折して地面に戻ってきます。これを繰り返すことで、音は地表に沿って遠くまで伝わることができます。これが「夜は遠くの電車の音や鐘の音がよく聞こえる」理由であり、物理的に妥当な説明です。
問(2)
思考の道筋とポイント
(1)で明らかになった「地表に近いほど音速が遅い」という事実を、作図に反映させることが目的です。波の伝わり方を視覚化する基本原理である「ホイヘンスの原理」に基づいて、波面がどのように変形するかを考えます。そして、波の進行方向である「射線」は、常に波面に垂直になるように描きます。
この設問における重要なポイント
- ホイヘンスの原理: 波面上の各点が新しい波の源(素元波)となり、それらの無数の素元波に共通に接する面(包絡面)が、次の瞬間の新しい波面を形成するという原理です。
- 音速と波面の進む距離: 同じ時間 \(\Delta t\) の間に波面が進む距離は、音速 \(v\) に比例します(距離 = \(v \Delta t\))。したがって、音速が速い場所ほど、波面は遠くまで進みます。
- 射線と波面の関係: 射線(波の進行方向を示す線)は、常に波面に垂直です。
具体的な解説と立式
音源Sから出た音波の、ある瞬間の波面を考えます。ホイヘンスの原理に従い、この波面上の各点から次の瞬間の素元波(小さな円形の波)が発生すると考えます。
(1)の考察から、音速は地表に近いほど遅く、上空にいくほど速くなっています。
したがって、ごく短い時間 \(\Delta t\) の間に波が進む距離(つまり素元波の半径)は、地表に近い点から出るものほど短く、上空の点から出るものほど長くなります。
これらの、半径が異なる素元波群に共通に接する線(包絡面)を描くと、それが次の瞬間の新しい波面となります。この新しい波面は、上空側が速く進み、地表側が遅れるため、全体として地面の方向にお辞儀をするように傾いた形になります。問題の図の破線(音速が一定の場合の同心円)と比較すると、実線の波面は地表側で破線より内側に、上空側で破線より外側に描かれることになります。
射線は、常にこの変形した波面に垂直になるように描きます。その結果、射線はまっすぐ進まず、地表に向かって連続的に曲がる曲線となります。
地表に到達した射線は、反射の法則に従って反射します。反射後、上向きに進み始めた音波も、同様に上空ほど速く進むため、再び地表に向かって屈折します。
使用した物理公式
- ホイヘンスの原理
- 波の伝播距離: (距離) = (速さ) × (時間)
この設問は作図問題であり、具体的な計算はありません。
音の波を、横に広がって進む兵隊の列だとイメージしてみましょう。地面の近くは「ぬかるみ」で進むのが遅く、上空は「舗装路」で速く進めるとします。兵隊の列が音源から出発すると、上空側の兵隊はどんどん先に進みますが、地面側の兵隊はぬかるみで足を取られて遅れます。その結果、兵隊の列全体が、ぬかるみのある地面のほうへぐにゃりと曲がってしまいます。音の進む向き(射線)も、この兵隊の列に垂直な方向なので、地面に向かって曲がっていくのです。
作図の結果は、模範解答の解説中にある図(b)のようになります。
この図は、音波が上空へ発散せずに地表付近に閉じ込められ、地表で反射を繰り返しながら遠方へ伝播する様子を視覚的に示しています。これは、(1)で考察した「晴れた冬の夜に遠くの音がよく聞こえる」という現象を正しく図示したものであり、物理的に妥当な結果です。
参考までに、昼間は地表付近の温度が高く音速が速いため、これとは逆に音波は上空(音速が遅い方)へ屈折して逃げてしまい、地表では音が遠くまで届きにくくなります。
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最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 音速と温度の関係:
- 核心: 空気の音速は、絶対温度の平方根に比例します(\(v \propto \sqrt{T}\))。簡単に言えば、「温度が高いほど音は速く、低いほど遅い」という関係が、この問題全体の現象を支配する最も基本的な法則です。
- 理解のポイント: この法則があるからこそ、場所による温度の違いが、音速の違いを生み出す原因となります。
- 波の屈折:
- 核心: 波は、速さが異なる媒質中を進むとき、速さが遅い方へ曲がる性質があります。この問題では、温度分布によって音速が連続的に変化するため、音波の進行方向(射線)は直線ではなく曲線を描きます。
