「リードα 物理基礎・物理 改訂版」徹底解説!【第5章】基礎CHECK

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基礎CHECK

1 力のモーメント

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは、複数の力が働く物体における、ある点のまわりの「力のモーメント」の計算です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 力のモーメントの定義: \(M = F \times l\)(力 × 腕の長さ)。
  2. 腕の長さの定義: 回転の中心から力の作用線に下ろした垂線の長さ。
  3. モーメントの符号: 問題の指示に従い、反時計回りを正、時計回りを負とする。
  4. 三角比を用いた腕の長さの計算

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 各力 \(F_1, F_2, F_3, F_4\) について、回転の中心 O との「腕の長さ」 \(l\) を図形的に求める。
  2. 各力が物体を回転させようとする向き(時計回りか反時計回りか)を判断し、モーメントの符号を決定する。
  3. 公式 \(M = \pm F \times l\) に値を代入して、各モーメントを計算する。

思考の道筋とポイント
力のモーメントは、物体を回転させる能力を表す物理量です。その大きさは「力の大きさ」と「腕の長さ」の積で決まります。この問題の核心は、「腕の長さ」を正しく求められるかどうかにあります。「腕の長さ」とは、回転の中心(この問題では点O)から、力の「作用線」(力を表す矢印を延長した直線)までの最短距離、つまり垂線の長さを指します。作用点までの距離そのものではない点に注意が必要です。
各力について、まず腕の長さを三角比などを使って正確に求めます。次に、その力が物体をどちら向きに回そうとするかをイメージし、問題文の「反時計回りを正」という約束に従って符号(正負)を決定します。この2つのステップを各力について丁寧に行うことが、正解への道筋となります。

この設問における重要なポイント

  • 力のモーメント \(M\): 物体を回転させる能力の指標で、\(M = F \times l\) と定義されます。ここで \(F\) は力の大きさ、\(l\) は腕の長さです。単位はニュートンメートル [N·m] です。
  • 腕の長さ \(l\): 回転の中心から力の作用線へ下ろした垂線の長さです。回転中心から力の作用点までの距離を \(r\)、その線分と力のベクトルがなす角を \(\theta\) とすると、\(l = r \sin\theta\) と表せることが多いです。
  • 符号の規約: 問題で指定された通り、反時計回りの回転を生じさせるモーメントを正(\(+\))、時計回りの回転を生じさせるモーメントを負(\(-\))として扱います。
  • モーメントが0になる場合: 力の作用線が回転の中心を通るとき、腕の長さは \(l=0\) となり、力のモーメントも \(0\) になります。

具体的な解説と立式
各力の点Oのまわりのモーメント \(M_1, M_2, M_3, M_4\) を求めます。問題の指示より、反時計回りを正とします。

  1. \(M_1\) の計算
    力 \(F_1\) の作用線は、点Pを通り、線分OPに垂直です。したがって、点Oから \(F_1\) の作用線までの腕の長さ \(l_1\) は、OP間の距離に等しくなります。
    $$ l_1 = 0.20 \, (\text{m}) $$
    力 \(F_1\) は物体を反時計回りに回転させるため、モーメント \(M_1\) は正となります。
    $$ M_1 = F_1 l_1 $$
  2. \(M_2\) の計算
    力 \(F_2\) は点Qに作用し、線分OQと \(45^\circ\) の角をなしています。腕の長さ \(l_2\) は、点Oから \(F_2\) の作用線に下ろした垂線の長さなので、三角比を用いて求めます。
    $$ l_2 = \text{OQ} \sin 45^\circ = 0.40 \sin 45^\circ $$
    力 \(F_2\) は物体を時計回りに回転させるため、モーメント \(M_2\) は負となります。
    $$ M_2 = -F_2 l_2 $$
  3. \(M_3\) の計算
    力 \(F_3\) は点Rに作用し、その作用線と線分ORの延長線がなす角は \(30^\circ\) です。腕の長さ \(l_3\) は、点Oから \(F_3\) の作用線に下ろした垂線の長さなので、三角比を用いて求めます。
    $$ l_3 = \text{OR} \sin 30^\circ = 0.60 \sin 30^\circ $$
    力 \(F_3\) は物体を反時計回りに回転させるため、モーメント \(M_3\) は正となります。
    $$ M_3 = F_3 l_3 $$
  4. \(M_4\) の計算
    力 \(F_4\) の作用線は線分OR上にあり、回転の中心である点Oを通ります。したがって、腕の長さ \(l_4\) は0です。
    $$ l_4 = 0 \, (\text{m}) $$
    $$ M_4 = F_4 l_4 $$

