- 授業の板書ノートってどうやって作るの?
- 授業の進め方がイメージできなくて怖い
- スムーズに進める簡単なコツってあるの?
そんな不安・疑問あるあるを解消するために、私立学校講師・プロ家庭教師・YouTubeチャンネル運営をしているわたしの経験をまとめていきます。
下の目次から気になるパートに飛んで参考にしてみてください。
2タイプの授業準備方法
板書ノート作りタイプ
最初はしっかり板書のノートを作ります。
板書内容をイメージして済ませようとすると、次のようなアクシデントが起きがちです。
- 緊張で内容が飛ぶ
- まとまりがなくなる
- 思い付きで余計なことまで書いてしまう
準備せずに授業に挑むのは、勝率の低いギャンブルと同じです。
特に最初の授業で失敗すると、次の授業から生徒が話を聞かなくなることが多いので、準備はキッチリしておきましょう。
板書の色を先に決めておく理由
板書ノートを「メモ書き」と勘違いして、すべて黒字で書く人がいます。
だけど、それは絶対NG!
場数をこなしてきた先生にとってはメモ書きですが、まだ慣れてない先生にとっては「下書き」です。
授業では、板書ノートを見ながら黒板に「清書」をします。
なので何色を使うのかも、板書ノート作りのときに決めておきましょう。
板書ノートは横向きに使う理由
黒板の形はどうなっていますか?
もちろん横長です。
しかしノートのページは縦長ですよね?
ノート作りをしている段階で、黒板に書くときの配置などもシミュレーションしやすいように、ノートは横向きにして書くことがおすすめです。
2分割で使う理由
ノートを横向きにしたら、真ん中に仕切り線を書いて左右2分割にしましょう。
もちろん黒板に書くときも、真ん中に線を書いて同じように2分割します。
これにはメリットが2つあります。
- 無駄なスペースがなくなる
- 生徒が板書を写しやすい (重要)
話を聞きながら板書を写せる生徒もいれば、聞いてから板書を写したい生徒もいます。
2分割しておかないと「板書する→話す→消す→板書する」のテンポが速くなりすぎてしまう。
あらかじめ2分割しておくと、先生と同じテンポで書きたい生徒、話を聞き終わってから一気に書きたい生徒どちらも対応しやすいです。
ちなみに私は、普通の黒板なら3分割、小さめの黒板やホワイトボードなら2分割にしています。
※現在はiPadのノートアプリをメインで使用しているので、黒板を使用することは減りました※
自作プリントタイプ
講師をはじめた1年目のときは板書タイプだったのですが、2年目からは自作プリントタイプに変えました。
このタイプのメリットは、以下の3つです。
- 授業での板書量が減る
- 生徒が内容に集中しやすい
- 1度作ればずっと使える
板書量が減るのは、自分にも生徒にもメリットがあるので超オススメです。
作成したプリントデータをPDF化しておけば、生徒のiPadにデータを送れたり、Dropboxで保存すればどこでも印刷できます。
実際に働きはじめると、これがなにかと便利です。
プリントの作り方
自作プリントをいきなり作るのはものすごく難しいです。
はじめは次のどちらかのパターンで作ってみましょう。
- 教科書のマネをする
- 参考書のマネをする
説明の流れを参考にして、自分の言葉で言い換えたり、わかりやすい図やイラストを追加します。
参考書をベースとするときは、教科書と違って説明文が長いので注意が必要です。
プリントに書いておく部分と、口頭で話す部分を選別しましょう。
重要ポイントはプリントに書いて、説明や補足部分は口頭で話すのがオススメです。
練習問題に関しては、学校指定の教科書にのっている練習問題を使います。
追加で問題を入れた方がいいと思う場合は、学校指定の問題集などから選びましょう。
プリント作りのオススメソフト
理系の場合は【Studyaid】がオススメ。
金額は少し高いですが、学校のPCに入っている場合もあります。
このソフトでは、理系教科で必要なグラフ・数式・図形を簡単に作成できます。
さらに入試問題や問題集のデータが入っているものもあるので、参考に調べてみてください。
文系の場合は図形が必要ないと思うので【Word】【PowerPoint】で十分作れます。
教科書や資料集の写真が必要な場合は、プリンターでスキャンしたりスマホで撮ってデータ化してしまえば大丈夫です。
定期テストはWordで作る場合が多いので、プリント作りを通して慣れておくことがオススメです。
学校の授業で使用する場合は大丈夫ということが多いですが、著作権に関することも学校で先輩教師に教わりましょう!