- 理解のポイント: 晴れた夜は、放射冷却で地表付近の温度が低く、音速が遅くなります。そのため、音波は地表側(遅い方)へ向かって屈折します。逆に昼間は、地表が暖められて音速が速くなるため、音波は上空(遅い方)へ向かって屈折します。この違いが、昼と夜で音の聞こえ方が変わる理由です。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 「逃げ水」現象: 夏のアスファルト道路で、遠くに水たまりがあるように見える現象です。これは、熱いアスファルト付近の空気の密度が小さくなり、光の速さが速くなるために、光が上空(遅い方)へ屈折して起こります。音波を光波に置き換えた、全く同じ原理の問題です。
- 深海での音波の伝わり方(SOFARチャンネル): 海中では、水圧と水温によって音速が変化します。ある特定の深さで音速が極小になる層(SOFARチャンネル)が存在し、この層に閉じ込められた音波は、上下に屈折を繰り返しながら非常に遠くまで伝わります。
- 蜃気楼: 光が、大気中の温度分布によって屈折することで、遠くの景色が浮き上がったり逆さまに見えたりする現象です。
- 初見の問題での着眼点:
- 媒質の状態変化に注目する: 問題文に「温度」「密度」「圧力」など、媒質の状態を表す言葉が出てきたら、波の速さが場所によって変化する可能性を疑います。
- 速さの分布を把握する: どの場所で速さが「速く」なり、どの場所で「遅く」なるのかを、図やメモで整理します。
- 「遅い方へ曲がる」を適用する: 波の進行方向は、必ず速さが遅い領域に向かって曲がる、という大原則を思い出して適用します。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 温度と音速の関係の混同:
- 誤解: 「寒いと空気が澄んで遠くの音が聞こえる」といった日常感覚から、寒い方が音速が速いと勘違いしてしまう。
- 対策: 音は空気分子の振動が伝わる現象です。温度が高いほど分子の熱運動が活発なので、振動をより速く隣に伝えることができます。したがって「温度が高い=分子が元気=伝達が速い」と論理的に覚えましょう。
- 屈折の方向の間違い:
- 誤解: 波がどちらに曲がるかを混同してしまう。
- 対策: 「波は遅い方へ曲がる」というシンプルなルールを徹底しましょう。自動車の車輪で例えると、片側の車輪だけがぬかるみに入って遅くなると、車体はぬかるみ側に曲がります。これと同じイメージを持つと間違いません。
- 射線と波面を混同して作図する:
- 誤解: 波面を描くべきところに進行方向の矢印を描いたり、その逆をしてしまう。
- 対策: 「波面」は波の顔(同位相の面)、「射線」は波が進む道筋、と役割を明確に区別します。そして、「射線は常に波面に垂直である」という関係を常に意識して作図しましょう。
物理の眼を養う:現象のイメージ化と図解の極意
- この問題での有効なイメージ化と図示:
- ホイヘンスの原理の作図: 音源から出た波面(円)を一つ描きます。次に、その円周上の数点(上、中、下など)から、次の瞬間の素元波を描きます。このとき、「上空は速い→半径大」「地表は遅い→半径小」と、半径の大きさを変えて描きます。最後に、これらの異なる大きさの円に滑らかに接する線(包絡面)を描くと、自然と波面が傾き、屈折の様子が視覚的に理解できます。
- 昼と夜の対比図:
- 夜(放射冷却): 地面が冷たく、上が暖かい。音は冷たい地面側へ曲がる。→ 音が地面に集まるイメージ。
- 昼(日射): 地面が暖かく、上が冷たい。音は冷たい上空側へ曲がる。→ 音が空へ逃げていくイメージ。
この2つの図を並べて描くことで、現象の違いが明確になります。
- 図を描く際に注意すべき点:
- 速さの分布を書き込む: 図の余白に「上空:速い」「地表:遅い」といったメモを書き込むことで、作図の根拠を明確にし、ミスを防ぎます。
- 基準となる波面を破線で描く: 問題図のように、もし音速が一定だったらどうなるか(同心円)を破線で描いておくと、実際の波面がどれだけ変形したかが分かりやすくなります。
- 射線と波面の垂直関係を強調する: 射線と波面が交わる点に、直角記号(∟)を小さく書き込むと、両者の関係を意識する助けになります。