使用した物理公式

  • 力のモーメント: \(M = F l\) (\(F\): 力の大きさ, \(l\): 腕の長さ)
  • 腕の長さの求め方: \(l = r \sin\theta\) (\(r\): 回転中心から力の作用点までの距離, \(\theta\): \(r\) と \(F\) のなす角)
計算過程

与えられた値は \(F_1 = 30\,\text{N}\), \(F_2 = 60\,\text{N}\), \(F_3 = 40\,\text{N}\), \(F_4 = 20\,\text{N}\) です。また、\(\sin 30^\circ = 0.5\), \(\sin 45^\circ = \displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2}\) であり、問題の解答に合わせて \(\sqrt{2} \approx 1.41\) を用いて計算します。

  • \(M_1\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_1 &= F_1 l_1 \\[2.0ex] &= 30 \times 0.20 \\[2.0ex] &= 6.0 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_2\) の計算
    まず腕の長さ \(l_2\) を求めます。
    $$ \begin{aligned} l_2 &= 0.40 \times \sin 45^\circ \\[2.0ex] &= 0.40 \times \frac{\sqrt{2}}{2} \\[2.0ex] &= 0.20\sqrt{2} \, (\text{m}) \end{aligned} $$
    これを用いて \(M_2\) を計算します。
    $$ \begin{aligned} M_2 &= -F_2 l_2 \\[2.0ex] &= -60 \times 0.20\sqrt{2} \\[2.0ex] &= -12\sqrt{2} \\[2.0ex] &\approx -12 \times 1.41 \\[2.0ex] &= -16.92 \\[2.0ex] &\approx -17 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_3\) の計算
    まず腕の長さ \(l_3\) を求めます。
    $$ \begin{aligned} l_3 &= 0.60 \times \sin 30^\circ \\[2.0ex] &= 0.60 \times 0.5 \\[2.0ex] &= 0.30 \, (\text{m}) \end{aligned} $$
    これを用いて \(M_3\) を計算します。
    $$ \begin{aligned} M_3 &= F_3 l_3 \\[2.0ex] &= 40 \times 0.30 \\[2.0ex] &= 12 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_4\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_4 &= F_4 l_4 \\[2.0ex] &= 20 \times 0 \\[2.0ex] &= 0 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
計算方法の平易な説明

力のモーメントは「てこの原理」と同じで、「力 × 支点からの距離」で回転させる効果を計算します。ただし、この「距離」はただの距離ではなく、力の方向と垂直な「腕の長さ」を使うのがポイントです。

  • \(M_1\): 力 \(F_1\) は距離 \(0.20\,\text{m}\) の点でちょうど真上を向いているので、腕の長さはそのまま \(0.20\,\text{m}\) です。反時計回りに回す力なのでプラス。計算は \(30 \times 0.20 = 6.0\)。
  • \(M_2\): 力 \(F_2\) は斜め \(45^\circ\) にかかっています。腕の長さを出すには、三角比を使って \(0.40 \times \sin 45^\circ\) と計算します。この力は時計回りに回すので、答えにマイナスをつけます。
  • \(M_3\): 力 \(F_3\) も斜め \(30^\circ\) です。腕の長さは \(0.60 \times \sin 30^\circ\) で計算できます。反時計回りに回す力なのでプラスです。
  • \(M_4\): 力 \(F_4\) は回転の中心Oを通る線上にかかっています。これはドアの蝶番(ちょうつがい)をまっすぐ押すようなもので、回転させることができません。なので腕の長さは \(0\)、モーメントも \(0\) となります。
別解: 力を分解して求める方法

思考の道筋とポイント
力のモーメントを計算するもう一つの標準的な方法として、「力を分解する」アプローチがあります。これは、各力を回転中心と作用点を結ぶ線分に対して「平行な成分」と「垂直な成分」に分解して考える方法です。
モーメントを生み出すのは、このうち「垂直な成分」だけです。「平行な成分」は回転中心に向かうか、遠ざかるだけで回転には寄与しません。したがって、モーメントの大きさは「作用点までの距離」と「力の垂直成分」の積で計算できます。この方法の利点は、腕の長さを図形的に作図して求める手間が省ける場合があることです。どちらの方法も本質的には同じ計算を行っています。

この設問における重要なポイント

  • 力の分解: 各力を、互いに直交する2つの成分(回転中心と作用点を結ぶ線分に平行な成分 \(F_{\parallel}\) と垂直な成分 \(F_{\perp}\))に分けます。
  • モーメントに寄与する成分: モーメントの計算に使うのは、線分に垂直な成分 \(F_{\perp}\) のみです。
  • モーメントの計算式: \(M = r \times F_{\perp}\) で計算します。ここで \(r\) は回転中心から作用点までの距離です。
  • 符号の規約: メインの解法と同様に、反時計回りを正(\(+\))、時計回りを負(\(-\))とします。