授業の進め方3ポイント
授業の大きな流れ4ステップ
この4ステップをひな型として進めていくと、はじめての先生でも授業の型はできあがります。
この流れに慣れてきたら、形は崩さずに自分なりの肉付けをしていきましょう。
板書の色使いは要注意
学生のときにノートをカラフルにしていた人は気をつけましょう。
板書で色をたくさん使う先生もいますが、できるだけ色の種類は減らした方がいいです。
たくさんの色を使うとデメリットがあります。
- なにが大切なのか分かりにくい
- 板書に余計な時間がかかる
- 生徒がノートを書いただけで満足してしまう
なのでひとつの例として、次の3色構成にしてみましょう。
生徒も3色ペンがあれば十分だし、先生側も本当に大切なものは何なのかを考えられます。
「図や絵を書くときなど、どうしても!というとき以外は色は増やさない!」と自分に言い聞かせましょう。
板書ノートを見ながら板書する
授業準備のときに用意した板書ノートをそのまま板書するということをルール化しましょう。
その場で思いついたことをドンドン書いていくと、まとまりのないグチャグチャな板書になります。
ベテランの先生がノートや教科書を見ながら板書しているなら改善するべきですが、まだ先生になりたての若い先生であれば生徒もそれほど気にならないです。
むしろまとまりのない、その場しのぎで書かれる板書の方が印象もよくないので、ノートは見てしまって問題ありません。
授業で意識する3つのコツ
いろんな先生のなかで、みんな自分流のコツがあります。
授業法の本にはたくさんの授業技術が書いてあって、参考になるものも多いです。
勉強熱心で、いろんな技術の勉強をしてきた人は特に気をつけてほしい点があります。
なので慣れていない状況でも意識しやすいポイントに絞ってコツを紹介します。
説明しすぎない
はじめての授業では、どうしても色々と説明したくなってしまいます。
生徒のリアクションが気になり、いろいろ補足しているうちに、何の話をしているか分からなくなってしまうのはあるあるです。
そこで「説明しすぎない」がポイントです。
基本的には、決めていた流れの話しかしない!
もし生徒が分からなそうなリアクションをしていたら、追加の説明をするのではなく、たとえ話を使って同じ説明をするというのがコツです。
内容や流れは変えずに視点だけを変えれば、情報量は増えず理解も深められます。
板書の練習はしておく
実際に板書をしてみるとわかりますが、結構むずかしいです。
でも心配ありません。
字がキレイでなくても生徒はちゃんと読めます。
ただし身体を黒板に向けなくても書けるようにするのは大切です。
↑イメージはこのような感じ↑
板書中に生徒に背中を向け続けると、生徒からすれば黒板が見にくかったり、先生ひとりの世界に入ってしまったように見えてしまいます。
話すときは前を向く
内容について説明するときや、板書をしていないときは、基本的には前を向きながら話すのが大切。
話し方のテクニックなどは全く気にしなくていいので、生徒の方を見ながら話すようにしましょう。
つねに前を向きながら話すのは難しいという場合は、重要なポイントを話すときだけ前を向きましょう。
最初はそれだけでも十分生徒は聞いてくれます。
目標としては、授業前に板書ノートを覚えてしまえば完璧です!
まとめ
新卒で学校の講師としてはじめて働くときに出会った言葉で、いまでも時折思い出す言葉があります。
- 学者・・・豊富な知識を持っていて、卓越した問題解答能力を持っていること
- 役者・・・生徒との強い信頼関係と、良好なクラス環境を作る力を持っていること
- 易者・・・入試、受験、進路情報を分析して、的確な指導ができる力を持っていること
- 芸者・・・生徒をやる気にさせる力を持っていること
- 医者・・・生徒の精神面、体力面をサポートできること
軸をまだ決めていない方はぜひこの言葉を参考にしてみるのも良いと思います。
私は自作プリントを初年度に一気に作りました。そのおかげで2年目からは一気に楽になりました。
2年目以降は、放課後から夜遅くまで家庭教師の仕事をしたり、平日に友達と飲みに行くことも可能です。
準備がテンプレ化するので、授業準備に時間もかからなくなり、無駄に仕事時間を増やすことも防げます。
さらに、授業の流れもテンプレ化することで、生徒のリアクションを見る余裕も生まれ、そのリアクションに合わせてマイナーチェンジも可能になりました。
ただでさえ忙しいとされている仕事なので、少しでも余裕をもって仕事を楽しめるように、準備をしておきましょう。
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