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 音速と温度の関係 (\(v \propto \sqrt{T}\)):
- 選定理由: 問題の状況(温度変化)と現象(音の伝わり方)を結びつける根源的な法則だからです。「なぜ温度で音速が変わるのか?」という問いに答える、物理的な根拠として必要です。
- 適用根拠: 気体分子運動論から導かれる、物理学の基本法則です。
- ホイヘンスの原理:
- 選定理由: 波の速さが連続的に変化するような複雑な媒質中での、波面の伝わり方(屈折の様子)を具体的に作図・説明するための普遍的な原理だからです。
- 適用根拠: 波の回折や屈折といった波動現象全般を統一的に説明できる、非常に強力な思考ツールです。
思考を整理する:立式から計算までのロジカルフロー
- (1) 空欄補充の思考フロー:
- 状況分析: 「晴れた冬の夜」→ 雲がない → 地表から熱が逃げる(放射冷却)。
- 温度分布の決定: 地表が冷える → 「地表の気温 < 上空の気温」。(①低く)
- 音速分布の決定: 「温度が低いと音速は遅い」→ 「地表の音速 < 上空の音速」。(②小さく)
- 現象の特定: 「波は遅い方へ曲がる」→ 音波は地表側へ曲がる。これは「屈折」である。(③屈折)
- (2) 作図の思考フロー:
- 原理の選択: 波面の形状を考えるので「ホイヘンスの原理」を適用する。
- 素元波の作図: 波面上の各点から素元波を描く。このとき、(1)で考えた音速分布「上空で速く、地表で遅い」を反映させ、素元波の半径を「上空で大きく、地表で小さく」する。
- 新しい波面の作図: 半径の異なる素元波群の包絡面を描く。結果として、波面は地表側に傾く。
- 射線の作図: 作図した波面に常に垂直になるように、滑らかな曲線として射線を描く。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- この問題には計算はありませんが、物理現象の因果関係を正確にたどることが、計算問題における論理的な立式能力につながります。
- 因果関係の連鎖を意識する:
「晴れた夜」→「放射冷却」→「地表が低温」→「地表の音速が小」→「音波は地表へ屈折」→「遠くまで届く」
という一連の流れを、矢印(→)でつないで書き出す練習をすると、論理の飛躍や混同を防ぐことができます。 - 定性的なグラフを描く: 横軸に「高さ」、縦軸に「温度」や「音速」をとった簡単なグラフを描いてみるのも有効です。夜間であれば、高さが0のときに最も値が小さく、高くなるにつれて値が大きくなるようなグラフになります。これを視覚的に確認することで、思考が整理されます。
解きっぱなしはNG!解答の妥当性を吟味する習慣をつけよう
- 得られた答えの物理的妥当性の検討:
- (1) 結論の吟味: 「夜は遠くの電車の音がよく聞こえる」という、多くの人が持つ日常経験と、導き出された物理的な説明(音が地表に沿って伝わる)が一致しているかを確認します。経験と理論が一致すれば、解答の妥当性は高いと言えます。
- (2) 作図の吟味: 描かれた射線が、本当に「音が遠くまで届く」様子を表しているかを確認します。もし射線が上空へ発散していくような図になってしまったら、どこかの段階で思考が逆になった可能性があると気づくことができます。
- 逆のケース(昼間)との比較:
- 解答が出た後、あえて「昼間だったらどうなるか?」と考えてみます。
「昼間」→「日射で地表が加熱」→「地表が高温」→「地表の音速が大」→「音波は上空へ屈折」→「遠くまで届きにくい」。
このように逆のケースを考えることで、元の解答の論理が正しかったかを多角的に検証でき、理解も深まります。
- 解答が出た後、あえて「昼間だったらどうなるか?」と考えてみます。
252 音波の干渉
【問題の確認】まずは問題文をしっかり読み解こう
この問題は、2つのスピーカーから出る音波の干渉を扱う、典型的な問題です。ヤングの実験の音波版と考えることができます。2つの波源からの距離の差(経路差)によって、音が強め合ったり弱め合ったりする条件を正しく理解し、図形情報と組み合わせて計算する能力が問われます。
- スピーカーA, Bの間隔: \(2.80 \text{ m}\)
- スピーカーが置かれた直線ABと観測線x軸との距離: \(2.40 \text{ m}\)
- 波源: 2つのスピーカーA, Bから同位相・同振動数の音を出す。
