「リードα 物理基礎・物理 改訂版」徹底解説!【第4章】基礎CHECK

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基礎CHECK

1 慣性の法則

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「慣性の法則」です。物体の運動状態から、それにはたらく力を考察します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 慣性の法則(運動の第一法則)
  2. 力のつりあい
  3. 運動方程式 \(F=ma\) と加速度の概念

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題文から物体の運動状態が「等速直線運動」であることを読み取る。
  2. 「等速直線運動」がどのような状態かを、慣性の法則または運動方程式と結びつけて考える。
  3. 物体にはたらく力の合力を結論づける。

思考の道筋とポイント
この問題で最も重要なキーワードは「等速直線運動」です。物理の基本法則である「慣性の法則」を正しく理解していれば、即座に答えが導き出せます。慣性の法則とは、「物体にはたらく力の合力がゼロならば、静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」というものです。この問題は、この法則を逆から適用します。つまり、「物体が等速直線運動をしている」という事実から、「物体にはたらく力の合力はゼロである」と結論付けます。問題文に示されている質量\(2.0\,\text{kg}\)や速さ\(3.0\,\text{m/s}\)といった具体的な数値は、この法則の理解を試すための情報であり、計算には不要である点に注意が必要です。

この設問における重要なポイント

  • 慣性の法則: 物体にはたらく力の合力が \(0\) のとき、物体の運動状態は変化しない。すなわち、静止している物体は静止を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける。
  • 力のつりあい: 物体にはたらく複数の力の合力(ベクトル和)が \(0\) になる状態を指す。このとき、物体は慣性の法則に従う。
  • 運動方程式との関係: ニュートンの運動方程式 \(F=ma\) を使うと、より明確に理解できます。等速直線運動は、速度が一定で変化しないため、加速度 \(a\) が \(0\) の運動です。これを運動方程式に代入すると、合力 \(F = m \times 0 = 0\) となり、合力がゼロであることが導かれます。

具体的な解説と立式
この問題は、物体の運動状態から合力を求めるもので、慣性の法則または運動方程式を適用します。

  1. 慣性の法則を用いる考え方
    問題文より、物体は「等速直線運動」をしています。慣性の法則によれば、物体が等速直線運動をしているとき、その物体にはたらく力の合力は \(0\) です。
  2. 運動方程式を用いる考え方
    物体の質量を \(m\)、加速度を \(a\)、物体にはたらく合力を \(F\) とすると、運動方程式は次のように表されます。
    $$ F = ma \quad \cdots ① $$
    問題文より、物体は「等速直線運動」をしています。これは速度が一定であり、速度の変化の割合である加速度 \(a\) が \(0\) であることを意味します。
    $$ a = 0 \quad \cdots ② $$
    式②を式①に代入することで、合力 \(F\) を求めます。

使用した物理公式

  • 慣性の法則: 合力が \(0 \Leftrightarrow\) 静止または等速直線運動
  • 運動方程式: \(F = ma\)
計算過程

運動方程式 \(F=ma\) を用いて計算します。
問題文で与えられた値は以下の通りです。

  • 質量: \(m = 2.0\,\text{kg}\)
  • 速さ: \(v = 3.0\,\text{m/s}\)(等速)

物体の運動は「等速直線運動」であるため、加速度 \(a\) は \(0\,\text{m/s}^2\) です。
これらの値を運動方程式に代入します。
$$
\begin{aligned}
F &= ma \\[2.0ex]&= (2.0\,\text{kg}) \times (0\,\text{m/s}^2) \\[2.0ex]&= 0\,\text{N}
\end{aligned}
$$
したがって、物体にはたらく力の合力は \(0\,\text{N}\) となります。

計算方法の平易な説明

「慣性の法則」という物理の基本的なルールがあります。これは、「物体に力が加わっていない(または、加わっている力がプラスマイナスゼロで釣り合っている)とき、その物体は現在の運動をそのまま続ける」というものです。
この問題の物体は「等速直線運動」、つまり「ずっと同じ速さで、まっすぐ進み続ける」という運動をしています。
運動の様子が全く変わらない(速くなったり遅くなったり、曲がったりしない)ということは、慣性の法則から、この物体にはたらいている力の合計(合力)が \(0\,\text{N}\) であることが分かります。
問題文にある「質量 \(2.0\,\text{kg}\)」や「速さ \(3.0\,\text{m/s}\)」という数字は、この法則をちゃんと知っているかを確かめるためのもので、答えを出す計算には使いません。

解答 0 N

2 運動方程式

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「運動方程式の適用」です。与えられた力と質量から、物体の加速度を計算します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 運動の第二法則(運動方程式)
  2. 質量、力、加速度の関係
  3. 単位の整合性(kg, N, m/s²)