具体的な解説と立式
各力 \(F_1, F_2, F_3, F_4\) を、点Oと作用点を結ぶ線分に平行な成分と垂直な成分に分解します。モーメントは \(M = r \times (\pm F_{\perp})\) で計算します。

  1. \(M_1\) の計算
    作用点Pまでの距離は \(r_1 = 0.20\,\text{m}\) です。力 \(F_1\) は線分OPに完全に垂直なので、垂直成分は \(F_{1\perp} = F_1 = 30\,\text{N}\) です。反時計回りのため正です。
    $$ M_1 = r_1 F_{1\perp} $$
  2. \(M_2\) の計算
    作用点Qまでの距離は \(r_2 = 0.40\,\text{m}\) です。力 \(F_2\) の、線分OQに対する垂直成分は \(F_{2\perp} = F_2 \sin 45^\circ\) です。この成分は時計回りの回転を生むため、モーメントは負となります。
    $$ M_2 = – r_2 (F_2 \sin 45^\circ) $$
  3. \(M_3\) の計算
    作用点Rまでの距離は \(r_3 = 0.60\,\text{m}\) です。力 \(F_3\) の、線分ORに対する垂直成分は \(F_{3\perp} = F_3 \sin 30^\circ\) です。この成分は反時計回りの回転を生むため、モーメントは正となります。
    $$ M_3 = r_3 (F_3 \sin 30^\circ) $$
  4. \(M_4\) の計算
    作用点Rまでの距離は \(r_4 = 0.60\,\text{m}\) です。力 \(F_4\) は線分ORと平行なので、垂直成分は \(F_{4\perp} = 0\) です。
    $$ M_4 = r_4 F_{4\perp} $$

使用した物理公式

  • 力のモーメント(分解法): \(M = r F_{\perp}\) (\(r\): 作用点までの距離, \(F_{\perp}\): 力の垂直成分)
  • 力の成分分解: \(F_{\perp} = F \sin\theta\)
計算過程
  • \(M_1\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_1 &= r_1 F_{1\perp} \\[2.0ex] &= 0.20 \times 30 \\[2.0ex] &= 6.0 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_2\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_2 &= – r_2 (F_2 \sin 45^\circ) \\[2.0ex] &= – 0.40 \times (60 \times \frac{\sqrt{2}}{2}) \\[2.0ex] &= – 0.40 \times 30\sqrt{2} \\[2.0ex] &= -12\sqrt{2} \\[2.0ex] &\approx -12 \times 1.41 \\[2.0ex] &= -16.92 \\[2.0ex] &\approx -17 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_3\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_3 &= r_3 (F_3 \sin 30^\circ) \\[2.0ex] &= 0.60 \times (40 \times \frac{1}{2}) \\[2.0ex] &= 0.60 \times 20 \\[2.0ex] &= 12 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
  • \(M_4\) の計算
    $$ \begin{aligned} M_4 &= r_4 F_{4\perp} \\[2.0ex] &= 0.60 \times 0 \\[2.0ex] &= 0 \, (\text{N·m}) \end{aligned} $$
計算方法の平易な説明

もう一つの考え方として、力を「回転に効く成分」と「効かない成分」に分けて計算します。「回転に効く成分」とは、中心と作用点を結ぶ線に対して垂直な方向の力のことです。モーメントは「作用点までの距離 × 回転に効く力の成分」で計算できます。

  • \(M_1\): 力 \(F_1\) はもともと線分OPに垂直なので、力のすべてが回転に効きます。そのまま距離 \(0.20\,\text{m}\) をかけて \(0.20 \times 30 = 6.0\)。
  • \(M_2\): 力 \(F_2\) のうち、回転に効く成分は \(F_2 \sin 45^\circ\) です。これに作用点までの距離 \(0.40\,\text{m}\) をかけます。時計回りなのでマイナスをつけます。
  • \(M_3\): 力 \(F_3\) のうち、回転に効く成分は \(F_3 \sin 30^\circ\) です。これに作用点までの距離 \(0.60\,\text{m}\) をかけます。反時計回りなのでプラスです。
  • \(M_4\): 力 \(F_4\) は中心に向かう方向なので、回転に効く成分は \(0\) です。したがってモーメントも \(0\) になります。