- 観測結果:
- 原点O(A, Bから等距離)で音が最も大きい(強め合い)。
- Oから離れて音が小さくなった後、\(x = 0.40 \text{ m}\) の点Pで再び音が極大になった。
- 計算用の値: \(1.8^2=3.24\), \(2.4^2=5.76\), \(2.6^2=6.76\)
- (2)での音速: \(v = 3.4 \times 10^2 \text{ m/s}\)
- (1) 経路差 \(AP-BP\) は波長 \(\lambda\) の何倍か。また、波長 \(\lambda\) の値はいくらか。
- (2) 音の振動数 \(f\) はいくらか。
- (3) 振動数を変えずに室温を上げた場合、音が極大になる点Pの位置はどう変化するか。
【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド
この問題のテーマは「2つの波源による音波の干渉」です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。
- 波の干渉条件: 2つの波源から観測点までの距離の差(経路差)が、波長の整数倍なら強め合い(音が極大)、半整数倍なら弱め合い(音が極小)となります。
- 三平方の定理: 図形から経路差を具体的に計算するために、直角三角形の辺の長さの関係を利用します。
- 波の基本式: 波の速さ \(v\)、振動数 \(f\)、波長 \(\lambda\) の間には、\(v = f\lambda\) という関係が成り立ちます。
- 音速と温度の関係: 空気の温度が上がると、音速は速くなります。
基本的なアプローチは以下の通りです。
- まず、(1)では、問題文の「Oで音が最も大きく、次にPで極大になった」という記述から、点Oと点Pが満たす干渉条件を特定します。次に、図形情報から三平方の定理を用いて経路差 \(AP-BP\) を具体的に計算し、波長 \(\lambda\) を求めます。
- 次に、(2)では、(1)で求めた波長 \(\lambda\) と、与えられた音速 \(v\) を波の基本式 \(v=f\lambda\) に代入して、振動数 \(f\) を計算します。
- 最後に、(3)では、「室温を上げる」という条件が音速、そして波長にどう影響するかを考え、それが干渉条件にどう作用して点Pの位置を変化させるかを定性的に考察します。
問(1)
思考の道筋とポイント
音が強め合う(極大になる)条件は、2つのスピーカーからの距離の差(経路差)が波長の整数倍になることです。問題文から、点Oと点Pがどの整数に対応する強め合いの点なのかを特定することが最初のステップです。その後、図形から三平方の定理を使って実際の経路差を計算し、波長を求めます。
この設問における重要なポイント
- 干渉条件(強め合い): 経路差 \(\Delta L = |AP – BP| = m\lambda\) (ここで \(m = 0, 1, 2, \dots\))
- m=0の点の特定: 点OはスピーカーA, Bから等距離なので、経路差は \(|AO – BO| = 0\) です。これは \(m=0\) の強め合いの条件を満たします。
- m=1の点の特定: 問題文に「点Oで音が最も大きく聞こえてから、しだいに小さくなったあと、再び大きくなり、x=0.40 [m]の点Pで音の大きさは極大になった」とあります。これは、点Pが原点Oの次に現れる強め合いの点であることを意味します。したがって、点Pは \(m=1\) の条件を満たす点です。
- 経路差の計算: 経路APとBPの長さを、三平方の定理を用いて図に示された寸法から計算します。
具体的な解説と立式
2つのスピーカーA, Bは同位相で音を出しているので、観測点Pで音が強め合う(極大になる)条件は、Pまでの経路差 \(|AP – BP|\) が波長 \(\lambda\) の整数倍 \(m\lambda\) となることです。
$$ |AP – BP| = m\lambda \quad (m = 0, 1, 2, \dots) \quad \cdots ① $$
点OはA, Bから等距離なので、経路差は0です。これは \(m=0\) の場合に相当し、音が極大になる中央の線(腹線)です。
問題文より、点Pは原点Oの次に音が極大になる点なので、\(m=1\) の条件を満たします。