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題文から、質量 \(m\) と力 \(F\) の値を読み取る。
  2. 運動方程式 \(ma=F\) を立てる。
  3. 方程式に数値を代入し、加速度 \(a\) について解く。

思考の道筋とポイント
この問題は、ニュートンの運動の第二法則、すなわち「運動方程式」を直接的に用いる基本的な問題です。運動方程式 \(ma=F\) は、物体の質量 \(m\)、生じる加速度 \(a\)、そして物体にはたらく合力 \(F\) の間の関係を示しています。問題文で与えられているのは質量 \(m\) と力 \(F\) であり、未知数は加速度 \(a\) です。したがって、運動方程式を \(a\) についての一次方程式と見なし、解を求めることが目標となります。物理量の単位が基本単位(質量はkg、力はN)で与えられているため、そのまま計算できる点も確認します。

この設問における重要なポイント

  • 運動方程式: \(ma = F\)。この式は力学の根幹をなす最も重要な公式の一つです。
  • \(F\): この \(F\) は、物体にはたらく「合力」を意味します。この問題では、加えた力が \(3.0\,\text{N}\) のみであるため、これがそのまま合力 \(F\) となります。
  • 単位の関係: \(1\,\text{N}\) の力は、質量 \(1\,\text{kg}\) の物体に \(1\,\text{m/s}^2\) の加速度を生じさせる力の大きさと定義されています。(\(1\,\text{N} = 1\,\text{kg} \cdot \text{m/s}^2\))。この関係を理解していると、計算結果の単位が正しく \( \text{m/s}^2 \) になることが分かります。

具体的な解説と立式
物体の質量を \(m\)、加速度を \(a\)、物体にはたらく合力を \(F\) とすると、運動方程式は次のように表されます。
$$ ma = F \quad \cdots ① $$
問題文から、与えられている物理量は以下の通りです。

  • 質量: \(m = 2.0\,\text{kg}\)
  • 力: \(F = 3.0\,\text{N}\)

これらの値を式①に代入して、加速度 \(a\) を求めます。

使用した物理公式

  • 運動方程式: \(ma = F\)
計算過程

運動方程式 \(ma=F\) に、\(m=2.0\,\text{kg}\)、\(F=3.0\,\text{N}\) を代入します。
$$
\begin{aligned}
2.0 \times a &= 3.0 \\[2.0ex]a &= \displaystyle\frac{3.0}{2.0} \\[2.0ex]&= 1.5
\end{aligned}
$$
したがって、加速度の大きさは \(1.5\,\text{m/s}^2\) となります。

計算方法の平易な説明

物理の世界には、「物体の動かしにくさ(質量)」と「物体に加える力」、「それによって生じる加速の度合い(加速度)」の間に、\((\text{質量}) \times (\text{加速度}) = (\text{力})\) というシンプルな関係があります。これが運動方程式です。
この問題では、質量が \(2.0\,\text{kg}\)、加えた力が \(3.0\,\text{N}\) と分かっています。
公式に当てはめると、\(2.0 \times a = 3.0\) という式ができます。
あとは簡単な算数で、\(a\) を求めるために \(3.0\) を \(2.0\) で割ればOKです。答えは \(1.5\) となります。

解答 1.5 m/s²

3 運動の法則

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「運動方程式とv-tグラフの関係」です。質量や力といった条件の変化が、物体の運動(v-tグラフ)にどのように反映されるかを考察します。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 運動方程式 \(ma=F\)
  2. v-tグラフの傾きが加速度を表すこと
  3. 比例・反比例の関係の理解

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 基準となる運動(グラフ①)の加速度を \(a_1\) とおく。
  2. 設問(1), (2)の条件から、それぞれの加速度 \(a_{(1)}\), \(a_{(2)}\) が \(a_1\) の何倍になるかを運動方程式を用いて計算する。
  3. v-tグラフの傾きが加速度に等しいことから、対応するグラフを選択する。

問(1)

思考の道筋とポイント
まず、基準となる運動①と、設問(1)の運動の条件を比較します。基準は「質量\(m\)の物体に力\(f\)」、設問(1)は「質量\(m\)の物体に力\(2f\)」です。質量は同じで、物体にはたらく力が2倍になっています。
運動方程式 \(ma=F\) を \(a\) について解くと \(a = \displaystyle\frac{F}{m}\) となります。この式から、質量\(m\)が一定のとき、加速度\(a\)は力\(F\)に比例することがわかります。
したがって、力が2倍になれば、加速度も2倍になります。
次に、v-tグラフに注目します。v-tグラフの直線の傾きは加速度を表します。よって、求めるグラフは、基準となるグラフ①よりも傾きが2倍大きいものを選べばよいことになります。