この方法でも、最初の方法と全く同じ答えになります。

解答 \(M_1 = 6.0\,\text{N·m}\), \(M_2 = -17\,\text{N·m}\), \(M_3 = 12\,\text{N·m}\), \(M_4 = 0\,\text{N·m}\)

2 剛体にはたらく力の合力

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは、剛体に働く複数の力の「合力」を作図し、その大きさと作用点を求めることです。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 力の合成(平行四辺形の法則)。
  2. 剛体の性質:力は作用線上で移動させても効果は同じ。
  3. 力のモーメントのつり合い。
  4. 平行な力の合力の大きさと作用点の求め方。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 設問(1), (2)では、力を作用線上で移動させて交点を見つけ、そこでベクトル合成(平行四辺形の法則)を適用して合力を作図します。
  2. 設問(3)では、まず合力の大きさを力の和として求めます。次に、力のモーメントのつり合いの式を立てて、合力の作用点の位置を計算します。

問(1), (2)

思考の道筋とポイント
この問題は、質点ではなく「大きさのある剛体」に力が働く場合の合力を考える点が重要です。質点であれば、すべての力は一点に働くと見なせるため、単純にベクトルの合成(平行四辺形の法則)を行うだけです。しかし剛体の場合、力が働く「作用点」が異なると、物体を回転させる効果(力のモーメント)も考慮しなければなりません。
設問(1), (2)では、剛体の重要な性質である「力は作用線上で動かしても、物体に与える効果は変わらない」という原理を利用します。これにより、作用点が異なる2つの力を、作用線の交点という一点に集めてから合成することができます。

この設問における重要なポイント

  • 剛体の特徴: 力は、その効果を変えることなく作用線上で自由に平行移動させることができます。
  • 力の合成: 2つの力の作用線が交わる場合、それぞれの力ベクトルを作用線に沿って交点まで移動させ、その交点を始点として平行四辺形の法則を適用することで合力を求めることができます。
  • 合力の作用点: この方法で合成した場合、合成されたベクトルの始点(つまり作用線の交点)が、合力の作用点となります。

具体的な解説と立式
この問題は作図問題であるため、計算式ではなく作図の手順を以下に示します。

  1. 与えられた2つの力ベクトルについて、それぞれの作用線(力を表す矢印を延長した直線)を引きます。
  2. 2本の作用線が交わる点を見つけます。
  3. 元の2つの力ベクトルを、それぞれの作用線に沿って、この交点が始点となるように移動させます。
  4. 交点を始点とする2つのベクトルを2辺とする平行四辺形を描きます。
  5. 交点を始点とし、平行四辺形の対角線となるベクトルを描きます。これが求める合力 \(\vec{F}\) です。

使用した物理公式

  • 力の合成(平行四辺形の法則)
  • 剛体の性質(力の作用線上での移動)
計算過程

この問題は作図問題のため、計算過程はありません。上記の手順に従って作図することが解答となります。

計算方法の平易な説明

2つの力が物体の別々の場所にかかっている場合、どうやって1つの力にまとめればよいかを考えます。剛体の場合、力は「綱引きのロープ」のように、その直線上ならどこに動かしても効果は同じです。

  1. まず、2つの力がかかっている方向へ、まっすぐ線を伸ばします(作用線)。
  2. 線が交わる点を見つけます。
  3. その交点から、2つの力が同時にかかっていると考えます。
  4. あとは、いつもの力の合成(平行四辺形を作る)をすれば、合力が描けます。

問(3)

思考の道筋とポイント
設問(3)は、2つの力が「平行」である場合の合力を求める問題です。平行な力の場合、作用線は交わらないため、(1)や(2)のような作図法は使えません。ここで「力のモーメント」の考え方が必要になります。
合力とは、もとの複数の力を「たった1つの力で代表させたもの」です。したがって、合力の「物体を並進させる効果」と「物体を回転させる効果」は、もとの複数の力の効果の合計と等しくなければなりません。

  1. 並進効果:合力の大きさは、もとの力の大きさの和(または差)になります。
  2. 回転効果:任意の点のまわりの「合力が作るモーメント」は、もとの複数の力が作るモーメントの和に等しくなります。

この回転効果のつり合いを利用して、合力の作用点Cを決定します。特に、作用点Cのまわりのモーメントを考えると、合力自身のモーメントは0になるため、計算が簡単になります。

この設問における重要なポイント

  • 平行で同じ向きの力の合力の大きさは、単純に力の大きさの和で求められます。
  • 合力の作用点は、もとの2つの力の間に位置します。
  • 力のモーメントのつり合い(てこの原理): 合力の作用点Cのまわりでは、もとの2つの力が作るモーメントの和は0になります。つまり、一方の力が作る時計回りのモーメントと、もう一方の力が作る反時計回りのモーメントが等しくなります。
  • モーメントのつり合いの式: \((\text{力}_1) \times (\text{腕の長さ}_1) = (\text{力}_2) \times (\text{腕の長さ}_2)\) が成り立ちます。