したがって、点Pにおける経路差は波長の1倍となります。
$$ AP – BP = 1 \times \lambda = \lambda \quad \cdots ② $$
次に、経路差を具体的に計算します。図より、A, Bとx軸の距離は \(2.40 \text{ m}\) です。スピーカーの間隔は \(2.80 \text{ m}\) なので、原点OからAまたはBの真下までの水平距離は \(2.80 / 2 = 1.40 \text{ m}\) です。
点Pの座標は \(x=0.40 \text{ m}\) なので、
- PとAの水平距離は \(1.40 + 0.40 = 1.80 \text{ m}\)
- PとBの水平距離は \(1.40 – 0.40 = 1.00 \text{ m}\)
となります。
三平方の定理を用いて、APとBPの長さを求めます。
$$ AP = \sqrt{(2.40)^2 + (1.80)^2} \quad \cdots ③ $$
$$ BP = \sqrt{(2.40)^2 + (1.00)^2} \quad \cdots ④ $$
使用した物理公式
- 波の干渉条件(強め合い): \(|L_1 – L_2| = m\lambda\)
- 三平方の定理
まず、APとBPの長さを計算します。与えられた \(2.4^2=5.76\), \(1.8^2=3.24\) を用います。
$$
\begin{aligned}
AP &= \sqrt{(2.40)^2 + (1.80)^2} \\[2.0ex]&= \sqrt{5.76 + 3.24} \\[2.0ex]&= \sqrt{9.00} \\[2.0ex]&= 3.00 \text{ [m]}
\end{aligned}
$$
次にBPの長さを計算します。
$$
\begin{aligned}
BP &= \sqrt{(2.40)^2 + (1.00)^2} \\[2.0ex]&= \sqrt{5.76 + 1.00} \\[2.0ex]&= \sqrt{6.76}
\end{aligned}
$$
ここで、与えられた \(2.6^2=6.76\) を用いると、
$$ BP = 2.60 \text{ [m]} $$
したがって、波長 \(\lambda\) は式②より、
$$
\begin{aligned}
\lambda &= AP – BP \\[2.0ex]&= 3.00 – 2.60 \\[2.0ex]&= 0.40 \text{ [m]}
\end{aligned}
$$
2つのスピーカーから出た音が強め合うのは、それぞれのスピーカーからの距離の差が、ちょうど波の長さ(波長)の0倍、1倍、2倍、…になるときです。真ん中の点Oでは距離の差が0なので、0倍の条件を満たして音が大きくなります。そこから少しずれた点Pで「次に」音が大きくなったということは、点Pでは距離の差が波長のちょうど1倍になっている、ということです。あとは、図形と三平方の定理を使って、PからAまでの距離とPからBまでの距離を計算し、その差を求めることで波長が分かります。
経路差 \(AP-BP\) の値は音の波長の1倍です。また、波長は \(0.40 \text{ m}\) です。
計算結果は正の値であり、物理的に妥当な値です。
問(2)
思考の道筋とポイント
波の速さ、振動数、波長の関係を表す基本式 \(v=f\lambda\) を用います。(1)で波長 \(\lambda\) を求め、問題文で音速 \(v\) が与えられているので、これらを代入して振動数 \(f\) を計算します。
この設問における重要なポイント
- 波の基本式: \(v = f\lambda\)
具体的な解説と立式
波の速さ \(v\)、振動数 \(f\)、波長 \(\lambda\) の間には、以下の関係式が成り立ちます。
$$ v = f\lambda \quad \cdots ⑤ $$
この式を \(f\) について解くと、
$$ f = \frac{v}{\lambda} $$
となります。
使用した物理公式
- 波の基本式: \(v = f\lambda\)
(1)で求めた波長 \(\lambda = 0.40 \text{ m}\) と、問題文で与えられた音速 \(v = 3.4 \times 10^2 \text{ m/s}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