この設問における重要なポイント

  • v-tグラフの傾きは加速度\(a\)に等しい。
  • 運動方程式 \(a = \displaystyle\frac{F}{m}\) より、加速度\(a\)は、質量\(m\)が一定のとき、力\(F\)に比例する。
  • グラフの傾きの大小関係を視覚的に判断する。

具体的な解説と立式
基準となる運動①について、質量を\(m\)、力を\(f\)、加速度を\(a_1\)とすると、運動方程式は以下のようになります。
$$ ma_1 = f \quad \cdots ① $$
ここから、基準の加速度は \(a_1 = \displaystyle\frac{f}{m}\) と表せます。

次に、設問(1)の運動について、質量を\(m\)、力を\(2f\)、加速度を\(a_{(1)}\)とすると、運動方程式は以下のようになります。
$$ m a_{(1)} = 2f \quad \cdots ② $$
両者の加速度を比較するため、式②を \(a_{(1)}\) について変形し、\(a_1\) を用いて表します。
$$
\begin{aligned}
a_{(1)} &= \displaystyle\frac{2f}{m} \\[2.0ex]&= 2 \times \left(\displaystyle\frac{f}{m}\right) \\[2.0ex]&= 2a_1
\end{aligned}
$$
この結果から、設問(1)の加速度は基準①の加速度の2倍であることがわかります。v-tグラフの傾きは加速度を表すので、グラフ①よりも傾きが2倍大きいグラフを探します。

使用した物理公式

  • 運動方程式: \(ma = F\)
  • v-tグラフの傾きと加速度の関係: \(a = \displaystyle\frac{\Delta v}{\Delta t}\)
計算過程

この問題は定量的な計算よりも、比例関係からグラフを選択する問題です。
グラフの傾きを視覚的に確認します。

  • グラフ①は、例えば横に4マス進むと縦に2マス上がっています。傾きを \(k_1\) とすると、\(k_1\) は \(\displaystyle\frac{2}{4}\) すなわち \(0.5\) に比例する値です。
  • グラフ③は、横に4マス進むと縦に4マス上がっています。傾きを \(k_3\) とすると、\(k_3\) は \(\displaystyle\frac{4}{4}\) すなわち \(1.0\) に比例する値です。

ここで、\(k_3\) は \(k_1\) の2倍、すなわち \(k_3 = 2k_1\) の関係が成り立っているため、設問(1)の運動を表すグラフは③であることが確認できます。

計算方法の平易な説明

v-tグラフの「坂道の急さ(傾き)」が、物体の「加速の勢い(加速度)」を表しています。
基準の運動①は、質量\(m\)のものを力\(f\)で押したときのグラフです。
(1)では、同じ質量のものを2倍の力\(2f\)で押します。当然、加速の勢いは2倍になります。
したがって、グラフの坂道の急さ(傾き)が①の2倍になっているものを探せばよいわけです。グラフをよく見ると、③の傾きがちょうど①の2倍になっていることがわかります。

解答 (1)

問(2)

思考の道筋とポイント
設問(1)と同様に、基準の運動①と設問(2)の運動の条件を比較します。基準は「質量\(m\)の物体に力\(f\)」、設問(2)は「質量\(3m\)の物体に力\(f\)」です。今度は、はたらく力は同じで、質量が3倍になっています。
運動方程式 \(a = \displaystyle\frac{F}{m}\) から、力\(F\)が一定のとき、加速度\(a\)は質量\(m\)に反比例することがわかります。
したがって、質量が3倍になれば、加速度は \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍になります。
v-tグラフの傾きは加速度を表すので、求めるグラフは、基準となるグラフ①よりも傾きが \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍小さいものを選びます。

この設問における重要なポイント

  • v-tグラフの傾きは加速度\(a\)に等しい。
  • 運動方程式 \(a = \displaystyle\frac{F}{m}\) より、加速度\(a\)は、力\(F\)が一定のとき、質量\(m\)に反比例する。
  • 反比例の関係は、一方が増えると他方が減少することを意味する。