具体的な解説と立式

  1. 合力の大きさ \(F\) の計算
    点Aに働く力 \(F_A = 2\,\text{N}\) と点Bに働く力 \(F_B = 3\,\text{N}\) は、どちらも下向きで平行です。したがって、合力 \(\vec{F}\) の大きさ \(F\) は、2つの力の大きさの和となります。
    $$ F = F_A + F_B = 2 + 3 $$
  2. 作用点Cの位置 \(x\) の計算
    合力の作用点をCとします。点Cのまわりの力のモーメントのつり合いを考えます。点Cは、点Aから距離 \(x\)、点Bから距離 \((1-x)\) の位置にあります。
    点Aの力 \(F_A\) は、点Cを反時計回りに回転させようとし、そのモーメントは \(M_A = F_A \times x = 2x\) です。
    点Bの力 \(F_B\) は、点Cを時計回りに回転させようとし、そのモーメントは \(M_B = F_B \times (1-x) = 3(1-x)\) です。
    作用点Cのまわりでは、これらのモーメントがつり合うので、大きさは等しくなります。
    $$ 2 \times x = 3 \times (1-x) $$
    この式は、模範解答にある比の式 \(x : (1-x) = 3 : 2\) と同じ意味です。

使用した物理公式

  • 平行な力の合力の大きさ: \(F = F_1 + F_2\)
  • 力のモーメント: \(M = (\text{力}) \times (\text{腕の長さ})\)
  • 力のモーメントのつり合い: \(\sum M = 0\)
計算過程
  • 合力の大きさ \(F\)
    $$ F = 2 + 3 = 5 \, (\text{N}) $$
  • 作用点の位置 \(x\)
    「具体的な解説と立式」で立てたモーメントのつり合いの式を解きます。
    $$ \begin{aligned} 2x &= 3(1-x) \\[2.0ex] 2x &= 3 – 3x \\[2.0ex] 5x &= 3 \\[2.0ex] x &= \frac{3}{5} = 0.6 \, (\text{m}) \end{aligned} $$
計算方法の平易な説明

これは「シーソーのつり合い」の問題と同じです。

  • 力の合計: 2Nと3Nの力が同じ下向きにかかっているので、合計の力は単純に足し算して \(2+3=5\,\text{N}\) です。
  • つり合いの点(作用点): シーソーの支点をどこに置けばつり合うかを考えます。軽い人(2N)は支点から遠くに、重い人(3N)は支点から近くに座る必要があります。その距離の比は、力の大きさの「逆比」になります。つまり、Aからの距離 \(x\) とBからの距離 \((1-x)\) の比は、力の逆比である \(3:2\) になります。
    \(x : (1-x) = 3 : 2\)
    この比例式を解くと、\(x=0.6\,\text{m}\) となります。つまり、作用点はAから0.6mの点Cです。
解答 (1), (2) 模範解答の図の通り (3) \(F=5\,\text{N}\), \(x=0.6\,\text{m}\)

3 偶力のモーメント

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは「偶力のモーメント」の計算です。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 偶力の定義: 大きさが等しく、向きが逆で、作用線が平行な一対の力。
  2. 偶力のモーメントの公式: \(M = Fl\) (\(F\): 一方の力の大きさ, \(l\): 2力の作用線間の距離)。
  3. 偶力のモーメントの特徴: 回転中心の位置によらず、モーメントの値は一定である。
  4. 単位の換算: cm を m に変換する必要がある。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題で与えられた力が「偶力」であることを確認する。
  2. 偶力のモーメントの公式 \(M=Fl\) を用いて計算する。
  3. 力の向きからモーメントの符号(正負)を判断する。

思考の道筋とポイント
この問題で扱われているのは「偶力」です。偶力とは、図のハンドルのように、大きさが等しく、互いに逆向きで、作用線が平行な一対の力のことです。偶力は物体を並進運動させることなく、回転させる効果だけを持ちます。
偶力のモーメントには \(M = Fl\) という非常に便利な公式があります。ここで \(F\) は一対の力のうちの一方の力の大きさ、\(l\) は2つの力の作用線間の垂直距離です。この公式の重要な点は、回転の中心をどこに設定してもモーメントの値が変わらないことです。この問題では、この公式を適用するのが最も直接的で簡単な解法となります。単位の換算(cm → m)を忘れないように注意しましょう。