f &= \frac{3.4 \times 10^2}{0.40} \\[2.0ex]&= \frac{340}{0.4} \\[2.0ex]&= \frac{3400}{4} \\[2.0ex]&= 850 \\[2.0ex]&= 8.5 \times 10^2 \text{ [Hz]}
\end{aligned}
$$
波の速さは「1秒間に波がいくつ進むか(振動数)」と「波1つ分の長さ(波長)」を掛け合わせたものになります。この関係式を使って、(1)で求めた波長と問題で与えられた音速から、振動数を計算します。
音の振動数は \(8.5 \times 10^2 \text{ Hz}\) です。
これは可聴域の音の振動数として妥当な値です。
問(3)
思考の道筋とポイント
「室温を上げる」という操作が、波の物理量(速さ、振動数、波長)にどのような影響を与えるかを順に考えます。そして、その変化が干渉条件式にどう作用し、結果として音が極大になる点Pの位置(x座標)をどう変化させるかを定性的に考察します。
この設問における重要なポイント
- 音速と温度の関係: 室温が上がると、空気分子の運動が活発になるため、音を伝える速さ(音速 \(v\))は大きくなります。
- 振動数と波長の変化: 音源であるスピーカーは変わらないので、振動数 \(f\) は一定です。波の基本式 \(v=f\lambda\) において、\(v\) が大きくなり \(f\) が一定なので、波長 \(\lambda\) は長くなります。
- 干渉条件と位置の変化: 点Pは \(m=1\) の強め合いの点であり、その条件は \(AP-BP = \lambda\) です。波長 \(\lambda\) が長くなるということは、新しい強め合いの点P’では、経路差 \(AP’ – BP’\) がより大きくなる必要があります。経路差は原点Oから離れるほど大きくなるので、点P’は元のPよりも原点から遠い位置、つまりx軸の正の向きにずれることになります。
具体的な解説と立式
- 室温を上げると、音速 \(v\) は大きくなります。
- スピーカーから出る音の振動数 \(f\) は変化しません(一定)。
- 波の基本式 \(v=f\lambda\) より、\(\lambda = v/f\) となります。\(v\) が大きくなり \(f\) が一定なので、波長 \(\lambda\) は大きくなります。
- 点Pは \(m=1\) の強め合いの点なので、干渉条件は \(AP – BP = \lambda\) です。
- 室温を上げた後の新しい強め合いの点をP’とすると、その点での波長は \(\lambda’\) (\(\lambda’ > \lambda\)) となり、条件は \(AP’ – BP’ = \lambda’\) となります。
- したがって、\(AP’ – BP’ > AP – BP\) となる必要があります。観測点とA, Bとの経路差は、中央の線(x=0)から離れるほど大きくなる性質があります。より大きな経路差を満たすためには、点P’は元の点Pよりもx軸上で原点Oから遠い位置になければなりません。
よって、点Pの位置はx軸の正の向きにずれます。
使用した物理公式
- 音速と温度の関係
- 波の基本式: \(v = f\lambda\)
- 波の干渉条件
この設問は定性的な考察を問うものであり、具体的な計算はありません。
- 部屋を暖めると、空気の中を音が伝わるスピードが速くなります。
- スピーカーから出る音の「高さ」(振動数)は変えていないので、音の波一つ一つの長さ(波長)が、スピードアップした分だけ長くなります。
- 点Pは「スピーカーからの距離の差が、波長1つ分に等しい」場所でした。その波長自体が長くなったので、新しいPの場所は「距離の差が、より長くなった新しい波長1つ分に等しい」場所になります。
- スピーカーからの距離の差は、真ん中から離れれば離れるほど大きくなります。より大きな距離の差が必要になるということは、Pの場所はもっと真ん中から離れる、つまりx軸のプラス方向にずれるということです。
音が極大になるPの位置は、室温を上げる前に比べてx軸の正の向きにずれます。
この論理的な連鎖は物理法則に則っており、妥当な結論です。
【総まとめ】この一問を未来の得点力へ!完全マスター講座
最重要ポイント:この問題の核心となる物理法則は?