具体的な解説と立式
基準となる運動①の加速度は、\(a_1 = \displaystyle\frac{f}{m}\) です。

次に、設問(2)の運動について、質量を\(3m\)、力を\(f\)、加速度を\(a_{(2)}\)とすると、運動方程式は以下のようになります。
$$ (3m) a_{(2)} = f \quad \cdots ③ $$
両者の加速度を比較するため、式③を \(a_{(2)}\) について変形し、\(a_1\) を用いて表します。
$$
\begin{aligned}
a_{(2)} &= \displaystyle\frac{f}{3m} \\[2.0ex]&= \displaystyle\frac{1}{3} \times \left(\displaystyle\frac{f}{m}\right) \\[2.0ex]&= \displaystyle\frac{1}{3}a_1
\end{aligned}
$$
この結果から、設問(2)の加速度は基準①の加速度の \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍であることがわかります。v-tグラフの傾きは加速度を表すので、グラフ①よりも傾きが \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍であるグラフを探します。

使用した物理公式

  • 運動方程式: \(ma = F\)
  • v-tグラフの傾きと加速度の関係: \(a = \displaystyle\frac{\Delta v}{\Delta t}\)
計算過程

グラフの傾きを視覚的に確認します。

  • 基準となるグラフ①の傾き \(k_1\) は、\(0.5\) すなわち \(\displaystyle\frac{1}{2}\) に比例する値でした。
  • 求めるグラフの傾きは \(k_{(2)} = \displaystyle\frac{1}{3}k_1\) となるはずです。
  • グラフ⑤は、グラフの格子点を通る点として、例えば横に6マス進むと縦に1マス上がっている点が見えます。傾きを \(k_5\) とすると、\(k_5\) は \(\displaystyle\frac{1}{6}\) に比例します。
  • 基準の傾き \(k_1\) と比較すると、\(k_5\) は \(k_1\) の \(\displaystyle\frac{1}{3}\) 倍 (\(\displaystyle\frac{1}{6} = \displaystyle\frac{1}{3} \times \displaystyle\frac{1}{2}\)) となっています。

したがって、設問(2)の運動を表すグラフは⑤であることが確認できます。

計算方法の平易な説明

(2)では、基準と同じ力\(f\)で、3倍重い(質量\(3m\))ものを押します。
同じ力で重いものを押すのですから、加速の勢いは弱くなります。具体的には、質量が3倍なので、加速の勢いは \(\displaystyle\frac{1}{3}\) になってしまいます。
したがって、グラフの坂道の急さ(傾き)が①の \(\displaystyle\frac{1}{3}\) になっているものを探せばよいわけです。グラフをよく見ると、⑤の傾きが①の \(\displaystyle\frac{1}{3}\) になっていることがわかります。

解答 (2)

4 摩擦力

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「静止摩擦力、最大摩擦力、動摩擦力の違いと計算方法」です。物体が静止しているか、動いているかによって、はたらく摩擦力の種類と大きさがどう変わるかを理解することが重要です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 力のつりあい
  2. 静止摩擦力と最大摩擦力の関係
  3. 動摩擦力の公式 \(F’ = \mu’ N\)
  4. 垂直抗力の求め方

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. まず、すべての設問で共通して必要となる垂直抗力 \(N\) を、鉛直方向の力のつりあいから計算しておく。
  2. 設問(1)では、物体が「動かなかった」ことから、水平方向の力のつりあいを考えて静止摩擦力を求める。
  3. 設問(2)では、「すべりだす直前」という条件から、最大摩擦力の公式 \(F_0 = \mu N\) を用いて計算する。
  4. 設問(3)では、まず引く力が最大摩擦力を超えていることを確認して物体が動いていることを判断し、動摩擦力の公式 \(F’ = \mu’ N\) を用いて計算する。

問(1)

思考の道筋とポイント
この設問のキーワードは「物体は動かなかった」です。これは、物体が静止し続けていることを意味し、物体にはたらく力がつりあっている状態であることを示しています。
水平方向には、外部から加えた「引く力」と、それを妨げる向きにはたらく「静止摩擦力」の2つがあります。これら2つの力がつりあっているため、静止摩擦力の大きさは引く力の大きさと等しくなります。
ここで重要なのは、静止摩擦力は常に一定の値をとるのではなく、加えられた力に応じて大きさを変える「調整可能な力」であるという点です。加えられた力が最大摩擦力を超えない限り、静止摩擦力は加えた力と等しくなります。

この設問における重要なポイント

  • 力のつりあい: 物体が静止している、または等速直線運動しているとき、物体にはたらく力の合力はゼロである。
  • 静止摩擦力: 物体が動かないときにはたらく摩擦力。その大きさは、最大摩擦力 \(F_0\) を上限として、加わる力とつりあうように変化する (\(f \le F_0\))。