この設問における重要なポイント

  • 偶力: 大きさが等しく(\(F\))、互いに逆向きで平行な一対の力。
  • 偶力のモーメント: \(M = Fl\)。\(l\) は2つの力の作用線間の距離(偶力の腕の長さ)です。
  • 偶力のモーメントの性質: 物体を並進させる効果はなく、回転させる効果のみを持ちます。そのモーメントの大きさは、回転の中心をどこに選んでも常に同じ値 \(Fl\) となります。
  • 単位系: 力のモーメントの計算では、力はN、長さはmを基本単位とします。したがって、問題文の \(20\,\text{cm}\) は \(0.20\,\text{m}\) に換算して計算します。

具体的な解説と立式
図に示された2つの力は、大きさがともに \(F = 10\,\text{N}\) で、互いに逆向き、かつ作用線が平行です。したがって、これは偶力です。
偶力のモーメントの大きさ \(M\) は、一方の力の大きさ \(F\) と、2つの力の作用線間の垂直距離 \(l\) の積で与えられます。
ハンドルの半径は \(20\,\text{cm} = 0.20\,\text{m}\) です。2つの力が働くのはハンドルの両端なので、作用線間の距離 \(l\) はハンドルの直径に等しくなります。
$$
\begin{aligned}
l &= 2 \times (\text{半径}) \\[2.0ex]&= 2 \times 0.20 \\[2.0ex]&= 0.40 \, (\text{m})
\end{aligned}
$$
偶力のモーメントの公式は以下の通りです。
$$ M = F \times l $$
この偶力はハンドルを反時計回りに回転させます。問題の指示より反時計回りは正なので、モーメント \(M\) は正の値となります。

使用した物理公式

  • 偶力のモーメント: \(M = Fl\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
M &= F \times l \\[2.0ex]&= 10 \times 0.40 \\[2.0ex]&= 4.0 \, (\text{N·m})
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

車のハンドルを回すときのように、両手で逆向きに力を加えるのが「偶力」です。
この偶力が生む回転力(モーメント)は、片手の力 \(F\) と、両手間隔 \(l\) を掛け合わせるだけで計算できる、という便利な公式 \(M=Fl\) があります。
この問題では、片手の力は \(10\,\text{N}\) です。両手間隔はハンドルの直径なので、半径 \(20\,\text{cm}\) の2倍で \(40\,\text{cm}\) となります。
計算する前に、単位をメートルに直すのを忘れないようにしましょう。\(40\,\text{cm}\) は \(0.40\,\text{m}\) です。
あとは公式に当てはめて \(10 \times 0.40 = 4.0\) と計算するだけで、答えが出ます。

別解: 中心のまわりのモーメントの和として計算する方法

思考の道筋とポイント
偶力のモーメントの公式 \(M=Fl\) を知らなくても、力のモーメントの基本定義に立ち返ることで問題を解くことができます。基本とは「全体のモーメントは、各力のモーメントの和で計算できる」という重ね合わせの原理です。
この問題では、ハンドルの中心Oを回転の中心と考えるのが最も自然です。中心Oのまわりで、右側の力と左側の力がそれぞれどのようなモーメントを生み出すかを個別に計算し、それらを足し合わせます。この方法で計算すると、両方の力が同じ向き(反時計回り)に物体を回転させようとするため、モーメントが足し合わされて大きな回転力になることが直感的に理解できます。

この設問における重要なポイント

  • 力のモーメントの定義: \(M = (\text{力}) \times (\text{腕の長さ})\)。ここでの腕の長さは、回転中心から力の作用線までの距離を指します。
  • モーメントの重ね合わせ: 複数の力が働く場合、全体のモーメントは各力のモーメントの代数和(符号を考慮した和)で求められます。
  • 回転の中心の設定: 計算を簡単にするため、図形の中心など、対称性の良い点を選ぶのが定石です。

具体的な解説と立式
ハンドルの中心をO点とし、O点のまわりの力のモーメントを考えます。

  1. 右側の力 \(F_{\text{右}}\) によるモーメント \(M_{\text{右}}\):
    力の大きさは \(F_{\text{右}} = 10\,\text{N}\) です。腕の長さは中心Oから右端までの距離なので、ハンドルの半径に等しく \(r = 20\,\text{cm} = 0.20\,\text{m}\) です。この力はハンドルを反時計回りに回転させるため、モーメントは正となります。
    $$ M_{\text{右}} = F_{\text{右}} \times r $$
  2. 左側の力 \(F_{\text{左}}\) によるモーメント \(M_{\text{左}}\):
    力の大きさは \(F_{\text{左}} = 10\,\text{N}\) です。腕の長さは中心Oから左端までの距離なので、同じく半径 \(r = 0.20\,\text{m}\) です。この力もハンドルを反時計回りに回転させるため、モーメントは正となります。
    $$ M_{\text{左}} = F_{\text{左}} \times r $$
  3. 全体のモーメント \(M\):
    全体のモーメントは、これらの和となります。
    $$ M = M_{\text{右}} + M_{\text{左}} $$