- 波の干渉条件:
- 核心: 2つの同位相の波源からの距離の差(経路差)が、波長\(\lambda\)の整数倍(\(m\lambda\))になる点で波は強め合い(音が極大)、半整数倍(\((m+1/2)\lambda\))になる点で弱め合う(音が極小)という干渉の原理が、この問題の根幹をなします。
- 理解のポイント: 問題文の「音が大きい」「極大」という言葉から強め合いの条件を、「小さい」「極小」から弱め合いの条件を即座に連想できることが重要です。特に、中央の点Oが\(m=0\)の強め合いの点であり、「次に」極大になる点が\(m=1\)に対応することを読み取ることが、(1)を解く鍵です。
- 三平方の定理と波の基本式:
- 核心: 干渉条件を具体的な数値に結びつけるためのツールとして、図形から経路差を計算する「三平方の定理」と、波の諸量(速さ・振動数・波長)をつなぐ「波の基本式 \(v=f\lambda\)」が不可欠です。
- 理解のポイント: 物理法則(干渉条件)を、数学的なツール(三平方の定理)を使って定量的に解析する、物理問題の典型的な構造をしています。
応用テクニック:似た問題が出たらココを見る!解法の鍵と着眼点
- 応用できる類似問題のパターン:
- 光の干渉(ヤングの実験): 2つのスリットを通過した光がスクリーン上で干渉縞を作る現象です。音波が光波に変わるだけで、経路差を考えて強め合い・弱め合いの条件を適用する解法は全く同じです。
- 薄膜による光の干渉: シャボン玉や水に浮いた油膜が色づいて見える現象です。膜の表面で反射する光と裏面で反射する光の経路差(と位相変化)によって干渉が起こります。
- 回折格子: 多数のスリットに光を当てて干渉させることで、光を波長ごとに分ける(分光する)装置です。隣り合うスリットからの光の経路差を考えます。
- 初見の問題での着眼点:
- 波源の数と位相を確認する: 波源が2つ以上あり、それらが同位相か逆位相かを確認します。これが干渉条件の式を決定します。
- 経路差を特定する: 観測点までの幾何学的な経路を考え、その差を計算する方法(多くは三平方の定理)を見つけます。
- 「m」の値を特定する: 問題文の「中央」「〜番目」「次に」といった表現から、干渉条件の次数\(m\)がいくつになるのかを正確に判断します。
要注意!ありがちなミス・誤解とその対策
- 次数「m」の数え間違い:
- 誤解: 中央の強め合いの点(\(m=0\))を「1番目」と数えてしまい、次に強め合う点Pを\(m=2\)としてしまう。
- 対策: 干渉条件の式 \(|L_1 – L_2| = m\lambda\) における\(m\)は「0, 1, 2, …」と0から始まる整数であることを常に意識しましょう。中央の線は必ず\(m=0\)です。したがって、「中央の次の腹線」は\(m=1\)となります。
- 経路差の計算ミス:
- 誤解: 三平方の定理を適用する際の、直角三角形の辺の長さを図から読み間違える。特に、スピーカー間隔の半分(この問題では\(1.40 \text{ m}\))を正しく使うところでミスが起こりやすいです。
- 対策: 必ず自分で簡単な図を描き直し、必要な長さをすべて書き込んでから計算を始めましょう。例えば、点PからABに下ろした垂線の足と、A, Bとの距離を明確に図示することが有効です。
- (3)での思考の短絡:
- 誤解: 「室温が上がる→音速が上がる」だけで思考が止まり、波長や干渉条件への影響を考えずに答えてしまう。
- 対策: 「室温↑ → 音速\(v\)↑ → (振動数\(f\)は一定なので) 波長\(\lambda\)↑ → (強め合いの条件 \(AP-BP=\lambda\)) 経路差↑ → PはOから遠ざかる」というように、物理量間の因果関係を一つずつ丁寧に連鎖させて考える習慣をつけましょう。
物理の眼を養う:現象のイメージ化と図解の極意
- この問題での有効なイメージ化と図示:
- 等経路差線(双曲線)のイメージ: 2つの波源からの経路差が一定になる点の集まりは、波源を焦点とする双曲線を描きます。強め合いの点(腹)の連なりは、\(m=0, 1, 2, \dots\)に対応する複数の双曲線群としてイメージできます。観測線であるx軸は、これらの双曲線群を横切っていく線であり、交点が音が大きくなる点Pに相当します。
- 図への長さの書き込み: 問題の図を自分で描き写し、分かっている長さをすべて書き込みます。特に、AP, BPを斜辺とする2つの直角三角形を明確に色分けし、それぞれの底辺と高さを書き込むと、三平方の定理の立式ミスが劇的に減ります。