具体的な解説と立式
まず、物体にはたらく力を考えます。
鉛直方向には、下向きに重力 \(mg\)、上向きに床からの垂直抗力 \(N\) がはたらいています。物体は上下には動かないので、これらの力はつりあっています。
$$ N – mg = 0 \quad \cdots ① $$
水平方向には、右向きに引く力 \(T_1 = 5.0\,\text{N}\)、左向きに静止摩擦力 \(F\) がはたらいています。問題文より物体は動かなかったので、これらの力もつりあっています。
$$ T_1 – F = 0 \quad \cdots ② $$
式②を解くことで、摩擦力 \(F\) の大きさが求まります。

使用した物理公式

  • 力のつりあい: 合力 \(\sum \vec{F} = 0\)
  • 重力: \(W=mg\)
計算過程

まず、後の設問でも必要となる垂直抗力 \(N\) と最大摩擦力 \(F_0\) を計算しておきます。
与えられた値は \(m=2.0\,\text{kg}\), \(g=9.8\,\text{m/s}^2\), \(\mu=0.50\) です。
鉛直方向の力のつりあいの式①より、垂直抗力 \(N\) は、
$$
\begin{aligned}
N &= mg \\[2.0ex]&= 2.0 \times 9.8 \\[2.0ex]&= 19.6\,\text{N}
\end{aligned}
$$
このときの最大摩擦力 \(F_0\) は、
$$
\begin{aligned}
F_0 &= \mu N \\[2.0ex]&= 0.50 \times 19.6 \\[2.0ex]&= 9.8\,\text{N}
\end{aligned}
$$
引く力は \(T_1 = 5.0\,\text{N}\) であり、これは最大摩擦力 \(F_0 = 9.8\,\text{N}\) よりも小さいです。したがって、物体が動かないという問題文の記述と一致します。
このとき、水平方向の力のつりあいの式②より、静止摩擦力 \(F\) は、
$$
\begin{aligned}
F &= T_1 \\[2.0ex]&= 5.0\,\text{N}
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

机の上の本を指で軽く押しても、本は動きません。これは、あなたが押した力と全く同じ大きさの「静止摩擦力」が、本と机の間で逆向きにはたらいて、力が釣り合っている(キャンセルされている)からです。
この問題でも、\(5.0\,\text{N}\) の力で物体を引いても「動かなかった」とあるので、静止摩擦力がちょうど \(5.0\,\text{N}\) の大きさで引き返し、力のバランスが取れている状態だと考えられます。したがって、摩擦力の大きさは引く力と同じ \(5.0\,\text{N}\) です。

解答 (1) 5.0 N

問(2)

思考の道筋とポイント
この設問のキーワードは「すべりだす直前」です。これは、静止摩擦力が耐えられる限界に達した瞬間を指しており、このときの摩擦力は「最大摩擦力」と呼ばれます。
最大摩擦力 \(F_0\) は、物体の材質や面の状態によって決まる「静止摩擦係数 \(\mu\)」と、面が物体を押し返す力である「垂直抗力 \(N\)」を使って、公式 \(F_0 = \mu N\) から計算することができます。
したがって、まず鉛直方向の力のつりあいから垂直抗力 \(N\) を求め、その値を使って最大摩擦力を計算するという手順になります。

この設問における重要なポイント

  • 最大摩擦力 \(F_0\): 物体が静止し続けることができる限界の摩擦力。これを超える大きさの力が加わると物体は動き出す。
  • 最大摩擦力の公式: \(F_0 = \mu N\)。静止摩擦係数 \(\mu\) と垂直抗力 \(N\) の積で計算される。

具体的な解説と立式
物体がすべりだす直前にはたらく摩擦力は、最大摩擦力 \(F_0\) です。最大摩擦力は、静止摩擦係数 \(\mu\) と垂直抗力 \(N\) を用いて次のように表されます。
$$ F_0 = \mu N \quad \cdots ① $$
垂直抗力 \(N\) は、設問(1)と同様に、鉛直方向の力のつりあいから求められます。
$$ N = mg \quad \cdots ② $$
式②で \(N\) を計算し、その結果を式①に代入することで \(F_0\) が求まります。

使用した物理公式

  • 最大摩擦力: \(F_0 = \mu N\)
  • 力のつりあい: 合力 \(\sum \vec{F} = 0\)
  • 重力: \(W=mg\)
計算過程

まず、式②を用いて垂直抗力 \(N\) を計算します。これは設問(1)で計算した値と同じです。
$$
\begin{aligned}
N &= mg \\[2.0ex]&= 2.0 \times 9.8 \\[2.0ex]&= 19.6\,\text{N}
\end{aligned}
$$
次に、この \(N\) の値を式①に代入して、最大摩擦力 \(F_0\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
F_0 &= \mu N \\[2.0ex]&= 0.50 \times 19.6 \\[2.0ex]&= 9.8\,\text{N}
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