使用した物理公式

  • 力のモーメント: \(M = F \times (\text{腕の長さ})\)
  • モーメントの合成: \(M_{\text{合計}} = M_1 + M_2 + \dots\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
M &= M_{\text{右}} + M_{\text{左}} \\[2.0ex]&= (F_{\text{右}} \times r) + (F_{\text{左}} \times r) \\[2.0ex]&= (10 \times 0.20) + (10 \times 0.20) \\[2.0ex]&= 2.0 + 2.0 \\[2.0ex]&= 4.0 \, (\text{N·m})
\end{aligned}
$$
この結果は、\(M = F \times (2r) = F \times l\) となり、偶力のモーメントの公式と一致することが確認できます。

計算方法の平易な説明

偶力の公式を忘れてしまった場合でも、基本に立ち返れば大丈夫です。ハンドルの中心のまわりの回転力(モーメント)を、右手と左手で別々に計算して、最後に足し合わせましょう。

  • 右手側の回転力: 力は \(10\,\text{N}\)、中心からの距離(腕の長さ)は半径の \(0.20\,\text{m}\) です。回転力は \(10 \times 0.20 = 2.0\)。反時計回りに回す力なので、プラスです。
  • 左手側の回転力: 力は \(10\,\text{N}\)、中心からの距離は同じく \(0.20\,\text{m}\) です。回転力は \(10 \times 0.20 = 2.0\)。こちらも反時計回りに回す力なので、プラスです。
  • 合計の回転力: 2つの回転力はどちらも同じ向きなので、単純に足し算して \(2.0 + 2.0 = 4.0\)。この方法でも、ちゃんと公式を使った時と同じ答えになります。
解答 4.0 N·m

4 重心

【設問別解説】考え方から計算プロセスまで徹底ガイド

この問題のテーマは、2つの質点からなる系の「重心」の座標を計算することです。
問題を解く上で鍵となる物理法則や概念は以下の通りです。

  1. 重心の定義とその物理的意味の理解。
  2. 重心の座標を求める公式。
  3. 座標系の原点をどこに設定するか。
  4. (別解として)力のモーメントのつり合いの考え方。

基本的なアプローチは以下の通りです。

  1. 問題で与えられた座標系に基づき、各質点の質量と座標の値を整理する。
  2. 重心の公式に、これらの値を代入して重心の座標を計算する。

思考の道筋とポイント
重心とは、物理的にはその物体(または物体系)の質量が一点に集中していると見なせる仮想的な点のことです。この点で物体全体を支えれば、重力による力のモーメントがつり合って、物体は回転せずに静止します。
複数の質点からなる系の重心は、各質点の「質量×座標」の値を足し合わせ、それを全質量で割る、という加重平均の考え方で求めることができます。この問題では、重心の公式を正しく適用することが最も直接的な解法となります。公式に代入する各質点の座標を、問題で設定されたx軸から正確に読み取ることが重要です。

この設問における重要なポイント

  • 重心の公式: 2つの質点(質量 \(m_1, m_2\)、座標 \(x_1, x_2\))からなる系の重心座標 \(x_G\) は、以下の式で与えられます。
    $$ x_G = \frac{m_1x_1 + m_2x_2}{m_1+m_2} $$
  • 座標系の設定: この問題では、球Aの中心が原点(\(x=0\))に設定されているため、計算が非常にシンプルになります。
  • 単位の整合性: 質量の単位はkg、座標の単位はcmで与えられています。重心の座標もcmで求めればよいため、単位換算は不要で、与えられた数値のまま計算できます。

具体的な解説と立式
問題で与えられた値を整理します。

  • 球A: 質量 \(m_A = 2.0\,\text{kg}\), 座標 \(x_A = 0\,\text{cm}\)
  • 球B: 質量 \(m_B = 3.0\,\text{kg}\), 座標 \(x_B = 40\,\text{cm}\)