- 左の三角形:高さ\(2.40\)、底辺\(1.40+0.40=1.80\)
- 右の三角形:高さ\(2.40\)、底辺\(1.40-0.40=1.00\)
なぜその公式?論理的な公式選択と適用の思考法
- 干渉の強め合い条件 (\(|AP-BP|=m\lambda\)):
- 選定理由: (1)で「音が極大になった」という物理現象を数式で表現するため。これは波の重ね合わせの原理から導かれる、干渉現象の最も基本的な法則です。
- 適用根拠: 2つの波が山と山(または谷と谷)で重なると振幅が最大になる、という原理に基づきます。
- 三平方の定理:
- 選定理由: 干渉条件式に含まれる経路差\(AP-BP\)を、問題で与えられた座標や距離の情報から具体的に計算するための数学的ツールとして必要だからです。
- 適用根拠: 直角三角形の3辺の長さの関係を示す、普遍的な幾何学の定理です。
- 波の基本式 (\(v=f\lambda\)):
- 選定理由: (2)で、波の基本的な性質である速さ、振動数、波長の関係を問い、それらを結びつけるために必要だからです。
- 適用根拠: 波が1周期の時間で1波長分進む、という定義から導かれる基本関係式です。
思考を整理する:立式から計算までのロジカルフロー
- (1) 波長の計算:
- 戦略: P点が\(m=1\)の強め合いの点であることを特定し、干渉条件式を立てる。三平方の定理で経路差を計算し、波長を求める。
- フロー: ①干渉条件 \(AP-BP=m\lambda\) を書く → ②Oが\(m=0\)、Pが\(m=1\)の点であることを確認し、\(AP-BP=\lambda\) とする → ③図からAP, BPを三平方の定理で立式 → ④AP, BPを計算 → ⑤差を求めて\(\lambda\)を算出。
- (2) 振動数の計算:
- 戦略: 波の基本式 \(v=f\lambda\) を使う。
- フロー: ①\(v=f\lambda\) を書く → ②(1)で求めた\(\lambda\)と、与えられた\(v\)を代入 → ③\(f\)について解く。
- (3) 位置変化の考察:
- 戦略: 温度変化が\(v\), \(f\), \(\lambda\)に与える影響を連鎖的に考える。
- フロー: ①室温↑ → ②音速\(v\)↑ → ③振動数\(f\)は不変 → ④\(\lambda=v/f\)より波長\(\lambda\)↑ → ⑤干渉条件\(AP-BP=\lambda\)より、必要な経路差が増加 → ⑥経路差はOから離れるほど大きいので、Pはx軸正の向きにずれる。
計算ミスをなくす!日頃の意識と実践テクニック
- 単位の確認: 計算の各段階で単位が正しいか(m, m/s, Hzなど)を意識すると、間違いに気づきやすくなります。
– 与えられた近似値の活用: 問題文に \(1.8^2=3.24\) のような値が与えられている場合、これは計算途中で必ず使うというヒントです。自分の計算結果がこれらの値と関連しているかを確認しながら進めましょう。
- 複雑な計算は後回し: \(\sqrt{6.76}\) のような計算は、すぐに電卓を使ったり諦めたりせず、問題文のヒント(\(2.6^2=6.76\))を探す癖をつけましょう。物理の問題では、計算が綺麗になるように数値が設定されていることが多いです。
解きっぱなしはNG!解答の妥当性を吟味する習慣をつけよう
- 得られた答えの物理的妥当性の検討:
- (1) 波長: \(\lambda=0.40 \text{ m}\) (40 cm) は、音波の波長として一般的なオーダーです。これが数kmや数mmのような極端な値になったら、計算ミスを疑います。
- (2) 振動数: \(f=850 \text{ Hz}\) は、人間の可聴域(約20 Hz〜20000 Hz)の中にあり、妥当な値です。
- 思考実験による吟味:
- (3)で、逆に「室温を下げたらどうなるか?」と考えてみます。「室温↓ → \(v\)↓ → \(\lambda\)↓ → 必要な経路差が減少 → PはOに近づく」。このように逆の操作を考えることで、元の論理が正しかったかを検証できます。
- 「もしスピーカーの間隔を広げたら、Pの位置はどうなるか?」といった思考実験も有効です。間隔を広げると、同じx座標でも経路差は大きくなるため、\(m=1\)の条件を満たすPの位置は原点Oに近づくはずです。このように、パラメータを変えた場合の変化を予測する練習は、物理現象の深い理解につながります。
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