重いタンスを押すとき、だんだん力を強くしていくと、最初はびくともしませんが、ある瞬間に「グッ」と動き出しますよね。この「動き出す直前」にタンスが一番強く抵抗している摩擦力が「最大摩擦力」です。
この力の大きさは、「床のザラザラ具合(静止摩擦係数)」と「タンスが床を押し付ける力(垂直抗力)」で決まります。この問題では、それらの値が与えられているので、公式 \(F_0 = \mu N\) に当てはめて計算するだけで答えが求まります。

解答 (2) 9.8 N

問(3)

思考の道筋とポイント
この設問では、\(15\,\text{N}\) の力で引いたときにはたらく摩擦力を問われています。まず、この力で物体が動くのかどうかを判断する必要があります。
そのために、引く力 \(T_3 = 15\,\text{N}\) と、設問(2)で求めた最大摩擦力 \(F_0 = 9.8\,\text{N}\) を比較します。\(T_3 > F_0\) なので、物体は静止し続けることができず、すべりだします。
物体がすべっている(動いている)ときにはたらく摩擦力は「動摩擦力」と呼ばれます。動摩擦力 \(F’\) の大きさは、物体の速さによらずほぼ一定で、動摩擦係数 \(\mu’\) と垂直抗力 \(N\) を使って、公式 \(F’ = \mu’ N\) で計算できます。

この設問における重要なポイント

  • 運動状態の判断: 加えられた力 \(T\) と最大摩擦力 \(F_0\) を比較し、\(T > F_0\) であれば物体は動く。
  • 動摩擦力 \(F’\): 物体が動いている間にはたらく一定の大きさの摩擦力。
  • 動摩擦力の公式: \(F’ = \mu’ N\)。動摩擦係数 \(\mu’\) と垂直抗力 \(N\) の積で計算される。

具体的な解説と立式
まず、引く力 \(T_3 = 15\,\text{N}\) と最大摩擦力 \(F_0 = 9.8\,\text{N}\) を比較します。
\(15\,\text{N} > 9.8\,\text{N}\) であるため、物体はすべっています。
物体がすべっているときにはたらく摩擦力は動摩擦力 \(F’\) であり、その大きさは動摩擦係数 \(\mu’\) と垂直抗力 \(N\) を用いて次のように表されます。
$$ F’ = \mu’ N \quad \cdots ① $$
垂直抗力 \(N\) は、これまでの設問と同様に \(N=mg\) で計算できます。
$$ N = mg \quad \cdots ② $$
式②で \(N\) を計算し、その結果を式①に代入することで \(F’\) が求まります。

使用した物理公式

  • 動摩擦力: \(F’ = \mu’ N\)
  • 力のつりあい(鉛直方向)
  • 重力: \(W=mg\)
計算過程

垂直抗力 \(N\) は、これまでの設問で計算した通り \(N = 19.6\,\text{N}\) です。
この \(N\) の値を動摩擦力の公式①に代入して、動摩擦力 \(F’\) を計算します。
$$
\begin{aligned}
F’ &= \mu’ N \\[2.0ex]&= 0.25 \times 19.6 \\[2.0ex]&= 4.9\,\text{N}
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

一度動き出したタンスは、動き出す瞬間に比べて少し軽い力で押し続けられる感じがしませんか?これは、動いている間の摩擦(動摩擦力)が、動き出す直前の最大の摩擦(最大摩擦力)よりも小さいからです。
この問題でも、引く力(\(15\,\text{N}\))が最大摩擦力(\(9.8\,\text{N}\))より大きいので、物体は動いています。動いているときにはたらく摩擦力は、静止しているときとは別の「動摩擦力」の公式を使って計算します。公式に値を当てはめれば、答えが求まります。

解答 (3) 4.9 N

5 圧力

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「水圧の計算」です。水面にかかる大気圧と、水の重さによる圧力(静水圧)を足し合わせることで、水中の圧力を求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 水圧の公式: \(p = p_0 + \rho h g\)
  2. 静水圧: \(p_{\text{水}} = \rho h g\) の意味の理解
  3. 圧力の単位(Pa: パスカル)
  4. 有効数字の処理

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題文から、大気圧 \(p_0\)、水の密度 \(\rho\)、水深 \(h\)、重力加速度 \(g\) の値を整理する。
  2. 水圧の公式 \(p = p_0 + \rho h g\) に値を代入する。
  3. 計算を実行し、有効数字に注意して最終的な答えを求める。