これらの値を重心の公式に代入します。
$$ x_G = \frac{m_A x_A + m_B x_B}{m_A + m_B} $$

使用した物理公式

  • 重心の公式: \(x_G = \displaystyle\frac{m_1x_1 + m_2x_2}{m_1+m_2}\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
x_G &= \frac{2.0 \times 0 + 3.0 \times 40}{2.0 + 3.0} \\[2.0ex]&= \frac{0 + 120}{5.0} \\[2.0ex]&= \frac{120}{5.0} \\[2.0ex]&= 24 \, (\text{cm})
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

重心は、物体系の「重さの平均点」と考えると分かりやすいです。重い物体の方に重心は偏ります。
この平均点は、各物体の「質量×座標」をすべて足し合わせたものを、質量の合計で割ることで計算できます。

  • 球Aの影響: \(2.0\,\text{kg} \times 0\,\text{cm} = 0\)
  • 球Bの影響: \(3.0\,\text{kg} \times 40\,\text{cm} = 120\)
  • 影響の合計(分子): \(0 + 120 = 120\)
  • 質量の合計(分母): \(2.0\,\text{kg} + 3.0\,\text{kg} = 5.0\,\text{kg}\)
  • 重心の座標: \(120 \div 5.0 = 24\,\text{cm}\)。

これは、質量が \(3.0\,\text{kg}\) と重い球Bの方に、原点から \(24\,\text{cm}\) の位置に重心があることを示しており、直感とも一致します。

別解: 力のモーメントのつり合いで解く方法

思考の道筋とポイント
重心の公式を忘れてしまった場合でも、重心の物理的な意味である「つり合いの点」という定義に立ち返ることで解くことができます。重心Gでこの棒全体を支えたとき、棒は水平につり合うはずです。これは、重心Gを回転の中心(支点)としたときに、球Aの重力が作るモーメントと、球Bの重力が作るモーメントが等しくなることを意味します。この「てこの原理」と同じ考え方で方程式を立て、重心の位置を求めます。

この設問における重要なポイント

  • 力のモーメントのつり合い: 支点のまわりで「反時計回りのモーメント」と「時計回りのモーメント」が等しいとき、物体は回転せずにつり合います。
  • 腕の長さ: 各おもりから支点(重心G)までの距離が腕の長さになります。
  • 質量の比と距離の逆比: モーメントのつり合いから、重心は2つの物体を結ぶ線分を「質量の逆比」に内分する点であることがわかります。

具体的な解説と立式
全体の重心の座標を \(x_G\) とします。この点Gを支点として、力のモーメントのつり合いを考えます。

  • 球Aの重力によるモーメント(反時計回り):
    • 力: \(m_A g = 2.0g\)
    • 腕の長さ: \(x_G – x_A = x_G\)
    • モーメント: \(M_A = (2.0g) \times x_G\)
  • 球Bの重力によるモーメント(時計回り):
    • 力: \(m_B g = 3.0g\)
    • 腕の長さ: \(x_B – x_G = 40 – x_G\)
    • モーメント: \(M_B = (3.0g) \times (40 – x_G)\)

つり合いの条件は \(M_A = M_B\) なので、
$$ (2.0g) \times x_G = (3.0g) \times (40 – x_G) $$
両辺の重力加速度 \(g\) は約分できるので、結局、質量の比で考えることができます。
$$ 2.0 \times x_G = 3.0 \times (40 – x_G) $$

使用した物理公式

  • 力のモーメント: \(M = (\text{力}) \times (\text{腕の長さ})\)
  • 力のモーメントのつり合い: \(\sum M = 0\)
計算過程

$$
\begin{aligned}
2.0 x_G &= 3.0 (40 – x_G) \\[2.0ex]2.0 x_G &= 120 – 3.0 x_G \\[2.0ex]2.0 x_G + 3.0 x_G &= 120 \\[2.0ex]5.0 x_G &= 120 \\[2.0ex]x_G &= \frac{120}{5.0} \\[2.0ex]x_G &= 24 \, (\text{cm})
\end{aligned}
$$

計算方法の平易な説明

重心をシーソーの支点だと考えてみましょう。
支点の左側には2.0kgのおもり、右側には3.0kgのおもりが乗っています。つり合うためには、重いおもり(3.0kg)は支点の近くに、軽いおもり(2.0kg)は支点の遠くに置く必要があります。
その距離の比は、質量の「逆比」になります。
質量の比が \(m_A : m_B = 2.0 : 3.0\) なので、支点からの距離の比は \(3.0 : 2.0\) になります。
つまり、重心Gは、線分ABを \(3:2\) に内分する点です。
全長40cmを \(3:2\) に分けるので、Aからの距離は \(40 \times \displaystyle\frac{3}{3+2} = 40 \times \displaystyle\frac{3}{5} = 24\,\text{cm}\) となります。

解答 24 cm
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