思考の道筋とポイント
水中のある点にかかる圧力は、2つの要素から成り立っています。一つは、水面全体を上から押している「大気圧」。もう一つは、その点の上にある水柱の重さによって生じる「水圧(静水圧)」です。したがって、求める圧力は、これら二つを単純に足し合わせることで得られます。公式 \(p = p_0 + \rho h g\) は、この物理的な状況をそのまま数式にしたものです。計算では、各項の単位が揃っていることを確認し、特に指数計算(\(10^5\)など)を正確に行うことが重要です。最後に、問題文で与えられた数値の有効数字(この場合は2桁)に合わせて、答えを丸める必要があります。

この設問における重要なポイント

  • 全圧: 水中の圧力は、大気圧 \(p_0\) と静水圧 \(\rho h g\) の和で表される。\(p = p_0 + \rho h g\)。
  • 静水圧 \(\rho h g\): 密度 \(\rho\) の液体中の深さ \(h\) の点における、液体の重さによる圧力。断面積 \(S\) の水柱を考えると、その体積は \(Sh\)、質量は \(\rho Sh\)、重さは \(\rho Shg\)。この重さが底面積 \(S\) にかかるので、圧力は \(\displaystyle\frac{\rho Shg}{S} = \rho h g\) となる。
  • 大気圧: 私たちが普段生活している地表では、空気の重さによって約 \(1.0 \times 10^5\,\text{Pa}\) の圧力が常にかかっている。これを大気圧という。
  • 有効数字: 計算結果は、計算に用いた数値の中で最も有効数字の桁数が少ないものに合わせるのが原則。この問題では、水深「5.0」m、大気圧「1.0」\(\times 10^5\) Pa、水の密度「1.0」\(\times 10^3\) kg/m³ がすべて有効数字2桁なので、答えも2桁で表す。

具体的な解説と立式
水深 \(h\) における圧力 \(p\) は、水面における大気圧 \(p_0\) と、深さ \(h\) までの水の重さによる圧力(静水圧) \(\rho h g\) の和で与えられます。
$$ p = p_0 + \rho h g \quad \cdots ① $$
問題文で与えられている値は以下の通りです。

  • 大気圧: \(p_0 = 1.0 \times 10^5\,\text{Pa}\)
  • 水の密度: \(\rho = 1.0 \times 10^3\,\text{kg/m}^3\)
  • 水深: \(h = 5.0\,\text{m}\)
  • 重力加速度: \(g = 9.8\,\text{m/s}^2\)

これらの値を式①に代入して、圧力 \(p\) を計算します。

使用した物理公式

  • 水圧の公式: \(p = p_0 + \rho h g\)
計算過程

式①に各値を代入します。
$$
\begin{aligned}
p &= p_0 + \rho h g \\[2.0ex]&= (1.0 \times 10^5) + (1.0 \times 10^3) \times 5.0 \times 9.8 \\[2.0ex]&= 1.0 \times 10^5 + (1.0 \times 5.0 \times 9.8) \times 10^3 \\[2.0ex]&= 1.0 \times 10^5 + 49 \times 10^3 \\[2.0ex]&= 1.0 \times 10^5 + 0.49 \times 10^5 \\[2.0ex]&= (1.0 + 0.49) \times 10^5 \\[2.0ex]&= 1.49 \times 10^5\,\text{Pa}
\end{aligned}
$$
計算結果を有効数字2桁に丸めます。\(1.49\) の小数第2位の \(9\) を四捨五入すると \(1.5\) となります。
したがって、
$$ p \approx 1.5 \times 10^5\,\text{Pa} $$

計算方法の平易な説明

水の中に潜ると、耳がキーンとしますよね。これは水圧がかかるからです。水中の圧力は、2つの圧力の合計で考えます。

  1. 空気の重さによる圧力(大気圧): 水面には常に空気が乗っかっていて、その重さで圧力がかかっています。これが \(1.0 \times 10^5\,\text{Pa}\) です。
  2. 水の重さによる圧力(水圧): 自分の上にある水の重さによっても圧力がかかります。これは「水の密度 \(\times\) 深さ \(\times\) 重力加速度」で計算できます。

この問題では、まず水の重さによる圧力を計算し(\(0.49 \times 10^5\,\text{Pa}\))、それに元々ある大気圧(\(1.0 \times 10^5\,\text{Pa}\))を足し算します。合計すると \(1.49 \times 10^5\,\text{Pa}\) となり、これを四捨五入して \(1.5 \times 10^5\,\text{Pa}\) が答えになります。

解答 1.5×10⁵ Pa

6 浮力

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「浮力の計算」です。アルキメデスの原理に基づいて、物体が受ける浮力の大きさを公式から求めます。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 浮力の定義(アルキメデスの原理)
  2. 浮力の公式 \(F = \rho V_{\text{水没}} g\)
  3. 公式中の体積が「物体全体の体積」ではなく「水面下の体積」であることの理解

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題文から、流体(水)の密度 \(\rho\) と、水面下にある物体の体積 \(V_{\text{水没}}\) を特定する。
  2. 浮力の公式にこれらの値を代入し、計算する。

思考の道筋とポイント
この問題の核心は、浮力の公式 \(F = \rho V g\) にある \(V\) が何を指しているかを正確に理解することです。この \(V\) は「物体全体の体積」ではなく、「物体が押しのけた流体の体積」、すなわち「物体の水面下にある部分の体積」です。
アルキメデスの原理によれば、浮力の大きさは「物体が押しのけた流体の重さ」に等しくなります。
この原理に従って、以下のステップで考えます。

  1. 物体が押しのけた水の体積はいくらか? → 問題文より、物体全体の体積 \(V\) の \(\displaystyle\frac{3}{4}\) である。
  2. その体積分の水の質量はいくらか? → (水の密度 \(\rho\))\(\times\)(押しのけた水の体積 \(\displaystyle\frac{3}{4}V\))で求まる。
  3. その質量分の水の重さはいくらか? → (水の質量)\(\times\)(重力加速度 \(g\))で求まる。これが浮力の大きさです。

この設問における重要なポイント

  • アルキメデスの原理: 浮力の大きさは、物体が押しのけた流体の重さに等しい。
  • 浮力の公式: \(F = \rho V_{\text{水没}} g\)
    • \(F\): 浮力 [N]
    • \(\rho\): 流体の密度 [kg/m³] (物体の密度ではないことに注意)
    • \(V_{\text{水没}}\): 物体の水面下にある部分の体積 [m³] (物体全体の体積ではない)
    • \(g\): 重力加速度 [m/s²]
  • 力のつりあい(参考): この問題では問われていませんが、物体が「浮かんでいる」状態は、物体にはたらく重力と浮力がつりあっている状態です。つまり、(物体の質量) \(\times g = F\) が成り立っています。

具体的な解説と立式
浮力の大きさ \(F\) は、アルキメデスの原理より、物体が押しのけた流体(この場合は水)の重さに等しいです。
まず、物体が押しのけた水の体積 \(V_{\text{水没}}\) を求めます。問題文より、これは物体全体の体積 \(V\) の \(\displaystyle\frac{3}{4}\) です。
$$ V_{\text{水没}} = \displaystyle\frac{3}{4}V \quad \cdots ① $$
次に、この体積分の水の質量 \(m_{\text{水}}\) を求めます。質量は「密度 \(\times\) 体積」で計算でき、水の密度は \(\rho\) なので、
$$ m_{\text{水}} = \rho V_{\text{水没}} \quad \cdots ② $$
浮力 \(F\) は、この押しのけた水の重さ(質量 \(m_{\text{水}}\) に重力加速度 \(g\) を掛けたもの)に等しくなります。
$$ F = m_{\text{水}} g \quad \cdots ③ $$
式①と式②を式③に代入することで、浮力 \(F\) を求める式を立てます。

使用した物理公式

  • 浮力の公式: \(F = \rho V_{\text{水没}} g\)
  • 質量と密度の関係: \(m = \rho V\)
計算過程

「具体的な解説と立式」で立てた式を解きます。
$$
\begin{aligned}
F &= m_{\text{水}} g \\[2.0ex]&= (\rho V_{\text{水没}}) g \\[2.0ex]&= \rho \left(\displaystyle\frac{3}{4}V\right) g \\[2.0ex]&= \displaystyle\frac{3}{4}\rho V g
\end{aligned}
$$
したがって、浮力の大きさは \(\displaystyle\frac{3}{4}\rho V g \, [\text{N}]\) となります。

計算方法の平易な説明

お風呂に体を入れると、その分お湯の水位が上がりますよね。浮力とは、この「体によって押しのけられたお湯の重さ」と同じ大きさの力のことです。
この問題では、物体全体の体積のうち \(\displaystyle\frac{3}{4}\) だけが水に沈んでいます。
なので、まず「押しのけられた水の体積」を求めます。これは物体の体積 \(V\) の \(\displaystyle\frac{3}{4}\) なので、\(\displaystyle\frac{3}{4}V\) です。
次に、この体積分の水の「重さ」を計算します。重さは「密度 \(\times\) 体積 \(\times\) 重力加速度」で計算できるので、\(\rho \times (\frac{3}{4}V) \times g\) となります。
これを整理すると、答えの \(\displaystyle\frac{3}{4}\rho V g\) が出てきます。

解答 \(\displaystyle\frac{3}{4}\rho Vg\) [N]
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